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2018年春・西日本ツアー「ヘレン・ケラー 〜ひびき合うものたち」第5週目

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6月に入り、ヘレン・ケラーの旅、第5週目は真夏を感じさせる強い日差しと心地よい海風を浴びながら始まりました。

6月4日(月) 須崎高校・須崎工業高校(高知県) 須崎文化会館
6月5日(火) 琴の浦高等特別支援学校(鳥取県) 同校体育館
6月6日(水) 福井大学教育学部附属義務教育学校(福井県) 同校体育館
6月7日(木) 加悦谷高校(京都府) 同校体育館
6月8日(金) 大阪教育大学附属平野校舎(大阪府) クレオ大阪南館
6月9日(土) 米子北斗中学校・高校(鳥取県) 同校体育館

須崎高校・須崎工業高校

今週の初日は高知県、須崎高等学校・須崎工業高校の合同公演。

須崎高等学校は2000年の『ヘレン・ケラー』、2015年の『ジャンヌ・ダルク』に続き3度目の公演となります。
須崎工業高校は風の公演は初となります。
開演前に須崎高校の校長先生の挨拶の中で「その瞬間に身体に響いてくるものを大切にして下さい」という言葉と担当の先生の挨拶の中で「泣いたり笑ったり感動したり恥ずかしがらずに観劇して下さい」という言葉がありました。
生徒さん達は先生方の言葉通り公演中、舞台上で起こる事に対して一人一人が様々に反応し、クスッと笑ったり大きく笑ったり、緊張感のある空間になったりと、客席と共につくるヘレン・ケラーというものを感じました。

公演後のバックステージステージではは舞台の構造や舞台装置の組み立て方などに興味を持ってたくさんの質問してくれました。



そして座談会にも7名程の生徒さんが参加しました。
絵に興味があり背景幕やベビーベッドに描かれている絵について質問したり、演劇を始めたきっかけ、もし前の席で寝ているお客さんがいた場合は役者の人たちはどう思うのか、など個性溢れる質問を投げかけてくれて、一人一人が色んな視線から舞台を観てくれていたんだなと思います。
そして最後に担当の先生から「やはり生で観ることが大事だと思います。」と言葉をいただきました。



1年後には統合が決まっている須崎高校と須崎工業。舞台を通してすごく一体感を感じる公演でした。






琴の浦高等特別支援学校

第5週目、2日目の公演は高知県の太平洋側から日本海側へ縦断し、鳥取県へ移動しました。
鳥取県文化振興財団主催、琴の浦高等支援学校での公演です。

朝学校に入り旅班全員で担当の先生に挨拶をさせていただくと、先生から「芸術鑑賞は初めてで学校創立6年目で6年間ずっと芸術鑑賞をしたかった。」と、待ち望んでいた公演であることを伝えていただき、嬉しさと共にその期待に応えようと旅メンバーも更に力が湧いてきました。

公演中はとても真剣な眼差しで舞台をみつめ、肌で感じて耳で聞いて、声を出して笑い、みんなの豊かな感情ととても明るく、素直な反応を舞台の上で感じました。
中には1番前の席で舞台上で起こってる事や役者に対して一生懸命手紙を書いてくれて、本番後に手紙を渡しに来てくれた生徒さんもいました。


そして終演後の生徒代表の挨拶では「感動しました!」と一言、力強い言葉と同時に学校内で作っている、できたてで美味しいパンと新鮮な野菜もいただきました。
パンはふわふわで香ばしく、野菜はシャキシャキで生でも食べれるとのことで旅班一同あっという間に完食させていただきました!





公演後は三年生全員とのバックステージでした。
実際に本番で使っていた衣装を着て見たり照明や音響の機材に触れて実際に操作してみたり、役者へ公演の率直な感想を伝えに来てくれたり、劇場の空間に入り込んで自分たちで空間をつくって楽しんでいる姿がありました。









舞台の撤去作業にも有志の生徒さんとたくさんの先生方が手伝ってくれて、その時間の中でも役者やスタッフに質問したり感想を伝えてくれて交流しながら作業を進める事ができました。
一人一人が好奇心旺盛で積極的で終始明るく賑やかな公演でした。






福井大学教育学部附属義務教育学校

第5週目、3日目は福井大学教育学部附属義務教育学校での公演。
2001年の『Touch 』、2016年の『ジャンヌ・ダルク』の公演に続く公演でした。

午前中は舞台の仕込み見学に7年生と8年生が来て、サリバン先生役の渋谷と音響チーフの渡辺に舞台の説明をしてもらいました。







本番前には九月に演劇発表を控えている9年生の皆さんと一時間程ワークショップをしました。
3班に分かれて、「キャスト」「音響・照明」「舞台装置」の3つのグループに15分づつ程話を聞きました。

稽古場での姿勢や化粧のやり方、脚本や演出などへの具体的な質問もあり、アドバイスを聞きながら一生懸命メモを取って、友達と共有する姿をみて一人一人が熱心に演劇づくりに取り組み、みんなで舞台を創ろうとしているのが伝わってきました。








本番中も9年生がみんなを引っ張るように集中して舞台に目を向け、何かを発見したり吸収しようとする熱が伝わってきました!

公演後の座談会には九月の演劇発表で監督、助監督、演出、脚本を務める生徒さん達が集まり配役のことや時間軸の進め方など劇をつくっていく上で重要になってくる質問を投げかけてくれました。
また、9年生は2年前にジャンヌ・ダルクも観劇しており、2年前のジャンヌ・ダルクが忘れられないと話してくれました。

皆さんの情熱は劇を観る人の心を動かし、また新たな出会いが生まれてくると思います。
機会があればみんなで作り上げた劇を観てみたいなと移動中のバスの中で盛り上がっていました。
九月の発表、そしてその先も持ち前の情熱を持って頑張って下さい。
応援しています。




加悦谷高校

第5週目、4日目は京都府の加悦谷高等学校での公演です。


二階体育館で前日搬入ということもあり、前日の夜遅くに学校へ到着したのですが、2006年に『ヘレンケラー』を公演した際に担当でお世話になった先生が心良く迎えて下さり嬉しい再会ができました。
その当時のヘレンケラーの思い出を話してくれて、人と人の繋がりやヘレンケラーの歴史を改めて感じました。
ちなみにブログを遡ると2006年に加悦谷高校で公演した際の記事もまだ残っています。

加悦谷高校の皆さんは開場中に「おぉーすげー!」、「やばいな。これ!」と袖でスタンバイしていた役者達に元気いっぱいの声を届けてくれて役者達もワクワクしながら開演を待ってました。
そして開演すると生徒さん達は体育館内の気温がすごく上がってるのにもかかわらず真剣な眼差しを持って、暑さを忘れさせるほどの観る力と集中力でヘレンケラーの舞台をつくってくれました。
また、公演後の生徒代表の挨拶では「人の可能性や自分自信に可能性があることを感じた」と劇団員に伝えてくれました。
その気持ちをいつまでも忘れずに様々な事に挑戦し、自分の信じた道を歩んでください!


撤去作業にはたくさんの生徒さんと先生方が手伝ってくれました。
重たい舞台装置でも積極的に運び、「これは何に使うんですか?」と興味を持ちながら作業してくれています。







帰り際には野球部の皆さんやウェイトリフティング部のみなさん、そしてお手伝いをしてくれたみんながお見送りに来てくれて次の公演への力になりました。




大阪教育大学附属平野校舎

第5週目、5日目は京都から大阪へ移動し、大坂教育学部附属平野校舎での公演です!

大坂教育学部附属平野校舎での公演は1989年の『ハムレット』、1997年の『ヘレンケラー』、2000年の『ヘレンケラー』と今回で4回目の公演です!

