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『ジャンヌ・ダルク~ジャンヌと炎』 九州・広島巡回公演 第10週目

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九州ツアーも終盤戦、10週目の今週は、
11月28日 本庄高校(宮崎県)
12月 1日 古賀竟成館高校(福岡県)
      2日 福徳学院高校(大分県)
      3日 九州産業大学付属九州高校(福岡県)


本庄高校
この学校での上演は6回目となります。朝、学校に到着すると、20人ほどの生徒さんが、搬入を手伝おうと元気に出迎えてくれました。
本番中は、細かく反応を返してくれて、しっかり見てくれいる様子でした。
生徒会長さんからは、「私たち若い世代に対してのメッセージが詰まっている舞台だと知り、楽しみにしていました。本物の演劇に触れる機会が少ない私たちにとって、とても楽しい時間になりました」と嬉しいお礼の言葉をいただきました。
撤去作業のお手伝いも、担当の生徒さんだけでなく、有志の生徒さんが誘い合って駆けつけてくれました。そして、ジャンヌ役の髙階はもちろんのこと、俳優たちを囲む輪がそこここにできて、話は尽きない様子。また逢いましょうと学校を後にしました。








古賀竟成館高校
校長先生の挨拶で、風の上演は今回が6回目だと紹介され、拍手の中、芝居が始まりました。生徒の皆さん、先生方、保護者の皆さん、体育館にぎっしり並んだ客席は、とても集中した視線を注いでくれました。
カーテンコールでは、熱い拍手をいつまでも送ってくれました。私たちにとってとても嬉しい瞬間です。
撤去作業には、およそ80人の生徒さんが手伝いに来てくれました。劇団員に積極的に話しかけてくれて、楽しい交流の時間となりました。私たちが学校をあとにする最後の最後まで、寒いなか残っていてくれて、見送ってくれました。







福徳学院高校
朝、搬入作業が始まると、担当の先生はもちろんのこと、次々と先生方がお手伝いに集まってくださいました。生徒さんたちのためにと、先生方も待っていてくれた様子に心温まる思いです。
本番中は、真剣に見入ってくれている客席の姿に、一緒に舞台をつくっている実感を味わいました。カーテンコールでいただいた「ジャンヌのような人になりたいです」というお礼の言葉は、素直な気持ちと、笑顔にあふれていました。
撤去作業は、お手伝いしてくれた生徒さんたちが積極的でとても手際がよく、スムーズに進んでいきました。その間には芝居を見た感想や、受け取ったものを話しかけてくれました。









九州産業大学付属九州高校
この学校は、2年続けて1年生が『ヘレン・ケラー』の公演を観てくれていて、今年の『ジャンヌ・ダルク』で3回目。講堂に張り出し舞台を作り、客席との距離が近く、お互いに凝縮した舞台空間を共有した公演となりました。
終演後には、デザイン科の生徒さんや演劇部の生徒さんたちがバックステージツアーを行いました。中でも衣裳には興味津々。素材や作りを熱心に見学し、実際に身に着けて記念撮影。その後、ジャンヌ役の髙階を交えて座談会も行われました。
一方、吹奏楽部のメンバーが揃って撤去作業の手伝いを買って出てくれて、暖かく晴れた空の下、一緒に汗を流しました。劇団員と生徒さんたちの会話の中では、2年生は昨年観た『ヘレン・ケラー』の話を1年生に、1年生はさっき観た『ジャンヌ・ダルク』の話を2年生に語り合っていました。







『ジャンヌ・ダルク ―ジャンヌと炎』という芝居を通して、皆さんの心や身体に、一陣の風が吹き抜けたと感じてもらえたら幸いです。自分の目で見たもの、自分が感じたことを、自分自身と語ってみてください。そして、公演のためにご尽力くださった先生をはじめ先生方と、お友達と、先輩・後輩と、保護者の方と、新たな会話が生まれることを願っています。
木村奈津子(ヨランド・ダラゴン/ユニコーン役)

『ジャンヌ・ダルク~ジャンヌと炎』九州・広島巡回公演 第11週目

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『ジャンヌ・ダルク』九州・広島ツアーも第11周目を迎えました。
12月になりましたが、九州の地の暖かな日差しと天候に恵まれた週での公演となりました。
トップ画像は、長崎県の島原商業高校でのバックステージツアーの写真です。


12月5日 吹上高校(鹿児島県)
   6日 川内商工高校(鹿児島県)
   7日 島原商業高校(長崎県)
   8日 日南市教育委員会主催
      市内中学校合同鑑賞会(宮崎県)
   9日 指宿商業高校(鹿児島県)

吹上高校
第11周目、始まりとなったのは、鹿児島県の吹上高校での公演です。
今回6回目となった風の吹上高校での公演。
早朝、バスが到着すると、なんと、先生方とたくさんの野球部員の生徒さんが搬入のお手伝いのために体育館に集まってくれていました。
早朝にも関わらず、てきぱきと搬入作業を手伝ってくれる生徒の皆さん、授業が始まるぎりぎりまで頑張ってくれました!
そして迎えた本番は、観客である生徒の皆にも共に公演を創って欲しいと言う先生方のメッセージのバトンを受け取っての開演となりました。
終演後にも、撤去作業のお手伝いのためにたくさんの生徒さんが集まってくれました。





始めてのトラックへの積み込みの作業も元気な笑顔でばんばんこなしてくれる3年生の生徒さん。
トラックの積み込みメンバーとも公演の話などで盛り上がっていた様子でした。
また、お手伝いに来てくれた生徒の皆も、撤去作業だけでなく、積極的に劇団員に公演を通して自身が感じた言葉を伝えようとしてくれる姿とも出会うことができました。



川内商工高校
今週2日目は、鹿児島県の川内商工高校での公演、そして、ジャンヌ役の高階の育った場所でもある鹿児島県川内の地での公演となりました。
川内商工高校での風の公演は、13年ぶりの3回目の公演となりました。
公演の場所となった川内文化ホールには、入場する生徒さんの元気な声が響いていました。
開演前には、「演劇という生の舞台を皆さんも感じて下さい」という、校長先生の言葉から始まり、本番が始まると開演前の元気な雰囲気とは変わり、一人一人が舞台との距離を持ちながら静かに、『ジャンヌ・ダルク』の物語に共に呼吸をするように舞台に向かい合っている姿はとても印象的であり、彼ら自身に潜む『ジャンヌ・ダルク』の声に支えられた公演となりました。



公演を繋げ、一緒に支えて下さった担当の先生へ、川内商工高校の皆様へ向けてジャンヌ役の高階より色紙が渡されました。
また、高階と柳瀬と共に今回の公演を通して話をしている先生の嬉しそうな表情もとても印象的でした。

島原商業高校


今週3日目の公演は、長崎県の島原商業高校、島原文化会館で行われた公演でした。
島原商業高校での風の公演は、2013年の『Touch』から3年ぶり4回目の公演となりました。



開演前に、「島原商業高校は創立60周年を迎えました」という挨拶の言葉を聞き、私自身、島原商業高校の1つの節目である時に皆さんと公演を行う事ができたことを嬉しく思い、これから彼らとどんな出会いの冒険が出来るだろうかと胸が高鳴りました。
公演が始まると、彼ら自身もこれから何が始まるのだろうかという好奇心に満ちた強い視線を向け、1幕、2幕と進む中、その視線が熱いものになっていくのを感じました。
終演後には、旧生徒会メンバーと新生徒会メンバーとのバックステージツアーと高階との座談会が行われました。







臆することなく、好奇心の瞳を輝かせながら舞台を全身で感じようとする生徒会の皆さんも。
ジャンヌ役の高階が現れると皆、思い思いに話をしたくてうずうずしているようでした。
座談会も盛り上がったようです!


日南市教育委員会主催市内中学校合同鑑賞会
今週4日目は、日南市教育委員会主催による日南市内中学校合同鑑賞会の公演でした。
場所は南郷ハートフルセンター。
会場につくと、素敵なメッセージが!



2011年の『ハムレット』、2014年『ヘレン・ケラー』の公演に続き、3回目のとなる今回の公演には、油津中学校、細田中学校、吾田中学校、榎原中学校、鵜戸中学校、飫肥中学校、北郷中学校、東郷中学校、南郷中学校、なんと合わせて9校合同の公演となりました。



開場まえには、たくさんの生徒さん、そして、それぞれの中学校から彼らを乗せてきたバスがずらりと並んでいました。
公演が始まり役者が客席から登場すると、一瞬の驚き、それから、客席にいる彼も、「今日は!」と声をかけてくれたり、「イエーイ!」とハイタッチをしてくれるなど、いきなりの状況にも動じず、一瞬一瞬に起こることを受け入れようとしてくれる姿勢に私たちもワクワクせずにはいられませんでした。
ですが公演が始まるにつれ、真剣な眼差しと集中力の波が客席から舞台へ伝わり、客席と舞台が濃密な空間となり、舞台を通し、また彼らの身体が物語る『ジャンヌ・ダルク』に支えられ、共に創り上げる事が出来たと感じる公演となりました。
カーテンコールでは、鵜戸中学校の生徒さんより、「役者の声や動き、抑揚に迫力を感じました」とお礼の言葉を頂きました。
終演後には、教育委員会の方々も、生徒の真剣な姿とものすごい集中力に驚かされたと語ってくれました。



日南市教育委員会の皆様の子供たちへむけての願いが繋がった今回の公演。
日南市教育委員会の皆様、そして、今回の合同鑑賞会参加して下さった中学校の皆様に心から感謝申し上げます。
指宿商業高校
今週最後は、鹿児島県の指宿商業高校との指宿市民会館での公演でした。
指宿商業高校での公演は、6年ぶり3回目の公演となりました。
まだ、開場する前から、たくさんの生徒さんが会館の前で、今か今かと待っていました。
お昼時、外を覗いてみると、海に面した指宿市民会館の敷地の芝生で、暖かな日差しの中で友人たちと楽しそうにお昼を食べている生徒さんの姿もありました。
長い待ち時間を経て、開場と同時に入場する指宿商業高校の皆さん。



カーテンコールでは、生徒会長さんのお礼の言葉から、「演技だけでなく、人形や影を使うなど、工夫がこらされていたところもすごかったです。」と全身で舞台を感じた実感を笑顔でしっかりと語ってくれる姿はとても印象的でした。
終演後には、高階と演劇部による座談会が行われました。
ですが、座談会の会場となったロビーには演劇部の他にもたくさんの生徒さんが集まって下さり、とても盛り上がったようです。
また、いったん座談会が終わった後も、演劇部の生徒さんが声をかけて、話をするなど、とても名残惜しい時間となっていたようです。



『ジャンヌ・ダルク〜ジャンヌと炎』九州・広島ツアーは第11周目を迎えましが、『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』のツアーを終えて途中から合流した私自身にとっては3周目となりましたが、若い観客や先生方との出会いを通じ、とても濃密な時間を過ごしています。
『ジャンヌ・ダルク』という物語を通して出会う彼ら自身もまた一人の『語る』者であるということ。
私自身も彼らの『語る』身体に日々出会い、支えられた公演であったと感じた時間でありました。
長い長いツアーも残すところ5公演となりました。
『ジャンヌ・ダルク』のツアーの仲間と創り上げた時間、そして、公演を通して出会えた人々の想いを手放さず、新たな出会いの地へとしっかりと進んで行きたいと思います。

倉八ほなみ(召使/イザボー役)

『ジャンヌ・ダルク―ジャンヌと炎』九州・広島巡回公演 第12週目~最終週

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『ジャンヌ・ダルク―ジャンヌと炎』九州・広島巡廻公演、をこれまでの多くの出会いを、自身が向き合ってきたものを12人の劇団員ひとりひとりが胸に持ちながら迎えた、第12週目から最終週。
トップの写真はこの巡廻公演の千秋楽となった学校、鹿児島工業高校の撤去作業の手伝いをしてくれた、バレー部、バドミントン部、バスケ部、そして有志の生徒さん、スタッフを含めた劇団員全員で撮った写真です。


12月13日 (大分県)明豊中学校・高校
12月14日 (長崎県)諫早商業高校
12月15日 (熊本県)玉名女子高校
12月16日 (鹿児島県)出水工業高校
12月19日 (鹿児島県)鹿児島工業高校



明豊中学校・高校


「このジャンヌ・ダルクの鑑賞を通して、君たちが何かを感じて帰ってもらいたいと思います。」
校長先生の生徒さんたちに向けられたこの言葉から、その言葉を受け取った生徒さんたちの拍手で幕を開けた舞台でした。
「これはなんだ?」と言わんばかりに、何かを問いかけているような目で、時々控えめに声をあげて笑ったり、驚きの声をあげたりしながら舞台に向き合っていたように思います。
公演後の座談会はなんと高校2年生の男子生徒さんとの一対一の座談会となり、担当の先生、その前に担当をしていた先生を含め、時間いっぱいじっくりと話すことのできた座談会でした。
「芝居をしたいとかその経験があったわけではなく、せっかくの機会だし希望したら、自分ひとりだけだったので驚きました。何個か事前に用意した質問があったのですが、夢中になってみていたので何を質問したかったのか忘れてしまった。」と舞台の感触と自分が聞きたかったことをその場でつなげながら言葉を伝えてきてくれました。
「舞台をみてどうだったのかな?」という先生の問いに彼は「失敗したら簡単に崩れてしまいそうな繊細なものに思えた。それが綺麗だと感じたし、力強く感じた。」とひとつひとつの言葉を生み出すように答えていました。



その場にいた2人の先生方も生徒さんと一緒になって質問をしてくれ、その座談会を盛り上げ緊張感を解きほぐしているような先生方の姿から、たったひとりでも参加しようとこの場で発言している彼にとってひとつの思い出になるようなものであってほしいと願うものを受けとり、この公演を舞台に向き合う生徒の目線を通して見ていたことを強く感じました。

