Quantcast
Channel: 風のBLOG
Viewing all 419 articles
Browse latest View live

『コーカサスの白墨の輪』、いよいよ稽古も追い込みです

$
0
0

今年の夏の新作、ベルトルト・ブレヒト作/江原早哉香演出による『コーカサスの白墨の輪』の稽古もいよいよ追い込みに入りました。

風の俳優陣によるコロスの集団性、さらにレバノンのエリック・ドゥニオーが制作したパペットの批評性を駆使し、人々の有り様を描きます。

雑誌『フィガロ ジャポン』のweb版にも紹介されました。

http://column.madamefigaro.jp/decor/design/post-1595.html

昨夜は、東京新聞夕刊に掲載されましたので、風のfacebookにアップしました。

https://www.facebook.com/theatrekaze

ぜひぜひ、ご期待ください。皆さまのご来場を心よりお待ちしています。

公演情報・チケットのお申し込みは http://www.kaze-net.org へ。


夏の新作『コーカサスの白墨の輪』上演を終えて。

$
0
0

8月22日~30日、9日間の公演を行った2015年夏の新作『コーカサスの白墨の輪』(ベルトルト・ブレヒト作/江原早哉香 演出)は、連日たくさんのお客様にご来場いただき、盛況のなか千秋楽を迎えることができました。ご来場いただいたみなさま、本当にありがとうございました。

『コーカサスの白墨の輪』は今後も風のレパートリーとして、上演を続けていきたいと考えています。ぜひ次回公演にもご期待ください。

 

そして『コーカサスの白墨の輪』千秋楽の3日後には、同じブレヒトの作品であり、風の代表作である『肝っ玉おっ母とその子供たち―あとから生まれてくる人たちに』(ベルトルト・ブレヒト作/浅野佳成 演出)が文化庁“文化芸術による子供の育成事業”による四国地方の巡回公演へと旅立ちました。

四国4県(徳島県・香川県・愛媛県・高知県)で10公演が行われました。

文化庁“文化芸術による子供の育成事業”による『肝っ玉おっ母とその子供たち―あとから生まれてくる人たちに』。

物語のクライマックス。3人の子供たちを失い、雪のなか一人で幌馬車を引いていく肝っ玉おっ母(辻由美子)。全校児童・生徒が肝っ玉とかけあいでソング「平和の地に」(ブレヒト詩「子供たちの十字軍」)を歌い、舞台に参加します。

体育館に設置された『肝っ玉おっ母とその子供たち』の舞台で、先生方とリハーサルが行われました。

本番当日の午前中。思い思いに舞台の道具や舞台裏を体験する児童さんたち。

全校児童・生徒の参加場面を引き継ぎ、校長先生や先生たちが出演者と一緒に「あとから生まれてくる人たちに」の詩を朗読します。

カーテンコールで。共演した先生たち、子どもたちと。

ブレヒトの新作上演を終えて間もなく、再びブレヒトの作品で各地の子どもたち、想いを持った先生たちと出会う機会は、私たちにとっても貴重な時間となりました。見る、聞く、感じる力を使って共に舞台をつくってくれた児童・生徒のみなさん、すてきな共演をありがとうございました!

みなさんの真剣な眼差しや、人を支えようとする一人一人の勇気を私たちも忘れません。

公演の様子は、各地の新聞やケーブルTVでもたくさん紹介されました。

(「愛媛新聞」に掲載された公演の記事より)。

『コーカサスの白墨の輪』の上演、そして『肝っ玉おっ母とその子供たち』の2週間の巡回公演を終えて、東京演劇集団風は2015年秋の巡回公演へと旅立ちます。旅の様子は随時このBLOGでお伝えしていきます。

今年もたくさんの出会いと発見が生まれることを願って―。いよいよ秋のツアーがスタートします!

2015年秋九州地方を巡演する、『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』

作:松兼功 演出:浅野佳成

出演 ヘレン・ケラー:倉八ほなみ/アニー・サリバン:高階ひかり ほか 2015年9月24日~12月18日

☆12月25日[金]~27日[日]には、レパートリーシアターKAZEで凱旋公演を行います。

 

2015年秋西日本、東日本地域を巡演する、『ハムレット-to be or not to be』

作:ウィリアム・シェイクスピア 演出:浅野佳成

出演 ハムレット:佐野準/クローディアス:柳瀬太一/ガートルード:柴崎美納 ほか

2015年9月25日~11月6日

 

2015年秋『ハムレット』ツアー 第一&二週目

$
0
0

一年ぶりにスタートした『ハムレット』ツアー、約一月半の間に南は山口県から北は秋田まで駆け巡ります!

 

9月25日 福山市立福山中学・高校(広島県)

9月28日 防府高校(山口県)

9月29日 広島大学附属東雲中学校(広島県)

9月30日 関西大倉中学・高校(大阪府)

10月1日 和気閑谷高校(岡山県)

10月2日 関西高校(岡山県)

 

 

福山市立福山中学・高校

ツアー初日は広島県福山市から。

トップの画像はその開演前の様子、司会の先生が子供たちに演目に関する質問をしながら会場を盛り上げてくださいました!

初日に相応しい興奮に包まれ、舞台も客席も大きな熱が生まれていくように感じました。

 

そして終演後は演劇部の皆さんと舞台裏見学と座談会。

↑舞台裏見学会の様子。中学生も高校生も入り混じって楽しんでくれました。

座談会では『ハムレット』の感想や質問だけでなく、彼らが一月後に発表する舞台稽古も見せてもらいました。彼らだからこそ出来るパワーを感じ、見ている自分も活力をもらいました。

↑最後は会館のステージで1枚。

 

 

防府高校

週を跨ぎ今度は劇団員緒方一則の母校の防府高校体育館での上演。三年生は2年前に『ヘレン・ケラー』を観ており、久しぶりの再会となりました。

 

まず公演前日の搬入作業、バスケ部の皆さんが掛け声を出しながら手伝ってくれました。

 

彼らのおかげで立派な舞台が完成し、生徒の皆さんも終始真剣な眼差しを向けてくれた本番でした。

そして終演後、担当の先生が「舞台裏を見てみたい人はこのまま残ってください」と伝えると…なんと百人ほどの生徒さんが残ってくれました!

舞台上や舞台袖だけでなく照明&音響席も子供たちに囲まれていました(笑)

 

その後、生徒会や部活の皆さんが撤去作業を手伝って頂き、みんなで集合写真。

 

 

広島大学附属東雲中学校

ツアー三校目は四年前に文化庁の事業で『星の王子様』を上演した東雲中学校へ、PTA主催の行事ということで会場の体育館には50人も保護者の皆さんも駆け付けてくださいました。

同じ時間を共有した子供たちとお父さんお母さんが家でどんな話をするのか、個人的にとてもワクワクした公演でした。

終演後の昼休みには体育館では舞台裏見学、図書室では座談会が行われました。

↑体育館に出来た特設ステージ、その裏側を見てもらっています。

↑舞台袖では子供たちが様々な衣装を着てみています。

↑これは!間違いなくオフィーリアの埋葬シーンの再現ですね!

 

写真はありませんが、座談会も生徒保護者それぞれの感想・質問が飛び、「子供たちはこんなことを感じるのか」「大人はこんな質問をするのか」とお互いに発見があった時間だったのではないかと思いました。

 

 

関西大倉中学・高校

広島から一気に大阪に駆け上り、関西大倉中学・高校内の講堂ハイブリッドホールでの公演。この学校では過去にも五回公演をさせて頂き、多くの劇団員にとって思い出深いホールです。午前・午後二回の公演でしたが、午前中はじっくりと集中して、午後は笑いや拍手を交えながら、それぞれの学年の色を見せてくれた客席でした。

↑ホール前の彼ら観劇を楽しみにしてくれています。

↑終演後のカーテンコール。握手をした男の子から「汗びっしょり!?」と言われました(笑)

↑公演後、和太鼓部の皆さんと!

 

 

和気閑谷高校

和気閑谷高校は創立記念行事の中での公演でした。朝学校の体育館で式典を終えた彼らが、会場となった総合福祉センターに続々と集まってきます。

 

担当の先生が「とても良い鑑賞態度でした」といっていただけるほど集中して舞台を見つめてくれた彼ら代表の生徒さんの言葉にも熱がこもっており本当に嬉しかったです。

 

終演後は演劇部の皆さんとの交流。なかなか彼らのポーズも決まってますよね!

 

 

関西高校

週の最後は岡山県の関西高校、‘関西’と書いて‘かんぜい’と読みます。県内唯一の男子校だそうですが、男子校出身の僕としてはどこか懐かしい雰囲気でした。

「え!?」「うわっ!?」「すげぇ!」、彼らのリアクションがそのまま返ってくる公演でまるで舞台と客席が掛け合いをしているようでした。

 

冒頭に書いたとおり、『ハムレット』のツアーは11月上旬まで続きます。

 

これから、どんな出会いが待っているのか皆さんも楽しみにしていただければ幸いです。

 

 

ハムレット役 佐野準

 

 

 

2015年秋『ハムレット』ツアー 第三週目

$
0
0

(トップの画像は岐阜大学教育学部附属中学校での1枚)

 

10月5日 岐阜大学教育学部附属中学校(岐阜県)

   6日 駿河総合高校(静岡県)

   7日 新発田南高校(新潟県)

   8日 飛騨神岡高校(岐阜県)

   9日 恵那農業高校( 〃 )

 

第三週目は、中部日本を一周するようなコースでした。

 

 

岐阜大学教育学部附属中学校

 この学校は文化庁の教育支援事業「文化芸術による子供の育成事業」で、この2月に『肝っ玉おっ母とその子供たち』を全校生徒が参加し公演したばかり。

8ヶ月ぶりの再会という喜びの中で、生徒達は様々なことを発見しては応答しながら『ハムレット』を見ている姿が印象的でした。

 

この学校では全クラスによる演劇発表会が30年以上も伝統として続いており、終演後もメモを片手に熱心に質問する姿があちこちで見られました。

↑養護学級の皆さんから、手作りのプレゼントも頂きました。

 

 

駿河総合高校

 駿河総合高校は静岡市民文化会館での公演でした。風はこの学校では初めての公演です。

↑舞台袖には司会を務めてくれた図書委員の皆さん、開演前の様子。

 

強い集中力で舞台を見つめる客席に突き動かされた公演だったと思います。

↑こちらは終演後、お疲れ様でした!