開演前の様子です。



落ち着いた様子で開演を今か今かと待っているように感じ、これからどんな2時間になってどんな対話が生まれるのか、と楽しみにしていました。
公演中も少し落ち着いた様子で舞台上とコミニュケーションをとって、その場で一人一人が呼吸し、役者の呼吸を捉えてるようでした。








終演後のバックステージでは、舞台裏の動線やトラックの中など、舞台上以外の所にも興味を持ち、道具の細かい使い方や役割に目を向けていました。
座談会の際も転換や照明など芝居を支えるスタッフの人たちへの質問が多く、自分たちが感じた事を隠さずダイレクトにヘレン役の倉八に伝えてくれていました。





座談会が終わっても時間ギリギリまで残って写真を一緒に撮ったり、サインをもらったりしました。




米子北斗中学校・高校

第5週目、6日目は鳥取文化振興財団主催、米子北斗中学校・高等学校での公演。


午前開演ということで
前日に舞台の仕込みの為大阪から直接学校へ向かいました。
夜遅い時間にも関わらず財団の方や先生方が歓迎してくれました。
本当にありがとうございます。

次の日の朝、照明の調整を行なっていると何人かの生徒さん達が体育館をのぞきに来て「うわっいつもの体育館じゃない!」と驚いていました。
そのまま体育館の中に入り、照明の
ライトを浴びたり、二階屋に登ったり、大きな声で台詞を言ってみたり、役者になりきって舞台上を楽しんでくれました。


開演前の様子です。
とてもリラックスしていて、仲睦まじい様子がうかがえます



本番は土曜日の公演ということもあり小学生の姿も見え、
公演中は客席から活き活きとした空気や視線を感じ様々なリアクションを感じました。

終演後のバッステージにはたくさんの希望者が募り、中には町の演劇サークルに入って活動しているという生徒さんもいて、
ポンプの仕組みや舞台装置で工夫している所に興味を持って話を聞いています。









撤去作業の際にはバレー部の子たちが見学に来てくれて役者といっぱい話して明るく盛り上げてくれました。



そして嬉しい事にバレー部の中で小学生の時に『星の王子さま』の芝居をみて一緒に歌を歌った事を覚えてる生徒さんと再会しました!
こういった出会いや再会がもっともっと繋がるような旅をこれからもつくっていこうと思います。



様々な出会いがあり、再会があった1週間。
その中にはたくさんの発見や喜び、驚きがありました。
一日一日、一瞬一瞬を大切に、
まだまだこれからも色んな出会いを楽しみにヘレンケラーの旅は続きます。

ジェイムス・ケラー役 蒲原智城


2018年 春 『ジャンヌ・ダルク~ジャンヌと炎』 東日本・西日本巡回公演 第5週目

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『ジャンヌ・ダルク~ジャンヌと炎』の旅は5週目を迎えました。

今週は、群馬県での公演からから始まり、東京都、石川県と駆け抜けていきました。

6月11日(月) [群馬県] 関東学園大学附属高校 館林市文化会館

  12日(火) [東京都] 上野高校 北とぴあ さくらホール

  13日(水) [石川県] 田鶴浜高校 七尾サンビーム日和ヶ丘

  14日(木) [石川県] 金沢市立工業高校・金沢大学附属高校 金沢歌劇座

  15日(金) [石川県] 能登高校・穴水高校 のとふれあい文化センター

で公演を行いました。

 

関東学園大学附属高校

関東学園は3年に1度、芸術鑑賞会を行っているそうで、今回で風は3回目の上演となりました。

客席にいるひとりひとりが、自由な感性で反応をしながら見てくれました。

終演後に担当の先生が「館林は本当に演劇に触れる機会がないんです。きっと今日が初めて演劇を見るという生徒もいたと思います。

だからこそ、今日の経験は彼らにとって貴重なものだったと思いますし、そうあってほしいと願っています。」と熱く語って下さいました。

彼らの舞台にそそぐ眼差しは、そんな先生の願いに応えるものだったと思います。

公演後には演劇部の皆さんとの座談会が行われました。

劇中に登場する人形を実際にかぶってみたり、ジャンヌ役の白根や照明の坂野の話を座席に座るのも忘れてしまうほど熱心に聞き入っている様子でした。

 

上野高校

上野高校は3年前の「ヘレン・ケラー」の公演以来、2回目の風の公演でした。

生徒の皆さんの大きな拍手の中開演し、その拍手はそのまま旅役者たちを迎える手拍子に変わりました。

上演中も、あちらこちらで反応したり、クラスメイトと一緒に笑ったりと楽しみながら見てくれました。

公演のあと、担当の先生にお話しを伺うと「私も感動しました。生徒たちも楽しそうに見ていてよかった。」

と、笑顔で話してくださいました。

公演後には、演劇部の皆さんとの舞台裏見学と座談会が行われました。

舞台装置や小道具、衣装に触れ、目を輝かせていました。

 

最後は、舞台撤去を終えた劇団員と記念写真。

このあとも退館時間いっぱいまで話は尽きませんでした。


田鶴浜高校

田鶴浜高校は風の公演は3回目となりました。

開場時間になると、あっという間に席に座ってしまった生徒の皆さん。「いつでも開演できます。」と担当の先生。

開演に先立って校長先生が、「観劇の手引きに書いてある、ジャンヌ役の白根さんの原稿を読みました。素晴らしいな、と私は思いました。これだけの想いをもっている方々がいるんだ。その方々が演じるお芝居、しっかりと感じてください。」と、生徒たちに向けて話してくださいました。

生徒の皆さんだけでなく、先生方もこの公演を楽しみにしてくれていたことが感じられました。

公演は、あたたかくも真剣な眼差しで舞台を支えてくれる生徒の皆さんの姿が印象的でした。

 

公演後には、手話部の生徒の皆さんとの舞台裏見学、そして座談会が開かれました。田鶴浜高校手話部は、初回から毎年、全国高校生手話パフォーマンス甲子園に出場しているそうです。手話で劇をするという部の皆さん。

部の顧問の先生にお話を聞くと「声なき者の声に耳を傾けるということで、生徒たちにもいい刺激になってくれたと思います。」とおっしゃっていました。今回の経験が彼女たちのこれからの力になってくれたらと思います。

 

金沢市立工業高校・金沢大学附属高校

2校合同での公演で、どちらの学校も風の公演は初めての上演です。

2つの学校が見ているとは思えない一体感のある客席で、みんなで舞台を盛り上げてくれていました。

「ありがとう。生徒たちみんなよろこんで帰っていきましたよ。」と、市立工業高校の担当の先生が公演後に話してくれました。

今日のことが彼らの中に何かしらの形で残っていってくれたらうれしいです。

一方、公演後の舞台では金沢大学附属高校の生徒の皆さんとの舞台裏見学と座談会が行われていました。参加してくれたのは希望者の生徒43人。舞台上も舞台裏も生徒たちの驚きと発見の声でいっぱいになりました。

「いつもは演劇部しか参加しないんですけど、今回はこんなに興味を持った生徒が集まってくれました。」と、笑顔の担当の先生。その言葉のあとに「生徒には触れさせるだけではなく、それをきっかけにして何かに出会ってほしい。彼らには出会うきっかけが必要なんです。」と、一変真剣な表情で生徒たちを見つめていました。その視線からあらためて、公演に懸ける先生方の想いを感じました。

 

能登高校・穴水高校

この日も2校合同での開催でした。能登高校も穴水高校も風の公演は初めてでした。

2校合わせて約300人ほどの客席には、舞台で起こることにジッと向き合う彼らの熱い視線がありました。

カーテンコールでは能登高校の生徒会長さん、穴水高校の生徒会副会長さんが「これからもたくさんの人たちにこの感動を届けてください。」、「ジャンヌ・ダルクの想い、気持ちが伝わってきたと思います。」とそれぞれに素敵な言葉をくれました。

 

公演後には穴水高校の生徒会副会長さんと担当の先生が楽屋を訪ねてきてくれました。

「生徒たちの集中力に驚きました。」「迫力があって面白かったです。」と、先生として、そして生徒としての視点で感想を伝えてくれました。

 

能登高校の担当の先生との1枚。

「普段はおとなしい生徒たちが、楽しんでみていました。皆さんのエネルギーを感じました。」

と興奮した様子で話してくれました。

 

芸術鑑賞の時間は2時間です。人生の中での2時間はほんの一瞬かもしれません。

しかし、その2時間の公演には、たくさんの人たちの想いがつまっています。

そして、たくさんの若い観客たちが自分の可能性に出会うきっかけになるかもしれません。

公演の2時間が客席にいる誰かの何かになってくれることを願い、そして信じて、ジャンヌの旅は

青森へと向かいます。

 

伝令・死刑執行人役:佐藤勇太

2018年春・西日本ツアー「ヘレン・ケラー 〜ひびき合うものたち」第6週目

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2018年春・西日本ツアー「ヘレン・ケラー 〜ひびき合うものたち」第6週目は、

6月11日[月] (大阪府)東大阪大学柏原高等学校/同校体育館

  12日[火] (大阪府)金蘭会中学校・高等学校/同校講堂

  13日[水] (島根県)江津高等学校/江津市総合市民センター ミルキーウェイホール

  14日[木] (京都府)京都学園高等学校/長岡京記念文化会館

  15日[金] (和歌山県)和歌山大学教育学部附属中学校/同校体育館  での公演でした。

 

東大阪大学柏原高等学校

週の始まりは、男子生徒722名の熱気と活気あふれる柏原高校での公演です。体育館に入場してくる生徒さんたちの様子がとにかく元気で、これから舞台を通じてどんな出会いになるか、ドキドキしていました。
芝居が始まっても生徒さんたちは固まることなく終始リラックスしながら舞台と向き合っていました。その場で起こることにリアクションを返したり、集中した視線を向けたり、隣の友だちと一緒に笑ったり、ひとりになって何かを見つめているような雰囲気になったりと、独特で、とても面白い時間をともに過ごすことが出来ました。カーテンコールでは、生徒会の4名が「また見られる機会があったら嬉しいです」と話してくれました。