公演中の生徒さんたちの姿はもちろん、彼らが何をみていたのか、何にであったのか、そして先生方の目線に改めて出会うことの出来た時間でした。




諫早商業高校


この日は九州に来て初めてといっていい程に、冬の空気が感じられる日でした。
その寒さを吹き飛ばす勢いで、目の前の舞台に声を上げながら入場してくる生徒さんたち。
会場に充満する彼らのエネルギーの中に迎え入れられた舞台でした。
リラックスした様子で舞台に向かう生徒さんたちはおもしろいところは大いに声を上げて笑い、驚きの声を上げ、クライマックスにかけてじっと沈黙して食い入るように目を向け、隣同士が互いに見ているところを感じながら、波紋しているかのように鑑賞していたように思います。

公演後には演劇部の皆さんに加わり、生徒会の皆さん、と30人もの生徒さんたちとの座談会が行われました。
聞きたいことをそのままの言葉で質問し、その受け答えには頷きながら関心を持って聞いていたそのみなさんの様子から、公演中のみなさんが自由に何かを自分の中で感じながら見ていたことを改めて実感しました。



座談会後、私たち役者に時間の許す限りひたすらに自身が見たもの、受け取ったもの、そのときの感情、発見を役者の動きを見よう見まねにやってみせながら伝えてくる生徒さんたちの生き生きとした姿に喜びを感じ、エネルギーをもらいました。
劇団のHPの掲示板には座談会に参加したほとんどの生徒さんがひとりひとりのみたものが頭に浮かぶような書き込みをしてくれました。



玉名女子高校
開場の前、「とても楽しみにしています!」と私たち劇団員に一言声をかけてくださった担当の先生。
その担当の先生の挨拶がつなげた客席の拍手から音楽と共に役者が客席の後ろの方から入ってきたときの元気いっぱいの歓声やはじけるような笑い声がとても印象的でした。



公演中の彼女たちの反応は舞台だけではなく客席の空気も互いに感じ合いながら一体となって見ていることを感じものでした。
公演後直ぐに担当の先生と共に教頭先生が楽屋に来てくださいました。
「とてもよかったです。」「泣いている生徒も何人かいましたよ」
とわずかな時間の中で先生方の中に舞台の余韻を感じると共に、生徒さんたちが感じたものを先生から感じられたことがとても嬉しく思いました。
撤去作業を終え、バスに乗り込もうとしているとき、3人の生徒さんが声をかけてきてくれました。



私たちが出で来るのを待っていたようで、「写真、とってください!」「かっこよかったです」「涙がでそうになりました」
とひとりひとりが言葉を伝えてきてくれました。
最後バスが会館を後にしようと出発すると担当の先生教頭先生が大きく手を振って最後の最後まで見送ってくださいました。




出水工業高校
会館での公演が続き、私たちにとっては久しぶりの体育館公演となった出水工業高校での公演。
自分たちが普段、目にしている体育館とは違う空気と、目の前に組まれた舞台装置に声をあげながら入場してくる生徒さんたち。
体育館いっぱいにひびきわたる彼らの声に、私たち自身彼らにとってどんな公演になるのか、本番を楽しみにしていました。
役者が客席から入ってくると、わたちたち役者に声をかけたり、握手をもとめてきたりと、体育館に役者を迎え入れるように盛り上げてくれました。
生徒さんたちはそれぞれが自身の感覚を持ちながら、自分が見たもの、感じたもの、受け取ったものを投げかけるように舞台に向き合っていました。
終演後には部活動の生徒さん、生徒会の生徒さん30人が、撤去作業に手を貸してくれ、それに加えて外でトラックに荷物を積む様子をずっと見ていた生徒さんたちに劇団員が声をかけると「手伝ってもいいですか?」と自ら手を貸してくれる生徒さんたちもいました。





ただ、お手伝いとして居るのではなくそれ以上に劇団員と一緒になって手を貸してくれる彼らの思いが本当に嬉しかったです。
以前から私たちの劇団を知っている校長先生の意向で撤去作業後に限られた時間ではありましたが座談会を行いました。
投げかけられた問い、それをじっと聞く彼らの目線からはひとりひとりが見たものが伝わってくる時間でした。







鹿児島工業高校
9月から始まり、3ヶ月間に及ぶ『ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎』の九州・広島巡回公演の千秋楽。
3階の体育館での公演だったので、前日の舞台装置の体育館への運び入れから始まった公演でした。
担当の先生はずっと風の舞台をみてきた先生で、去年の全く同じ時期に『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』を公演した学校の担当もしていた先生であり、私たち自身、先生との再会も楽しみにしていました。
前日、体育館に到着すると野球部の生徒さんたちと先生方が「手伝います!」と迎えてくれました。
野球部の生徒さんに加え、吹奏学部の生徒さん、その他合わせて40人ほどの生徒さんたちが、3階体育館への搬入を自分たちが運んでいる舞台道具に「これは何に使うんですか?」「どうなってるんだろ」と関心を持ちながら一生懸命に手を貸してくれました。



本番は1000人を越える生徒さんたちが体育館いっぱいになった中で開演しました。
1000人が居るとは思えないほどの静けさで、顔をあげてじっとして舞台に目を向ける彼らの集中した様子に、彼らの強い眼差しを役者の全員が感じながら舞台に立っていました。
終演後の撤去作業時にはバレー部、バドミントン部、バスケ部の体育館の部活動の生徒さん、有志の生徒さんが自分の手が空くと「何かできることはありますか?」「これ、自分もやってみたいです!」と私たち劇団員について回るように、関心の目を向け、積極的に手を貸してくれました。








全65ステージ、真夏のような暑さであった9月から始まり、九州とは言えども朝夕は冷たい空気が肌を刺す12月に千秋楽を迎えた『ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎』九州・広島秋ツアー。
公演の一日一日、今日出会う客席を劇団員のひとりひとりがひとりの俳優として色濃く感じながら向き合い、一回一回をやりきってきたものであったと思っています。
「心に炎を灯しているすべての人に――」と書き下ろされたマテイ・ヴィスニユックの描く『ジャンヌ・ダルク』、その言葉と共にあり続けた65ステージであったことを語り合っていきたい。そしてまた人に触れ、心に触れ、出会い、繋がっていくことのできる自分自身をしっかり持って来年の一年もまた観客と共にありたいと思います。


ジャンヌ・ダルク役 高階ひかり

2017年『ジャンヌ・ダルク―ジャンヌと炎』東日本ツアー スタート!

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4月の劇場での、新作『窓辺の馬』の公演を終え
今年の巡回公演が始まりました。

『ジャンヌ・ダルク―ジャンヌと炎』は関東・甲信越・東北地域を巡回していきます。

4月28日(金) [千葉県]柏井高校・千葉市文化センター
5月 1日(月) [東京都]小平高校・ルネこだいら
  22日(月) [岩手県]西和賀高校・同校体育館
  25日(木) [群馬県]太田フレックス高校・同校体育館

での公演がありました。

柏井高校
2013年の「肝っ玉おっ母とその子供たち」以来4年ぶりの公演で、3年生のみの鑑賞でした。
舞台に向けて注がれる静かで真剣な眼差しが印象的でした。
今目の前で起こっていることは何なのかをそれぞれが感じているようでした。







公演後には演劇部と希望者の生徒の皆さんとの舞台見学が行われました。
大道具や小道具、衣装などを見て、触れながら劇団員の話にじっくりと耳を傾けてくれていました。


小平高校
風の公演は初めてとなる学校でした。
開演前の客席からは元気な話し声が聞こえてきて、これから始まることへの期待が感じられました。
開演すると一変、食い入るように舞台に視線を送ってくれていました。
カーテンコールでは生徒会長さんが緊張しながらもしっかりとした言葉で想いを伝えてくれました。





小平高校も公演後に演劇部の皆さんとの舞台見学が行われました。
「こういうふうになってるんですね。」「客席で見ているときは人形は怖かったけど、近くで見ると意外とかわいいですね。」
など、興味津々な様子で楽しんでくれていました。

旅は少し間を置いて一路岩手県へ。

西和賀高校
2014年の「ヘレン・ケラー」以来で5回目の風の上演でした。
全校生徒100人未満の客席は、まさにひとりひとりの顔が見える空間でした。
じっと集中して見ている生徒、友だちと笑い合いながら見ている生徒。そんな彼らを見守る様に見ている先生方。
そんな、あたたかな雰囲気の客席でした。







舞台撤去には、文化部の生徒の皆さんと飛び入りで野球部の生徒さんが手伝ってくれました。
元気な笑い声の響く、楽しい時間となりました。


集合写真を撮ったあとに、シャルル七世役の石岡和総に話を聞きたいと集まる生徒たち。

「生徒の人数は減ってしまいますが、生徒のために芸術鑑賞をこれからも続けていきたい。」
と、担当の先生が力強くおっしゃっていました。
また、お会いできることを願っています。


太田フレックス高校

2012年「Touch」以来3回目の風の上演でした。
定時と通信で単位制高校の昼間部の生徒の皆さんが鑑賞しました。
とてもリラックスした客席で、そこここで反応しながら見てくれていました。
カーテンコールでは生徒会長さんが「俳優の皆さんの表情や感情から色んなことを感じ、これが演劇なんだと思いました。」
と、自分の中で起こったことを素直に話してくれました。


公演後には、先生の呼びかけで集まってくれた生徒の皆さんと、舞台見学が行われました。







舞台見学後はそのままみんなと舞台撤去へ。40人ほどの生徒の皆さんが手伝ってくれました。
先生方も「まさかこんなに集まってくれるとは思っていませんでした。普段はおとなしい生徒もあんなに元気に。
きっと、それぞれに感じてくれたんですね。」と嬉しそうに話してくれていました。


東日本での巡回公演は今年が初めてとなる『ジャンヌ・ダルク』ですが、この4校の公演を終えた中でも
大きな手応えを感じています。
これから7月まで続く公演の旅。これからの出会いがとても楽しみです。
来週は栃木県へ向かいます。

文:佐藤勇太(伝令・死刑執行人役)

2017年『ヘレン・ケラー 〜ひびき合うものたち』春の西日本巡回公演ツアー 第1週目

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春の暖かな気候に包まれて始まった『ヘレン・ケラー ~ひびき合うものたち』2017年春の西日本巡回公演ツアー、第1週目の公演となったのは、三重県、兵庫県、大阪府でした。

5月22日(三重県) 三重中学校・高校 同校体育館
23日(兵庫県) 尼崎西高校 同校体育館
24日(兵庫県) 香住高校 香住中央公民館
25日(大阪府) 城星学園中学・高校 同校講堂
26日(大阪府) 園芸高校 池田市民文化会館
27日(兵庫県) 自由ヶ丘高校 同校体育館

三重中学校・高校

ツアー初日は、2011年の『ヘレン・ケラー』の公演から、8年ぶりとなる、三重県の三重中学校・高校での公演でした。
前日の正午からの仕込みの作業ではありましたが、なんと、沢山のバレー部の生徒さんと演劇部の1年生の男子生徒さんがお手伝いに来てくれました!
東京を出発した時は肌寒さを残す気候でしたが、西日本に到着してからは気温も高く、皆んな汗だくになりながらも、仲間と声を掛け合いながら、元気にお手伝いをしてくれました。



初日となった三重中学校・高校での公演は全校生徒数が多いため、午前と午後と、2ステージでの公演でした。
入場する生徒さんの中には、「あ!あれ、私達が昨日運んだやつだ!」と声を上げるバレー部の生徒さんの姿もありました。

午前の公演も午後の公演も、それぞれ客席の雰囲気も違い、熱い体育館の中でも、熱さに負けず、それぞれの空間でしっかりと舞台に向き合おうとしてくれました。







終演後には、バックステージツアーとアニー・サリバン役の渋谷との座談会が行われました。
バックステージツアーには、希望者という事でしたが、沢山の生徒さんが集まってくれ、想い想いに舞台を駆け回り、積極的に劇団員にも声をかけていました。

また、舞台の撤去作業には、ダンス部の生徒さんもお手伝いに来てくれました。

撤去作業のお手伝いが終わった後も、体育館の隣のテラスでハツラツと踊る生徒さんのパワフルな姿に私達もこれから始まる公演への活力を貰いました!

尼崎西高校

ツアー2日間目は兵庫県の尼崎西高校での公演でした。
この日も前日の公演が終了後の夜の搬入作業となりましたが、担当の先生方も作業が終わるまで、体育館で暖かい目で見守ってくれていました。

そして、本番当日、普段自分たちが使っている体育館に突然現れた舞台に、驚きの声をあげながら、賑やかに入場する生徒さんの姿。
ですが、公演が始まると、静かに重い視線を向け、一人一人が自分の身体を使い、しっかりと舞台を感じ、観ようとする生徒さんの姿がとても印象的でした。







終演後には、バレー部、バスケ部、バトミントン部、新体操部、演劇同好会の沢山の部活動の生徒さんが撤去作業のお手伝いに集まってくれました。
慣れない作業にも関わらず、皆んな笑顔でとても気持ちよくお手伝いをしてくれました。

また、今日1日の公演を通して、公演に向き合う生徒さんの姿を見ていた担当の先生が、ヘレン役の稲葉に「そのつもりはなかったのですが、彼らに感想文を書かせたくなりました。」と語ってくれました。
仲間や先生や公演を通して過ごしたこの1日の中で、彼らが、何を観て、触れて、感じたのか、彼らがどんなものや瞬間に出会えたか、私達もとても楽しみです。

香住高校

ツアー3日目は、兵庫県の香住高校での公演でした。
風の公演は、「星の王子さま」、「ヘレン・ケラー」、そして今回、18年ぶり2回目となる「ヘレン・ケラー」の公演でした。
今回のツアーでは、初めての会館での公演。
舞台の袖まで、生徒さんの元気な入場の声が聞こえてきました。
公演が始まり、物語が進むにつれて、客席からの真っ直ぐな視線や姿勢から、密度のある空間が生まれていくのが舞台にも伝わってきました。










終演後には、先生方の呼びかけもあり、沢山の生徒さんが、バックステージツアーに参加してくれました。
最初は舞台に上がろうか迷っていた生徒さんも、一歩足を踏み出せば、興味の赴くままに舞台に触れていました。
また、友達同士で、「これはどうなってるのかな?」と細かな舞台の機構を観察しながら、話をする姿もありました。

城星学園高校
ツアー4日目は、大阪府の女子高、風は初めてとなる城星学園中学・高校での公演でした。
この日も前日の夜からの搬入作業となりました。
明るく迎えて下さった担当の先生、そして、遅い時間まで、搬入の誘導をして下さった先生方に心より感謝申し上げます。
先生方の熱い協力を支えに始まった当日の公演。
開演前に担当の先生から前日の搬入作業や、公演への想いを伝える話に、じっと耳を傾ける生徒さんの姿が印象的でした。



終演後には、中学生50人くらいによるバックステージツアーも開かれました。





また、終演後には、担当の先生や校長先生、大勢の先生方が総出で撤去作業のお手伝いをしてくれました。
先生方のアイデアにも助けられ、あっという間にトラックまで大道具が運ばれて行きました。
担当の先生を始め、先生方、そして、公演では、生徒の皆さんにと、本当に多くの方々に支えられた公演となりました。
本当にありがとうございました!