 

終演後には、三人の生徒が楽屋を訪ねてくれ、急遽ハムレット役の佐野準を囲んで座談会が行われました。

図書委員の生徒は舞台裏の様子に関心をもち、演劇部の生徒にとっては様々な演出が印象的だったようです。

 

 

新発田南高校

 新発田南高校は生徒1070人がびっしりと座る体育館での公演でした。

 

体育館のフロアに舞台を設営している時に見学に訪れた教頭先生が

「こんなに大がかりで、劇場仕様ですね!楽しみです」

と喜んでおられました。

 

公演は文字通り熱気に溢れる体育館となりました。

公演後の撤去・後片付けには、男女バレー部・男女バスケ部、そして有志の生徒達が手伝ってくれ、交流の場ともなりました。手伝ってくれた皆さん、有り難うございました。

 

同時に応接室では演劇部・生徒会との座談会も行われました。

 

 

飛騨神岡高校

 実は飛騨神岡高校は、去年公演の予定だったのですが、台風のために一年順延となった学校です。

 

先日ノーベル物理学賞を受賞された梶田さんの研究施設スーパーカミオカンデが、この神岡にあり、町をあげて盛り上がっていました。

 

「去年は本当に楽しみにしていましたが中止になり、今年こそ『ハムレット』を観られると、二倍楽しんでみることが出来ました」と挨拶してくれた生徒会長さんの嬉しい言葉に代表されるように、熱心に舞台を見つめる彼らの視線と僕たちの視線とが、いくつも交錯する本番でした。

 

終演後の撤去・後片付けには三年男子と有志の生徒達が手伝ってくれ、賑やかな交流の場となりました。

また校内のランチルームでは座談会が行われ、舞台のことだけでなく、彼らから神岡の魅力を沢山教えてもらいました。

 

またロボット部がロボットボクシングの世界大会に招待されたとのことで、部室を取材させてもらいました。頑張って下さい。

 

バスが学校を出発する時には生徒達が見送ってくれました。

 

 

恵那農業高校

 恵那文化センターでの公演で、生徒会役員と文化委員が希望して実現した公演だそうです。

 

身を乗り出して見ている生徒もおり、客席のひとりひとりの中に「To be or not to be」を抱きながら芝居を見ているということが伝わってくる公演でした。

 

温かい拍手に包まれたカーテンコールでは、学校で作っているジャムを頂きました。

 

恵那農業高校では、今月下旬に各クラスがステージ発表が行われるということで、終演後のバックステージツアーと座談会には約50人もの参加がありました。

 

 

『ハムレット』の旅は、これから東北へと続きます。

誰のために、何のためにこの芝居があるのか。ーそれをしっかりと手放さずに、また新たな発見の旅にして行きたいと思います。

 

クローディアス役 柳瀬太一

『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』九州巡回公演第1・2週目

$
0
0

『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』九州巡回公演がスタートしました。
ツアーメンバーの一人一人が自身の芯を持ち、瞬間の出会いを求め、向かった九州巡回公演第1・2週目。
 

9月24日(木) 福岡県 明善高校 久留米市民会館
   25日(金) 長崎県 聖和女子学院中学・高校 佐世保市民会館
     28日(月) 宮崎県 宮崎第一中学・高校 宮崎市民文化ホール
     29日(火) 大分県 大分大学教育福祉科学部附属中学校 同校体育館
10月1日(木) 福岡県 福岡教育大学附属小倉中学校 同校体育館

 

明善高校


今年の『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』九州巡回公演の第一日目、初日となる公演でした。
校長先生の「みなさんも一緒に作る舞台です。」という開演前の挨拶の言葉を受け取った生徒さんたちの舞台に向ける真剣な眼差しと態度、笑い声やリアクションの中で共にいて、共に作った舞台であったと思います。

 

生徒会長さん「人を信じることの大切さ、人に支えられているということを改めて実感することができました。」

生徒さんの中の希望者が集まった座談会は盛り上がっている様子でした。

 

 

聖和女子学院中学・高校


開場すると生徒さんたちの弾けるような元気な声とステージに組まれた舞台に驚く声、歓声がホール中に響いていました。
そのリラックスした様子を保ち、目の前の出来事を自分たちで物語を描くようなそれぞれの自由な感覚で、舞台に目を向けていたように感じる公演でした。


 「サリバン先生が一生懸命ヘレンに向き合っている姿やヘレンがそれに答えようとしている姿、心が通じ合っていく二人の姿が伝わってきました。」と涙を堪えながらも一生懸命に言葉をかけてくれる生徒会長さんの思いを感じました。






 生徒さんたちの希望で行った舞台見学。

 

演劇部と希望者のみなさんと行った座談会は、それぞれが今向き合っているものに対する情熱が伝わって来る時間となりました。

 

 

 

宮崎第一中学・高校

生徒さんたちと保護者の方々、合わせて約1400人もの客席が生み出す圧倒的な空間と、その集中した眼差しを、呼吸を感じられる公演でした。

 

「何事も諦めないサリバン先生のような人でありたいです。」とその場で生まれた言葉と生き生きとした生徒会長さんの声にパワーをもらいました。

 

退場時に役者が去った後の舞台を見ていた生徒さんたちにスタッフが声をかけ、
急遽行われた舞台見学。
「部活があるので座談会に参加することができないから」と声をかけてくれた生徒さんたちもたくさんいました。
言葉をかわすことができ、そのわずかな時間も大切な時間でした。

 

演劇同好会、希望者のみなさんが集まった座談会の方も与えられた時間いっぱいに行われました。

 

大分大学教育福祉科学部附属中学校


今年で10回目であった、大分大学教育福祉科学部附属中学校での公演。
生徒さんたちの凄まじい集中力と舞台への熱い視線で体育館という空間を一気に劇場と化し、客席と近い距離であるからこそ見える表情や聞こえてくる声の中で共に創った劇場空間でした。

 

 

公演後に行われた舞台見学と座談会の様子。
3年生が10月に自分たちで舞台を創るということで、キャスト班は役者との座談会、スタッフ班は劇団のスタッフと舞台見学と分かれて行われました。
熱意、不安など初めて創る自分たちの舞台への様々に揺れ動く彼らの思いが、質問の中身や劇団員の言葉を真剣に聞く姿からひしひしと伝わってくる座談会、舞台見学でした。

 

 

福岡教育大学附属小倉中学校


風が訪れるのは今回の公演が初めてであった、福岡教育大学附属小倉中学校での公演は様々な出会いのある公演でした。
生徒さんたちのぐっと向ける真剣な眼差しと、緊張感のある空間の中でそれぞれの熱が伝わって来る舞台であったと感じました。

カーテンコール時に学校からの要望で行われた演劇教室。
私たちも初めての体験でしたが、3年生がこれから自分たちで舞台を創るということで3年生の主役を演じることが決まっている生徒さんたちが舞台上に上がり、全校生徒の代表として、そして先輩として、事前にみんなの意見を出し合って決めた質問事項を全校生徒の前で役者に質問し、全校生徒もその姿を見、聞くというものでした。
その3年生が背負った責任感と間近に迫ってる自分たちの舞台への熱意を感じる演劇教室と3年生の姿を見て、劇団員の受け答えに真剣に耳を傾ける全校生徒の姿勢に少しの緊張感を与えられ、自身の何かを奮い立たせられる20分間でした。 

 

朝の早い時間から貴重な時間を割いて道具の運び入れに手を貸して下さった先生方と生徒会の生徒さん、部活動の生徒さんたちが舞台撤去に一生懸命手伝ってくれたました。

 

 

 

『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』九州巡回公演、第1・2週目を終えた私たちは、彼らの”見る力”を信じ、彼らと共に創る一回一回の公演を、客席と舞台がひびき合う空間を求めて駆け巡ります。

アニー・サリバン役 高階ひかり

 

 

2015年秋『ハムレット』ツアー 第四週目

$
0
0

連休を挟んで再びレパートリーシアターKAZEから出発した旅は、今週、香川県三豊市からひと息に、秋田までを縦断しました。

10月13日 高瀬高校(香川県)
15日 仁賀保高校(秋田県)
16日 秋田中央高校(秋田県)

高瀬高校

高瀬高校では3年前に『ヘレン・ケラー ひびき合うものたち』を上演しました。
生徒にとって3年間に1度しかない観劇の機会を、「また風に任せたい」と期待くださった先生方の信頼を、嬉しく胸に刻みます。

(トップ画像は開演前の様子)

500人程の生徒たちとの体育館公演。
舞台に起こる出来事、俳優の小さな動きまでをじっと見つめる顔、顔、顔が舞台からも生き生きと見られ、印象的な公演でした。

今日は朝の設営準備と終演後の片付けを、吹奏楽部の皆さんが手伝ってくれました。
片付けにはまた、バレー部、バスケ部、バドミントン部、サッカー部をはじめ、総勢150人くらいが入れ替わりつつ、加わってくれました。
みんなとっても積極的に、元気に参加してくれ、大盛り上がりの片付けとなりました。


皆さん本当にありがとう!

暮れていく夕陽の眩しい体育館で、劇団員と生徒、先生方と、共有した時間を互いに持ちながらワイワイと舞台の撤去。
皆と過ごすひと時が、ひときわ愛おしく感じられました。

↑バスを見送ってくれた皆さん。



仁賀保高校

日本海に面した美しい象潟に位置する仁賀保高校。2003年にやはり『ヘレン・ケラー ひびき合うものたち』で訪れています。

体育館に入場してくる生徒たちの中から、「うわぁ、すげえ!」と声があがるのを耳にして、舞台裏で秘かににんまり。
開幕すると、客席からの視線をひしひしと感じる公演でした。

カーテンコールでは生徒会長さんが、「挨拶をすることになって、何を言ったらいいかと原作を読んだりいろいろしたけど、よくわからなくて。でも今日観ていると、自分の耳や目や身体からスラスラと内容が入ってきて…」と、客席に座っていた臨場感そのままに、楽しそうに話してくれました。


その言葉と様子に、「ちょっと泣きそうになっちゃって」と、客席の一番後ろに座る照明プラン・オペレーターの坂野貢也が、いつになく早くステージ裏の楽屋に戻ってきました。
それぞれが、自身の感覚をー身体中を沸き立たせてここにいる。舞台と観客、ひとりひとりの存在を、確かに感じる公演でした。

舞台撤去にはテニス部、生徒会、そして有志の生徒の皆さんが参加してくれました。とても積極的に動く生徒たちの姿に、先生方も驚いていたようです。

「これで、今日みんなとつくったハムレットの舞台はすっかり片付けられ、元の体育館になりました。もし残っているとすれば、みんなの心の中だけです。」過ぎていく儚い時間、生命もまた儚く、だからこそ大切になもの。
座長の柳瀬がいつも、撤去を手伝ってくれた皆さんに話します。




秋田中央高校


2012年に『ヘレン・ケラー ひびき合うものたち』を公演しました。

舞台設営の午前中には、市内の中学生が職業体験で会館を訪れていて、バックステージツアーを行いました。



今日は秋田市文化会館での公演。楽屋のモニターに生徒たちが入場する元気な声が聞こえてきます。
「劇団の皆さんを拍手で迎えましょう。」
先生の声で開演し、まだざわざわと笑い声や話し声のする客席が、国王の台詞やハムレットの動きに徐々に注目し、劇場の空気を変えていきます。
「人のずるさや、ドロドロした感情、ハムレットの思いが感じられ面白かった。」生徒会長さんが挨拶した後に客席から起こった拍手は、皆さんの共感でしょうか。
2度のカーテンコールの後にも、鳴り止まない拍手が続きました。

撤去の時間には、演劇部の生徒と顧問の佐藤先生が舞台裏を見学、ハムレット役の佐野が客席で座談の場を持ちました。また彼らの質問に応じて照明の坂野、音響の酒見も登場。


今日は秋田出身の女優・白根有子のご両親がたくさんの差し入れを携えて、楽屋を訪ねてくださいました。ありがとうございます!