終演後はヘレン役の倉八との座談会、舞台見学、さらには片づけのお手伝いが行なわれました。座談会に参加してくれた生徒さんはみんな、倉八の話を真剣に聞いていました。聞きたいことが山ほどあったようで、時間がいくらあっても足りなかったようです。また舞台見学では、表現や舞台に立つことに関心を寄せる生徒さんが、積極的に話し掛けに来てくれました。その話は彼の今、未来、過去の話にまで至り、彼は一緒に片づけも行ないながら話したいことを話し、聞きたいことを聞いていました。その片づけでは柔道部、スポーツチャンバラ部、野球部のみなさんが大活躍してくれました。交流の中で「サリバン先生の分厚い眼鏡は、本当は分厚くないですよね」をはじめ、芝居の話をたくさんしてくれました。ほんとうに微細なところまでよく見ていてくれたんだなと驚きました。先生方が生徒さんたちの、のびのびした姿を嬉しそうに見守っていたこと、また色んな経験をさせてあげたいと願っていることにも気がつくことができました。

楽しい時間はあっという間に過ぎるもので、ヘレン・ケラーの舞台が組まれていた3階の体育館はあっという間に、いつものみなさんの体育館に戻りました。みなさん本当にありがとうございました。

 

 

金蘭会中学校・高校

東大阪大学柏原高校の公演を終えた旅班は、金蘭会中学校・高校へとバスを走らせます。
その頃、演劇部のみなさんが、会場となる3階の講堂に張り出しを作って、私たちの到着を待っていてくれました。夜遅くの到着にも関わらず、元気よく迎えてくれたみなさん。金蘭会中学・高校は演劇部の活動がとても盛んで、挨拶を交わしただけでみなさんの演劇に対する情熱が伝わってくるようでした。演劇部のみなさんにお礼を言って、荷物を運び始めると、今度はバレー部のみなさんが「あ、ヘレン・ケラーだ!」「明日、楽しみにしています!」と、笑顔で声を掛けてくれました。

午前と午後の2回公演。開演前に校長先生が「本物を見る機会に恵まれました」と話しをしてくれて、大きな拍手の中で芝居が始まりました。
思いきり笑って緩やかな空間を、緊張感漂う引き締まる空間を、一人ひとりがつくりだしてくれました。
終演後は、中学・高校の演劇部およそ50名の生徒さんが積極的にお手伝いをしてくれました。重い荷物を持つ時のみんなの息の合わせ方、お互いの声の掛けあい、先生との信頼関係などを目の当たりにして、普段からチームを考え、行動しているんだろうなと感じました。さすがです!
片づけの最中も、多くの生徒さんが「面白かったです」と感想を伝えてくれました。
金蘭会中学校・高校では自分の好きな事を夢中になって行なう、そんな姿の生徒さんたちに出会うことができました。
また、みなさんと再会できることを願っています。

 

江津高校

今年創立60周年を迎える、江津高校。開演前には創立式典が行われました。江津市の教育委員会のみなさんが、江津市では学びたいと望んでいるみなさんに色んな学びを提案していきたいと話し、校長先生は、生徒さんたちにはたくさんの可能性がある、ひと皮もふた皮も脱皮して飛躍して欲しいというメッセージを送っていました。そして式典の最後には「GO>GOTSU!」と会場全員で拳を掲げていました。
会場に気合が入った中での開演。会場の明かりが暗くなると、ヘレンの世界にスーッと入り込むように空間が変化しました。クスッと笑う声や、気になることを話しているひそひそ声、一番前に座っている生徒さんたちの生き生きした表情。静かな場のうちに、確かにそこに居る、その力強さを感じた公演でした。
終演後はヘレンとアニーでみなさんを送りだしました。公演を見に来てくれていた保護者や地域のみなさんが、目に涙をためながら「見に来られて良かった」「また来てください、待っています」と温かい言葉を掛けてくれ、力強い握手を交わしました。生徒さんたちも、元気いっぱい手を振ってくれました。その頃舞台では、帰りのバスを待つ1年生と急遽舞台見学が行なわれ、みなさんの興味や関心の赴くままに役者やスタッフと交流する時間を持つことができました。舞台見学や交流の中で発見をしてくれたようです。
最後に校長先生が「今日の公演であった、殻を破るという言葉と、江津高校のテーマである脱皮が繋がりました。生徒たちにも良かったと思います」と熱い想いを伝えてくれました。

 

京都学園高校

京都学園高校の公演は、3年生の学年行事として行なわれました。
1年生では歌舞伎、2年生ではオペラを見たようです。開演前に先生が「今年は演劇、ヘレン・ケラーです。演劇を通してどんな人生を送っていたのか、また自分の生き方について考えてほしいと思います」と話したあとすぐに「3年生のみんなが自転車や電車を使って、こうして一つの場所に集まることもだんだん最後になっていきます。こうしてみんなが集まっている様子を見ると感慨もひとしおです」と、卒業へ向けて歩んでいく生徒さんたちとの思い出を噛みしめるようなメッセージを送っていました。
静寂に包まれた会場、じっくり舞台を見つめる眼差し。その体の中では今どんな事が起きているんだろう、最後まで途切れることなく集中した時間が流れ、あっという間の2時間となりました。
終演後は、生徒さんと先生方が一緒になって舞台見学。ポンプが特に人気でした。そして有志のみなさんとヘレン役の倉八とで座談会も行なわれました。凛としたたたずまいのみなさん、その内側に秘めている言葉をヘレンと交わすことが出来たようです。

 

 

和歌山大学教育学部附属中学校

和歌山大学教育学部附属中学校では、芸術鑑賞で演劇を見るのは初めてでした。
朝の準備の時から、たくさんの生徒さんが体育館を覗きに来てくれて「うわー」「すげー」と元気な声が響いていました。生徒さんの驚いたり喜んだり姿を見るだけで、開演が待ち遠しくなりました。先生方も仕込みの様子を体育館の入り口でじっと見てくれていました。
さあ、体育館への入場時間。生徒さんたちは先ほどよりも何倍も大きな声で、劇場となった自分たちの体育館に驚き、誇らしげな声をあげていました。「附属中学校のみなさんは豊かな感性を持っています」と校長先生が開演前に話してくれたように、芝居が始まると、みなさんは体いっぱいを輝かせるように見て、聞いて、感じていました。自由に笑い、考えて、また見て、聞いて…空間がこんなにも動くのかというほど、みなさんの力(感性が)体育館に広がっていました。
カーテンコールで挨拶をしてくれた生徒会長さんが「自分のできることを続けていく大切さということを感じ、考えました」と今まさに見たことから受けて、感じたことを率直に伝えてくれました。また公開質問コーナーも行なわれ、特に1年生が積極的に劇団のことや作品のこと、感想をたくさん質問し、話してくれました。いくら時間があっても足りないというくうらい、まだまだみなさんと色んな話をしたかったです。その後は舞台見学。階段を駆け上がり、ドアから顔を出したり、ケラー家の食卓を再現したり、衣裳を着たり。生徒さんも先生がともに笑って楽しんで、発見したり、驚いたり。本当に賑やかでした。先生方は一緒になって楽しんでいましたが、生徒さんたちが経験をすること、触れたことのない世界に触れ、自分を見つめていくことを期待し、見守っているようでした。忘れられない、一日となりました。


ひとりひとりが今を懸命に生きようとする姿に、「ヘレン・ケラー」の旅を通じて、また出会うことが出来ます。
それは、私のひとつの幸せです。
不安も迷いも抱えながら、自分らしく自分の道を歩みたいと願う生徒さんが居ること、生徒さんたちの姿や言葉に刺激を受けている先生が居ることを知るから、私は自分を奮い立たせることができるし、飾ることのない自身で人の前に立ちたいとと思い、挑戦することができると感じています。
この旅が、この公演が、出会う人たちの生命と繋がれることを願って、旅は続きます。

アニー・サリバン役 渋谷愛






 

 

 

 

 

2018年春・西日本ツアー「ヘレン・ケラー 〜ひびき合うものたち」第7週目

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6月も半ばを過ぎ、梅雨や暑さとともに、夏の訪れを肌で感じるようになりました。
「ヘレン・ケラー 〜ひびき合うものたち」ツアーも第7週目を迎えました。

 

6月19日(火) 紀北工業高校(和歌山県) 同校体育館
6月20日(水) 暁中学校・高校(三重県) NTNシティホール
6月21日(木) 長野高校(大阪府) 河内長野市立文化会館
6月22日(金) 龍谷大学付属平安高校(京都府) 同校講堂

 

相愛中学校・高等学校

先週和歌山県での公演を終えて、旅班は大阪へ。日曜日は相愛中学校・高校の講堂での公演に向けて搬入・設営作業でした。
そして、公演当日。18日朝に発生した大阪北部地震の影響で、余震の可能性、また生徒皆さんの3分の2が登校出来ていない現状により、当日の公演は中止となりました。残念な気持ちで撤去作業を始めようとしていた際、登校出来た生徒さん達が数名講堂に見学に来てくれました!実は朝早くから講堂の様子を見に来てくれていたそうで、当日の公演をとても楽しみにしていてくれたそうです。
折角の機会なので、講堂に設営した舞台を見学してもらいました!「今日観れないのがとても残念です。今高3なので卒業するまでに何とかして観たいです!」と私達に伝えてくれました。私達も同じ気持ちです。是非この出会いを大事に、学校の皆様と共に改めて公演出来るように話し合って行きたいと思います。当日お会いすることの出来なかった皆さんとの出会いも、とても楽しみにしております。必ずお会いしましょう!