園芸高校

ツアー5日目は、大阪府にある園芸高校での公演でした。
公演自体は会館での公演でしたが、会館へ向かうバスでの道のりの途中、園芸高校の前を通りました。
実習場などが完備された、広い学校の敷地に、園芸高校のみんなが、ここできっと、様々な経験や試みをしているのだろうな、と想像し、そんな彼らといったいどんな公演を創ることが出来るかと、劇団員一同胸が高鳴る想いでした。

開演前、校長先生が「この公演で、障害を乗り越えた感動だけでなく、人との出会いや愛情や発見、人との繋がりを感じてほしい」と客席に語りかけ、生徒の皆さんも、私たちも、先生方の想いのバトンを受け取っての公演となりました。







終演後には、バックステージツアーも行われ、生徒さんだけでなく、先生方も率先して舞台に上がり、公演への想いや、生徒さんの話をとても熱く語ってくれました。
生徒の皆と先生方、劇団員と、皆が一体となった、盛り上がったバックステージツアーとなりました。



カーテンコールでは、生徒の皆さんが心を込めて育てた綺麗なお花を頂きました!

自由ヶ丘高校

今週のツアー最後となったのは、兵庫県の緑豊かな高台に建つ、全寮制の男子校である自由ヶ丘高校での公演でした。
入場する生徒の姿からは、穏やかな雰囲気を感じました。
公演が始まると、リラックスしながらも全身で受け止めようと、一人一人が自身の身体を通して、真っ直ぐに舞台を見つめる姿に支えられた公演となりました。

自由ヶ丘高校では、1年生が来月に演劇発表をするということで、バックステージツアーと、ヘレン役の稲葉による座談会が行われました。



座談会が行われるまえに、担当の先生が皆んなを集めて、「この舞台セットは誰が作ったと思いますか?これは、役者もスタッフも一緒になって、劇団員の皆が作りました。演劇は、皆んなで一緒に創り上げるものです。」と、皆んなで創ることに意味があるのだと、先生の熱い想いを伝えていました。
終演後の撤去作業にも、沢山の生徒さんがお手伝いに来てくれ、あっという間に彼らの体育館に戻って行きました。







自由ヶ丘高校の先生方は、7月に行われる大阪府でのプレミア公演にも来て下さるそうです。
また、お会いできる日を心よりお待ちしています。

先生方の情熱や公演や生徒さんに対する想い、そして、様々な表情や想いをぶつけてくれた生徒さんに支えられ、創り上げることが出来た、『ヘレン・ケラー』西日本巡回公演第1週目。
今回、出会い支えてくれた人々の想いを背負い、私たち自身も情熱を持って、これからの始まりの旅を進んでいきます!

パーシィ役 倉八ほなみ

2017年『ヘレン・ケラー 〜ひびき合うものたち』春の西日本巡回公演ツアー 第2週目

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トップの写真は、岡山県立玉野高等学校の演劇部のみなさんとの一枚です。


『ヘレン・ケラー 〜ひびき合うものたち』西日本巡回公演ツアーの2週目は、

5月30日[火] (京都府)京都橘中学校・高等学校/同校講堂
5月31日[水] (岡山県)玉野高等学校/同校体育館
6月 1日[木] (岡山県)井原高等学校/井原市民会館 での公演でした。

橘中学校・高等学校



京都橘中学校・高等学校の講堂に、前日から舞台設営を行いました。
迎えた本番当日は午前と午後の2ステージ。
午前中は、中学生と高校3年生が観劇。大きな笑い声や、「マジかよ!?」と驚く声、関心のあることを声に出して隣りの人と話す生き生きした様子が舞台上からも感じられました。また、芝居がクライマックスへと向かう頃のみなさんの熱い視線も印象深かったです。
午後は、高校1・2年生の観劇で、大きな講堂の客席は満席です。
始まりから終わりまで、みなさんは講堂の中に、凝縮した空間をつくりだしていたのではないでしょうか。集中した視線と息遣いが、舞台のリズムを生みだしていったと思います。



公演後は、高校2年生のクラス代表のみなさんと、舞台見学と座談会を行いました。
2年生のみなさんは2学期にクラスで演劇発表を行うそうです。
さっきまでの集中した空気が一変、興味のあるところ、知りたいこと、見たい、聞きたい、触りたいの思いが爆発するかのように、ステージで多くの発見をしてもらえたようです。



京都橘高校のヘレンとアニー


音響にも聞きたいことが山ほどあります!オペレーターの渡辺雄亮に質問中


素敵な1枚、いただきました!

京都橘中学・高校での公演の担当をしてくださった先生が、生徒さんたちが公演後に書いた感想文を読んで、こんなことを感じていたんだという驚きがあったこと、芝居を見ている生徒さんの姿を見て、いつもとは少し違った発見が先生自身にあったことを話してくれました。生徒さんたちを温かく、愛情を持って接していることが強く伝わってきました。
2年生のみなさんにとって、クラス全員でつくる演劇発表が、この学校での思い出のひとつとなったり、“何か”と出会うきっかけとなることを願っています。


玉野高等学校




京都での公演を終えて、旅班は岡山県にバスを走らせました。
玉野高校での公演は、嬉しい再会、驚きの再会の連続でした!

朝早くから演劇部のみなさん、顧問の先生、担当の先生、教頭先生が搬入を手伝ってくれました。
そして何と、教頭先生は2002年に、ここ、玉野高校で『星の王子さま』を上演した時の担当の先生だったのです。また20年以上前になりますが、同じ岡山県の他の高校で『星の王子さま』を上演した際、担当だった先生が、今は玉野高校にいらして、「驚きの再会です」と、体育館まで会いに来てくれました!演劇部のみなさんとの交流や、驚きの再会に、旅班の仕込みにも熱が入ります。



入場時から元気な声が劇場となった体育館に響き渡っていましたが、芝居が始まると、すっと舞台に入り込むかのように、会場の空気が変化していきました。
暑い体育館の中でも、みなさんの真っ直ぐな姿勢は揺らぐことはありません。みなさんの目で見て、感じたことを大切にしてもらえたら、と思えるような2時間をともにつくりあげたと感じられる舞台となりました。





終演後は、演劇部のみなさんが舞台見学とヘレン役の稲葉との座談会を行いました。発表を近々に控えた演劇部のみなさんには、聞きたいことがたくさんあったり、悩みがあったりなど、座談会は真剣そのものでした。座談会後は「話せてよかった」という言葉からもわかるように、さらにパワフルになったみなさんが片づけを最後まで手伝ってくれました。みなさん、ありがとうございました!

バスが学校を出る時、校内・グランドで部活をしている生徒さんたち、そして先生方が、大きく手を振って見送ってくれました。人と人の出会いが、再会、繋がりを生んでいくことを実感した公演でした。

井原高等学校



学校から会場となった井原市民会館にやってくる生徒さんたち

開演前、賑やかな会場の様子が舞台袖に伝わってきました。井原高校は、三年に一度の芸術鑑賞を行っている学校です。どんな出会いになるか、と、胸が高鳴ります。

幕が開くと、会場は深い静けさに包まれました。その中で生徒さんが、思いきり笑う瞬間があったり、舞台から何かを捉えて空気が動く瞬間がありました。客席と舞台、お互いに密度の濃い時間を過ごせたのでは、と感じました。
カーテンコールより 





終演後は先生の呼びかけで、多くの生徒さんが舞台見学に来てくれました。舞台の隅々まで動き回る生徒さん。あちらこちらで俳優と話もしたり、舞台上はとても活気づいていました。また楽屋を訪ねてくれた生徒さんもいました。そこでは、俳優がどのように演劇に向き合っているかを話しました。
盛り上がった舞台見学の流れで、急きょ座談会も開催。声の出し方、役作りはどうしているかといった質問から、ヘレンの動きが気になった、なぜ劇団へ入ろうと思ったのか、という俳優自身に関心を持ってくれた質問、また『リアル』と言われるモノとは違った『リアル』をこの芝居から感じたと語ってくれた生徒さんもいました。座談会にも多くの生徒さんが参加してくれて、先生方も喜こんでいました。


『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』西日本ツアー、あっという間の2週目でした。
今週の公演では、先生の言葉で生徒さんを想う気持ちを語ってくれる場が多くありました。話を聞いていると、先生自身が生徒さんとの関係を、常に振り返っているんだと感じました。そしてそこには、生徒さんに生き生きといてほしいと強く願う先生方がいました。生徒さんの話をする時の先生の嬉しそうな、輝いた表情は忘れません。


旅はまだ始まったばかり。
これからの出会いにたくさんの期待を込めて、舞台をつくり続けていきます。


渋谷愛(アニー・サリバン役)

2017年『ジャンヌ・ダルク―ジャンヌと炎』東日本ツアー 第2週目

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今週は、
5月30日 文星芸術大学附属高校
6月1日 午前 鹿沼東高校
      午後 鹿沼高校
  2日 午前 鹿沼南高校
      午後 鹿沼商工高校
  3日 つくば国際大学東風高校
の公演です。

文星芸術大学附属高校
今週のスタートを切ったのは、宇都宮市文化会館での、文星芸術大学附属高校の公演です。
1000人を超える大規模校ですから、劇団のメンバーも、出会いを期待しつつ、少し緊張があるようです。生徒のほとんどが、男子でしたが、若干の女生徒もいるのが分かりました。1000人の生徒が、1箇所に集まると、どうなるかと様々に思いを巡らせましたが、そのエネルギーは、舞台に向けられ、舞台上の出来事に対して、真剣に向き合う生徒の姿が印象的でした。






終演後、当日の呼びかけにもかかわらず、たくさんの生徒たちがバックステージツアーに参加してくれました。
それぞれに興味を持ったものをじっくりと見ていました。


鹿沼市合同芸術鑑賞会
6月1日と2日は、鹿沼市の4校の高校の、合同公演です。
鹿沼市民文化センターで、1日の午前が鹿沼東高校、午後が鹿沼高校。2日の午前が鹿沼南高校、午後が鹿沼商工高校の公演です。
私たちは、全国を旅公演していて、その土地特有の人々の感触があります。
しかし、同じ土地、同じ地域でも、それぞれの学校、生徒個別に観劇するときの反応が違うのも確かです。
鹿沼では、どんな合同公演になるか、劇団のメンバーは皆、楽しみに向かいました。
公演が進んでいき、まず気付いたのは、演劇鑑賞行事の担当をされている先生方が、他校の担当の先生としっかり連携が取れているところでした。このことは、簡単なことではないように思います。公演が終わると担当の先生は、次の上演校の先生に、どんな演劇だったか、生徒たちの中に何が起きていたかと言うことを話ししていらしたようです。
又、四校全ての学校の先生方が、生徒たちに『演劇や芸術を観ることを通して、しっかり自分の考えや、感情を持って欲しい』と考えられているのが、感じられました。
鹿沼高校の校長先生は、開演前に
「君達には、しっかり哲学を持って欲しい。哲学を持たない科学者がどんなに恐ろしいか、そのことを考えてください。」
と挨拶されました。
鹿沼南高校の校長先生は、終演後楽屋にいらして、
「生徒には、とにかく本物を観せることが大事なことだと思います。」
と僕達に話して頂きました。

本番のときの生徒たちの姿をみると、先生方の生徒たちに対する願いは、しっかり響いているように感じました。のびのびと感情をそのまま僕達に伝えてくれる場面もあれば、静かに集中する時もあって、生徒個々の考えや心の動きが舞台上に伝わって来ました。

カーテンコールでは、それぞれの学校の生徒代表が、観劇した感想をその場で感じたまま話してくれたことも、素敵でした。
鹿沼商工高校の代表の生徒は
「ジャンヌが最後に、『許す』ことをしたことが、僕にとって感動しました。」と話してくれました。

終演後、全ての学校で、バックステージツアーを行い、そこでも劇団員とそれぞれの生徒が、コミュニケーションするいい時間を持つことができました。












つくば国際大学東風高校
3日、つくば国際大学東風高校での公演です。
学校の文化祭の中で、風の上演を行うスケジュールです。本番当日の午前中に体育館のステージを使って、クラス発表を行うと言うことで、前日の6月2日に僕達の舞台を仕込みました。
本番当日の午前中、生徒達のクラス発表が盛り上がってる中、舞台裏で作業、役者がストレッチをして上演に備えます。
本番が始まると、生徒達は、文化祭の発表の盛り上がりもあるようで、とてもリラックスしながらも、役者の動き、照明音響の効果などに、興味深い眼差しを向けているのが印象的でした。
終演後、一クラスの生徒さん達が、撤去作業を手伝って頂きました。









6月に入って、まだまだ涼しい日々が続いていますが、これから暑い夏に向けて、ジャンヌ・ダルクのメンバーも汗だくになりながら、熱く東日本を駆け抜けて行きます!

