6月に入り、ヘレン・ケラーの旅、第5週目は真夏を感じさせる強い日差しと心地よい海風を浴びながら始まりました。
6月4日(月) 須崎高校・須崎工業高校(高知県) 須崎文化会館
6月5日(火) 琴の浦高等特別支援学校(鳥取県) 同校体育館
6月6日(水) 福井大学教育学部附属義務教育学校(福井県) 同校体育館
6月7日(木) 加悦谷高校(京都府) 同校体育館
6月8日(金) 大阪教育大学附属平野校舎(大阪府) クレオ大阪南館
6月9日(土) 米子北斗中学校・高校(鳥取県) 同校体育館
須崎高校・須崎工業高校
今週の初日は高知県、須崎高等学校・須崎工業高校の合同公演。
須崎高等学校は2000年の『ヘレン・ケラー』、2015年の『ジャンヌ・ダルク』に続き3度目の公演となります。
須崎工業高校は風の公演は初となります。
開演前に須崎高校の校長先生の挨拶の中で「その瞬間に身体に響いてくるものを大切にして下さい」という言葉と担当の先生の挨拶の中で「泣いたり笑ったり感動したり恥ずかしがらずに観劇して下さい」という言葉がありました。
生徒さん達は先生方の言葉通り公演中、舞台上で起こる事に対して一人一人が様々に反応し、クスッと笑ったり大きく笑ったり、緊張感のある空間になったりと、客席と共につくるヘレン・ケラーというものを感じました。
公演後のバックステージステージではは舞台の構造や舞台装置の組み立て方などに興味を持ってたくさんの質問してくれました。
そして座談会にも7名程の生徒さんが参加しました。
絵に興味があり背景幕やベビーベッドに描かれている絵について質問したり、演劇を始めたきっかけ、もし前の席で寝ているお客さんがいた場合は役者の人たちはどう思うのか、など個性溢れる質問を投げかけてくれて、一人一人が色んな視線から舞台を観てくれていたんだなと思います。
そして最後に担当の先生から「やはり生で観ることが大事だと思います。」と言葉をいただきました。
1年後には統合が決まっている須崎高校と須崎工業。舞台を通してすごく一体感を感じる公演でした。
琴の浦高等特別支援学校
第5週目、2日目の公演は高知県の太平洋側から日本海側へ縦断し、鳥取県へ移動しました。
鳥取県文化振興財団主催、琴の浦高等支援学校での公演です。
朝学校に入り旅班全員で担当の先生に挨拶をさせていただくと、先生から「芸術鑑賞は初めてで学校創立6年目で6年間ずっと芸術鑑賞をしたかった。」と、待ち望んでいた公演であることを伝えていただき、嬉しさと共にその期待に応えようと旅メンバーも更に力が湧いてきました。
公演中はとても真剣な眼差しで舞台をみつめ、肌で感じて耳で聞いて、声を出して笑い、みんなの豊かな感情ととても明るく、素直な反応を舞台の上で感じました。
中には1番前の席で舞台上で起こってる事や役者に対して一生懸命手紙を書いてくれて、本番後に手紙を渡しに来てくれた生徒さんもいました。
そして終演後の生徒代表の挨拶では「感動しました!」と一言、力強い言葉と同時に学校内で作っている、できたてで美味しいパンと新鮮な野菜もいただきました。
パンはふわふわで香ばしく、野菜はシャキシャキで生でも食べれるとのことで旅班一同あっという間に完食させていただきました!
公演後は三年生全員とのバックステージでした。
実際に本番で使っていた衣装を着て見たり照明や音響の機材に触れて実際に操作してみたり、役者へ公演の率直な感想を伝えに来てくれたり、劇場の空間に入り込んで自分たちで空間をつくって楽しんでいる姿がありました。
舞台の撤去作業にも有志の生徒さんとたくさんの先生方が手伝ってくれて、その時間の中でも役者やスタッフに質問したり感想を伝えてくれて交流しながら作業を進める事ができました。
一人一人が好奇心旺盛で積極的で終始明るく賑やかな公演でした。
福井大学教育学部附属義務教育学校
第5週目、3日目は福井大学教育学部附属義務教育学校での公演。
2001年の『Touch 』、2016年の『ジャンヌ・ダルク』の公演に続く公演でした。
午前中は舞台の仕込み見学に7年生と8年生が来て、サリバン先生役の渋谷と音響チーフの渡辺に舞台の説明をしてもらいました。
本番前には九月に演劇発表を控えている9年生の皆さんと一時間程ワークショップをしました。
3班に分かれて、「キャスト」「音響・照明」「舞台装置」の3つのグループに15分づつ程話を聞きました。
稽古場での姿勢や化粧のやり方、脚本や演出などへの具体的な質問もあり、アドバイスを聞きながら一生懸命メモを取って、友達と共有する姿をみて一人一人が熱心に演劇づくりに取り組み、みんなで舞台を創ろうとしているのが伝わってきました。
本番中も9年生がみんなを引っ張るように集中して舞台に目を向け、何かを発見したり吸収しようとする熱が伝わってきました!