 

紀北工業高校

紀北工業高校での公演は3回目となります。また、4年前には「ジャンヌ・ダルク ジャンヌと炎」を上演しており、覚えていただいている先生方もいらっしゃいました!
朝からトラックから体育館へとセット、機材の搬入をしていると、朝練を終えた野球部の皆さんが搬入を手伝ってくれました。皆さん荷物を軽々と持ち上げながら体育館へ。あっという間にセットの大部分が運び込まれました。朝練後にも関わらず、皆さんどうもありがとうございました!

また、公演の準備の際には校舎から「頑張ってください!」「楽しみにしています!」と生徒の皆さんから声を掛けてくれました。皆さんが演劇を、私達との出会いを楽しみにしてくれているのをとても良く感じました。


開演前には芸術鑑賞ご担当の先生から「演劇を観て、何を感じるか。よく考えてみて下さい。」とのメッセージ。
公演中には舞台上で起きている事柄を必死に捕らえようとしているように、静かに舞台に目を向けていました。

終演後には校長先生から「かけがえのない一時を、そしてやさしく暖かな風を届けてくれてありがとうございました」とのお礼の言葉をいただきました!

公演の撤去作業は沢山の部活動(野球部・ウエイトリフティング部・剣道部・バレー部)の皆さんがお手伝いしてくれました!
劇団員と共に機材の梱包やセットの解体、時には演劇を観た感想や舞台についての質問などを話し合いながら作業が進んでいきました。皆さんとてもいい笑顔で手伝ってくれた事がとても印象に残っています。








トラックへの積み込みが終わり、学校から出発しようとした際にも、沢山の生徒の皆さんが私達を手を振って見送ってくれました。
皆さん本当にありがとうございました!

 

暁中学校・高校

暁中学校・高校での公演は学校の創立記念行事の一環として開催されました。3年前にも「ジャンヌ・ダルク ジャンヌと炎」を上演していますので、高校生の皆さんとは3年振りの再会となります!また皆さんとお会いできてとても嬉しいです。
記念式典から公演まで、行事のすべてを生徒会の皆さんがスムーズに進行。また、式典中の校長先生のご挨拶では、学校綱領である「人間たれ」を基にお話をしてくださいました。


カーテンコールでは生徒会長さんが「伝記とは違い、ヘレンやアニーの葛藤や苦悩を感じることが出来ました。」との素敵な感想をいただきました!終演後のバックステージツアーもとても多くの生徒さんが参加し、小道具やセットを実際に触りながら、今まで上演が行われていた空間の余韻を楽しんでいるようでした。中にはスタッフの皆の中を周りながら、裏方ならではの質問をしている男子生徒さんの姿も。
座談会ではアニー役渋谷に様々な質問が飛び交います。中には「どうして俳優になったのですか?」という質問も。渋谷は自分の高校生時代のエピソードを交えながら、皆さんに自分の思いを伝えていきます。





撤去作業、座談会がちょうどいいタイミングで終わったので、作業を終えた俳優・スタッフと共に記念写真!
皆さんありがとうございました!

 

長野高校

長野高校での公演はなんと5回目!劇団と学校の皆さんとで作り上げてきた年月と信頼関係をひしひしと感じます。
5年前に「ヘレン」、4年前には「ジャンヌ」を上演しています!5年前に来たメンバーも多数いますので、ここでも懐かしい再会となりました。会場も同じ河内長野市立文化会館だったのですが、前回からもう5年も経っていることに驚きました。前回の公演の事がついこの間の様に思い出されます。

図書委員会の皆さんが開演前に上演中のマナーについて、生徒の皆さんに注意を喚起します。そして、劇団の皆を拍手で迎えるよう呼び掛け、開演となりました。

カーテンコールでは、たった今観て、感じた事をそのまま言葉にした素敵なメッセージ、そして綺麗な花束をいただきました!
終演後のバックステージツアー、座談会には演劇部や図書部の皆さんが参加。見学の際には舞台裏だけでなく、楽屋に来て衣裳を実際に手に取ったりと、あらゆる視点から演劇を観ることが出来たのではないでしょうか。座談会はホールのロビーの一角を使ってヘレン役の倉八と共に、沢山の時間を使って演劇について、お互いの事について、ゆっくりと話し合いが行われたそうです。



 また皆さんとお会い出来る日を楽しみにしています!

 

龍谷大学付属平安高等学校

龍谷大学付属平安高校での公演も3回目。6年前に「ヘレン」、3年前に「ジャンヌ」を上演しています。
河内長野での公演を終えてから公演準備のために学校に到着すると、放課後の時間となっていましたので沢山の生徒の皆さんと挨拶することが出来ました。皆さん元気一杯ですね!学校のあちらこちらから部活の掛け声や吹奏楽部の練習の音など、多くのエネルギーのこもった音が聞こえてきます。

当日は午前と午後、2ステージに分けての上演となり、午前中は1・3年生とアスリートコースの皆さん、午後は2年生の皆さんが鑑賞しました。午前中の公演では最前列に野球部の皆さんが座ったそうで、(俳優の視点で)舞台からの眺めは圧巻だったそうです。


 

こちらの学校では2年生が演劇発表をするそうで、午後公演の終演後には12クラスの代表と有志の皆さんが集まってバックステージツアー、座談会が開かれました。舞台に上がって、ヘレンが投げた小道具の皿を持ってみたり、セットの階段の仕組みを劇団員に聞いたりと、一人ひとり思い思いの場所へ。音響や照明の操作も体験しながら、これからクラスで創り上げる発表についてのヒントになったでしょうか?
皆さんそれぞれのクラスの仲間と作る演劇が高校生活の大事な思い出の一つとなるよう願っています。頑張って下さい!




 


今週も沢山の出会いと再会がありました。その一つ一つが私達にとっても、生徒の皆さん、先生方にかけがえのない、大切な出会いとなるよう祈りながら、旅班は毎日を駆け抜けます。

文:渡辺雄亮(音響)

2018年 春 『ジャンヌ・ダルク~ジャンヌと炎』 東日本・西日本巡回公演 第6週目

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 『ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎』の公演も中日が過ぎ、今週も青森から東京へと駆け抜け、5校の学校で公演が行われました。

 

6月 18日(月)[青森県] 青森工業高校 同校体育館

    19日(火)[東京都] 富士見中学校 同校講堂

  20日(水)[東京都] 桐朋高校   福生市民会館

  21日(木)[埼玉県] 埼玉大学教育学部附属中学校 同校体育館

  22日(金)[千葉県] 野田中央高校 野田市民会館

 

青森工業高校

105年の歴史を誇る伝統校です。(百周年の時に作られた絵の上に1913〜2012とあります)

この学校では『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』を3年前に上演、2度目の公演となります。

 

午前中は肌寒いくらいでしたが、午後は晴れ間も見え、体育館内は700人以上の生徒さんがぎっしり、熱気がそのまま伝わってくるようでした。

開演前に担当の先生からご挨拶があり、そのあとジャンヌ・ダルクの歌詞が出てくる歌(筆者は知っている懐かしい歌です)が歌われ、先生の歌に合わせて元気溢れる生徒さんの手拍子があり公演が始まりました! 元気な姿はそのまま芝居へと向かい、笑ったり、場面ごとに感じたり考えたりしている一人ひとりの息づかいが感じられる公演でした。

カーテンコールのあと生徒会長さんから「生の演劇を見る機会がない僕たちに、素敵な時間をありがとうございました。芝居を見てジャンヌ・ダルクの人生をもっと知りたいと思いました」とお礼の言葉をいただきました。凝縮された2時間という舞台から、見て感じ考えたこと、疑問に思ったことが、いまここで生きている生徒さんたちの、これからの人生に繋がってほしいと願っています。


公演後、生徒さん、先生、観劇に来られた保護者の方全員が舞台、舞台裏を通って退場。わずかな時間のなかで道具に触れ、「じゃーね!」などとジャンヌ人形に声を掛ける生徒さんたち。

 

 

 

舞台撤去には図書委員、ソフトテニス部のみなさんが精力的に手伝ってくれました。ありがとうございました!!


富士見中学校

こちらの学校では『ヘレン・ケラー』、そして昨年の『ジャンヌ・ダルク』の上演と3度目の公演となります。今年も中学1年生が講堂で観劇。今回もまたみなさんと、どんな出会いがあるか私たちも楽しみにしていました。

初々しい眼差しで、客席後ろから登場する旅役者たちを好奇心いっぱいに見つめる生徒さんたち。物語のひとつひとつの出来事を受けとめていく生徒さんたちとともに、舞台がつくられていきました。代表の生徒さんが「私たち富士見中の生徒もジャンヌのように強い意志を持った女性になりたいと思います」と述べてくれました。

 

公演後には希望する生徒さんの舞台見学がありました。 

舞台撤去にも多くの生徒さんが、関心を持ちながら積極的に参加してくれました。ありがとうございました!!