文:栗山友彦(アンセラン/ピエール・コーション役)

2017年『ジャンヌ・ダルク―ジャンヌと炎』東日本ツアー 第3週目

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6月6日(火) [埼玉県]開智学園開智中学校・春日部市民会館
  7日(水) [石川県]大聖寺高校・加賀市文化会館
  8日(木) [石川県]金沢泉丘高校・金沢歌劇座
  9日(金) [石川県]金沢商業高校/金沢二水高校・金沢歌劇座

開智学園開智中学校
 『ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎』の3週目は、開智学園開智中学校の公演から始まりました。こちらの学校では、『星の王子さま』『Touch 孤独から愛へ』『肝っ玉おっ母とその子供たち あとから生まれてくる人たちに』を2回、『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』の上演と、2005年から風のレパートリー作品を上演しています。
 今回は中学1,2年生が観劇しました。今春のツアーで中学生が見るのは初めてとなります。客席後方から登場してくる役者たちに、「え?」「何?」と不思議そうに笑顔で迎えてくれた生徒さんたち。芝居が進むなかでもその感触を残しながら、興味深い眼差しを持って見てくれました。






公演後には40人〜50人の生徒さんが集まりバックステージと座談会が行われました。

この学校では、毎年中学2年生が文化祭でクラスごと演劇を発表しているそうです。しかも15分間という時間枠の中での上演で、自分たちで全てを構成して作品を創り上げていくのは容易なことではありません。座談会では「台詞はどう覚えるのか」「役をどうつくっていくのか」など、次々と質問が出てきました。演劇をつくることでクラスの仲間と一緒に、自分たちにとって大事なことを見つけていってほしいと思います。
 
このあと旅班は、埼玉・春日部市から石川県・加賀市へと一気に向かいました。


大聖寺高校

 石川県内では、石川県高等学校文化連盟文化教室が数十年に渡って実施されているそうです。子どもたちの感性を育てていく大事な行事として小学校、中学校でも文化教室があり、高校では演劇と音楽を隔年ごと行っています。今回の『ジャンヌ・ダルク—ジャンヌと炎』では、加賀市内と金沢市内の高校生のみなさんが観劇します。
 最初の公演は、昔ながらの温泉街が残る加賀市・大聖寺高校。
 「この作品を描いた方は、みなさんに何かを感じてほしいと『ジャンヌ・ダルク—ジャンヌと炎』を描かれました。その思いを劇団の方たちが伝えてくれます。みなさんも精一杯自分の身体を使って受けとめてください」生徒さんたちを優しく促すように語る教頭先生の挨拶とともに公演が始まりました。
演出 浅野佳成の呼びかけに作家マテイ・ヴィスニユックが「日本の若い観客のために」と書き下ろし、上演されてきた風のレパートリー。初めての地で生徒さんたちがどのように見てくれるのか気持ちが引き締まります。
 舞台を見る生徒さんたちのまなざしはとても熱く、そしてとても真剣でした。最初から最後まで刻々に舞台を見つめ、“いま”という時に向き合う生徒さんたちの姿があったように思います。公演後、生徒会長さんが「ジャンヌが貫き通した信念はすごいと思いました。マテイさんの〈人は小さくとも心に炎をともしている〉という言葉を忘れないでいたいと思いました」と感想を話してくれました。
私たちも、生徒さんたちが2時間という時間の中で少しでも感じたこと、疑問に思ったこと、自分の中に起こっていることを大事にしてほしいと思いながら舞台に立っています。生徒会長さんが一生懸命に、そしてまっすぐな目で話してくれた言葉は、私たちの心にも響いてきました。ありがとうございました。


金沢泉丘高校

 きれいな町並み、様々な文化財のなかにある金沢歌劇座で、2日間金沢市内3校の公演が行われました。最初は金沢泉丘高校の公演です。
2000人程の大ホールで1階に2,3年生、かなり高い2階に1年生と1200人の生徒さんが観劇。この空間で生徒さんとどんなふうに舞台を創っていけるか、どのように伝わっていくのか楽しみです。





時折笑ったり、芝居のことを話してみたりしながらも、舞台に注がれる眼差しは集中していました。後半に向かうにつれその眼差しは高まり、日常とは違う時間の流れの中で、立ち止まったり、疑問に思ったり、一人ひとりが舞台を通して何かに向かっているような印象が残る公演でした。



公演後には、新聞部1年生のみなさんによるインタビューがありました。



金沢商業高校

金沢商業高校は午前中の公演でした。開演前から会場には元気な声で溢れていました。
が、校長先生の挨拶に客席は一気に集中、社会科で歴史を教えていたという先生が、ジャンヌ・ダルクが生きた時代を分かりやすく説明してくださり、生徒のみなさんに「力強く受けとめてください」という言葉がとても印象的でした。
先生の言葉に反応するかのように元気なみなさんの身体からは、見ようとするエネルギーがとてもよく伝わってきました。舞台と客席が互いに創ろうとする感触があり、生徒さんの集中した姿は最後まで途切れることがありませんでした。
カーテンコールで「生の演劇に触れる機会がない自分たちに、今日は素晴らしい劇をありがとうございました。また、金沢商業に見せに来てください」と生徒会長さんから嬉しい挨拶をいただきました。生徒さんたちの姿に校長先生も喜んでいたようです。





演劇部と希望者の生徒さんたちとの座談会。午前と午後の公演の間の短い時間でしたが、一人ひとりがジャンヌ役の白根に質問や感想を話してくれました。
時間が無く途中で帰られた希望者の生徒さんもいました。

金沢二水高校

午後の公演は金沢二水高校。この公演でも2階席まで生徒さんが入りました。
集中した眼差しのなか、場面ごと変化しながらともに舞台が創られていきました。
後半にはジャンヌのことを語る役者の言葉、態度、ジャンヌの声ひとつひとつのことをそれぞれが考えながら見ているようでした。

演劇部と新聞部のみなさんによるバックステージ。





新聞部のみなさんによるインタビュー。公演後、明かりや音の作り方、また衣裳などスタッフの仕事に興味が湧き、照明、音響オペレータにもインタビューがありました。
演劇部のみなさんも加わって座談会も行われ、演劇をつくることについての率直な質問で話は尽きません。また、2階で見ていた1年生の生徒さんが、1階の生徒さんたちがとてもよく見ていてびっくりしたなど、生徒さん同士、先生方にもこれまでとは違う生徒さんの姿があったのではないでしょうか。





一気に駆け抜けた一週間でしたが、生徒さん一人ひとりの強いまなざしとともに創り上げた公演でした。そして、演劇を通して彼らが自身と出会うことを願い、支える先生方の姿がありました。
まだまだ続く公演の中で、生徒たちの新たな発見となり生きていく力となるよう、一回一回の公演に向かいます。

文:工藤順子(召使い・イザボー王妃役)

2017年『ヘレン・ケラー 〜ひびき合うものたち』春の西日本巡回公演ツアー 第3週目

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『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』西日本巡回公演も3週目を迎えました。

6月 6日 洛東高校(京都府)
8日 江津工業高校(島根県)
9日 鳥取城北高校(鳥取県)
10日 高知東工業高校(高知県)
の4ステージの公演となりました。
今週も沢山の新しい出会いや思いもかけない再会がありました!

洛東高校

洛東高校での風の公演は3度目となります。今回は19年振りの公演、なおかつ19年前と同じ『ヘレン』の上演です!
会場である滋賀県大津市、琵琶湖の辺りにある大津市民会館に到着した旅班を出迎えてくれたのは、近隣にある打出中学校の生徒さん達4名。前日と当日に職場体験学習ということで、市民会館での仕事を体験、また私達の公演のお手伝いをしてくれることになりました!
機材の搬入から設営、掃除や照明の調整の手伝いまで、ありとあらゆる仕事を劇団員と共に楽しみながら取り組んでくれました。



舞台セットのポンプを組み上げ、実際に水が出るか確認中・・・。



舞台上の掃除。釘やビスが落ちていないかも確認しています・・・。



舞台セット(私たちは二階屋と呼んでいます)も組み上げて、皆が乗っても大丈夫か確認中・・・?

皆さんのおかげもあり設営作業はスムーズに進んでいきました。中学生の皆さんの体験学習は15時までと決められていましたが、会館スタッフの方や先生方の配慮もあり、公演の最後まで観られることになりました!
さて、いよいよ開場時間。洛東高校の生徒さんが客席内に入っていきます。800名近い生徒の皆さんが集まり、今か今かと開演を待っています。勿論その中には打出中の生徒さんも。
開演前には芸術鑑賞ご担当の先生から「これから観る演劇を自分の糧にして欲しい」と生徒さん達に向けてメッセージ。洛東高校の3年生の皆さんは9月の文化祭で演劇の発表をするそうです。なので私たちの演劇を様々な視点から観てくれたのではないでしょうか。
そして、開演。スタートの音楽とともに客席からは拍手と大きな歓声が沸き起こります。そんな客席もいつの間にか舞台に集中し、物音一つ立たないような空間が出来上がります。



終演後にはとても綺麗な花束をいただきました。ありがとうございます!
また客席が明るくなると同時に中学生の皆さんは会場を後にします。でもその前にヘレンとアニーから記念のカードのプレゼント!旅班全員分の名前の入ったポストカードです。気に入ってもらえましたか?

その後呼び掛けに集まってくれた生徒さん達40名程の皆さんに向けて、バックステージツアー、そして座談会が行われました。



さっきまで俳優が立っていた舞台に上がり、さっきまで触ったり投げたりしていた小道具に直に触れています。





大道具の組み方も実際に見て、触れて仕組みを劇団員から熱心に聞いています。



座談会でも沢山の質問が飛び交いました。ヘレン役の稲葉が一つ一つ生徒さんに向けて回答しています。また、途中からはアニー役の渋谷やパーシー役の倉八が代わる代わる参加。座談会は大いに盛り上がりました。皆さんありがとうございました!

江津工業高校

洛東高校での公演を終えた旅班は島根県へ。次の公演は江津(ごうつ)工業高校での公演です。江津工業高校での公演は16年振り、2度目の公演です。当日の朝学校の体育館へ到着、設営準備に取り掛かろうとすると、体育館にいた有志の生徒さん達8名程の皆さんが私達を手伝ってくれました!朝のホームルームまでの短い時間でしたが、テキパキと、私達の指示を聞いてくれ、トラックから運び出される沢山のセットや機材を体育館の中に運び入れてくれました。本当にありがとうございました!





体育館は劇団員の手によりあっという間に舞台空間へと変わっています。まず目に飛び込んでくる大きな背景幕(ドロップ)、そしてグレー一色に染まった舞台装置、そして照明を吊るために立てられた足場。昨日までの体育館とは大違い。体育館に入ってきて生徒の皆さんはどう思ったのでしょうか?また当日は暑さも懸念されましたが、曇り空で風もあり、生徒の皆さんにとってはとても鑑賞しやすい環境となりました。
演劇を観る機会が少ない、とお聞きしていましたが、開場中も公演の間も、今目の前にあるもの、この体育館で行われているすべての事を真剣に、静かに鑑賞してくれているように思えました。休憩時間となった瞬間、自分の周りを見渡し、友達やクラスの皆の反応を伺っているのも印象に残りました。「自分が今観ているものは何だろう?」「観ながら感じたこの思いは何だろう?」そんな事を感じたのでしょうか?





カーテンコールではお礼の言葉と花束の贈り物が。素敵な等身大の言葉と花束をありがとうございました!

終演後には体育館の部活の生徒の皆さんが有志で私達の撤去作業を手伝ってくれました。
俳優やスタッフと公演の感想や高校生活や部活について様々話し合いながら、楽しく撤去作業を進めてくれました。重い物もニコニコしながらトラックへと運んでくれます。皆さん本当にパワフルです!
熱心に指示を聞きながら、でもカメラを向ければ皆さん素敵な笑顔を向けてくれたりと、公演を含め今日一日を心から楽しんでくれていたように思います。











最後に皆で記念写真!!皆さんお疲れ様でした!ありがとうございました!

・・・とその後に実は公演前からずっと気になっていたことが。実は江津工業高校の学区内には4年前に文化庁主催次代を担う子どもの文化芸術体験事業『星の王子さま』で公演をした江津市立青陵中学校があります。もしかしたら・・・と思いながら聞いてみました。
『青陵中学校で星の王子さまを観てませんか?』
すると3人の生徒さんが青陵中学校出身で公演を覚えていてくれました!自分達も舞台に参加した事、当時の先生方が出演した事など、沢山の事を私達に伝えてくれました。
今日が初めての出会いだと思っていたら、何と久し振りの再会となったわけです!話してくれた生徒さんだけではなく、きっと何人のも青陵中学校出身の生徒さん達は気付かないうちに私達との再会を果たしていたんですね。
旅班一同思いもよらないサプライズに、とても嬉しい気持ちになりました。今度は3回目、またどこかでお会い出来る日を楽しみにしています!

鳥取城北高校

島根県から日本海の風景や夕焼けを楽しみながら鳥取県へと移動。鳥取城北高校の公演です。3年前に『ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎』を公演していますので、3年ぶりの再会となります!会場のとりぎん文化会館梨花ホールに、学校からバスで移動してきた生徒の皆さんが続々と集まっていきます。約1000人もの生徒さんがホールに集結。それでもホールが大きいので1階席だけで全校生徒の皆さんが入り切りました。開演前の私達を迎えてくれる拍手の大きさにビックリしながらの開演となりました。





また、休憩後の2幕の開演でも同じ様に私達を拍手で迎えてくれます。そんな熱を持った客席も、次の瞬間からは真剣に舞台上の出来事に目を、耳を使って見入っていました。カーテンコールでは、「アニーの何事にも諦めない熱意に感動しました」と心からの言葉をいただきました。言葉も花束も、とても綺麗なプレゼントをありがとうございます!





終演後、開演前と同様にバスで続々と学校へと帰っていく生徒さん。最後の方まで残っていた皆さんは舞台撤去のスピードの早さに驚いているようでした。ホールの舞台上にはもう『ヘレン・ケラー』を上演した痕跡は何一つ残っていませんでしたからね。今日の公演は皆さんの思い出の中だけに残ります。また良かったら思い出してみて下さいね。
また終演後並行してアニー役の渋谷と新聞部の皆さんによる取材と、生徒会の皆さんたちとの座談会が開かれていました。始まる前から「聞きたいことが山ほどあります!」と楽屋口で生徒さんが口にしていたのを覚えています。最後に渋谷と記念撮影!さらに旅班ともトラックをバックに記念撮影!皆さんありがとうございました!

高知東工業高校

鳥取県から今度は日本海を離れて太平洋側、四国の高知県へと向かいます。鳥取から移動してそのまま学校へ。公演当日は11時開演なので、前日のうちに設営作業に取り掛かります。夜遅い時間までご担当の先生方が残って下さいました。遅くまでどうもありがとうございました。
また当日の午前中にも設営・調整の続きを行います。そんな中、体育館の隣りにあるプールでは体育の水泳の授業が。音を聞いているだけで、「良いなぁ・・・。」と旅班誰もが思っていたと思います。(私だけですか?)