また白根の恩師であり、風と長くお付き合いのある三浦基先生も、観劇に駆けつけてくださいました。全国各地に紡がれた方々との繋がりは、わたしたちの大切な宝です。

白根はいま、文化庁「文化芸術による子供の育成事業」での『星の王子さま』公演の事前ワークショップのために、芸術監督・演出の浅野佳成、演出の江原早哉香たちと九州を巡回中。この時期は、九州巡回公演中の『ヘレン・ケラー』と併せて、多くの劇団員が旅の空です。


『ハムレット~to be or not to be』。
作品を介し、ひとりひとりが様々な意見を持ちながら集う場の豊かさに、演劇の可能性を見つめ、中日を過ぎた旅の後半に向かいます。

 

ガートルード役 柴崎美納

『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』九州巡回公演第3週目

$
0
0

『ヘレン・ケラー ~ひびき合うものたち』第3週目の公演は佐賀から長崎、福岡から広島、そして福岡の小倉へと続いていきました。


10月5日(月) 佐賀県   神埼中学校 神埼市中央公民館
    6日(火) 長崎県   川棚高校 同校体育館
       7日(水) 福岡県 筑紫女学園中学・高校 同校講堂
       8日(木) 広島県 世羅高校 世羅町せら文化センター

   9日(金) 福岡県   小倉西高校 同校体育館


神埼中学校




神埼中学校は風の上演が3回目です。とても元気の良い生徒さんたちでした。開演前、先生もやんちゃな子供たちがちゃんと観てくれるのか心配気味でしたが、公演後は大変喜んでくれた様子でした。 上演したホールとグランドを挟んでとなりの中学校。後片付けが終わって次の公演地へ出発する時には下校中の女子生徒さんがアニー役の倉八ほなみとサリバン先生役の高階ひかりと楽しそうに今日の公演の感想を話していました。

 

川棚高校

 

 

 

 



川棚高校は今回が4回目。テスト最終日の公演でした。徹夜明けの生徒さんもいたのでは?
その開放感もあったのか、劇場に変わった体育館に入場する時には、感激の声がひびいてきました。生徒会と運動部の元気な生徒さんのお手伝いのおかげであっという間に撤去も終わりました。ご担当の先生も「またお会いしたいですね」と言っていただき、バスとトラックの出発にはたくさんの先生方、生徒さんに手を振って送ってもらいました。


筑紫女学園中学・高校



筑紫女学園中学・高校は5回目の公演です。今旅初めての2回公演でした。二千人を超えるおおきな学校です。女子校の和やかな感じが舞台にはね返るようなステージでした。去年の九州ツアーの初日だった門司大翔館高校でお世話になった先生もこちらにいて1年ぶりの再会に劇団員も喜びです。風を応援していただきありがとうございました。


世羅高校


 

一路広島県の福山へ。春の『ジャンヌ・ダルク』千秋楽の公演予定だった世羅高校。台風の影響でやっと今日の公演の日を迎えることができました。快晴の空のもと、心待ちにしてくれた皆さんと出会えたことを一同嬉しく感じます。最初から最後までの客席の強い集中力は、やっとこの日を迎えられたことの現われだったのだと思います。その日のうちにその感動を手紙で書いてくれ、劇団に送ってくれた生徒さん、ありがとうございました。直筆の手紙はなんだか久しぶりのような気がして、嬉しいです。《生きている》ということ、《手と手で感じあえる》ということ、大切なことだと感じます。ありがとうございました。


小倉西高校







小倉西高校も5回目の上演です。劇団員の柳瀬太一の母校です。文化祭ということもあり、生徒のみんなも元気いっぱいです。 校長先生もこの日を心待ちにしてくれていました。翌日、文化祭に出向いた劇団員とも再会。映画『奇蹟の人』と風の上演の違いについて、大変興味深く感じて下さいました。そして、前日の公演の出演者たちは生徒さんと楽しいひと時を過ごさせていただきました。ありがとうございます。

アナグノス役 緒方一則

『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』九州巡回公演第4週目

$
0
0

 トップの写真は公演で生徒さんから頂いた、石窯で焼いたピザです!

公演で差し入れを頂くことはありますが、焼きたてのピザは旅班揃って初めての経験でした。とっても美味しかったです!本当にありがとうございました!!


 さて、『ヘレン・ケラー ~ひびき合うものたち』九州巡回公演も第4週目を迎えました。

九州地方といえども、徐々に季節の移り変わりを肌で感じるようになりました。

 
10月13日 福岡県 嘉穂高校・附属中学校 同校ホール・潤陵舘

14日 佐賀県 唐津西高校 唐津市民会館

15日 鹿児島県 伊集院高校 日置市伊集院文化会館

16日 鹿児島県 伊佐農林高校 同校体育館

 

嘉穂高校・附属中学校



嘉穂高校・附属中学校での公演は6年振りとなります。同校のホール『潤陵舘』で行われました。このホールは創立百年を記念して建てられたのだそうです。生徒の皆さんがこのホールを大事に使っている様子がとても印象に残っています。
公演前日の搬入の際には、建物のあちらこちらから吹奏楽部のパート練習が聞こえてきました。

 


開場してからは、応援団の皆さんの指示の下、中学1年生から高校3年生までの6学年が速やかに、静かに整列していきます。
開演前の副校長先生の挨拶では『生徒の皆さんが一流になるには、一流のものを観てもらいたい』と生徒の皆さんに向けてのメッセージ。

開演してからは、6学年が一緒に観ていることもあり、舞台上の出来事について様々な反応がありました。
驚くところや、自分が面白いと思ったところでは臆すること無く反応が帰ってきます。
1000人近い客席がまるで一つになったよう、そう感じられる空間になったと思います。

 

終演後、 御礼の言葉と花束を頂きました。素直な感想どうもありがとうございました!

撤去作業作業中にも我々に声を掛けてくれる生徒さんや部活動の活気のある歓声や練習の演奏など、校内が生徒の皆さんの沢山のパワーに溢れているように思いました。勉学に、部活に、これからも頑張って下さい!


唐津西高校



嘉穂高校・附属中学校での公演を終えて、旅班は佐賀県唐津市へ。
唐津西高校での公演は4度目。何と17年ぶりの『ヘレン』の上演となりました!
アーサー・ケラー(ヘレンの父)役、酒井は17年前にもアーサー役で出演していました。

世代が変わろうと、17年の時を経て、また唐津西高校の皆さんと出会えた事は何よりの喜びです!



開演前の挨拶では『2歳で三重苦となった少女に良い事、悪い事、そしてマナーをどう教えられるでしょうか』『観客は舞台をただ鑑賞するだけでなく、その舞台に参加する、向き合う事で観客と舞台の関係は大きく変わる』と生徒の皆さんにこれから始まる舞台への橋渡しをしていただきました。



カーテンコールでは図書委員長さんから『舞台上で本物の水が出た事に驚きました』との言葉、そして記念品のお菓子をいただきました!

終演後の呼び掛けで、舞台見学と座談会も開かれました。



実際にポンプに触れてみてどうでしたか? ポンプを漕いでみると案外重いんです。



座談会では積極的にたった今観た舞台の感想や劇団について、舞台、俳優について・・・、様々な質問が飛び交いました。
将来の目標の、参考になりましたか?
またどこかでお会い出来ることを楽しみにしています!ありがとうございました!


伊集院高校

 



伊集院高校での公演は何と7度目! 2年前の『Touch ~孤独から愛へ』振りの上演です。なので、3年生は私達『風』とは再会、ということになります。緞帳で隠されていない舞台を観ながら、2年前の出会いを少しでも思い出していてもらえたら嬉しいです。
開演前には、他校の先生が風へと書いて下さった原稿を引用しながら、『奇跡の人、と言われているヘレンとアニーの物語を感じて欲しい』との言葉が。



『ヘレンやアニーのように、人が人を理解しようとする、わかろうとする気持ちが、ひびき合うことなのだと思います。』との御礼の言葉、花束をいただきました。



終演後はヘレンとアニーがロビーでお見送り。
先程まで舞台上にいた俳優が目の前にいてビックリしたと思いますが、帰り際手を降ったり、声を掛けてくれたりと、思い思いに今日感じた気持ちをそのままぶつけてくれました。



最後の方に退場してきた3年生のあるクラスの皆さんとは立ち止まってすっかり座談会のように盛り上がりました。皆さんパーシー(ヘレンの友人役)がお気に入りのようで、パーシー役の石岡を呼んできての記念写真!皆同じポーズ!約束通り記念写真をブログに使用させてもらいました!ありがとうございました!


伊佐農林高校



公演当日、学校の体育館の入口にはこのような手作りの看板が!ありがとうございます!



伊佐農林高校での公演は16年振り!
天井から吊り下がっている照明、体育館一杯に広げられた背景幕、そしてモノトーンで統一された舞台装置・・・。
普段の体育館がいつの間にか劇場へと変わっています。
開場後の体育館からは『大掛かりなセット!』『本格的!』と生徒さんからの感嘆の声が。
先生方も生徒と一緒になって体育館の変貌に驚いていらっしゃるようでした。
また、校長先生は前任校で『ハムレット』をご覧になっているそうです。また再会出来たことを嬉しく思います!



カーテンコールでは御礼の言葉と学校で作っている豚味噌の缶詰『更正之素』をいただきました。
何と80年以上もの歴史があるもので、とても人気のある缶詰だそうです。今度おいしくいただきます!
 



撤去作業を有志のせいとの皆さんと共に進めていると、何とピザの差し入れ!
学校脇にある石窯でたった今焼けたピザを持ってきてくれました!ありがとう!温かいうちに全部いただきました。
ご馳走様でした!



有志の生徒の皆さんの協力で、撤去作業もはかどります。作業をしながら、俳優やスタッフに気軽に声を掛けてくれて、公演の感想や質問を投げかけてくれました。トラックに様々な道具が積み込められていきながら、体育館のあちらこちらで笑い声が絶えない、そんな撤去作業となりました。

おかげさまで予想していた時間よりもとても早く作業を終えることが出来ました!



最後に皆で記念撮影!皆さん本当にありがとうございました!
そして学校を出発する際にはピザを差し入れてくれた生徒さん達が校門で私達を見送ってくれました。
またいつかお会い出来る事を楽しみにしています!

『ヘレン・ケラー ~ひびき合うものたち』ツアーが始まっておよそ1ヶ月が経ちました。様々な地で、多くの方々との出会いや再会を繰り返しながら、また新しい出会いを求めて旅班は公演を続けています。
一つ一つの公演が、小さな一つ一つの想いが、それぞれ一人一人に、少しでも響く事、届く事を願いながら・・・。

そして旅班はまた次の公演の地へと向かいます。来週は福岡県からスタートします。

文:渡辺雄亮(音響)


2015年秋『ハムレット』ツアー 第五週目

$
0
0

先週の秋田中央高校の公演から秋田でそのまま休日を過ごし、ツアーの中日が過ぎた今週、東北から東海へと再び北から南へと縦断していく一週間でした。

 

10月19日 由利高校(秋田県)

   20日  秋田北高校(秋田県)

      21日  清水南高校・同中等部(静岡県)

      22日  日本大学三島中学校・高校(静岡県)

   23日 茂木高校(栃木県)

 

由利高校

 由利高校では2000年に『Touch—孤独から愛へ』2003年に『星の王子さま』を上演以来、ひさしぶりの公演となります。今は共学ですが、女子高時代の筆者(工藤順子)の母校です。私を含め、今回で2度目の来校となるメンバーも何人かいます。

 真新しい体育館での公演でした。

 体育館に入ってくる生徒たちの先輩に挨拶する声が飛び交い、かつての懐かしい時間がふと蘇ってきました。集中したまなざしの中にプッと笑いがあったり、うれしそうに見ている顔が印象的でした。

 終演後に担当の先生から「工藤さんは実は由利高卒業生です」と紹介をいただき、一瞬のどよめきのなか、私も興奮した気持ちで挨拶させていただきました(トップの画像はそのときの様子)。学校の体育館で上演できたことは、ひときわ感慨深いものがあります。

 

 終演後にはバスケット部、野球部、生徒会そして演劇に興味のある人やボランティアで参加してくれた生徒さんが30人以上集まり、舞台の撤去を手伝ってくれました。

↑この3人は撤去の様子を最初から最後まで見守ってくれていました。

 役者やスタッフと交流する生徒さんの姿もありながら、あっという間に、日常の体育館に戻りました。

 

 一人ひとりが喜びや、失敗も含めて経験したことを大切に、夢をもって生きていってほしいと強く願っています。先生方、生徒のみなさん本当にありがとうございました。

 