最後まで手伝ってくれた生徒さんたちに、ジャンヌ役の白根からお礼の挨拶。

今日のこと、この舞台がみなさんの出会う様々なことのなかで、大切な思い出となり、支えになってくれたらと思います。

 

桐朋高校

こちらの学校では初めての公演となります。

1000人近くの男子生徒さんたちがどのように見るのか、気持ちも引き締まるなか公演が始まりました。最初の登場の驚きから、「何だろう」という感触など、見入る生徒さんのまなざし、それぞれの呼吸が混ざり合うように、舞台と客席が交差していきました。その集中したそのまなざしは最後まで途切れず、カーテンコールでは声援を送ってくれた生徒さんもいました。


公演後には、舞台撤去を見ながら、新聞部と希望者の生徒さんたちと客席で座談会が行われました。先生方も何人か参加してくれていました。短い時間でしたが、一幕の終わり、フランスを勝利に導き、シャルル7世の戴冠式を終えたあとのジャンヌの思いなど、場面の細かな所についてや、撤去している役者の姿がかっこいいなど様々な質問や感想があったそうです。

一人ひとりにとっての芸術鑑賞の場、今回の舞台を通して一人ひとりの生徒さんが「何か」を受けとめてくれたことに、ご担当の先生も喜んでおられました。

見るということのなかで違うものを持ち合い、様々な視線のなかでつくられた公演でした。受けとめてくれたこと、感じたことを一人ひとりの生きる力にしていってほしいと願っています。


埼玉大学教育学部附属中学校

3度目の公演となるこの学校では、中学3年生が文化祭で演劇の発表をします。

午前中には3年生170人の生徒さんがクラスごとに、舞台見学を行いました。


 



興味津々に大道具、小道具、被り物など触れ、身につけたりする生徒さんたち。照明や音響にも早速質問があり、説明を受けたことをメモしたりと楽しそうにしているみなさん。何人の生徒さんから「演劇っておもしろい」という声を聞きました。上演する演目が決まり、出演者、舞台、照明、音響の担当も決まって未知な事に触れていくワクワクする様子が伝わってきました。

 

公演は中学生全員が観劇します。500人以上の生徒さんが一杯になった体育館、進行も生徒さんが行います。楽しそうに、そして一生懸命に真剣に舞台を見てくれました。公演後に代表の生徒さんが「小学生の時に伝記を読んだことがあったけれど、怖いとか悲しいとかいう感情はありませんでした。でも今日見た演劇からは本物の感情が生まれてきました。私たちも舞台、照明や音などの技を使って、みんなで一緒に舞台を作っていきたいと思います」と率直に感想を話してくれました。舞台から受けた思いを真っ直ぐに話す生徒さんの姿に、文化祭の演劇を担当されている先生もびっくりされたと聞きました。

公演後にも出演者、舞台、照明、音響に分かれて代表の生徒さんたちとの質疑応答がありました。みなさんの姿は、初めて演劇に出会った時の大事なことを思い出させてくれました。演劇を見る、作ることを通して関心が生まれ、自分や仲間のことを考えたり発見したことを大切にして、たくさんのことを経験して、自分たちの舞台をつくっていって下さい!  

 

野田中央高校

風では初めての公演となる学校です。

朝、舞台道具搬入口で集まっている劇団員に「演劇を初めて見る子もいる、話しはしてあるが物語の内容を把握していない子もいるかも知れませんがよろしくお願いします」と担当の先生が挨拶に来られました。そのあと若い先生方が、生徒さんたちがどうやったら演劇に少しでも関心や興味をもってくれるのか考え、やってみようと、1000人以上の生徒さん一人ひとりの座席に『ジャンヌ・ダルク』の観劇の手引きを置いていました。

公演が始まると、客席背後からの登場に大盛り上がりの生徒さんたち。一気にお互い親近感が生まれるような雰囲気でした。大きな声で笑い、じっと見入る姿がとても印象的で、大きな波のように生徒さんそれぞれに受けとめたことが舞台に返ってくるようでした。生徒会長さんが「ジャンヌ・ダルクの勇敢さと、最後にジャンヌが火炙りの刑になったことで、周りの人たちがどれだけ悲しんだのか知りました」とお礼の言葉を述べてくれました。生徒さんの話にもあったように、死刑執行人が語るラストシーンは、生徒さんたちが感じていることがひとつの静寂となってそのまま舞台に残っていました。

公演後、観劇の手引きを置いていた先生が、舞台を見ていた生徒さんたちの姿に感激し、喜びの声で挨拶されていました。 

 

 

演劇部、希望者のみなさんと舞台見学、座談会が行われました。

 

みなさん、ともに舞台をつくっていただき本当にありがとうございました。

 

 一瞬一瞬のなかで生徒さんたちが物事を捉え、感じている姿が印象に残った5日間でした。旅も中半、座長の栗山が「見てくれている生徒たちをもっと受けとめてつくっていこう」と役者たちに声を掛けました。一人ひとりの生徒さんのなかに起きてくる何かを信じて、私たちも自身を刺激し揺さぶりながら、後半の公演に向かいたいと思います。

 

召使い・イザボー王妃役/工藤順子

2018年 春 『ジャンヌ・ダルク~ジャンヌと炎』 東日本巡回公演 第7週目

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「ジャンヌ・ダルク~ジャンヌと炎」の東日本ツアーも7週目に入りました。
旅も中盤を過ぎ、毎日の「出会いの場」をつくるために、みんながそれぞれの力を発揮しています。

この週は、

6月25日(月) 仙台第二高校 仙台市民会館

     26日(火) 仙台第三高校 イズミティ21

     27日(水) 紫波第二中学校・紫波第三中学校 紫波第三中学校体育館

の3ステージの公演でした。

印象に残った言葉から、この週の公演を振り返ってみようと思います。

 

仙台第二高校

「演劇は歴史の事実を知るためだけに見るのではありません。
 私は、現代にもたくさんのジャンヌ・ダルクがいると信じています。
 舞台から多くのメッセージを受け取りましょう」

開演を待つ生徒たちを前にして、教頭先生が話された言葉です。
もちろん、ジャンヌ・ダルクは歴史上の人物ですが、いまから始まる舞台を見せたいと思った先生の想いは、きっと生徒さんたちにも伝わったのではないかと思います。
自由な明るさのなかにも、真剣さと思慮深さを持った客席だと感じました。
現代のジャンヌ・ダルクでもある観客たちが、この日の舞台から何か刺激を受けてくれたらと願っています。

会場直後、生徒さんたちの期待が伝わってきます。

行事の進行を務めた図書委員のみなさんとの座談会。多くの意見が交わされた充実した時間でした!

 

仙台第三高校

「ジャンヌが劇中でされた仕打ちは本当にひどいものだったが、それを自分の力に変えたジャンヌの姿に感動しました。
 この時代でも同じ。
 自分の力で切り開いていきたい」

 終演後のカーテンコールで、図書委員長さんが涙を流しながら必死に語ってくれた言葉です。
 舞台に立つ私たちも思わず涙ぐんでしまうくらい、その気持ちが伝わってきました。
 彼女はその後楽屋を訪ねてくれて、さらに舞台の感想を話してくれました。

「ジャンヌは、国王をはじめ自分を裏切った人も許した。
 人というのはもろくて弱い存在だと知ったうえで、人を愛し、信じる力を持っていたのだと思う」
 まさに「現代のジャンヌ・ダルク」との出会い。本当に感動し、嬉しくなる瞬間でした。

楽屋を訪ねてくれた図書委員長さん。素晴らしい感想をありがとう!再会を願っています!!

また教頭先生が、「生徒たちが引き込まれていた。彼らのつくる会場の空気がすごかった」と驚きながら話した通り、非常に集中した客席でした。

舞台そのものよりも、生徒たちを褒めていた教頭先生の言葉が印象的でした。

 

紫波第二中学校・紫波第三中学校

「精一杯の声を出した この瞬間がいつかきっと
 君が生きていく力に 変わる時が来るから」

終演後に両校の生徒たちが一緒に歌ってくれた合唱曲『時を超えて』の歌詞の一部です(トップの写真はその合唱の様子です!)
神の声を聞いたジャンヌが、民衆を立ち上がらせるために声を上げ、その後自分を裏切ったものたち、裁判官たちに対しても声を振り絞り、そして自分を火刑にかけた死刑執行人にも優しく許しの声をかける・・・。
そのジャンヌの「精一杯の声」が、観客たちの生きていく力に変わるなら、これほどうれしいことはありません。
2校の生徒さんがみんなで一緒にひとつの経験をするというのは、そんなにないことかもしれません。
彼ら彼女らの声は間違いなく私たちに届きました。そして、彼ら自身をきっと励ますはずです。

体育の時間を利用して、生徒たちが仕込みの様子を見学に来てくれました。ブナの木の素材感に興味津々!