開場中の体育館はとてもリラックスした皆さんの姿がありました。公演を「演劇ってどんなものなのだろう?」と楽しみにしていてくれていたのでしょうか。当日も暑さを心配する声もありましたが、風も吹いていて集中して鑑賞が出来ていたように感じます。



その頃の舞台裏。皆さんのそんな声を聞きながら、今日はどんな生徒さんたちとどんな出会いとなるか、どのような2時間を共に創るのか、数分後の出会いに向けて集中しています。



公演中も静かに、体育館全体が一つになるような、集中力を持って舞台を観ていてくれたように思います。
カーテンコールでは率直な感想と感謝の言葉をいただきました。本当にありがとうございます!
終演後は有志の生徒の皆さんが40名程!集まってくれました。皆さん、素直に、友達たちと楽しみながら、荷物をあっちからこっちへ運んだり、幕を畳んだり、重いセットも皆さんで協力してトラックに運んでくれました。







皆さんの協力でとても早く撤去作業を終わらせることが出来ました。本当にありがとう!
最後にはヘレン役の稲葉とアニー役の渋谷がお礼の挨拶。手伝ってくれた皆さんの輪になって、改めてそれぞれの顔を合わせます。そして学校宛に色紙のプレゼント!
そして記念撮影!

撮影が終わった後、稲葉や渋谷に駆け寄ってきて、公演の感想や質問を投げかけてくれる沢山の生徒さん達の姿が。
「もっと話したい」「もっと聞きたい」気持ちが皆さんから溢れてくるのをとても良く感じました!沢山の言葉を本当にありがとうございました。






無事に今週も4ステージを終え、多くの出会いと思いもかけない再会がありました。
一日一日公演を重ねていくことで、出会いがあり、そして別れがあります。でもその先には『またいつかどこかで会えるかもしれない』という願い、期待があります。
そんな新しい出会いとまだ見ぬ再会を信じて、これからの旅を続けていければ、と思います。
来週は、島根県浜田市からスタートです!

文:渡辺雄亮(音響)

2017『ヘレン・ケラー 〜ひびき合うものたち』春の西日本巡回公演ツアー 第4週目

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『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』西日本巡回公演も4週目を迎えました。

6月12日 島根県 浜田高校  石央文化ホール
  13日 島根県 松江東高校 島根県民会館
  14日 京都府 久美浜高校 同校体育館
  16日 大阪府 三国丘高校 国際障害者交流センター

浜田高校



浜田高校は2014年にジャンヌ・ダルクを上演し、3年ぶりの再会となりました。
開演前に担当の先生から「テレビで映像を見ることと目の前で人が演じることの違いはなんでしょうか?」という質問がありました。
「映像は目と耳を使います。演劇は目と耳以外に人の熱を皮膚で感じたり、ニオイも感じるかもしれません、つまり人間の五感をより使います。今日は五感を使って楽しんでほしい、そして今日感じたことを忘れずに大切にしてください。」とメッセージが投げかけられました。

その期待に応えるように大きな拍手の中でヘレン・ケラーの開演です。
とても集中して、じっくりと味わうようにみている姿が印象的でした。



カーテンコールでは生徒会長の生徒さんから「今回の舞台をきっかけに芸術に触れていきましょう、今回の舞台は生徒1人1人にとって高校生活の良い思い出になったと思います。」という力強いメッセージをくれました。みなさんのこれからの高校生活、そしてその先までも力になってくれれば嬉しいです。







終演後には演劇部の皆さんと舞台見学、座談会が行われました。
また会える日を楽しみにしています。

松江東高校



松江東高校は2011年にヘレン・ケラーを上演し、6年ぶりの上演となりました。
開演前にはとても元気な袖にいるので私たちに聞こえてきました。これからどんな2時間になるのか役者たちも緊張感と楽しみを持ちながら開演を待ちます。生徒さんのアナウンスで開演となりました。
開演すると開演前の盛り上がりから少しずつ集中していき、空間が変わっていくのがよくわかります。
きっと様々な思いを馳せながら見てくれていたと思います。





カーテンコールでは生徒会長の生徒さんが「自分たちはこれから障害を持った人や、様々な人と出会うかもしれません。アニーの姿を見て、逃げずに挑戦していく大事さを感じました。」と熱いメッセージをくれました。
終演後にはいろいろな部活の生徒さんと舞台見学、座談会が行われ、舞台の仕組みや今まで自分たちが見ていたものに触れ、驚き、そこから会話が生まれていきます。
舞台のことからなぜ演劇の道に進んだのか?進路についての自身の思うこと、悩みなど、話していく中でたくさんの質問が出てきました。普段なかなか話すことが出来ないことも劇場という空間が背中を押してくれるのかもしれません。
1つ1つがみなさんの力に繋がるよう願っています。








久美浜高校



久美浜高校は久しぶりの上演となりました。
午前中に体育館で舞台の設営をしていると、体育館を通り過ぎる生徒さんからいつもと違う様子に驚きの声がたくさん聞こえてきました。
開演前に校長先生からは「24年前に風の皆さんは久美浜高校の体育館で上演しました。ステージではなく、フロアに組まれた舞台をみて思い出しました。このフロアに組んである一体感を感じてほしい、秋にはみなさん演劇の発表があるのでその点でもたくさん吸収してほしい。みんなで楽しみましょう。」とメッセージが送られました。
開演するとみなさんとてもリラックスして舞台を見てくれていました。となりにいる友だちと舞台の出来事を話したり、笑い、時に雰囲気が変わり、引き締まるといった2時間の時間を過ごす中で様々なことを見て、感じてくれたのが舞台にいる私たちにもしっかりと伝わってくるのがわかりました。
秋には演劇の発表もあるということなので、今回の舞台が皆さんの良い刺激になってくれればと思います。









舞台の撤去作業や見学にたくさんの生徒さんが参加してくれました。




三国丘高校



三国丘高校は初の上演でした。
三国丘高校では3年生が先日、文化発表会で演劇を上演し、今回の芸術鑑賞会が行われました。
校長先生から「芸術鑑賞を通して本物の芸術を感じ、自分たちの力にしてほしい。」とメッセージが送られました。
そのメッセージに応えるように生徒さんたちがヘレン・ケラーの舞台からたくさんのことを感じてくれたのがわかる2時間でした。終演後には、先生の呼びかけでたくさんの生徒さんが残り舞台見学、座談会が行われました。
皆さん積極的に舞台や小道具に触れ、役者に話す姿を見ると2時間の本番のなかで彼ら彼女らが感じたものをもっと自身に繋げていきたいという気持ちが伝わってきます。











ヘレンケラーのツアーは今週で中日を迎えました、来週からは後半に入っていきます。
1つ1つが生徒さん、先生方の新たな発見の場、自身や互いの新しい一面を発見し、力になっていく、そんな時間をつくり続けていきたいと思います。

ジェイムス・ケラー役 中村滋


2017年『ジャンヌ・ダルク―ジャンヌと炎』東日本ツアー 第4週目

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6月12日(月) [福島県]喜多方東高等学校・同校体育館

   13日(火) [群馬県]明和県央高等学校・群馬音楽センター

   14日(水) [茨城県]太田第二高等学校・同校体育館

   15日(木) [長野県]小海高等学校・同校体育館

   16日(金) [神奈川県]桐蔭学園シンフォニーホール

   17日(土) [東京都]田園調布学園中等部・同校講堂

 『ジャンヌ・ダルク ― ジャンヌと炎』東日本ツアーも中盤戦、今週は6ステージの公演でした。

 喜多方東高等学校

3年前の『ハムレット』に続いての上演です。開演前に校長先生がジャンヌについて、大学時代にモノクロサイレント映画『裁かるるジャンヌ』をご覧になった思い出を話してくださいました。ご担当の演劇部の先生は、高校演劇の大会なども通じて劇団のことをよく理解してくださっていて、演劇部の生徒さんたちは仕込みのお手伝い、見学、本番、座談会と一日中、私たちと一緒に過ごすこととなりました。

さて、開演と同時に客席にはあふれる笑顔、瞬間瞬間に起こる屈託ない笑い声、しーんと静まる集中力、客席とともに呼吸をしたと感じられる空間でした。

撤去作業にはバレー部とバスケット部が手伝ってくれました。明るくて元気でチームワークよく、4時半に撤去終了。ご担当の先生が朝から終了まで、細やかな目配りで尽力してくださったおかげで、生徒の皆さんと充実した一日を過ごすことができました。

涼しくて爽やかな一日でした。

 

明和県央高校

3年前に『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』を体育館で上演した学校です。今回は群馬音楽センターにて。

開演前に校長先生から、「自分の目で見て、感じて、今日の時間を充分に楽しんでください」とご挨拶がありました。

大きな会場の客席入り口から登場するプロローグ、みんな笑顔で迎えてくれました。

終演後は、ご担当の先生が、熱のこもった率直な感想を述べてくれました。

印象的だったのは、農民の娘である少女ジャンヌが勇気と信念を持って人々の心を動かし、フランスを救ったというこの物語から、そして今日の舞台から、〝生きる〟ということについて考えて欲しいと話されたことでした。続いて、演劇部の部長さんが、プロの演劇を観て感じた感想を細部にわたり話してくださり、お礼の言葉を述べてくれました。

 

太田第二高校

開演前に校長先生が「演劇は、非日常の空間に身を置きます。テレビで演劇を観ても、カメラマンの主観によって切り取られた映像です。ぜひ今日は、自分の目で見て、感じて、非日常の空間を楽しんでください」と話され、とってもノリノリ、元気な客席でした!

開演前に撤収作業のお手伝いを募る呼びかけがありましたが、舞台で会話できた証でしょうか、多くの生徒さんが積極的に手伝ってくださって、あっという間にもとの体育館に戻ってしまいました。

演劇部の生徒さんはジャンヌ役の白根と座談会。帰り際には、出演者それぞれにサインを求める姿が印象的でした。

……実は3年前の『ハムレット』を観た女子生徒さんが、舞台の魅力に惹かれ、照明家になりたいとの夢を抱き、照明デザイナー坂野氏に相談し、今年この学校を卒業し、東京の専門学校に通っています。今回の母校公演に駆けつけ、仕込み・本番・撤去を手伝ってくれました。演劇という生きた総合芸術を観ることによって、視野が開かれ、自分のやりたいことが見えた、というのは嬉しいことですね。後輩にも、その姿がまぶしく映ったことでしょう。

 

小海高等学校

山の緑のなか、涼しい風と鳥の合唱が気持ちいいところです。

舞台は温かい拍手で始まり、反応からは楽しんで観てくれている様子が感じられました。しかし、水を打ったようにしーんと集中してくれている瞬間が何度もあり、ひとりひとりの中に、何が起こっているのだろうと、こちらも緊張感を増します。

シャルルが「ジャンヌが捕虜になった」ことを悟るシーンでは、張り詰めた空気を一緒につくり出し、次のシーンのジャンヌの姿を、共に導き出した気がしました。

そしてカーテンコールでは、みんなが出演者に熱い視線を注いでくれるなか、生徒会長さんが率直な感想を述べてくださいました。舞台撤去は、演劇班の皆さんがとても機敏に動いてくれてスムーズに進みました。最後のお別れでは、涙ぐんでくれる姿が見られ、ひとつの出会いが生まれたなぁ、これを育んでいきたいと思いました。

校長先生は学校のホームページ担当だそうで、スピーディな対応でトピックスが更新されていました!

 

桐蔭学園シンフォニーホール

桐蔭学園には4階席まである客席数1700のシンフォニーホールがあり、音楽・演劇・映画・古典芸能・講演会と、すごい稼働率で、専属のスタッフのもと、生徒の皆さんに芸術鑑賞の機会を提供しています。

私たちも『星の王子さま』『Touch~孤独から愛へ』『ヘレン・ケラー ~ひびき合うものたち』と上演させていただき、今回の『ジャンヌ・ダルク』は、高校男子部・女子部と中等教育学校後期、それぞれの希望者と、友の会の皆さんが鑑賞されました。

日頃から芸術に触れている皆さんは、とてもリラックスして楽しんで観てくれているようでしたし、カーテンコールでは、力強い拍手をいただきました。

当日の写真も、学園のFaceBookにさっそくアップされていました。

 

田園調布学園中等部1・2年生

この学校の講堂では、2011年・13年に『肝っ玉おっ母とその子どもたち』、15年に『ヘレン・ケラー』と、2年ごとに上演させていただいています。レパートリーシアターKAZEに何度も観に来てくださっているご担当の先生も、楽しみに待っていてくださいました。

つい3カ月前まで小学生だった中学生の女の子たちの可愛らしい笑い声が何度も響き、舞台で行われている所作を真似したりと、夢中になって観てくれていました。

終演後には、ポロポロ涙を流している子も見かけました。ジャンヌ役の白根と希望者による座談会が行われ、撤収作業には、以前に『肝っ玉』を観ている高校生が大勢、お手伝いに来てくださいました。地下2階にある講堂ですが、積極的に動いてくれたおかげで、予想より早く片付けが終わりました。

ご担当の先生だけでなく校長先生も、私たちが学校をあとにするまで残ってくださり、ご挨拶をいただきました。学園のホームページには、その日のうちに「ジャンヌ・ダルクとお話できた!」のタイトルで、トピックスが掲載されていました。

 

ひとりひとりの若い観客の中に、何某かのかけらを残したい、そのかけらが、いつか芽吹く時を願って、日々を送っています。そこに期待してご尽力くださるご担当の先生方との出会いを大切にしたいと思います。この1週間、校長先生のお話の中に、新たな発見や、生徒の皆さんへの愛情がひしひしと感じられたことが、印象的でした。

またいつか、お目にかかった先生方、生徒の皆さんと、再会できたら嬉しいです!