秋田北高校

 一階席に700人の生徒さんたち、二階席には「あげまきの会」の同窓生の皆さん、保護者の方々200人位が観劇に訪れました。前回上演した『ヘレン・ケラー』の公演の時にも100人以上の「あげまきの会」同窓生の皆さんがいらっしゃったそうです。

 劇団員の母校公演が続きます。今回の公演では出演していませんが、この学校は白根有子の出身校です。

 

 開場時のにぎやかな声から、放送部の生徒さんのアナウンスで、一変して集中し最初から最後までじっと静かに、そして熱く舞台を見つめるまなざしとともに舞台が創られていきました。

↑舞台袖での放送部の打ち合わせ風景。

 カーテンコールでは、文化庁「文化芸術による子供の育成事業」で『星の王子さま』公演の事前ワークショップで九州を巡演している白根から、メッセージが届き、放送部の生徒さんに舞台上で読んでいただきました。

 「仲間をつくること、今の自分を信じて大切にして学校生活を送って下さい」と演劇部に所属し、卒業後、風に入団してその経験のなかで、後輩たちに向けられた言葉に会場からは熱い拍手が送られました。拍手は鳴りやまず、見ているときの緊張感から解き放たれ、「ハムレット!」とあちらこちらからかけ声が聞こえ、元気に手を振ってくれる生徒、同窓生の皆さん。ここにしかない“演劇”を見る喜びをともに感じた日でした。

 その後、トラックに荷物を積み込む搬入口のそばに興奮さめやらぬ生徒さん達が、大勢集まってきてくれました。

 公演後は演劇部の皆さんとの座談会が行われました。

 

 ここから旅班は秋田から一気に静岡県の清水に向かいました。

 

清水南高校・同中等部

 この学校では音楽や表現の授業があり、生徒さん方は舞台に立つ機会もあるそうです。

 「本物の舞台を、本物の目で見ましょう」という榊原副校長先生のご挨拶とともに開演しました。開演前に先生方が生徒さんにかける言葉には、演劇鑑賞に対してのさまざまな思いや願いが込められており、私たちにとっても舞台と客席を繋いでゆく大事な瞬間です。

 ハムレットの言葉、一言一言を逃さず聞いている姿、作品世界と対峙しながら舞台を見るまなざし。一人ひとりの問いかけや沈黙のなかに対話が生まれてくるような上演でした。

 「シェイクスピアの『ハムレット』は公演前に読み、おもしろいと思いましたが、より一層楽しめ、感動しました」と図書委員長さんのご挨拶の言葉をいただきました。

 終演後には、声楽、演劇などの芸術を志す生徒さん方と客席で座談会が行われました。和気藹々としながら話が弾み、ハムレットが水槽に入るシーンでは一緒に息を止めてしまったという生徒さんもいました。

 

↑バスの出発を見送ってくれた体育の先生、舞踊家になる夢を語ってくれた生徒さんたち。東京での再会を約束しました。

 

 

日本大学三島中学校・高校 

 こちらの学校では『星の王子さま』『ヘレン・ケラー』を過去2回ずつ上演してきた学校です。今回は中学1,2年生、高校1年生の3学年の生徒さんが鑑賞しました。

 開演前に「おもしろいところでは思いきり笑い、悲しいところでは悲しんでください」と担当の先生のご挨拶で盛り上げていただき、生徒さん方もリラックスした状態で開演。

 先生の言葉通りに時には思い切り笑い、そして人間の生と死をじっと見つめるまなざしが印象深く残りました。公演後、マイクを使わず会場に届く声で挨拶してくれた代表の生徒さんの「ハムレットが愛するオフィーリアが死んだところは、とても悲しい気持ちになりました」という言葉は、生と死をさまようなかでより生きることが何か、問い返されたのではないでしょうか。

 特に中学生たちからの「面白かった」という声にご担当の先生もとても喜んでおられました。

 

↑カーテンコールでは全員が立って挨拶してくれました。

↑終演後の座談会では生徒さんや先生方から沢山の質問が飛び交い、特に放送部の生徒は熱心にメモをとっていました。

 

茂木高校

 静かな山間にある茂木町。前回の『星の王子さま』の公演から16年ぶりの公演となりました。

 10月中旬を過ぎた時期にしては少し気温も上がり、少し暑くも感じられた体育館でしたが、元気いっぱいの生徒さんたちとの公演が行われました。

 

 お礼の挨拶に緊張しながらも「僕たちに感動と影響を与えてくれてありがとうございました」と精一杯の気持ちを述べてくれた代表の生徒さんありがとうございます。

 彼らが見たもののなかに、どんな影響を与えることができたのでしょうか。

 体育館で行われたことが、一人ひとりの一歩踏み出す勇気、元気の源となってほしいと思います。

 

↑終演後、撤去の片付けを手伝ってくれた1年1組の皆さんのバックステージ。道具ひとつひとつに興味を持ち、シーンを思い出しながら実際に触れてみたり、体験してみたり。皆さんありがとうございました。

↑急遽、片付けの手伝いに参加してくれたバスケット部の皆さん、本当にありがとうございました。

 終演後は体育館近くの和室にて座談会が行われました。参加してくれたのは一年生の女の子と、二年生の演劇実行委員会の皆さん。

 この実行委員会は1人の女の子の「演劇をやってみたい」という一言から急遽集まり、先週初めての本番を終えたばかり・・・彼らの行動力にハムレット役の佐野はとても驚いていました。

 

 

来週も客席のなかで小さくとも鼓動するものを逃さず、その本質に触れるべき新たな出会いとなるよう、後半の公演に向かいます。

 

コロス 工藤順子

『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』九州巡回公演第5週目

$
0
0

素晴らしい秋晴れの空の下、第5週目が始まりました!


10月20日 福岡県 博多女子高校 同校体育館

       21日 福岡県 福岡海星女子学院高校 同校体育館

       22日 福岡県 新宮高校 同校体育館

       23日 熊本県 真和中学・高校 熊本県立劇場演劇ホール



博多女子高校

 

とても天井が高く、3階までギャラリーのあるとても大きな体育館。

歩いて10分くらい離れた校舎から移動して来ての鑑賞。
とても元気な女の子たちのとても素直な反応を見せてくれた客席でした。
カーテンコールでは陸上部のエースでもある生徒会長さんが「アニーがヘレンの心を開こうとしているのがとても伝わって来ました。ぜひまた観たいと思う演劇でした。」と言ってくれました。
搬出はバレー部とバスケ部の生徒さんたちが手伝ってくれました。






福岡海星女子学院高校


前日に続いてまたまた福岡市内の女子高校。
この日は、付属小学校の児童みなさん70名も一緒に観劇。
一番前に小学生。
そこで起こる賑やかなとても可愛らしい笑い声や歓声。
その声や楽しそうな様子を後方から優しく見守る高校生たち。
兄弟姉妹のような関係。
まるで一つの家族のようなとても暖かい客席でした。
搬出のお手伝いには、子供教育進学コースのみなさんが来てくれました。


 



新宮高校


こちらも二階建ての大きな大きな体育館。
前日の夜からの準備。
体育館に到着すると陸上部の生徒さんたちが今か今かと待っていてくれました!
自然発生的に荷物のリレー状態(さすが陸上部!)
どうしたら受け渡しがスムーズに行くか瞬時に自分たちで判断し、実行に移す。
見事な行動力とチームワークは私たちも圧倒されました。
そして翌日、10月にしてはとても暑い日で生徒さん先生方合わせて約1,200名の客席はかなりのすし詰め。
そんな中、学生服をきっちり着込んだ生徒さんの姿も多く見受けられましたが乱れる事なく真剣な眼差しを私たちに向けてくれました。
搬出には部活動の生徒さんたちがたくさん力を貸してくれました。





真和中学校・高校


今週最後の上演は、熊本県立劇場演劇ホールで行われました。
開演前、学監の杉本先生が生徒さんたちにアニー・サリバンが自分の恩師であるパーキンス盲学校のアナグノス校長先生に宛てた手紙を紹介して下さいました。
ヘレンと出会ってから約一ヶ月後、様々な格闘を経て初めてヘレンが指文字を理解した日のアニーとヘレンの喜びが綴られていました。
そのお話を受けての鑑賞。


カーテンコールで生徒会長さんが話してくれたのは「ヘレンが指文字を覚えていくところに感動しました。どんなに大きな壁にぶつかっても立ち向かって行くことが大切だと思いました。」

 

 

今週も たくさんの出会いがありました。

出演者との座談会が開かれた学校では、特に高校3年生からは進路の相談を受ける事もあったようです。
俳優になりたいと言う生徒さんもいました。
アニーとヘレンの生き方や関係がこれからの生きる道の中で何かのヒントになったり、後押しになれば幸いです。

ご尽力いただいた先生方、そして、搬入や搬出のお手伝いの時間も含めてとても素敵な時間を一緒に作ってくれ生徒さんたちに心から感謝します。
本当にありがとうございました!


ケート役:仲村三千代

2015年秋 『ハムレット』ツアー 第六週目

$
0
0

9月からスタートした『ハムレット』のツアーも折り返しの週を過ぎ、気づけば10月も終わりに近づき、充実したツアーが続いています。

10月26日 高畠高等学校 (山形県)
     27日  常磐大学高等学校 (茨城県)
     28日  市川高等学校 (山梨県)
     29日  日本赤十字社 福島支社主催
               浪江高等学校津島校 (福島県)
     30日  中之条高等学校 (群馬県)


高畠高等学校

2008年に『Touch~孤独から愛へ』を上演し、2度目の上演となりました。
公演前日の日曜日に東京を出発し、同校の2階にある体育館に舞台装置の搬入を行いました。

公演中は息をのむように集中する皆さんや、クスクスと笑ったり、すぐ目の前で水のしぶきをあげて水槽に入るハムレットに、皆さんが昂揚して観る姿など、舞台上から見ていて印象的でした。

終演後には演劇部、卓球部、女子バレーボール部、女子バスケットボール部、体育館掃除に来た皆さんが片付けを手伝ってくれました。
皆さんと話しながらの舞台の片付けは楽しい時間でした!