会場となった紫波三中の生徒さんが、積極的に撤去を手伝ってくれました。ありがとうございました!

これほど多くの生徒さんが手伝いに来てくれました。先生方も含め、いい表情です!

 

この週の3公演はすべて、3年前に『ヘレン・ケラー』で公演した学校でした。

ひとつの出会いがまた次の出会いを生む、その出会いの連鎖は私たちがとても大事にしていることです。出会いそのものが私たちの演劇とも言えます。

生徒のみんなにとっても、公演の場が、何か自分自身の大切なものと出会う場になってほしいと願い、日々の公演を続けています。

 

田中賢一(語り手役)

2018年春・西日本ツアー「ヘレン・ケラー 〜ひびき合うものたち」第8週目

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6月25日(月) 宿毛高校(高知県) 同校体育館
6月26日(火) 広島大学附属東雲中学校(広島県) 同校体育館
6月27日(水) クラーク記念国際高校 広島キャンパス/広島修道大学附属鈴峯女子中学校・高校(広島県) 西区民文化センター
6月28日(木) 倉吉西高校(鳥取県) 同校体育館
6月29日(金) 倉敷市立真備陵南高校/倉敷市立真備中学校(岡山県) マービーふれあいセンター


5月7日に出発した春のツアーも早いもので8週目に突入しました。
24日(日)、高知県は宿毛(すくも)高校の仕込みから始まりました、
因みに宿毛(すくも)とは枯れた葦のことだそうです。
その昔、葦原だったことからこの地名になったそうです。

宿毛高校

さすが南国土佐!
公演前日、今ツアー初めて本格的な夏を感じさせる太陽の下、2階の体育館への搬入。
生徒支援部の先生方が待機して下さっていて、大汗をかきながら手伝って下さいました。
本当に助かりました!
こちらは“風”3度目の上演です、
公演当日は最高気温になる前の午前中の開演だったので、快適とまではいかないまでもそこまでの暑さはなく、とても大きな体育館だったこともあって、生徒さんたちにはゆったりと鑑賞してもらえたと思います。
上演中もリラックスした時間が創られていきました。
人権教育の一環とのことでしたが、その場で展開されていることが何なのか考えながら観てくれている客席でした。
終演後はお昼の時間と休み時間を使って、大勢の生徒さんたちが入れ替り立ち替り見学に来てくれました。
そして、撤去には午後の時間空いている先生方もまた入れ替り立ち替り力を貸して下さいました。
前日も頑張って下さったとても細身の女性の先生がドアの装置が出てきたときに、あっ!あれ運んだ!って思いましたと笑顔で言って下さったのは嬉しかったです。
先生方の頑張りを生徒さんたちはしっかり感じたのではないかと思います。
こちらでは、何と親子二代に渡ってこの学校で“風”の公演を観ている生徒さんもいました。
歴史を感じます。






突然参加の生徒さんたち!


広島大学付属東雲中学校

宿毛高校に続き、こちらも“風”3度目の上演です。
この日も朝から暑い一日でした。
搬入や仕込みの際、行き合った生徒さんたちが笑顔で挨拶をしてくれる清清しい始まりでした。
ヘレン・ケラーの人たちだと友達と話している声も聞こえて来ました。
この日を楽しみに待っていてくれたことが分かりました。
鑑賞行事を担当されている先生は東京の拠点劇場、レパートリーシアターKAZEにも何度か足を運んで下さっていて、期待の程が伺えます。
いざ、開演。
午後になり気温と湿度も上昇。
生徒さんたちは肩が触れ合うくらいの客席、平日の昼間にも関わらず30名の保護者の方も参加して下さいました。
生徒さんたちは今期一番の蒸し暑さの中、真剣な眼差しを舞台に向け食い入るように観てくれました。
特別支援学級の生徒さんたちがお互い寄り添うようにしていた姿がとても印象的でした。
そして、カーテンコールでは感極まった生徒会長さんが涙を流しながらアニーが一生懸命ヘレンに教えている姿に感動しました。これからも色んなこと探求して、作品を創っていって下さいとエールを送ってくれました。
思わずこちらも泣いてしまいました。
終演後は希望者30名の生徒さんたちがバックステージツアー、その後は座談会と撤去作業に別れてそれぞれ楽しみながら、時には仲間どうし盛り上がりながら元気に参加してくれました。



カーテンコールで学校のロゴ入りトートバッグと多色ボールペンをいただきました!
大事にします。
ありがとうございました。







27日(水)、この日は広島市西区民センターにて午前、午後の2ステージ。

1ステージ目は

クラーク記念国際高校 広島キャンパス

2年前の『ジャンヌ・ダルク』に続き2度目の上演です。
前日、私たちは東雲中学校の公演を終え、その足で西区民センターの仕込みをしました。
ぜひ見学をしたいという6名の生徒さんたちが先生と一緒に待っていてくれました。
ひと通り荷物が搬入されている様子を見学。
アニー・サリバン役の高階ひかりが案内人を務め、大道具、小道具、衣装などまだ見ぬ『ヘレン・ケラー』の世界に触れてもらいました。
それぞれに興味があることを熱心に見たり聞いたりしてくれました。
公演当日、こちらも人権行事のひとつとしての公演でした。
開演前、鑑賞行事担当の先生から生徒の皆さんに向けて事前学習をしましたね?そして今日が本番です。でも、この時間だけではなく、事後学習までが人権の時間です。この場で感じたことをこのあとも一人ひとり
考えて欲しいというお話でスタート。
本当に一人ひとりの目線で、視点で感じたことを捉えながら観ている。
そんな時間だったと思います。
終演後、生徒さんたちのお見送りに出た高階がひとりのお母さんから、昨夜うちの息子が見学に来てアニー役の方にいろいろ案内して見せてもらった話を聞いて、今日観に来たんです。と声をかけていただいたそうです。
私たちにとって嬉しい報告です。
バックステージツアーもたくさんの生徒さんたちが参加してくれました。








2ステージ目は

広島修道大学付属鈴峯女子中学校・高校

こちらは3度目の上演。
開場の時間、女子校ならではの楽しそうな声が聞こえていました。
保護者の方の姿もモニターに映し出され、予想以上に多くの方がいらして下さってました。
生徒さんの司会で開演。
とても自由な、楽しみながらの観劇。
俳優の細かい動きまで捉えて反応を返してくれました。
休憩時間、この日会場に来ていた劇団員がお母さんたちがヘレンの気持ちになって、あら~とか、見つかっちゃった!とか言いながら観ている。のが面白いと言っていました。
そんな空気感も生徒さんたちに伝わっていたのでしょう。
賑やかな雰囲気で、きっとのびのびと生活しているのだろうと思わせる客席でした。
人権教育の一環だったのでしょうか?
終演後、校長先生が生徒の皆さんに人の事を考えられる人になって欲しいと語っていらっしゃいました。
その後は演劇部の生徒さんたちとバックステージツアー&座談会。
私たちが会場を出るまで一緒にいてみんなに色々な話をしてくれました。
来年度から共学になるとのこと。
女子校としての歴史は閉じられますが、新たな一頁が開かれます。
どんな学校になっていくのか、私たちも楽しみにしたいと思います。









倉吉西高校

鳥取県文化振興財団主催の公演でした。
朝、搬入を野球部の生徒さんたちがお手伝いしてくれました。
とっても助かりました!
開演前、何とこちらは鑑賞行事を行うのは二十数年ぶりとのこと。
思いきってやってみることにしました。と、鑑賞行事担当の先生が生徒さんたちに話されました。
どんな公演になるのか、舞台袖で聞いていた私たちも一瞬、身が引き締まる思いでした。
この日もムシムシするじっとりした暑さの中での公演でした。
しかし、生徒さんたちは乱れることなく舞台に集中してくれました。
本当に素晴らしい態度でした。
終演後、生徒たちみんな良く観てくれて、やって良かったという先生の言葉は私たちにとっても喜びとなりました。
文化祭を二日後に控え、もう一度出演者が舞台に上がり質問コーナーへ。
演劇を創る生徒さんたちから、
演技をする上で大事にしていることは何ですか?
声は通るが、セリフをちゃんと伝えるにはどうしたらいいですか?
あさって本番なのにまだセリフを覚えていません。
転び方を教えて下さい。
という質問をもらいました。
それぞれの答えが参考になればうれしいです。
希望者を募ってのバックステージツアー、座談会の中で質問コーナーで聞けなかったことや感想がそこここで話されました。
そして、撤去は有志の皆さん。
途中から文化祭実行委員会のみなさんがお手伝いしてくれました。
ありがとうございました!
またこの日は偶然、財団の担当の方の母校で、しかも、当時担任をされていた先生が校長先生になられていて、驚きの再会を果たすという素敵なエピソードが生まれました。
楽しそうに文化祭の準備をしている生徒さんたちに見送られながら、私たちは明日の準備のため岡山県は倉敷市のマービーふれあいセンターに向かいました。


朝の搬入を手伝ってくれた野球部の皆さん




ヘレンがいっぱい!