文:ヨランド・ダラゴン/ユニコーン役 木村奈津子

2017『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』春の西日本巡回公演ツアー5週目

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6月19日(月)神戸女学院中学部・高等学部    西宮市民会館(アミティホール)
20日(火)岩美高等学校/青翔開智中学・高等学校   とりぎん文化会館(梨花ホール)
21日(水)網野高等学校   同校体育館
23日(金)米子松蔭高等学校   同校体育館

先週末の三国丘高校の公演でちょうど中日を迎えた『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』西日本の旅。一日一日の公演の中でかけがえのない出会いを積み重ね、旅公演の喜びを一瞬一瞬感じながら、後半の旅に出発します!


神戸女学院中学部・高等学校


風の公演は初めての学校です。「生徒たちがとても楽しみにしています。」と担当の先生。私たちも昨年からとても楽しみにしていました!舞台の準備が整ったところへ、係の生徒さんたちが元気に入ってきました。会場準備から開会の挨拶まで視聴覚係の生徒さんたちがしっかりと進めていきます。大きな拍手で迎えてくれた神戸女学院の皆さんは、舞台の出来事に敏感に反応しながら2時間の舞台を共に生き生きと創り出してくれました。出来事を発見していく視線は柔軟で知的。
公演後は演劇部の生徒さんを中心に舞台裏見学と座談会を行いました。解体されていく舞台の仕組みに興味津々の生徒さんたち。質問の一つ一つから生徒さんたちの創造意欲が伝わってきました。交流の様子を見守るPTAの方々の温かい眼差しも印象的でした。


 



岩美高等学校/青翔開智中学・高校



鳥取県文化振興財団の主催公演です。私たちは今年の春、秋と 4回の公演でお世話になります。鳥取県ではこれまでも度々『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』や『ジャンヌ・ダルク〜ジャンヌと炎』の公演をさせていただいたり、劇団員の西垣が定期的にワークショップの講師で呼んでいただいたり風にとって繋がりの深い県です。
この日は4年ぶりに『ヘレン・ケラー』を再演する岩美高校と初めての公演となる青翔開智中学・高校が2校で一緒に観劇しました。
幕開きから最後まで生徒さんたちの視線は真剣で、深く人の心を見つめているようでした。
公演後の交流会では青翔開智中学・高校の生徒さんたちは興味津々であらゆる道具に触れている様子が印象的でした。また岩美高校の演劇部員の皆さんからは熱心な質問が尽きることなく、渋谷愛と私の他にも、音響の渡邉や照明の江田を巻き込んで盛り上がりました。

 

 

 






網野高等学校





日本海に面した京丹後市の学校です。先日の久美浜高校と近く、公演の評判も聞いていたのでとても楽しみに待っていてくれたそうです。
この日、午後の体育館は蒸し暑くなるだろうと風通しを良くし、学校では氷柱まで用意していました。いざ公演が始まると全く暑さを感じさせないほどの生徒さんたちの集中力でした。休憩を挟んでの二幕ではリラックスして笑い声や驚きのリアクションを返してくれました。
カーテンコールで「様々な苦しいことがあっても人と支え合って生きていきたい」と話してくれた生徒会長さんの率直な言葉、「今しかできないこと、感じられないことがある」という渋谷愛の舞台挨拶を目を輝かせて聞いている姿、本当に大切なことを見よう、聞こうとする生徒の皆さんから私たちも大切なものを受け取りました。
公演後は、文化祭で演劇発表をする2年生の生徒さん、演劇部員の皆さん、そして片付けを手伝ってくれた部活の皆さんと楽しい交流の場になりました。校門の外までバスを見送ってくれた皆さんの笑顔も乗せて次の公演地へ向かいます。

 

 

 

 

 




米子松蔭高等学校


鳥取県文化振興財団主催の公演で、今回は学校の体育館での公演です。野球部をはじめ部活動がとても盛んな学校というだけあって生徒の皆さんの挨拶が清々しく、前日の準備の時から「明日の演劇楽しみにしてます。頑張って下さい!」と声をかけてくれたり…仕込みにも気合いが入ります。
そして演劇部員の皆さんが道具の搬入を一緒に手伝ってくれました。週末には地区大会の発表を控えて自分たちのことで大変なはずですが、積極的に手伝ってくれた部員の皆さん。人のために行動する姿はとても素敵で、演劇部の活動の中で一人一人が輝いている様子が伝わってきました。

 




公演当日は晴天で暑くなりました。体育館の後側に舞台を組み、学校のステージ上も客席として使うほどの満席!生徒の皆さんの視線はとても真っ直ぐで、一人一人が自身の心の中にある何かと出会いながら舞台と向き合っていたのではないでしょうか。
公演後に廊下や体育館の周りですれ違う生徒さん、先生方が笑顔で公演の感想を伝えてくれたのも嬉しかったです。
片付けを手伝ってくれたクラスの皆さんもありがとうございました!

 

 






先週まで意外と涼しい日が続いていましたが、いよいよ夏が来る気配です。
私は今こうして毎日10代の若い人たちと心で出会い、言葉を交わせることがとても幸せだと感じます。全国各地で子どもたちのために一緒になって公演の場を創って下さる方々と知り合えることも。
旅後半、ますます元気に一緒に旅する仲間と、良い公演を創っていきたいと思います!

ヘレン・ケラー役 稲葉礼恵

2017年『ジャンヌ・ダルク―ジャンヌと炎』 東日本ツアー 第5週目

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6月20日(火) [東京都] 富士見中学校 同校講堂
  21日(水) [神奈川県] 日本大学中学校 川崎市幸市民館 幸文化センター

富士見中学校
『ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎』5週目の公演は富士見中学校から始まりました。
富士見中学校では、2014年の『ヘレンケラーひびきあう者たち』以来2回目の公演でした。
前日の搬入から担当の教頭先生がずっと立ち会ってくれ、「東中野の劇場で見た『ジャンヌ・ダルク』を生徒たちがどう見てくれるか。」と、楽しみにしてくれていました。
中学1年生のみの観劇でしたが、入場してくる生徒の皆さんの声からは舞台を心待ちにしている印象を受けました。
公演中は笑ったり、時に真剣に見たりとリラックスして思い思いに観劇してくれていました。
カーテンコールで挨拶してくれた生徒さんからは「舞台にどんどん飲み込まれました」と一緒にこの舞台を作ってくれていたと感じる言葉を貰いました。
終演後には事前に先生方の呼びかけで集まってくれた50人ほどの生徒さん達と舞台見学を行いました。
そのまま半分以上の生徒さんが舞台撤去にも参加してくれて、賑やかで楽しそうな声が講堂内に響いていました。
最後には興奮冷めやらぬ様子でトラックを見送ってくれました。










日本大学中学校
日本大学中学校では、2011年の「肝っ玉おっ母とその子供たち あとから生まれて来る人たちに」以来3回目の公演でした。
雨の中集まってきた生徒の皆さんも、公演が始まり、役者が入って来ると「なんだ、なんだ」や「やばー」といった反応をしていました。
「見る」、「聞く」ことをとおして、疑問や興味を持った彼らの眼差しを舞台に立ちながら感じていました。
公演後、帰っていく生徒の皆さんや先生方の顔には笑顔が溢れていて、この2時間に何かの感触を受けてくれていると感じる瞬間でした。
6年前に『肝っ玉おっ母とその子供たち』を見たという先生から「とても楽しい時間でした。」という言葉も頂きました。







今週は中学校が2校と若い観客の見る力、聞く力をすごく感じられる公演でした。まだまだ『ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎』の春のツアーは続いていきます。
梅雨の湿気にも負けず、未だ見ぬ生徒の皆さん、先生方との出会いを心待ちにしながら、この後の公演を楽しみに続けていきます。

シャルル7世役 石岡和総

2017年 『ジャンヌ・ダルク―ジャンヌと炎』 東日本ツアー 第6週目

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6月26日(月)[新潟県] 新潟大学教育学部附属新潟中学校・同校体育館

  27日(火)[神奈川県] 逗子開成高等学校1学年・逗子文化プラザホール なぎさホール

  28日(水)[茨城県] 石下紫峰高等学校・常総市地域交流センター

  30日(金)[茨城県] 竜ヶ崎第一高等学校・龍ケ崎市文化会館

新潟大学教育学部附属新潟中学校
第6週目のスタートは、新潟大学教育学部附属新潟中学校での公演です。
蒸し暑い体育館での公演でしたが、皆さん集中して見てくれていました。
開演前や休憩中は元気いっぱい、とても賑やかな雰囲気で、楽しんでくれているのが伝わってきました。そして、いざ芝居が始まると食い入るようにみていました。

終演後のカーテンコールでは拍手が鳴り止まず、舞台と客席に一体感が生まれていました。また、生徒会委員長さんが、『ジャンヌの裁判と火あぶりのシーンが印象に残った』とメッセージをいただきました。
9月に演劇発表会があるそうですね。頑張って下さい!




バックステージワークショップでは、みんな好奇心旺盛で、細やかな質問が多かったことが印象に残っています。彼らの観察力の鋭さに感心しました。
そして、舞台に登場した人形をかぶる姿がとても微笑ましかったです。


座談会では、1年生から3年生まで、演劇発表会のリーダー達が集まってくれました。三年生は各クラス、1、2年生は学年ごとに作品づくりをするそうです。
真面目でしっかりした雰囲気の中で行われ、ノートをとる姿など、積極的な態度が見られました。
『恋愛を演じる時、どうしたらいいですか?』という初々しい質問に対して、『経験したことだけから演じられるのではない。恋愛を経験したことがなくても、風景やドラマ、見たこと聞いたこと、想像の中から演じることはできるのではないか』というような対話が行われた。

公演後の撤去作業時には、3人組の女の子が体育館に来てくれていました。『ただただすごいなぁ、と思って見学してます』とコメントをしてくれました。劇団員の作業する姿も大切な公演をつくることなんだ、と再認識しました。


逗子開成高校
逗子開成高校は男子校です。今回のツアーでは、初めての男子校での公演です!
開演前の進行では、『演劇は生のもの、見る側も参加することによって演劇ならではの楽しみが生まれる。それぞれの視点で見たいところを自由にみて下さい』とメッセージをいただきました。

終演後のカーテンコールでは、生徒代表の生徒さんが、『いいたいことはたくさんあって準備していたんですが、今回の公演を見たらすべてがふっとんでしまいました。ただ、今回の公演が僕たちの胸を非常に打ったということ、そのことだけを伝えなければならないと思います』と、とても心のこもったメッセージ!
見終わった直後のシンプルな感想は、僕たちの心に響きました。本当にありがとう。








バックステージワークショップでは50人以上が集まり、大変賑わっていました。
公演中の役者の身振りを真似する、生徒さんの姿がとても微笑ましかったです。

石下紫峰高校
石下紫峰高校の生徒さんたちは、とても元気な様子でした。
ひとりひとりがそれぞれの見かたで舞台を楽しんでいて、開演前に校長先生がおっしゃっていたように映画とは違う、演劇ならではのライブ感を味わっていました。
公演中の笑いや眼差し、そのひとつひとつが、舞台と客席が一緒になって公演をつくることになる。そんな時間を共に過ごせました。ありがとう!






バックステージワークショップでは、登場人物の死刑執行人の気持ちが分かり、泣いてしまいましたとコメントをしてくれた生徒さんがいたそうです。
また、将来は照明家を志す生徒さんもいたそうです。彼らの今後の活躍が楽しみです。
いつの日か一緒に仕事をする時が来るかもしれませんね。その時はどうぞよろしく!

竜ヶ崎第一高校
開演前に担当の先生にお会いする機会がありました。その時に、『職員も生徒も楽しみにしています。よろしくお願いします』とおっしゃっていました。
開演前には、校長先生が『五感を使って観劇して下さい』と会場全体を盛り上げてくださいました。
公演中は客席の中から笑いがよく起きていました。校長先生がおっしゃっていたように、心も目も使って真剣に見てくれていたようです。






終演後のバックステージワークショップでは、劇団員がバラシを進める中、役者と話をしたくて、会場にずっと残ってくれている生徒さんの姿が印象に残っています。。
将来役者を志し俳優活動をしている生徒さんもいて、目を輝かせながら話をしてくれていました。

ジャンヌダルクのツアーはまだまだ続きます!
これから暑くなってくると思いますが、体調を崩さず旅を続けていきます!


ベッドフォード役/車 宗洸

2017年『ヘレン・ケラー 〜ひびき合うものたち』春の西日本巡回ツアー第6週目

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気温もますます熱くなる中、それにも負けない生徒さん、先生方の熱い想いに支えられ、『ヘレン・ケラー 〜ひびき合うものたち』、春の西日本巡回公演も6週目を迎えました。

6月26日(月) 香川県 香川大学教育学部附属高松中学校
27日(火) 山口県 山口大学教育学部附属山口中学校
28日(水) 岡山県 山南中学校

香川大学教育学部附属高松中学校
『ヘレン・ケラー』6週目の初日は香川県の高松中学校での公演でした。
高松中学校では、2011年の『ヘレン・ケラー』、2014年の『ジャンヌ・ダルク』と、風の公演は3年ぶり、3回目の公演となりました。
開場した体育館に、静かに入場をしてくる生徒さんたち。
ですが、物語が進むにつれて、ひとつひとつのシーンに自分の身体を通して、観て、聴き、リアクションをする生徒さんの姿が印象的でした。



カーテンコールでは、代表の生徒さんより、「ヘレンの強さや生き方を感じました。」と、真っ直ぐな言葉を頂きました。
また、生徒さん自身も演劇発表があるという事で、2年生の生徒さん方と、バックステージツアー、そして、座談会が行われました。







今回のバックステージツアーや座談会はいつもと違い、男女、クラスごとに分かれて、役者、音響、照明、舞台との交流をまんべんなく生徒さんが体験出来るように、ローテーションで回るというものでした。
真剣に話を聞いたり、自身の想いを語る彼らの表情から、しっかりと舞台に向き合った身体を持つ彼らにとって、新たな発見や出会いの場になっていたように感じました。
終演後の撤去作業にもたんさんの生徒さんが集まってくれました!