常磐大学高等学校

2003年『星の王子さま』、2009年『Touch』、2012年『ヘレン・ケラー』を上演し、今回の『ハムレット』で4度目の上演となりました。

1000人を超える生徒の皆さんの反応が、ある迫力としてこちらにかえってくる感じを捉えて芝居が進み、物理的な距離よりも身近さを感じる公演でした。
担当の先生から以前伺った話で、『星の王子さま』を観た卒業生たちと再会した時に、箱根にある星の王子さまミュージアムに旅行に行ったエピソードがありました。当時の想い出など話が盛り上がり、卒業してからもあとに残る時間だったとお話していました。僕たちの喜びであることはもちろん、生徒の皆さんのために上演の機会をつくった先生方の喜びとなる芸術鑑賞行事だと思います。
この『ハムレット』も皆さんの心に残り、いつかまた何かのかたちで触れる機会があることを願っています。




市川高等学校

2000年『ヘレン・ケラー』、2006年『星の王子さま』を上演し、3度目の上演です。
上演前に担当の先生の挨拶で、「舞台を観るみんなと、舞台で演じる役者が一体になって舞台がつくられる」と話していたように、満席の客席と共にと感じあえた公演でした。
カーテンコールでは、皆さんのあたたかい拍手に押されて、4回みなさんの前に立つことができました。
終演後には座談会を希望するたくさんの生徒の皆さんが集まっていました。
わざわざ片付けが終わるのを待って、話をしに来てくれた生徒さんもいたように、それぞれの中に感じたことや、伝えたいことが生まれていたのだと思います。

 




日本赤十字社 福島支社主催
浪江高等学校津島校

日本赤十字社福島支社の方々の協力もあり、昨年の『ヘレン・ケラー』に続き、2年連続しての上演になりました。
今年は2年生と3年生24名が鑑賞し、昨年ヘレン・ケラーを演じていた稲葉とは1年ぶりの再会となりました。
静かに観入る皆さんの姿が強く印象に残り、間近で観る皆さんに語りかけるようなやりとりがあった公演でした。
終演後はバックステージが行なわれ、全生徒の皆さんがステージ裏や小道具に触れ、音響や、照明などを体験して、片付けの手伝いもしてくれました。
担当の先生をはじめ、数人の先生とお話ししましたが、学校ではおとなしい子ばかりだけど、手伝う姿や劇団員の方々と話す今日の生徒は輝いている。と先生方も嬉しそうに話していました。
来年を最後に廃校になると聞きました。担当の先生は来年の3年生にもなにかしてあげたい。できることならまた風さんにお願いしたいと力強く語ってくれました。公演に限らず、僕たちも力になりたいと思います。
相双地区を始め、福島県の復興の一助となりたいと強く思いました。




中之条高等学校

2006年『星の王子さま』、2012年『ヘレン・ケラー』に続き3度目の上演です。
開場とともに、舞台上を見て「おぉ~」、「すげぇ~」「うわぁ~!」と舞台袖にも聞こえてくる程、期待している皆さんを感じていました。
幕が開けば、真剣に芝居を観ながら、あるところでは盛り上がり、舞台を観てひそひそと話す皆さんの反応が印象に残りました。
終演後に担当の先生の呼びかけで、たくさんの生徒の皆さんが座談会に集まっていました。客席で行なわれていた座談会の笑い声が片付けをする劇団員にも届いていました!
「東京の劇場に観に行きたいです!」と言っていた生徒さんもいました。
群馬県のみなかみ町の月夜野には僕たちのアトリエもあります。僕たちにとって群馬は第2のホームグラウンドです。また再会の機会を願っています!




第六週目も終わり、『ハムレット』のツアーは最終週を迎えます。
また新たな出会いに期待して、ハムレットは駆け抜けます。


文: ホレーシオ役   田中 悟

 

『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』九州巡回公演第6週目

$
0
0

『ヘレン・ケラー ひびき合うものたち』のツアーは6週目を終えて来週からは折り返し地点になります。

少しずつ寒くなり、冬へと変化しているのが感じられる日々です。


10月26日 福岡県 中村女子学園中学・高校 同校講堂

      27日 福岡県 川崎町教育委員会 川崎町B&G海洋センター体育館

      28日 福岡県 筑陽学園中学・高校 アクロス福岡

      29日 熊本県 熊本国府高校 熊本県立劇場演劇ホール

      30日 鹿児島県 加世田高校 同校体育館



中村女子学園中学・高校

中村女子学園中学・高校は93年『touch』、2001年『星の王子さま』、2006年『肝っ玉おっ母とその子どもたち』の上演を経て、4度目の上演になりました。

同校講堂での上演で午前中は高校1年生と高校3年生が鑑賞し、午後は高校2年生と中学生の皆さんが鑑賞しました。

1回目と2回目の間には、見終わった生徒さんとこれから見る生徒さんが顔を出してくれて、舞台の仕組みを聞いたり、裏側を見学する時間となりました。

本番中は、皆さんとてもリラックスして舞台を鑑賞し、思い思いのヘレン・ケラーの姿が残ったと思います。また公演後には演劇部の皆さんが搬出のお手伝いをしてくれました。みんなとても元気いっぱいで1つ1つ一緒に運んでいる中でたくさんの笑い声が響いていました。

 

川崎町教育委員会主催公演

川崎町教育委員会主催の公演は風初めての上演となりました。

町内の中学校3校、川崎中学校、鷹峰中学校、池尻中学校の皆さんが集まり、ヘレン・ケラーを鑑賞しました。

開演前には、教育委員会の方から川崎町への熱い思いと、ぜひ今日、本物の舞台を鑑賞して心動かされ、1人1人今後に生かしてほしいと生徒さんへメッセージが送られました。

公演後、教育委員会のご担当の方と話をしていると実は自身も高校生の時に劇団創立してすぐの『ハムレット』を学校で鑑賞していて、「とてもその舞台に驚きと刺激を受けて、この仕事に就いた時から公演をしてもらいたいと思っていたんです!今日、夢が叶いました!」と旅班もびっくり、とても嬉しい再会となりました。


筑陽学園中学・高校

筑陽学園中学・高校は92年の『孤児たち』、2009年の『肝っ玉おっ母とその子どもたち』、2011年『ハムレット』以来の再会となりました。開演前には学校行事が行われ、表彰式と吹奏楽部の皆さんの発表があり、劇団員も舞台の袖からみんなの奏でる音を楽しませてもらいました!!

吹奏楽部の皆さんの演奏の様子

 

カーテンコールでの生徒さんの言葉では、「サブタイトルの『ひびき合うものたち』にあるように親と子どもは助け合って生きているという言葉が印象に残りました」という言葉をかけてくれました。

 

熊本国府高校

熊本国府高校では、92年『孤児たち』、96年『ヘレン・ケラー』、2000年『星の王子さま』を上演し、4度目の上演になります。

開演前にはとても元気なみなさんの声が劇場に響き渡っていました!しかし、本番が始まると集中力にびっくり、舞台で起こる1つ1つの出来事を真剣に感じてくれていたように思います。

終演後には、舞台見学が行われ、2時間見てきたものがどうなっているのか、その仕組みに驚きの声が絶えませんでした!

舞台見学の後にはヘレン・ケラー役の倉八ほなみとの座談会が行われました。

 

加世田高校

加世田高校は2003年『ヘレン・ケラー』、2012年『Touch~孤独から愛へ』の上演を経て3度目の上演になります。

とてもリラックスした空間で1人1人の中にじっくりと浸透していくような印象でした。

終演後の片付けのお手伝いの様子、たくさんの生徒さんが手伝ってくれました。初めは少し緊張気味なところからスタートして終わる頃にはいろいろなところで会話が生まれていきます。どんなことを残せるのか自分たちにとっても大切な時間です。

ヘレン・ケラーのツアーは来週から後半戦を迎えます。

これからどんな時間をつくり、出会いが生まれるのか。まだ見ぬ観客のために1歩1歩しっかりと進んでいきたいと思います。

ジェイムス・ケラー役 中村滋

 

2015年秋『ハムレット』ツアー7週目(最終週)

$
0
0

9月に広島、山口から始まって日本を縦断し東北までを駆け抜けた『ハムレット』の旅。いよいよ最終週を迎えました。

11月2日 燕中等教育学校(新潟県)

11月4日 古川学園高等学校(宮城県)

11月5日 郡山開成学園 郡山女子大学・短期大学・高等学校(福島県)

11月6日 船引高等学校(福島県)

 

燕中等教育学校

 

中等教育学校は六年制の学校で、ちょうど中学一年生から高校三年生と同じ年代の生徒さんたちが通っています。

新潟で今季一番の寒さの中、朝早くから大勢の先生方が劇団のバス・トラックを出迎えてくれました。初の演劇公演への大きな期待が伝わってきます。

今回の公演は学校の公演にしては珍しく自由席で、早く体育館に来た人から前の席で見られるようにしたと聞いていましたが、開場と同時に生徒さんたちが歓声を上げて入ってきました。「近くで見たかったので急いで昼ご飯を食べました!」という生徒さんも・・・!

開演前に照明・音響席を見に来た生徒さんたち

公演が始まると好奇心いっぱいの視線が舞台に注がれ、小さな動きにも生き生きとした反応が返ってきました。

公演後には4年生の男子と5年生の有志の生徒さんたちが片付けに参加してくれました。予定の下校時刻を過ぎても、最後まで手伝いたいと残ってくれた生徒さんもたくさんいて、その頑張りに先生方も感心していました。

また、体育館にはたくさんの女子生徒さんたちが手帳や下敷きなどを持って集まってきました。劇団員のサインをもらいながら観劇後の想いを語ってくれました。

生徒さんの人に対する真っ直ぐさと、先生方の暖かい眼差しを感じる一日でした。

 

 

 

 

古川学園高等学校

10年前に『星の王子さま』を上演し、5年前には『Touch~孤独から愛へ』を公演している学校です。

開演前の校長先生の挨拶では、岡本太郎さんの言葉を引用して「芸術とは見たり聞いたりする事を通して“なんじゃこりゃ~!!”と驚くことです。」と話してくれました。舞台袖で待機している私たちも、生徒の皆さんが驚きに出くわし心に深く残る場が創れるようにと願いました。

観劇後に代表の生徒さんからこんな舞台挨拶が。「このままでいいのか、いけないのか。ハムレットの言葉のように、私たちにも考えたり悩んだりすることがたくさんあります。私は考え続けることを辞めないでいたいと思いました。」10代の若い人たちがそのように感じる時間をこれからも創っていきたいと改めて思いました。

風の活動をずっと応援し続けてくれている先生が「今回の公演では、生徒がなぜこんなに興味を持って見入っていたのか・・・不思議なくらいよく見ていました。」とおっしゃっていました。きっと生徒さんたちの心の奧にあるものが動き出す場だったのではないでしょうか。

 

 

 

郡山開成学園 郡山女子大学・短期大学・高等学校

 

来年で創立70周年を迎える郡山開成学園の《建学記念講堂大ホール》で、年に3回行われている「芸術鑑賞講座」での公演。今回で192回目という歴史のある行事です。風では12年前に『星の王子さま』で訪れて以来久しぶりの上演です。

高校、短大、大学の女子生徒さん1200人が集まっての観劇でした。

公演が始まるととてもリラックスして楽しみながら、時に緊迫した空気に変化していく客席。カーテンコールでは会場中の皆さんが笑顔で思いっきり手を振ってくれました。

行事を企画している広報部の方々が呼びかけて下さり、「ぜひ劇団員と話がしたい」と100人を超える皆さんが会場に残ってくれました。中には昨年公演をした郡山商業高校の卒業生で「ハムレット」の観劇は2度目という学生さんもいました!客席内で行った座談会では、高校生と大学生が一緒になってハムレットを演じた佐野との話に盛り上がりました。座談会後も「他の劇団員にも会いたい」と舞台裏を訪ねてくれた学生さんたちと交流が続きました。

芸術・福祉・幼児教育などの学科がある学校で、子どものための演劇を創作、発表する場もあるとのこと。自分の夢や学園生活について話してくれた学生の皆さんの表情から、穏やかでのびのびとした学校の雰囲気が感じられました。

 

 

 

船引高等学校

いよいよ千秋楽の公演です。この日は意外な訪問者が・・・!

昨年『肝っ玉おっ母とその子供たち』を公演した神奈川県の善行中学校から、職場体験のために風の劇場を訪れていた2年生の生徒さんが、演出の江原早哉香、俳優の白根有子と共にはるばる福島県の船引高校まで来てくれました!