今週のラストは、たけのこのふるさと倉敷市真備町での2ステージです。
偶然にも両校記念の年周りでした。

1ステージ目は

倉敷市立真備(まび)陵南高校

こちらは県内の他の高校で『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』を上演した後、生徒さんが学校のホームページに生きる幸福を感じる舞台だったという書き込みを見て、これを生徒に見せたいと思われた先生が連絡下さったところから上演に至りました。
昨年度のことだったので、残念ながら連絡を下さった先生は他校へ転勤されて当日はいらっしゃいませんでした。
いつかご覧いただけることを願っています。
このような先生の思いを引き受けての公演。
校長先生の70周年の記念にぜひ、いい演劇をみんなに観せたいと思いました。演劇はみんなで創るものです。いい演劇にしましょう。というメッセージで開演。
生徒さんたちはこの言葉をしっかり受け止めたくれたようで、舞台上で起こっている出来事にまっすぐ向き合ってくれました。
終演後は事前に行われたヘレン・ケラークイズの全問正解者にプレゼントということで、舞台上で出演者全員との握手と記念品の贈呈が行われました。
22名の参加者のうち8名が全問正解。
うちお一人が先生でした。
6回通信を出し、7回目に穴埋め問題が出されたそうです。
先生方の70周年を盛り上げようという意気込みを感じました。





 


倉敷市立真備(まきび)中学校

いよいよ今週ラストのステージ、こちらは50周年記念行事。
開演前ご担当の先生が、一昨日たまたまラジオを聞いていたら27日はヘレン・ケラーの誕生日だったそうでヘレン・ケラーが遺した言葉をいくつか紹介していました。

世界で最も素晴らしく、

最も美しいものは、

目で見たり

手で触れたりすることはできません。

それは、心で感じなければならないのです。

この言葉が一番印象に残りました。ぜひ心で感じて欲しい。
と、生徒の皆さんにメッセージを送られて開演。
余談ではありますが、サン=テグジュペリも『星の王子さま』の中でかんじんなものは目には見えないんだ。心で見なくちゃね。とキツネに言わせています。
『星の王子さま』も私たちは上演しています。
改めて響いて来ました。
そんな私たちも含め、心で感じるとはどういうことかという事に真摯に向き合いながら『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』を観客の皆さんと共に創った2時間を過ごせたと思います。
終演後、予定にはありませんでしたが、先生から生徒たちにぜひ舞台を見せてあげて欲しいという申し出をいただき、急遽バックステージツアーを行い、そのまま客席にて座談会。
たくさんの生徒さんたちが参加してくれました。
『ヘレン・ケラー』のことだけに留まらず劇団の活動全般、国内のツアーから海外公演、東京での活動に至るまで質問をしてくれていました。




(写真のブレがヒドくてごめんなさい!)


今週も大勢の生徒さんたち、先生方、時には保護者の皆さんまでもがバックステージツアーや座談会に参加して下さいました。
大道具や小道具、衣装の細かいところや本当に小さなもの、隠れたところにまで興味を抱いて実際に触ったり、覗いて見たりしてくれたこと、質問や感想、エールを直接伝えに来てくれたことは本当に嬉しく思うと同時に、様々な発見に繋がりました。
たくさんの素敵な言葉が私たちの中に残っています。
そして、搬入や搬出を手伝ってくれた生徒さんたち、先生方、公演実現に向けて尽力下さった全ての方々に心から感謝しております。
素晴らしい出会いと時間を本当にありがとうございました。
あと3週間弱、皆さんからもらったものをエネルギーに“風”は元気に駆け抜けて行きます!

いよいよ夏本番、暑くなりますね。
皆さまくれぐれもお身体にはお気をつけてお過ごし下さいませ。

いつかまた、どこかでお会いできますように!

ケート・ケラー役 仲村三千代

2018年春・西日本ツアー「ヘレン・ケラー 〜ひびき合うものたち」第9週目

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7月に突入し梅雨も明け、ひときわ爽快な青空とともに『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』の旅は第9週目に突入しました。

7月3日(火) 飛騨神岡高校(岐阜県) 同校体育館
7月4日(水) 善通寺第一高校(香川県) 多度津町民会館
7月5日(木) 琴平高校(香川県) 多度津町民会館


飛騨神岡高校

第9週目初日は岐阜県、飛騨神岡高等学校。
たくさんの山に囲まれ、自然豊かな地域であり、心地よいそよ風も吹いていて爽やかなスタートをきりました。

飛騨神岡高校では1993年に『Touch 』、96年には『星の王子さま』、2011年に『ヘレン・ケラー』、2015年には『ハムレット』と5回目の公演です。

バックステージは本番前と終演後に分かれており、まずは公演前のバックステージが始まりました。
一人一人が様々な所に興味を持ち、ポンプや背景幕、舞台装置の下、そしてこの舞台装置をどうやって運んでいるのだろうとトラックの中も見学しました。
中には「ヘレンケラーの伝記を読みました。最後のシーンがどう演じられるのか楽しみにしています。」と声をかけてくれた生徒さんもいて、私たちも本番でみんなと出会い、何を創っていけるのかとワクワクしました。









そして待ちに待った本番。
公演中、彼らが舞台に向ける視線や姿勢は一緒にヘレン・ケラーを作ろうという強いものや舞台に投げかけられる疑問などを感じました。
カーテンコールでの生徒代表の挨拶では「自分たちが普段使っている体育館が新しい空間になっていてとても感動しました」と話してくれ、彼らが大切にしている日常的なものやその日常に突然現れたものを受け入れる彼らの素直な感性を肌で感じました。

終演後は3年生の男子全員と有志の皆さんとバックステージと撤去作業をしました。
バックステージでは役者に成りきり台詞を言ったり、劇団員に舞台の構造や工夫を質問したりと、一人一人が活き活きと舞台を楽しんでいました。









撤去作業も声を掛け合って劇団員とコミュニケーションを取ったり、積極的に動いて道具に触れたり、時には質問を投げかけて、今日自分達が過ごした時間や過ごしている時間をとても濃いものとしていこうとする姿があり、様々な言葉や笑顔で溢れた空間でした。












善通寺第一高校

第9週目2日目は8時間の大移動を終え、善通寺第一高等学校での公演。

この学校では去年公演が予定されていたのですが、台風の影響で延期となり先生や生徒、劇団員もとても悔しい思いをし、絶対にまた公演をしましょう!という強い想いを持って、1年間待ちに待っての公演です。



開演前の様子です。
元気に開場し「おぉー!」と声が聞こえたり、じっと舞台を見つめてる姿があり、公演を楽しみに待っていてくれたのが伝わってきました。
その姿を見ていると去年の悔しい思いがふと晴れて、本番に向かって気が引き締まりワクワクしました。

開演すると開演前の雰囲気が一変、
集中した眼差しと緊張感のある客席で舞台に立ちながら観客の存在感をひしひしと感じ、様々な事を思考する空間を作り上げてくれました!
終演後、担当の先生も同じように生徒さんたちの集中した姿勢や観る力を感じたようで、興奮気味に生徒たちに「みんな素晴らしい姿勢で観ていたと思います。今日感じた事を大切にしで下さい」と声をかけていました。

終演後はバックステージと座談会もおこないました。
バックステージ、座談会には演劇部の皆さんが参加しました。
ポンプや玄関を見て「おぉーすげぇ」と、間近で見ると本番中とはまた違う驚きがあると伝えてくれました。
驚いた後はすぐにポンプ土台や玄関、衣裳などはどうやって作ったのか詳しくきいていました!






実際に衣裳を着て舞台に上がってみました!


座談会では劇団に入ったきっかけや照明の仕込み方、ハプニングが起こった時の対処の仕方などたくさんの質問をして劇団員の話を聞いてました!





この日の公演は去年の悔しさから先生方や生徒さん、多度津町民会館のスタッフのみなさん、劇団員などたくさんの人の力が1つになってできた公演だったと思います。
素敵な一日になりました。




琴平高校

第9週目3日目は琴平高等学校。

琴平高校は2015年「ジャンヌ・ダルク」の公演に続き、2回目の公演です!

写真は開場中の様子です。
男子生徒も女子生徒もみんなが仲睦まじい様子で、とても賑やかな雰囲気で開演しました!



本番中はヘレンとアニーが取っ組み合いをしているシーンではクスッと笑ったり、ポンプから水がでると驚くような反応があり、ラストシーンでは前のめりになって観ている生徒さんも見えて、一人一人が様々な反応を持って色んな視点から舞台を観ているのが印象的でした!
終演後の代表の生徒さんの挨拶では、「サリバン先生がヘレンに触れ合い続けてヘレンが変わっていく姿に感動しました。」と芝居を観て感じた事を綺麗な花束と共に率直に伝えてくれました!