山口大学教育学部附属山口中学校
2日目の公演は、山口県の山口中学校での公演でした。
ここでは、風は初めての公演でした。
元気な声で入場する生徒さんの姿。
開演前には『ヘレン・ケラー』の作品を選んだ経緯や、芸術鑑賞行事を通して、生徒さんに伝えたい想いを先生が熱く語り、私たち、そして、客席も先生の想いのバトンを受けての開演となりました。
蒸し暑い体育館での公演ではありましたが、時には、笑ったり、友達とヒソヒソと話をしていたり、ふと、真剣な表情で舞台を見つめたりと、客席からは、彼らの身体から、溢れるように出てくる感性や思考の力に支えられた公演となりました。







今回は、バックステージツアーや座談会はありませんでしたが、終演後にはたくさんの生徒さんが撤去作業のお手伝いに集まってくれたり、また、帰り際に、公演の想いを伝えたいと、劇団員に会いに来てくれる生徒さんの姿もありました。



そして、なんと!山口中学校の副校長先生が、実は、山口出身の劇団員であるアナグノス役の緒方の高校時代の同級生だったそうです。
思いがけない再会に懐かしみ喜ぶ副校長と緒方。
人と人との出会いと繋がりを感じる公演となりました。

山南中学校
今週最後の学校は、岡山県の山南中学校での公演でした。
この学校では、風は2001年の『Touch』、2008年の『肝っ玉』、2014年の『ジャンヌ・ダルク』の公演を行なっており、3年ぶり、4回目の公演となりました。
開場まえにも、体育館の様子を観に来る生徒さんの姿もあり、「すごい!」、「いつもの体育館じゃない!」など、思い思いに声を出し、これから始まる公演へ、胸を弾ませているようでした。
公演が始まると、ひとりひとり、とてもリラックスした身体で舞台に向き合い、いったい何が起きているのかと、探求と好奇心に満ちた熱い視線と姿が印象的でした。



終演後には、生徒会や運動部の生徒さんと先生方が撤去作業のお手伝いに来てくれました。
彼らにとっては、慣れない作業であったかもしれませんが、とても積極的に笑顔でお手伝いを手伝ってくれたり、また、劇団員に公演の想いを語っていたり、声をかけていたりと、自分の想いを真正面からぶつけてくれ、彼らにとっても、私達にとっても、とても大切な交流の時間となりました。



撤去作業が終わって、劇団員のサインを集めて回る生徒さんたち。

今週は中学校での公演でしたが、先生方、生徒さんたち、そして、劇団員、それぞれの想いが重なり合い、公演を産み出すことが出来たように感じた、とても濃密な週となりました。
重なり合い、繋がり会った人々の想いを胸に、私たちもまだまだ、出会いの旅へ向かいます。

パーシィ役:倉八ほなみ

『ジャンヌ・ダルク~ジャンヌと炎』東日本ツアー 第7週目&向瀬杜子春インド写真展『シャンティニケタン~平和郷の子どもたち』

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『ジャンヌ・ダルク』のツアーもいよいよ後半に差し掛かってきました。
第7週目は、

7月7日(金)武蔵野市教育委員会主催 武蔵野市中学校演劇鑑賞教室
      武蔵野市民文化会館

7月9日(日)みなかみ町教育委員会主催公演
      みなかみ町カルチャーセンター

と、教育委員会主催の公演が続きました。

武蔵野市中学校演劇鑑賞教室


開演前の客席の様子です。

市内市立中学校6校の1年生を対象にした公演。昨年も『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』で、彼らの先輩たちと出会っています。
第四中学校の校長先生が、開演前に生徒さんたちに向けてこんな言葉を投げかけました。
「舞台がみなさんに何を問いかけているか、自分なりに考えながら鑑賞してください」

【問題提起と思考】、いま演劇を通して舞台と客席が何を為すべきかをズバリと言い切ってくれたと思いました。

そのあと担当の先生から、
「演劇は舞台と観客の相互の息遣いからつくられます。よき鑑賞者となって、よき思い出をつくってください」
という挨拶もありました。
先生方がこの一日を通して、自分の生徒たちに何かが生まれることを期待していることを強く感じる言葉でした。

6校の学校から集まった観客とは思えないほどの一体感に支えられながら、相互に思考する空間をつくることができたのではないかと思います。

鳴り止まない拍手のなか、カーテンコールでは代表の生徒さんから、
「今日見せてくれた希望と笑顔と勇気を多くの人たちに見せてください」
と、嬉しい挨拶をいただきました。
僕たちもたくさんの希望と笑顔と勇気をみなさんに見せてもらいましたよ!


素敵な花束をどうもありがとうございます!

みなかみ町教育委員会主催公演

僕たちの「アトリエ」がある群馬県みなかみ町。
こちらも昨年の『ヘレン・ケラー』につづき、2年連続での公演となりました。
今年みなかみ町とは、様々な芸術的試みを継続的に、行い、町の人たちや子どもたちと出会い、
大切なものが生まれてくる場――芸術空間を町の人たちとともにつくることはできないだろうかと考え、
「文化芸術によるまちづくり実践事業~未来誕生~」を立ち上げました。
そのなかに今回の公演も位置づけ、何度も町に足を運び、準備を一緒にしてきました。

昼夜の2回公演、多くの町民のみなさん、また東京から、全国各地から、この公演のために集まってくれました。
人が交差し、出会いが生まれる瞬間を感じることのできる一日でした。


終演後にはバックステージツアーを行いました。
たくさんの子どもたちが舞台の上で遊びながら衣装や道具に触れ、俳優やスタッフとにぎやかに交流していました!

また、劇団の大切な友人である向瀬杜子春さんの写真展
「シャンティニケタン~平和郷の子どもたち~」も7日から9日まで、カルチャーセンターで同時開催しました。


仕込が終わった展示スペース。インドのサリーもディスプレイしました。

インドの少数民族の村の子どもたちの成長を長年見続け、撮り続けた写真の数々、パネルに収められた子どもたちのまなざしは、
観る者の精神まで見通すような力強さを持っていました。
向瀬さんの写真展も、引き続き開催することで進めようということになりましたし、
今度はみなかみの子どもたちの成長を撮影してインドで写真展を行おうという、新しい試みも生まれつつあります。


写真展にきた子どもたち。ジャンヌダルクの仕込の様子を見ながら、向瀬さんと友達になっていました。


子どもたちのなかで、舞台と写真とが何か繋がってくれたら嬉しいです。

今後の町との活動の出発点となるような、多くの人の想いと笑顔に溢れる時間でした。

いよいよ残り2週間、6ステージ。
旅の終わりを惜しむ時期になってきました。
想像、情熱、笑顔。人と出会う喜びを感じながら、一回一回の公演をつくっていきたいと思います!

田中賢一(語り手役)

2017年『ヘレン・ケラー 〜ひびき合うものたち』春 西日本巡回ツアー第7週目

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静岡英和女学院中学校・高校の伝統ある礼拝堂につくられた、『ヘレン・ケラー』の舞台

7月6日 岐阜県 岐阜大学教育学部附属中学校 同校体育館
7月7日 静岡県 静岡英和女学院中学校・高校 同行礼拝堂

岐阜大学教育学部附属中学校
岐阜大学教育学部附属中学校では、これまで『肝っ玉おっ母とその子供たち』(文化庁)、『ハムレット』、『ジャンヌ・ダルク―ジャンヌと炎』を上演し、今年で4度目の公演。今回の公演で再び、“どのような出会いが生まれるのか”と、とても楽しみにしていました。
朝、体育館で仕込みをしていると、同じ敷地内にある附属小学校の児童さんたちが、体育館の中が移り変わっていく様子を興味津々に覗きに来てくれました。そして『ヘレン・ケラー』の舞台が組みあがった頃、今度は特別支援クラスのみなさんが、見学に来てくれました。ポンプから水を出したり、階段を上ったり、ヘレンの家の玄関(ドア)から登場したりと、存分にヘレンの舞台空間を味わってくれました。見学後には楽屋を訪れ、給食時間返上!?の勢いでメンバー全員のサインを集める生徒さん。その中で、「そうだっ、先生のサインももらわなきゃ!」と言う声もあがるほど、楽しい時間になりました。



岐阜大学教育学部附属中学校のみなさんは、毎年秋にクラス毎による演劇発表があります。開会式では、演劇発表に向けて取り組む生徒さんたちへの応援も込めた先生の挨拶があり、開演となりました。晴天だったこの日は気温も上昇し、体育館は暑くなりましたが、みなさん最後の最後までその場で起きる出来事に関心を抱き、真剣に舞台を見続けてくれました。カーテンコールでは、生徒会長さんから「ヘレンやアニーの境遇を不幸だと思う人もいるかもしれません、だけどそこから逃げずに誰かを支えられる人になりたいと思いました」という熱いメッセージをもらいました。


カーテンコールの様子。岐阜大学教育学部附属中学校のオリジナルキーホルダーの付いたファイルケースもいただきました!





終演後は舞台見学と座談会が行われ、劇団員と交流の時間となりました。ヘレン役の稲葉と私は座談会に参加。これまでの演劇発表の経験を踏まえて、今考えていたり悩んでいたり、新たに挑戦しようとしている2・3年生、初めての経験に期待している1年生。集まったおよそそ50人の生徒さんからは本当にたくさんの質問が出ました。そこには演劇発表に真摯に取り組もうとしている清々しい姿がありました。




座談会後は全員で記念撮影。クラスでつくる演劇発表が中学校生活の最高の思い出の一つ、また自分自身、クラスメイト、先生と知り合う(出会う)きっかけとなることを願っています。


静岡英和女学院中学校・高校
附属中学校の公演を終えた私たちは、静岡英和女学院へ向かいます。遅い時間の到着となりましたが、私たちを迎え入れてくれた担当の教頭先生にご挨拶をして、早速夜仕込みの開始です。会場は、パイプオルガンやステンドグラスのある美しい礼拝堂。学校が準備してくれた舞台の張り出しに劇団の用意した張り出しを組んで、工夫をしながら舞台をつくりあげます。



静岡英和女学院中学校・高校は今年で創立130年の歴史、伝統ある学校です。そしてなんと、創立50周年時には、ヘレン・ケラーが学校を訪れ、講演会を行ったそうです。実際にヘレン・ケラーが学校を訪れていたことで、今回の公演に縁を感じ、校長先生をはじめ、先生方も期待して待っていてくれました。


礼拝堂の入口に飾られたヘレン・ケラー(真ん中)の写真

大きな笑い声、驚き、人間を見つめる眼差し。生き生きとしているみなさんのエネルギーが舞台に注がれ、ラストシーンに向かって会場がひとつになっていくのを感じました。







終演後は、演劇部と有志のみなさんとの舞台見学と座談会。俳優と楽しそうに話す姿、大道具・小道具に触れて盛り上がっている姿を見ました。また音響に関心があり、時間がいくらあっても足りないくらい聞きたいことがある!という情熱的な一面にも出会いました。座談会ではみなさんの学校生活について、劇団活動について、今感じていることを率直に話しました。また、「夢はありますか?」という質問から、彼女たちの未来について現在について、私の過去について時間を交差させながら語り合いました。座談会も終わった後、一人の生徒さんが駆け寄ってきて、自分の夢・挑戦していることを伝えてくれました。話し終わったあと照れたように「恥ずかしかったぁ」と言う生徒さん。勇気を振り絞って伝えてくれた言葉には力が溢れていました。ありがとう。



礼拝堂の片付けがすべて終わった後、吹奏楽部の生徒さんが私たちに会いに来てくれました。今日一日をとても楽しんでくれたようです。みなさん、ありがとうございました。


週の初め、実は私たち旅班は香川県で公演がありました。生徒さん、先生方は公演を心待ちにしてくれたのですが、大雨警報が出され、残念ながらこの春の公演は延期となりました。また必ず会えることを期待しています!


気がつけば、『ヘレン・ケラー』の旅も終わりが近づいています。まだまだ旅を続けたいと思う気持ちがあり、正直、寂しさも感じます。それは出会ってきたみなさんが私の内に思い起こさせてくれた気持ちです。舞台と客席が鏡のようにお互いを映しだし、自身を誰かを、何かを振り返り、考える時間をたくさん生みだしてきました。そのひとつひとつを持ち続けながら、旅の終わりまで、舞台に立ち続けます。


アニー・サリバン役 渋谷愛

2017年『ヘレン・ケラー 〜ひびき合うものたち』春 西日本巡回ツアー第8週目

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5月下旬にスタートした『ヘレン・ケラー 〜ひびき合うものたち』西日本巡回ツアーも第8週目を迎えました。

先週の公演後、旅班は群馬県みなかみ町へ。月夜野カルチャーセンターで開催された向瀬杜子春さんの写真展「シャンティニケタン~平和郷の子どもたち~」を見学。子供たちへの眼差し、思いを写真を通して感じ、また彼の言葉に皆で耳を傾けました。

今週は広島県から滋賀県まで、西日本地域を文字通り『風』のように駆け抜けました!

7月10日 沼南高校・松永高校(広島県)/ふくやま芸術文化ホール リーデンローズ
7月11日 知立高校(愛知県)/知立市文化会館 パティオ池鯉鮒
7月12日 近江高校(滋賀県)/滋賀県文化産業交流会館
7月13日 春日井商業高校(愛知県)/春日井市民会館
7月14日 和田山高校(兵庫県)/朝来市文化会館 和田山ジュピターホール


松永高校・沼南高校



今週のスタートは広島県・福山市から。
松永高校と沼南高校はお互いを連携校として、交流が始まって7年目を迎えるそうです。文化祭では互いの生徒会の皆さんを招待したり、ビデオメッセージの交換など、高校の枠を飛び越えて様々な交流が行われています。ホールの客席を見ても、お互いの生徒さん達が手を振りあうなど、両校の繋がりを感じさせる場面も。公演の前には両校の生徒さんが司会を務め、両校の校歌の交換が行われました。



カーテンコールでは、両校の生徒さん達から「ヘレンが言葉を理解した瞬間に感動しました」「本物の水や音や光の演出に驚きました」と、率直で素直な感想や沢山の花束を頂きました!また終演後には松永高校の校長先生より、ご自身のヘレン・ケラーに対する経験を生徒の皆さんに伝えられました。彼らもまた、誰かに今日の出来事、出会いを話す事があれば良いなと思います。



ロビーではヘレン役の稲葉、アニー役の渋谷が生徒の皆さんをお見送り!先程まで自分達が舞台上で観ていた俳優を目の前に、声を掛けてくれたり、手を振ってくれたり、様々な反応を見せてくれました。



最後まで残ってくれた松永高校の生徒会の皆さんと記念撮影。よく見ると皆さんピースの代わりに指文字をしてくれています!
両校の皆さん、本当にありがとうございました!