「なかなかできない経験です。」と舞台裏を見学したり、出演者にインタビューしたり積極的に劇団の活動にふれていました。

 

さて、開場時間になり生徒さんたちが入ってきました。『ハムレット』の公演に向けて図書や世界史の先生が中心になり、生徒たちが少しでも関心を持つようにと事前学習に取り組んでくれたそうです。校長先生の挨拶も「みなさん一人一人がハムレットになったつもりで観劇してください。」と、生徒に見て欲しいという願いが込められていました。

その成果も有り、幕開きから興味津々で楽しんでいる生徒さんたち。小さな出来事も見逃さない眼差し、感じたことを言葉に出して参加してくるエネルギー!本当に生命力溢れる客席でした。

公演後の片付けには、バトミントン部とサッカー部の皆さんが手伝いに駆けつけてくれました。「写真を撮りたいので、片付けも手伝います!」と有志で参加してくれた生徒さんもいて、最後まで盛り上がりました。

一方、演劇部の生徒さんと顧問の先生がぜひ座談会をしたいと申し出て下さり、体育館の後方で車座になり、ハムレットと話し込んでいる様子・・・!たくさんの質問が出たようです。(下の写真は演劇部のみなさん)

舞台の撤去が終わり、いよいよお別れの時には「なんだか切ないなあ」「寂しいです~」という生徒さん。

たった一日の出来事にもかかわらず、心を開いてくれた一人一人との出会い。私たちツアーメンバーの心に深く刻まれ、次の旅へと繋がっていくと思います。生徒の皆さんにとっても、かけがえのない自分の心が動いた感覚が、この先も自分らしく人や物事と出会っていく力となることを願っています。

公演のためにご尽力いただいた先生方、道具の搬入、撤去を手伝ってくれた皆さん、このブログやホームページの「掲示板」にメッセージを寄せてくれた方々、そして観客席から「ハムレット」を一緒に創り出してくれた皆さん、本当にありがとうございました!!

 

文:稲葉礼恵(オフィーリア役)

 

 

『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』九州巡回公演第7週目

$
0
0

11月になりましたが、場所によってはまだ、暖かさの残る九州での公演。
『ヘレン・ケラー ~ひびき合うものたち』九州巡回公演も7週目を迎えました。

11月2日 熊本県  熊本西高校  同校体育館
     4日  宮崎県  宮崎農業高校  宮崎市民文化ホール
     5日  大分県   柳ヶ浦高校  同校体育館
     6日  福岡県   羽犬塚中学校  サザンクス筑後小ホール
     7日  鹿児島県  上村学園小・中・高等部  同校アリーナ

熊本西高校

7週目最初は、『ハムレット』以来26年ぶり、2回目の風の公演となった熊本西高校での公演です。
体育関係に力を入れている学校でもあり、入場からとても活発な生き生きとしと声が響いてきました。



1000人を超える生徒の皆さん。
体育館いっぱいの客席からは、2時間という時間の中で、物語が進むにつれて、客席からの眼差しが強く、熱くなるのを感じるとても濃密な公演でした。
終演後は、今回の芸術鑑賞行事の様子を校内発表して頂くということで、出演者との写真とインタビューを受けました。
レコーダーとマイクの用意、そして、私達の言葉を一生懸命に書き綴る生徒さん。
本格的なインタビューで、お互い最初は緊張していましたが、後半は少しづつ打ち解け、生徒さんの笑顔もみられました。
今回のインタビューと写真は、録音された会話と、生徒さんの書き綴ってくれた文章を元に編集され、校内発表されるそうです。
彼らの手によって、今回の公演の様子をどのように描いてくれるのか、楽しみです!



そして、撤去のお手伝いには、沢山の部活の生徒さんが集まってくれました。
皆、積極的に声をかけてくれたり、汗を流しながら真剣に仲間と協力する姿に出会え、貴重な交流時間となりました。




宮崎農業高校

今回2回目の公演は、風は4回目となる宮崎農業高校、そのうち、97年に『ヘレン・ケラー』を公演しており、18年ぶりの『ヘレン・ケラー』の公演です。
そして、場所は何度もお世話になっている宮崎市民文化ホールです。
会場して間も無く、「やった!一番前」と元気の良い声が袖まで聞こえ、これから、彼らと何を生み出せるだろうかと、身が引き締まる想いでした。



開演前の先生による丁寧な挨拶から始まり、「出会いの素晴らしさを感じて欲しい」と客席に向かって語りかけた言葉が印象的でした。
この公演を繋いでくれた先生方の想いのバトンを客席も私達も受け取るように始まった本番。
客席からは、舞台を見つめる真っ直ぐな視線に支えられての公演でした。



カーテンコールの生徒さんのお礼の言葉では、女生徒さんの「演劇には興味があり、今回の演劇には惹きつけられました」と彼女の豊かで真っ直ぐな言葉を頂きました。
また、バックステージツアーに参加した生徒さんも、触れたもの、感じたことに素直に喜びや驚きの反応を見せてくれたり、座談会でも盛り上がりを見せてくれたりと、劇団員も生徒さん方から受け取るものが沢山ありました。



そして、演劇部の男子生徒さん二人も、「大道具や舞台構造に興味があり、人が乗っても大丈夫なセットを創りたい!」と真剣に舞台セットを観察したり、撤去作業を手伝ってくれたりと、これからの彼らの様々な可能性の輝きを感じました。

 

柳ヶ浦高校

今週折り返しになる3回目の公演は、95年の「星の王子さま」以来20年ぶり、風は2回目の公演です。
なんと!
翌日が文化祭ということもあり、準備日でもある公演当日に、7時代の朝の早い時間からお手伝いの為に女子サッカー部の生徒さん、生徒会長さんが体育館の入り口で、出迎えてくれました。
搬入作業から舞台創りの合間にも、男子サッカー部の生徒さん方など続々と集まってくれました。



舞台が完全に出来上がるまでお手伝いをしてくれた生徒さん。
「舞台頑張って下さいね」「楽しみにしてます」と声を掛けてくれる生徒さんの応援の言葉を受け迎えた本番。
一瞬一瞬の舞台での出来事に、一人一人が呼応し、彼らの息づかいを感じる公演でした。



終演後のバックステージツアーでも皆好奇心の向くまま舞台に触れ、とても生き生きとした表情をしていました。
「あれ、私が創ったんだ、とか思って観てました。」と、話してくれた女生徒さんの言葉。
普段とは違った視点から観れた、という声も聞き、様々な想いの重なり合った公演となりました。



また、撤去のお手伝いにも協力して頂き、この1日の公演を皆で創り上げることが出来たのだな、と感じました。




羽犬塚中学校

今週4回目は、風の公演は始めてとなる中学校での公演です。
午前は、『ヘレン・ケラー ~ひびき合うものたち』の芸術鑑賞、そして、午後は、合唱コンクールという、羽犬塚中学校の皆さんには、とても濃密な1日となったようです。



本番中、静かに真剣に舞台を見つめる客席からは、とても重みのある彼らの“観る”波を感じました。
1幕が終わり、休憩になると、それまで静かだった空間が一気に解け、熱のこもった声で揺れる空間となり、思い思いの言葉を友達と投げかけ合う声が聞こえてきました。
そして、2幕が始まると、1幕とはまた違った探求する様な視線を感じ、共に作品を巡る空間となりました。



カーテンコールの生徒さんのお礼の言葉では、「合唱コンクールでは、しっかりと歌って伝えたいと思います。」と、午後の合唱コンクールへの想いを伝えてくれました。



終演後、合唱コンクールの為、会場を移動する生徒の皆さん。
彼らの歌声を聞くこと出来なかったのは残念でしたが、今の彼らだから歌える声が、伝えたい想いが、きっと響いていたことでしょう。

 


神村学園小・中・高等部

今週最後の公演は、今回で風の公演は10回目となりました、神村学園での公演です。
そして今回2回目となる小学生と共に創った公演。



小学生、中学生、高校生と役1000人の多様な感性の入り混じった空間。
前列に座り、食い入る様に舞台を見つめる小学生の姿、そして、遠くからもこちらに身体を向け、向き合っている、中学生、高校生の姿を舞台上からもしっかりと感じることが出来ました。
公演中の、小学生の皆が、それぞれに舞台に向けて声を掛けたり、反応してくれる姿は印象的でした。
『ヘレン・ケラー』という作品から、自分の観たもの、感じたものを通し、すくい上げるように発見を掴む姿、そして、客席も影響し合いながら動く空間となりました。



カーテンコールの生徒さんのお礼の言葉では、「自分も子供と関わる仕事を目指しているので、今回感じたことに、学んだことを生かして行きたいです」と自身の夢を一言一言紡ぎ、熱い想いを語ってくれました。
終演後は、弓道部、陸上部、野球部と他にも沢山の生徒さんが撤去のお手伝いに来てくれました。



慣れない作業も、汗を流しながら、笑顔を絶やさずお手伝いをしてくれる彼らの姿に元気を貰い、皆の協力を経て、あっという間に劇場から、彼らの生きづく体育館へと戻っていきました。



撤去が終わった後、「私達にとっても貴重な時間となりました」という先生の言葉に、皆で創り上げたこの1日の時間が、きっと、お互いを発見し合える貴重な時間となったのだなと、感じました。

とても色濃い出会いの7週目。
それぞれの公演を繋ぎ支えて下さった皆様の出会いを胸に、まだまだ精力的に頑張って行きます!

ヘレン・ケラー役 倉八ほなみ

『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』九州巡回公演第8週目

$
0
0

『ヘレン・ケラー ひびき合うものたち』のツアーは8週目を終えました。

今週からは、メンバーが入れ替わり、アナグノス校長に柳瀬太一、医者 佐藤勇太、音響チーフ 酒見篤志の3人が合流しました。

美しい飫肥杉の林を通り現地に到着した前日、この地の美味しいものをいただき、鋭気を養いました。

 

11月9日 宮崎県 日南高校 同校体育館

  11日 福岡県 敬愛中学・高校 同校講堂

  12日 福岡県 三池工業高校 同校体育館

 

日南高校

良い緊張感の中、日南高校での芸術鑑賞会が始まりました。生徒さんたちの真っ直ぐな反応は、芝居空間を密なものとし、素晴らしい公演となりました。

 

公演後の搬出のお手伝いには、陸上部、ソフトテニス部、野球部の皆さんが参加してくれました。普段のチームワークの良さを感じさせる動きで、とても早く撤去作業が終わりました。

 

 

同時に出演者との座談会も行われ、役者と生徒さんたちの話は大いに盛り上がり、貴重な時間となりました。担当の先生方、校長先生他、この公演を大成功に導いて下さった先生方、そして生徒さんたち、すべてに感謝の気持ちを持って日南の地から次の地へ向かいました。

 


敬愛中学・高校

同校の講堂(別院)での公演でした。ステージ上の荘厳な須弥壇を背に仕込み、本番となりました。入場してきた生徒さんたちは、いつもの講堂とは違う姿に興奮の声が上がります。

満席の客席の中、始まるととても集中して、芝居に引き込まれているようでした。こちらの学校では、敬愛人権週間ということもあり、へレン・ケラーのテーマでもある『人と人とのつながり』が普段よりもより身近に感じられたのではないでしょうか。(最後の生徒会長さんの言葉にもありました。)

 

公演終了後には、演劇部、生徒会の皆さんが参加しての座談会と有志の生徒さんが撤去作業を手伝ってくれました。皆さん、とても明るく、元気に参加してくれました、ありがとうございました。この公演を作って下さった先生方にも本当にありがとうございました。最後に舞台が撤去され、もとの講堂に戻ったのを確認して、私たちは次の公演地へ向かいました。

 

 

 


三池工業高校

敬愛中学・高校での公演を終え、三池工業高校での搬入作業となりました。

当校は伝統のある工業高校です、生徒さんたちがヘレン・ケラーの本番をどう見てくれるか、私たちも期待を胸に舞台を作り上げていきます。開演前に校長先生が話された言葉に私はとても感銘を受けました。

それは、「君たちは、ものづくりのプロになるため今、色々な分野で技術の修練をしています。その技術を身につければ社会のコマの一つとして働くことはできると思います。しかし、ある時、今までにないもの、新しいもの要求される時が必ず来ます。その時、新しい発想、あるいは霊感を得るためには何が必要か?それは違う分野の文学や芸術や音楽です。若い時期に芸術に触れることは、違う発想力を養うことができると思います、だからこの芸術鑑賞会という行事に意味があるのだと思います。」