公演後の座談会には九月の演劇発表で監督、助監督、演出、脚本を務める生徒さん達が集まり配役のことや時間軸の進め方など劇をつくっていく上で重要になってくる質問を投げかけてくれました。
また、9年生は2年前にジャンヌ・ダルクも観劇しており、2年前のジャンヌ・ダルクが忘れられないと話してくれました。
皆さんの情熱は劇を観る人の心を動かし、また新たな出会いが生まれてくると思います。
機会があればみんなで作り上げた劇を観てみたいなと移動中のバスの中で盛り上がっていました。
九月の発表、そしてその先も持ち前の情熱を持って頑張って下さい。
応援しています。
加悦谷高校
第5週目、4日目は京都府の加悦谷高等学校での公演です。
二階体育館で前日搬入ということもあり、前日の夜遅くに学校へ到着したのですが、2006年に『ヘレンケラー』を公演した際に担当でお世話になった先生が心良く迎えて下さり嬉しい再会ができました。
その当時のヘレンケラーの思い出を話してくれて、人と人の繋がりやヘレンケラーの歴史を改めて感じました。
ちなみにブログを遡ると2006年に加悦谷高校で公演した際の記事もまだ残っています。
加悦谷高校の皆さんは開場中に「おぉーすげー!」、「やばいな。これ!」と袖でスタンバイしていた役者達に元気いっぱいの声を届けてくれて役者達もワクワクしながら開演を待ってました。
そして開演すると生徒さん達は体育館内の気温がすごく上がってるのにもかかわらず真剣な眼差しを持って、暑さを忘れさせるほどの観る力と集中力でヘレンケラーの舞台をつくってくれました。
また、公演後の生徒代表の挨拶では「人の可能性や自分自信に可能性があることを感じた」と劇団員に伝えてくれました。
その気持ちをいつまでも忘れずに様々な事に挑戦し、自分の信じた道を歩んでください!
撤去作業にはたくさんの生徒さんと先生方が手伝ってくれました。
重たい舞台装置でも積極的に運び、「これは何に使うんですか?」と興味を持ちながら作業してくれています。
帰り際には野球部の皆さんやウェイトリフティング部のみなさん、そしてお手伝いをしてくれたみんながお見送りに来てくれて次の公演への力になりました。
大阪教育大学附属平野校舎
第5週目、5日目は京都から大阪へ移動し、大坂教育学部附属平野校舎での公演です!
大坂教育学部附属平野校舎での公演は1989年の『ハムレット』、1997年の『ヘレンケラー』、2000年の『ヘレンケラー』と今回で4回目の公演です!
開演前の様子です。
落ち着いた様子で開演を今か今かと待っているように感じ、これからどんな2時間になってどんな対話が生まれるのか、と楽しみにしていました。
公演中も少し落ち着いた様子で舞台上とコミニュケーションをとって、その場で一人一人が呼吸し、役者の呼吸を捉えてるようでした。
終演後のバックステージでは、舞台裏の動線やトラックの中など、舞台上以外の所にも興味を持ち、道具の細かい使い方や役割に目を向けていました。
座談会の際も転換や照明など芝居を支えるスタッフの人たちへの質問が多く、自分たちが感じた事を隠さずダイレクトにヘレン役の倉八に伝えてくれていました。
座談会が終わっても時間ギリギリまで残って写真を一緒に撮ったり、サインをもらったりしました。
米子北斗中学校・高校
第5週目、6日目は鳥取文化振興財団主催、米子北斗中学校・高等学校での公演。
午前開演ということで
前日に舞台の仕込みの為大阪から直接学校へ向かいました。
夜遅い時間にも関わらず財団の方や先生方が歓迎してくれました。
本当にありがとうございます。
次の日の朝、照明の調整を行なっていると何人かの生徒さん達が体育館をのぞきに来て「うわっいつもの体育館じゃない!」と驚いていました。
そのまま体育館の中に入り、照明の
ライトを浴びたり、二階屋に登ったり、大きな声で台詞を言ってみたり、役者になりきって舞台上を楽しんでくれました。
開演前の様子です。
とてもリラックスしていて、仲睦まじい様子がうかがえます
本番は土曜日の公演ということもあり小学生の姿も見え、
公演中は客席から活き活きとした空気や視線を感じ様々なリアクションを感じました。
終演後のバッステージにはたくさんの希望者が募り、中には町の演劇サークルに入って活動しているという生徒さんもいて、
ポンプの仕組みや舞台装置で工夫している所に興味を持って話を聞いています。
撤去作業の際にはバレー部の子たちが見学に来てくれて役者といっぱい話して明るく盛り上げてくれました。
そして嬉しい事にバレー部の中で小学生の時に『星の王子さま』の芝居をみて一緒に歌を歌った事を覚えてる生徒さんと再会しました!
こういった出会いや再会がもっともっと繋がるような旅をこれからもつくっていこうと思います。
様々な出会いがあり、再会があった1週間。
その中にはたくさんの発見や喜び、驚きがありました。
一日一日、一瞬一瞬を大切に、
まだまだこれからも色んな出会いを楽しみにヘレンケラーの旅は続きます。
ジェイムス・ケラー役 蒲原智城