知立高校

福山を後にして旅班のバス、トラックは一路愛知県知立(ちりゅう)市へ。
知立高校での公演は会場である知立市文化会館主催のもと、開催されました。この公演に際してご尽力頂いた会館スタッフの皆様、本当にありがとうございました。
公演が行われた、かきつばたホールの客席は約1000人の生徒の皆さんで満席に。



これから始まる舞台で一体何が起きるのか、生徒の皆さんは周りの友人やクラスの仲間達と開演を今か今かと待っています。
開演前には校長先生より『今から観る舞台、そしてその中で沸き起こる感動を生徒の皆で共有して欲しい』と生徒の皆さんへメッセージ。
そして客席からの大きな拍手に迎えられて、開演。
舞台で起こる様々な出来事に、大きな反応や小さな反応をし、思い思いに一人一人が舞台を楽しんでいた様に思います。



終演後、生徒会の皆さんと記念撮影!また、舞台上では劇団スタッフによるバックステージツアーが行われました。
「舞台上に皆さんどうぞ!」の声をきっかけに、20名以上の演劇部、希望者の生徒さん達が一斉に舞台のありとあらゆる所へ。
「この舞台装置、足音がしない!」「この舞台はどうやって組み上げられているの?」「ポンプはどうなっているの?」「水に触れたい!」と、皆さん自分達の活動のヒントになればと、積極的に劇団員に話し掛けてくれました。







バックステージツアーの後に撤去作業と並行して、座談会も行われました。ヘレン役の稲葉の言葉一つ一つを、真剣に聞き入っている様子が印象的でした。



近江高校



近江高校での公演は今回で5回目を迎えます。風の巡回公演のレパートリーを4作品も上演しています!「ヘレン」の公演も5年振りとなりました。前回の「ヘレン」は近江高校の体育館での公演だったので、先生方の中にはホールでの設営の違いに気づかれた方もいるでしょう。
開演前には芸術鑑賞ご担当の先生から「共鳴」という言葉を用いて、生徒の皆さんに人と人との繋がり、舞台と客席との繋がり、先生が伝えたい様々な思いを投げかけられました。先生方が私達、そして演劇にとても信頼を寄せていただいている事がよく分かる言葉でした。



カーテンコールではとても綺麗な花束を頂きました。ありがとうございます!
そしてアニー役渋谷からのお礼の言葉の中で、生徒の皆さんの「こんにちは!」という力強い挨拶も頂きました。





終演後、ロビーにて出演者全員で生徒さん達を見送ります。先生方も含め、2時間という時間を共有した皆さんに感謝の言葉と、そしてお別れの言葉。またお会い出来る日を願いながら、会場を後にする皆さんに向けて手を振り続けます。


春日井商業高校



春日井商業高校での公演は何と17年振りの公演となりました!17年前の演目も「ヘレン」でした。ちょうど生徒の皆さんが生まれた頃から上演しているわけですから、このレパートリーの持つ長い歴史を感じます。
「今日の演劇を通して、より豊かな感情と出会い、見つけて欲しい」と開演前には教頭先生からの挨拶。



「俳優の皆さんの迫力のある演技に圧倒しました!」と素敵な感想と花束をいただきました。ありがとうございます!
終演後のバックステージツアーでは演劇部と希望者の皆さんが舞台に上ったり、小道具を直に触れたり、俳優やスタッフに質問をしたり、音響や照明の操作を実際に体験してみたり・・・。座談会でもとても多くの質問が飛び交いました。

座談会の最後には搬入口に止まっている「ヘレン」の舞台装置、機材が全部積み込み終わったトラックの荷台を見て、皆さんあ然。
トラックの荷台は扉のギリギリまで様々な道具やセットで溢れているんです。








最後に記念撮影!ありがとうございました!



和田山高校

(公演の模様の写真は後日アップさせていただきます。少々お待ち下さい。)

今週の最後の公演は兵庫県朝来市の和田山高校での公演でした。風の公演は今回が初めて。会場の朝来市文化会館と和田山高校はそんなに離れていないのですが、当日は大変な暑さでしたので、生徒の皆さんも移動してくるのが大変だったのではないでしょうか。皆さん、お疲れ様でした!
会場の和田山ジュピターホールに続々と集まってくる生徒の皆さん。客席数に対して、生徒さんの人数の方が余裕がありましたので、ゆったりとした環境で舞台が鑑賞できたのではないでしょうか。

カーテンコールでは生徒会長さんからお礼の言葉、そして花束をいただきました。

終演後、ヘレンとアニーの二人で生徒の皆さんを見送らせてもらいました。保護者の方にも声を掛けていただきながら、カメラを構えると皆さんの方からヘレンとアニーの周りを囲んで、記念撮影が始まりました!他の皆さんも、手も振り返してくれたり、握手を求めてくれたりと、積極的に2人と接してくれました。皆さん、本当にありがとう!


このツアーも第8週目を終え、残す所あと1週間となりました。
毎日沢山の方々と出会い、沢山の思いに触れ、一日一日を重ねて来ました。
最後の1ステージまで、これまで出会った皆さんの様々な思いを自分の中で繋げていけたら、と思います。

文:渡辺雄亮(音響)

2017年『ジャンヌ・ダルク~ジャンヌと炎』東日本ツアー 第8週目

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ジャンヌ・ダルクの旅は終盤に入りました。
みなかみ町の方々に別れを告げ、旅班は一路福島へ―

第8週目は

7月11日(火) 〈福島県〉相馬農業高校 飯舘校
12日(水) 〈東京都〉世田谷学園中学校(3年生)
13日(木) 〈東京都〉飛鳥高等学校
14日(金) 〈茨城県〉茗溪学園中学校・高校

での公演でした。

相馬農業高校 飯舘校
日本赤十字社主催の公演でした。
開演前に担当の先生が生徒のみんなに向けて「演劇は見る人がそれぞれで感じることができる芸術です。見方、感じ方が違ってもいい。それぞれでジャンヌを感じてみてください。」と、マイクを使わず身振りを付けながら熱く語ってくれました。
その言葉を受けるように、63人の客席はひとりひとりがしっかりと舞台を見つめ、それぞれの感覚でジャンヌの物語を味わっているようでした。







公演後には生徒全員が参加しての舞台裏見学が行われました。
「人形、やっぱり怖ーい。」とニコニコしながら人形に触ったり、自分が感じたことを友だちと話したり、
皆が各々で楽しんでくれていました。
その後、ロビーで演劇部の皆さんとの座談会が行われました。
舞台撤去をしている舞台上にも彼らの笑い声が響き渡ってきて、盛り上がっている様子が伝わってきました。
飯舘校の演劇部は今年、演劇コンクールの全国大会に行くそうです。おめでとうございます!


世田谷学園中学校
中学校3年生のみの観劇でした。男子校ならではというのか、あまり反応を表には出さないけれど、静かに真剣に
目の前の出来事を見つめている彼らの視線を感じました。



担当の先生に公演の記念に色紙をお渡しするときに「生徒たちも楽しんで見ていました。ありがとうございました。」と手応えを感じてくださっていました。


飛鳥高校
『肝っ玉おっ母とその子供たち』以来5年ぶりの風の公演でした。
こちらの学校は毎年2年生が各クラスで演劇をつくり、コンクール形式で文化祭で発表をしているそうです。
楽しみながらも、考えながら見るという視線も感じる客席でした。







公演後には希望者の生徒の皆さんとの舞台裏見学と座談会が行われました。「衣装も人形も手作りなんですね。日本とは違ったデザインだなと思って面白いなと思って見てました。」、「劇中の音楽はオリジナルなんですか。ジャンヌの世界を感じました。」などと、自分たちがこれからつくる演劇への意欲を感じることばが聞かれました。
各クラスでつくる演劇に『ジャンヌ』がどう活かされていくのか楽しみですね。


茗溪学園
午前と午後の2回公演でした。
午前の回は中学生が観劇しました。
元気な歓声と拍手で旅役者たちを迎えてくれましたが、物語が始まると一変、真剣な眼差しを舞台に注いでくれていました。
午後は高校生。中学生以上に元気のある生徒の皆さんは、終始リラックスした様子で『ジャンヌ』を感じてくれていました。



午後の回が終わったあとにはロビーで高校の演劇部のみなさんとの座談会が行われました。
「悲劇を悲劇としてやっていないところがおもしろかったです。」、「今やっているお芝居が嫌になったらどうしますか?」などの鋭い質問が出たりと、演劇に真剣に取り組んでいる彼らの姿勢を感じる充実した座談会になったようです。

ジャンヌの東日本の旅もあと一週間となりました。
旅が終わったあとには、拠点劇場レパートリーシアターKAZEでの凱旋公演が待っています。
最後までしっかりと客席と向き合い、つくっていきます。

伝令・死刑執行人役 佐藤勇太

2017年『ヘレン・ケラー 〜ひびき合うものたち』春 西日本巡回ツアー第9週目

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7月17日 プレミアム公演(守口文化センター)
18日 八鹿高校(養父市立八鹿文化会館)
19日 日高高校(日高文化体育館)
20日 志摩高校(伊勢市観光文化会館)


猛暑日が続く中、『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』春の西日本ツアー、いよいよ最終週となりました。
5月下旬から2ヶ月間この公演を続けていますが、一回一回の観客席との関係が面白く、未だ見ぬ可能性がこの舞台にまだまだあるように感じます。

大阪プレミアム公演

2008年より毎年地道に積み重ねてきたプレミアム公演。関西地域の学校の先生方と演劇の場の可能性についての本当の意見を交わせる機会をつくりたいという想いで始めました。当初は少数の方々とスタートした公演ですが回を重ねるごとに人の輪が広がり、今年は大阪の高校で演劇部顧問をされてきた先生方が昨年立ち上げた〈日本学校演劇教育会 関西支部〉との共同開催により、学校の先生方、演劇部員の中高生、障害者施設や支援団体の方々、風を応援してくれる方々、『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』に関心を持たれた方々、この舞台を高校時代に見た卒業生など約300名の方々が足を運んで下さいました。
開演前に舞台裏見学の時間を設ける一方、ロビーでは関西支部の先生方が自作の台本で芝居をして会場を盛り上げてくれました!









関西支部の南村武先生の挨拶を経て公演が始まると、小さな子どもたちの声と中学・高校生の真っ直ぐな視線、全てを暖かく見つめる大人たちの姿がありました。
公演後の座談会では関西支部の吉田美彦先生の司会のもと、渋谷と稲葉が参加し観客席の皆様と演劇の本質に迫る話を交わすことができました。
東日本巡演中の合間を縫って駆けつけてくれた〝ジャンヌ〟メンバーを含めたくさんの人たちに支えられた公演でした。









八鹿高校




先週末に公演をした和田山高校と近隣の地域に今週も公演に訪れました。
八鹿高校は3年前にも『ジャンヌ・ダルク』を上演している学校です。創立120周年の節目の年に『ヘレン・ケラー』の公演を観る意義について校長先生のお話しを受けて開演しました。生徒の皆さんは一人一人が自分の目で見て感じ考えることを楽しんでいるようでした。文化祭で演劇発表や自作のビデオ上映などを行うため、終演後には希望者の生徒さんたちと舞台裏見学、座談会を行いました。





座談会ではアニー・サリバン役の渋谷に熱心に質問する声が聞こえていました。解散後も個人的に残って心の内を話してくれた生徒さんもいたようです。将来のこと、自分にどんな可能性があるのか不安に思ったり、人との関係に悩んだりいつも心の中に溜めているもの。それを露わにした時に受け止める人がいる。劇場での出会いを生きる力にしてほしいと願います。







日高高校



全国でも数少ない看護科と福祉科の学校。この学校で学ぶために寮に住んでいる生徒さんも多いそうです。公演前に、南アフリカから来た英語のノエル先生の離任式がありました。教室でも職員室でも分け隔てなく人に興味を持つ人柄が学校に良い影響を与えていたことが伝わってきました。また生徒さんが劇団紹介をして下さり、台本の作者・松兼功氏についての詳しい話からこの学校ならではの関心の深さを垣間見ることができました。



落ち着いた雰囲気の中で舞台を見て考えてくれた生徒の皆さん。そして生徒代表挨拶の言葉。アニーがヘレンに幸せになって貰いたいと言った時に実習で知り合った障がい者の方のことを考えました。これからの仕事の中で人々にたくさんの喜びを感じてほしいという内容で、言葉を発する生徒会長さんの意志の強さ、輝いた表情に私たちの方が圧倒されました。
終演後の舞台裏見学には150人もの生徒さんが参加してくれました。








志摩高校


志摩高校では芸術鑑賞行事をしばらく行っていなかったため、演劇鑑賞は10年振りになるそうです。学校の近くの会館が工事や日程の都合で使えず、伊勢市まで電車で30分以上かけて学校の皆さんが集まってくれました。なんと!学校が近畿鉄道にかけ合って特別貸切列車が走りました。その名も「演劇鑑賞列車 風号」‼︎





「生徒たちが自分自身を大切にして逞しく生きていってほしい」という想いで『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』の鑑賞行事を企画した先生たち。生徒たちが真近で舞台を観る姿、劇団員と握手をしたり話したりする様子を本当に嬉しそうに見守ってくれました。春の旅千秋楽の公演は先生方一人一人の生徒たちを想う心が原動力となり紡ぎ出した素敵な公演でした。










今回の旅公演で特に印象的だったことは、公演後にお話をした生徒さんから「舞台でセリフも大きな動きもなく立っている時、心の中で何を思っているんだろうと見入ってしまいました。どんな想いで演じているのでしょうか?」という問いかけを度々もらいました。
私たちも客席の皆さんの心の内を聞きたいと願いつつ舞台に立っているのですが、観る人たちもまた人の心の奥にあるものを感じ取ろうとしています。
演劇の場が、非日常の短い時間のなかで初めて会う人たちとも互いに深く関心を持ち合い、本当の姿、本当の言葉で人と出会える場であることを信じて旅をした2ヶ月間でした。


文 : 稲葉礼恵(ヘレン・ケラー役)
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