この言葉をじっくりと聞いている生徒さんたち、公演が始まってもとても真剣に芝居を見ているのが伝わって来ます。皆さんが大きく日本を支え、育てていくことを期待しています。

 

 

撤去の作業もみんなとても元気に手伝ってくれてありがとうございました。そして担当の先生方はじめ、たくさんの先生方にたくさんの感謝とお礼を、本当にありがとうございました。

 

舞台監督 佐田剛久


『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』九州巡回公演第9週目

$
0
0

 『ヘレン・ケラー ~ひびき合うものたち』は第9週目を迎えました。
まだ暖かさを残しつつ、徐々に冬の到来を迎えています。

 

11月16日 佐賀県 杵島商業高校 同校体育館

   17日 長崎県 長崎鶴洋高校 同校体育館

   18日 鹿児島県 鹿児島商業高校 同校体育館

   19日 鹿児島県 鹿児島修学館中学・高校 同校体育館

 

 

杵島商業高校

杵島商業高校での公演は今回で5回目でした。朝早い時間から、部活動、図書委員の生徒さんたちが搬入作業に手を貸してくれました。


開場時、体育館に組み上がった舞台を目の当たりにし、「すごい」という生徒さんたちの声が聞こえてきたときには、みなさんの身近な空間で公演ができる喜びを改めて感じました。


公演後には舞台撤去のお手伝いに来てくれた生徒さんたちが、作業をする中で、劇団員に自ら声をかけ、公演中とはまた違った生徒さんたちの表情がみられました。



 

 

長崎鶴洋高校

長崎鶴洋高校は今回で4回目となる公演でした。あいにくの雨だっだのですが、朝からたくさんの生徒さんたちが搬入作業に一生懸命力を貸してくれ、雨天時のどんよりとした空気を吹き飛ばしてくれました。
開演前、椅子を並べに来た生徒さんの中に2年前に風の舞台、「Touch」を見て劇団のことを覚えていてくれた生徒さんもいました。

カーテンコールでは、お礼の言葉と共に長崎の名物、カステラをいただきました。
公演後の舞台撤去に力一杯お手伝いしてくれる生徒さんたちの姿に、私達自身元気を分けてもらったように思います。



鹿児島商業高校

鹿児島商業高校は今回で6回目となる公演でした。
大雨の中の搬入作業だったのですが、多くの部活動の生徒さんが作業のお手伝いに、体育館に到着した私たちを迎えてくれました。
搬入作業を生徒さんたちと共にする中で笑顔を見せながら積極的に私たち劇団員に力を貸してくれました。
開場してすぐ体育館に響く元気な声。
リラックスした様子で舞台に目を向ける生徒さんたちの姿を舞台上で感じ、みなさんの思い思いの視点、感じ方で見ていることを感じました。


そんな生徒さんたちの元気漲る力のおかげで舞台撤去もスムーズにいき、予想よりも早く作業を終えることができました。
生徒さんからもらった元気を胸に私たちは次の学校の搬入へ向かいました。



鹿児島修学館中学・高校

鹿児島修学館中学・高校は2004年の「ヘレン・ケラー~響き合うものたち~」から11年ぶりの公演でした。
前日、3階の体育館の搬入のため鹿児島修学館高校に到着すると、多くの先生方生徒さんが出迎えてくれ、作業をしている姿を見て何人かの生徒さん加わってくれ、搬入のお手伝いをしてくれました。みなさんと言葉を交わしながら、たくさんの力を貸して下さった先生方、生徒さんたちのおかげで1時間という驚くべき速さで搬入を終えることができました。
公演は客席から向けられる真剣な眼差しに呼応するように客席と舞台が一体になった舞台であったと感じています。
搬出の最後のほうではヘレン・ケラー役の倉八ほなみやアニー・サリバン役の高階ひかりと握手を交わして、言葉をかける生徒さんの姿が多く見られました。



今週は全て体育館での公演でした。
搬入時から舞台撤去まで共にいて、共につくった舞台を通して、公演の2時間と同じくらいの搬入作業、撤去作業も大切な時間であることを実感できる一週間でした。

来週からの新しい出会いに期待し、まだまだ旅を続けていきます。 

パーシー役 石岡和総

『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』九州巡回公演第10週目

$
0
0

『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』の九州の旅は10週目を迎えました。

今週は

11月24日(火)  大分東高校(大分)  同校体育館
25日(水)  柳川高校(福岡)  柳川市民会館
26日(木)  延岡市立南中学校(宮崎)  同校体育館
27日(金)  佐賀女子高校(佐賀)  佐賀女子短大第一体育館

での4公演を行いました。



大分東高校

2012年の『Touch』以来、3年振り3回目の風の公演でした。
朝、学校を訪れると何人かの先生方が舞台道具の搬入を手伝うために待っていてくれました。生徒のみんなはもちろん、先生方からの公演への期待を感じました。

開演前の客席は、これから始まることへの期待と興奮でとても賑やかでしたが、始まると空気は一変。
時に真剣に、時に笑い、楽しみながら見てくれていました。


終演後には生徒会と文化委員の生徒のみなさんが撤去を手伝ってくれました。

時を同じくして、体育館の2階では、担当の先生の呼びかけで集まってくれた有志の生徒の皆さんとの座談会が開かれ、舞台撤去と同様に盛り上がりました。





柳川高校

2005年の『Touch』以来、10年振り6回目の風の公演となりました。
終始リラックスしながら、それぞれが自由な視点で、『ヘレン・ケラー』の物語を感じてくれていました。

カーテンコールでは、生徒会長さんが、「社会に出て、どんなに高い壁にぶつかっても、ヘレンのように志を高くもって乗り越えて生きたいです。」という言葉を力強く届けてくれました。
今回の公演が、彼らひとりひとりにとって何かしらの力になってくれたらと思います。





延岡市立南中学校

風の公演は初めてとなる学校でした。
開演前、担当の先生の「黙想」の合図でシンと静かになる客席。自然と集中力も高まります。
本番もその集中力は途切れることなく、舞台で起こることにまっすぐに視線を向けてくれていました。


終演後には、バレーボール部をはじめとして、たくさんの生徒のみなさんが舞台撤去のお手伝いに駆けつけてくれました。
劇団員が荷物を受け渡すときの時の言葉を真似して「はい!取ったぁ!」と、みんな元気に、楽しんで手伝ってくれました。





佐賀女子高校

1998年の『ヘレン・ケラー』以来17年振り3回目となる風の公演でした。
会場となった体育館は1000人近くの生徒の皆さんでいっぱい。
「生徒たちが今日の公演を楽しみに、よろこんでいるから集合してくるのが早いです。」と、先生。
その言葉通り、開演前から盛り上がりを見せる客席。
本番が始まると、その盛り上がりは彼女たちの熱い視線に込められ、最後は盛大な拍手で幕を閉じました。


終演後には、演劇部と希望者の生徒の皆さんとの座談会が開かれ、話に花が咲いていました。


体育館での舞台撤去にはソフトボール部、ハンドボール部、バドミントン部、剣道部、座談会を終えた生徒の皆さんが、お手伝いをしてくれました。
撤去のときにもそこここで、生徒さんとの交流があり、お互いに楽しい時間を過ごすことができました。

 


今年の九州の『ヘレン・ケラー』の旅もあと3週間となってしまいました。

今週に入ってぐんと気温が下がり、いよいよ冬らしくなってきました。
が、そんな寒さを吹っ飛ばす勢いで、最後まで駆け抜けて行きます。

文:医者役  佐藤勇太

『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』九州巡回公演第11週目

$
0
0

ヘレン・ケラーの旅は11週目を終えて、残り2週間となりました。

一旦、東京に戻った旅のメンバーは、12月25日~27日に行われるレパートリーシアターKAZEでの凱旋公演の準備をしました。ぜひ、皆さんのご来場お待ちしています!!

第11週目

12月3日 鹿児島県 出水中央高校 出水市文化会館

   5日 福岡県 九州産業大付属九州高校 同校講堂

 

出水中央高校

出水中央高校は、91年『星の王子さま』、94年『Touch』、2000年『星の王子さま』、03年『ヘレン・ケラー』、09年『肝っ玉おっ母とその子供たち』の上演を経て、6度目の上演です。

開演前の担当の先生、校長先生のご挨拶では、「時は、1880年、」と生徒さんたちに向けてヘレン・ケラーとその家庭教師アニー・サリバンの二人の出会いから生涯の話があり、「出水中央高校の皆さんでヘレン・ケラーを迎えましょう!!」と熱いメッセージが送られました。

本番が始まると、皆さん1つ1つの出来事をとてもリラックスして見てくれています。笑いや沈黙、彼ら彼女らの視線は素直で、きっと私たちの想像以上に出来事を大きく感じてくれていたんじゃないかなと思います。

公演後、校長先生との記念撮影

公演後には希望する生徒さんたちとの座談会が開かれ、たくさんの生徒さんが参加しました。

 

 

九州産業大付属九州高校

九州産業大付属九州高校では、95年の『星の王子さま』、そして昨年2014年の『ヘレン・ケラー』の公演を経て、3度目の上演となりました。昨年、今年と1年生のみの観劇です。この上演が、今後の高校生活のはずみになってくれたら嬉しいです。

満席の客席から講堂に少しずつ広がっていく空気を感じながら、時間が過ぎていきます。皆さん、始まると真っ直ぐな視線を舞台に向けてくれ、舞台に立っていて観客からの想いを感じる公演でした。その中には、ただ楽しむということだけでなく、何かをつかみたい、という感じを受けました。

終わりのカーテンコールではきっといつもの講堂とは全然違う雰囲気になっていたと思います。一生懸命お礼の言葉をかけてくれた生徒さんありがとうございました!!

公演後には、舞台見学が行われ、舞台の構造や1つ1つの小道具を手に取り、その工夫に驚きの声が上がりました。

照明、音響スタッフによる説明の様子、実際に触れて舞台を再現したりしています。

ヘレン・ケラーの旅も夏の終わりから始まり、あと2週となりました。凱旋公演まで、1回1回大切に駆け抜けて行きたいと思います。

ジェイムス・ケラー役 中村滋

 

『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』九州巡回公演第12週目

$
0
0


頬をさす澄んだ冷たい空気から、冬の訪れを感じる季節となりました。
『ヘレン・ケラー ~ひびき合うものたち』、今回で第12週目となった公演は、トップの写真のように、どの学校でも、朝の早い時間から、お手伝いにたくさんの生徒さんが集まって下さり、その元気な姿や真剣な姿に支えられた公演となりました。 本当にありがとうございました。
写真は鹿屋工業高校の生徒さんです。

第12週目

12月7日 杵築高校(大分) 同校体育館
  8日 佐伯鶴岡高校・佐伯豊南高校(大分) 同校体育館
  9日 佐世保工業高等専門学校(長崎) 同校体育館
10日 鹿屋工業高校(鹿児島) 同校体育館
11日 真颯館高校(福岡) ウェルとばた



杵築高校

『ヘレン・ケラー ~ひびき合うものたち』第12週目最初の公演は、大分県の杵築高校です。
今回、風の公演は始めてということでしたが、朝の早い時間から、お手伝いのために、たくさんの男の子たちが集まってくれていました!



普段見慣れた体育館が劇場となっている様子に歓声を上げながら入場する生徒の皆さん。
開演前の、早く始まらないかな、という客席からの温かい熱が、舞台の袖にいる私達にもひしひしと伝わってきました。
本番が始まると、一気に舞台へ真っ直ぐに向き合う客席。その視線や呼吸が、体育館という劇場をとても濃密な空気で包んでいくようでした。



1幕が終わり、途中休憩のアナウンスが流れると、重く静かな空気から一変し、今自分が見たこと、感じたことやこれからどうなるのか、と思い思いに友達と話をしている生き生きとした声が聞こえてきました。



終演後には、2年生の男子生徒さんが集まってくれました。
その中には、朝のお手伝いにも来て下っさた生徒さんもおり、「今から片付けるのか、不思議な感覚だな」と言葉にする生徒さんの姿はとても印象的でした。





慣れない作業、始めて触れる一つ一つのものに真剣に、でも、時には友達と笑いあったり協力したりと、本番とはまた違った彼らの表情。
私達も彼らに支えられ、皆で公演を創ることが出来ました。



佐伯鶴岡高校・佐伯豊南高校
今週2回目の公演は、佐伯鶴岡高校、佐伯豊南高校です。
この2校は来年度には統合し、佐伯豊南高校となるそうです。
佐伯鶴岡高校とは、今回で10回目となる風の公演。
佐伯鶴岡高校にとっては、最後の公演となり、先生方、生徒さん方にとっても、様々な想いの中での公演となったようです。



学校に到着すると、たくさんの男子生徒、女子生徒の皆さんがお手伝いのために集まってくれていました。



とても明るい声を上げながら入場する生徒の皆さん。
本番が始まると、“何が起きているのだろうか”と、とても静かに舞台を見つめていましたが、物語が進むにつれて、彼ら自身もリラックスし、舞台上で起こる出来事の瞬間瞬間に思い思いの反応を起こしていました。





終演後には、明るい表情でたくさんの生徒さんが撤去のお手伝いに、そして、座談会には3人の生徒さんが集まってくれていました。
自身も中学時代に演劇を経験したことがあると話す女の子達。
“一つのことをやり切った”こと、そして、これから自分がやり切っていきたい事や想いを、悩みながらも波紋のように語り合う彼らの姿。



この1日の公演が、彼らの中での大きな刺激となってくれたようです。



佐世保工業高校

今週3回目の公演は、佐世保工業高等専門学校です。
佐世保工業高等専門学校では、2010年の『ハムレット』の公演以来、風2回目の公演です。
学生会の皆さんが朝の搬入のお手伝いに集まってくれました。





さすが、工業の学生の皆さん!
チームプレイも抜群にとても手際よくお手伝いをしてくれました。

900人という生徒数のため、体育館いっぱいに詰まった客席。
劇場となった体育館での本番は、客席から、静かに凛とした空気が流れていました。



終演後は、学生会長さんからの「アニーの情熱や努力、何事にも諦めないこと、そして、ヘレンの負けず嫌いなところが上手く噛み合っていくところが良かったです。」と挨拶の言葉を頂きました。
また、座談会にも早くから集まってくれ、公演を通して感じたことを、笑顔で語ってくれたりと、とても盛り上がったようでした。





今回の公演が、舞台や自身のことだけでなく、皆で何かをする中で、仲間達の意外な側面の発見や出会いの場ともなったようです。



部活に来た女子バスケ部の皆さんです。

なんと、終演後、ハムレットでお世話になった当時の芸術鑑賞行事の担当の先生から、学校の近くの美味しい佐世保バーガーの差し入れを頂きました。
皆さんの想いのこもった佐世保バーガーは絶品でした!
本当にありがとうございました。



鹿屋工業高校
今週3回目の公演は、2007年の『ハムレット』以来4回目の鹿屋工業高校です。
朝の搬入のお手伝いには、とても元気な野球部の皆さんが集まってくれていました。
元気な掛け声で積極的に動く野球部の皆さん。



生徒数のほとんどが男の子で、女の子は10人ちょっとしかいないそうです。
本番が始まると、時には静かに、そして、時には舞台に語りかけてみたりと、自身の感性を揺らしながら舞台に向き合っているいる姿が印象的でした。

公演が終わると、実は昨年、国分中央高校で『ヘレン・ケラー』を観ました、と、先生が声を掛けて下さいました。
“場所や観客が変わるだけで、こんなに違うのですね。生徒の雰囲気も作品も前回とは違い、たくさんの発見がありました。”と、笑顔で語ってくれました。



ポンプの構造に皆興味津々。









終演後には、たくさんの生徒さんが集まってくれ、あっという間に劇場から、皆さんの体育館に戻りました。
座談会では、自分の中で起きた様々なインスピレーションを次々と語り、公演とそして、自身を通してたくさんの発見があったようです。



真颯館高校

今週最後の公演は、芸術鑑賞行事を初めて行ったという真颯館高校です。 巡回公演最後の会館での公演。     舞台上に出来上がったセットに、これから始まることへ、様々な想像力を働かせているようでした。     開演前、“今回の劇のテーマは愛。LOVEです。愛は目には見えません。ですが、相手から愛を注がれると、優しさや温かさを感じることが出来ます。”と校長先生による、公演への思いを、愛を込めて生徒に語っていました。 先生方の想いのバトンを生徒も、そして、私たちも受け取り、客席からの盛大な拍手の中、本番が始まりました。 本番中は、友人達と共に、舞台と共に、自身の感性を巡らせながら、とても自由に作品と出会ってくれているようでした。       終演後のバックステージツアー、座談会には、舞台を観たり、話したいと、希望者の生徒さんが数名来てくれました。 舞台一つ一つの装置や工夫に“すごい”と声を漏らす生徒さんの姿。 自分の手で触れ、全身で舞台空間を感じてくれているようでした。 座談会では、しっかりとした瞳で役者の話を聴き、見つめる姿がありました。       『ヘレン・ケラー ~ひびき合うものたち』、九州巡回公演も残り1週間となりました。 これまでの濃密な出会い、そして、共に公演を創り上げてきた皆さんの想いや発見を、私たち自身も胸に想い、頑張っていきます。   文:ヘレン・ケラー役 倉八ほなみ

『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』九州巡回公演第13週目 最終週

$
0
0

1年も終わりに向かい、新しい年を迎えようと心身共に忙しなくなる12月半ば。九州巡回公演は50ステージを終え、第13週目、1年の締めくくりとも言える最終週を迎えました。

 

12月14日 鹿児島城西高校 (鹿児島県)  同校体育館
     17日 種子島中央高校 (鹿児島県)  同校体育館
       18日 種子島高校   (鹿児島県)  同校体育館


鹿児島城西高校

 自身の母校での公演でした。

 前日、日曜日だったのですが、2階体育館の搬入作業には担当の先生の呼びかけで、寮生の生徒さんの何人が集まってくれ、11tトラックから次から次へとでてくる舞台の大道具に興味津々の様子で、場を盛り上げてくれながらも、積極的に力を貸してくれました。

当日は午前と午後の2ステージ。
一回目の入場時、生徒さんたちは、ほんのり緊張感を持ちながらも、舞台装置が組まれ、いつもとは違う体育館に驚く声、歓声が少し控えめに聞こえてきました。
舞台に目を向け、身体を向け、沈黙を保ちながら真剣に舞台に向き合っているように感じました。
時折聞こえてくる控えめな笑い声は入場時の雰囲気を感じさせ、共に居て、声にしなくても表面に滲み出てくる彼らの温かさと共に作った舞台でした。
公演後には控え室に向かう役者に駆け寄り「かっこよかったです。」「ヘレン・ケラーはもちろん、サリバン先生の存在や、家族のことも知ることができてよかったです。」と飾らない、真っ直ぐな言葉をくれました。

 二回目の公演は、また一回目の雰囲気とはまた違った、弾けるパワーが体育館中に充満し、その声や、表情からは、体育館に入るなり目に飛び込んでくる大きな舞台装置に、「いつもと違う場所」という認識をしたときの高まりを彼らから感じられました。

舞台が始まると一転、賑やかだった客席が一気に静まり、じっと舞台で起こる出来事に目を向け、こちらが圧倒される程のその凄まじい集中力を切らすことなく見ていました。
カーテンコール時の代表の生徒さんのあいさつでは「ヘレンとアニーが最後にわかり合っていく様子に感動しました。アニーがヘレンに対して諦めずに向き合っている姿を見て、自分も何事にも諦めずに挑戦していきたいと思いました。」と花束と共に言葉を贈ってくれました。



公演後の座談会にはミュージカルをやりたい、ミュージシャンになりたい、舞台女優になりたいと形は違うけれど、大きく言えば同じ舞台に立つ者として自身の未来を持った生徒さんたちの声を、不安も含めた自身の問いを投げかけてきてくれました。

彼らが自身の感覚の中で見て、受け取ってくれたものが彼ら1人1人が思い描くものへのほんの力となってくれたら嬉しいです。





種子島中央高校


去年は天候に恵まれず、フェリーに乗ることが出来なかったため出来なかった悔しさを班のメンバー1人1人が胸に持って種子島にたどり着くことを祈るばかりであった種子島へ向かう日、種子島中央高校での公演の前日、私たちが乗るフェリーは鹿児島港を出航しました。天候は良くなく、波が高くなったら引き返すという条件付きで出航したのですが、無事種子島にたどり着くことができました。

当日の朝、学校に到着すると先生と数名の生徒さんが迎えてくれ、舞台道具の搬入作業に、冬の訪れを感じる冷たい北風の寒さを吹き飛ばす程、元気いっぱいに一生懸命、私たちに手を貸してくれました。
冷え込む体育館での公演でしたが、彼らの呼吸が聞こえるくらい、沈黙を保ち、真剣に舞台に向き合ってくれていました。


公演後には有志の生徒さん含め、多くの生徒さんが撤去作業に集まってくれました。
積極的に劇団員に声をかけ、道具に興味を持ちながら、私たち劇団員と一緒になって手伝ってくれました。
会話の中に、舞台にあった台詞を入れてみたり、盛り上げて作業を共に進めてくれる姿には改めて、作業を含めたこの日の公演が種子島中央高校のみなさんとしか作ることのできない1つの舞台であったし、共に居た時間であったことを感じさせました。

また「自分たちは卒業したら東京に就職なので、自分たちが今度は見に行きます。」と何人かの生徒さんが声をかけてくれました。
この日出会うことのできた種子島中央高校の何人かと再会できる日は近いのかもしれません。
またどこかでみなさんとお会いできる日がくること、私たちも願っています。



種子島高校


さわやかな晴れ空だったのですが、空気は前の日よりも冷たく、体育館に座ってみるとなると床の冷たさが全身に染み渡る寒さの中での公演となりました。
入場時、体育館に組まれた舞台に「大きい!」「どうやったの!?」「初めて見た!」という生徒さんたちの言葉が体育館中に寒さを忘れさせてくれる勢いではっきりと響きわたっていました。



カーテンコール時の生徒さんのあいさつの「私たちは離島に住んでいるので、こんな大掛かりな舞台を観る演劇がありませんでした。今回こうして風さんが来てくださって、私たちにとっても演劇を知るいい経験となりました。これをきっかけとして、また、演劇をみてみたいと思いました。演じて下さった役者の皆さん、こんな素晴らしい舞台を作って下さったスタッフの皆さんに感謝します。」という言葉には様々な思いを感が感じられ、改めて、彼らと出会うことができて、この公演を共に迎えることができてよかったと感じました。

 

全53ステージの一回一回の公演でヘレン班メンバーの1人1人が今というときの瞬間を生きる、若い彼らの目に晒されることで、出会えたもの、見えたもの、その瞬間にあるものを強く感じた巡回公演であったのではないかと思います。

来年もまた豊かな出会い多き年となることを願って、私たちは新たな年の旅路に備えます。


アニー・サリバン役 高階ひかり

Viewing all 419 articles
Browse latest View live