そして終演後は役者全員で送り出しをしました。
サリバン役の高階やヘレン役の倉八に感想を伝えてくれたり、お父さん役の酒井に「お父さん!」と言って手を振ったり、とても明るくて元気をもらいました。





そして、5日の午後に予定していた「丸亀城西高等学校」、6日の午前に予定していた「多度津高等学校」、6日の午後に予定していた多度津町民会館主催「多度津中学校」での公演は、非常に残念ながら大雨、洪水の影響で中止となりました。
去年に続いて天候に恵まれず、悔しい思いもありますが、まずは地域の皆さんの安全が最優先です。
被災地の皆さんのご無事をお祈りするとともに、また元気な姿で改めて出会える事を劇団員一同願っています!

文:蒲原智城 (ジェイムス・ケラー役)


2018 春 『ジャンヌ・ダルク ―ジャンヌと炎』 東日本巡回公演 第8週目

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7月に入り、『ジャンヌ・ダルク ―ジャンヌと炎』の旅は終盤戦、8週目を迎えました。

7月2日(月)[岩手県]盛岡白百合学園中学高等学校 同校大ホール

  3日(火)[宮城県]本吉響高等学校 気仙沼はまなすホール

  5日(木)[山梨県]下吉田中学校 富士吉田市民会館

  6日(金)[青森県]向陵高等学校 同校体育館        で公演を行いました。

 

 盛岡白百合学園中学高等学校

 開演前に校長先生がお話しされたように、盛岡白百合学園中学高校は、風が上演するのは3回目となります。

女の子ばかりの客席から響く明るい笑い声で開幕しました。そして芝居が進んでいくにつれ、真剣な眼差しが舞台に注がれてきました。

終演後は生徒さんを代表して演劇部の部長さんからご挨拶と花束をいただきました。

「ジャンヌ・ダルクと聞いて、神聖な物語を想像していましたが、人間の弱さや、どろどろした面など、新しい印象を受けました」。

この学校では、ジャンヌの名前を知らない生徒さんはいないのです。校歌の2番には

♪ 聖女ジャンヌが掲げてし 至誠の旗に正義の剣 をみなの魂こもりたる 命のしるし 白百合の花 ♪ と歌われています。

今回の観劇を通して、ジャンヌという少女に対しての新しい発見や思いが生まれてくれたなら嬉しいです。

引き続き、生徒さんたちを代表するように演劇部の生徒さん3人とジャンヌ役の白根との座談会が行われました。

白根は仲間と芝居をつくっていく醍醐味について、「ひとつひとつ皆で話し合って、可能性はすべて試みてみること」と

アドバイスしていました。結果でき上がった芝居は、観客に何かを届けるものとなるでしょうし、あなたたちにとって大切な思い出となるでしょうと。

名残惜しいお別れにあたり、素敵な出来事がありました。生徒昇降口にあるジャンヌ像を見せていただきました。

大ホールから校舎へ向かうため、私たちのバスに初めて、生徒さんが乗車。

道案内をしていただき、ジャンヌ像の前で記念写真。新聞部の生徒さんも撮影してくれました。

今回の公演について、私たちのBlogより先に、学校のHPで報告してくださっています。

ご尽力いただいた先生方、ありがとうございました。

 

本吉響高等学校

本吉響高等学校で風が上演するのは今回が6回目となります。

前担当の小野寺先生は私たちの拠点劇場レパートリーシアターKAZEにもお越しいただいています。

お互いに再会を喜び合い、さあ本番へ。ご担当の先生のみならず図書委員の皆さんが、今回の公演を仕切ってくださいました。

開演前の客席からは、のびのびした元気な雰囲気が感じられます。上演中に、ひとりひとりが、いろいろな視点から舞台を観ている空気感が伝わってきます。

多様な可能性を秘めているその眼差しに応えるべく、私たちの緊張感も高まりましたが、濃密な時間をともに過ごすことが出来ました。

カーテンコールでは、客席中央の男子生徒さんがスタンディングオベーションを贈ってくれました。ありがとう!

終演後にはバックステージツアーが行われました。芝居の後の興奮冷めあらず、生徒さんと俳優・スタッフとの会話がそこ、ここに生まれました。

ジャンヌ役の白根有子かジャンヌ人形について解説を

 

シャルル7世の衣裳を着て、恥ずかしながらもご満悦!?

出演者のサインが書かれた色紙をプレゼント

 

下吉田中学校

 富士山のすぐそばなのに姿は見えず、あいにくのお天気。傘をさして生徒の皆さんが集まってくださいました。

 風の上演は4回目の学校です。

開演前の客席からは、「よろしくお願いします」「ありがとうございました」などと大きな礼儀正しい声が聞こえてきます。

お礼の言葉と花束を渡してくださる生徒さんとの打ち合わせのあと、スタッフの赤木さんがプチ舞台裏見学を披露。

そして、担当の先生からの相図で、元気に開幕しました。

どんなふうに観てくれているのか、私もドキドキ。本番中に客席を覗いて撮影。

画像処理を含め、渾身の1枚です!?

ビビットな感性で思考しつつ、視線を注ぐ姿が見られました。

 

向陵高等学校

 山梨県富士吉田市から青森県八戸市までは、かなりの移動距離でしたが、そのキツさを払拭する出会いが待っていました。

久しぶりに体育館での公演です。向陵高校では2年前の『ヘレン・ケラー ~ひびき合うものたち』に続き2回目となります。

ですので3年生は『ヘレン』の公演をよく覚えてくれていました。

100余人の生徒さんと、先生方・保護者の皆さん、とても舞台と客席が近い空間です。

舞台上の俳優は客席との対話を積極的に試み、客席に座るひとりひとりからは、それに応える眼差しが注がれていたような気がします。

開演前には3年生と希望者がバックステージツアーに来てくれて、これから始まる芝居への期待感を示してくれました。

終演後には、全校生徒との記念写真の撮影が行われ、ホームルームのあとには、大勢の生徒の皆さんが撤収・搬出のお手伝いに集ってくださいました。

ちなみにトップの写真は、ジャンヌ役の白根用の小さな戦闘服を着ることが出来、とても似合っていた男生!                                               

その様子を見つつ、ひとりひとりの生徒さんに声をかけていた校長先生、

美味しいおまんじゅうのお土産をありがとうございました!

2年前の色紙を持ってきて見せてくださったのも、嬉しかったです。

  

 

気持ちよく撤収を手伝ってくださった生徒の皆さん、ありがとうございました。

バトン部は8日(日)が東北大会にもかかわらず、一生懸命手伝ってくださいました。

良い結果であることを願っています。演劇部はないけど演劇を目指している彼女も、頑張ってくださいね。

 お忙しいなか、公演成立にご尽力いただいた先生方に感謝申し上げます。

 

『ジャンヌ・ダルク』8週目、地震や大雨、各地で大きな被害が出ている中、無事公演を終えることが出来ました。

各地で被害に遭われた皆さまには衷心よりお見舞い申し上げます。

芝居なんかしている場合じゃないんじゃない? いや、だからこそ芝居を!

心は揺らぎます。でも人と人をつなぐきっかけが、その絆をつくるのが芝居であり得るならば、

待っていてくれる方がいる限り……私たちの旅は続きます。

改めて、私たちの仕事の価値はどこにあるのか、問い続けなければならないと思う1週間でした。

(ヨランド・ダラゴン/ユニコーン役:木村奈津子)

 

 

2018年 春 『ジャンヌ・ダルク―ジャンヌと炎』 東日本・西日本巡回公演 第9週目

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青森県・向陵高校での公演を終え、旅班は東京へ

今週は東京都から群馬県、そして石川県を巡りました。

TOP画像は群馬県の共愛学園の大礼拝堂です。

 

7月9日(月)  [東京都] 科学技術高校 ティアラこうとう

  10日(火) [群馬県] 共愛学園中学校・高校 同校大礼拝堂

  11日(水) [石川県] 鵬学園高校 七尾サンライフプラザ

  12日(木) [群馬県] 前橋育英高校 保育科 前橋市民文化会館

4校5ステージの公演でした。

 

科学技術高校

風の公演は2011年の『肝っ玉おっ母』以来の公演となりました。

ジャンヌ・ダルクの物語から、何かをつかもうという熱い視線が印象的な客席でした。

公演後には担当の先生の「このあと、劇団の方からのご提案で、舞台裏の見学ができます。興味のある生徒は残ってください。」の呼びかけで舞台裏見学が行われました。

なんと、40人近くの生徒の皆さんが集まってくれました。

これには先生もビックリ!

「例年、交流会のようなものはやってなかったので、当初は実施する予定ではなかったですが、声をかけてみるもんですね(笑)こんなに集まってくれるとは。」

興味津々に舞台の隅々まで、生徒の皆さん(先生方も)見学を堪能してくれていました。

劇中に使っている鞄を固定点にして、マイムをやっています。巧いものですね。

人形を撮っているところをパチリ。撮影している目は真剣そのものでした。

 

共愛学園中学校・高校

共愛学園は風の公演は初めてとなります。

2ステージの公演ということで、前日の夜に舞台の設営がをしました。

トラックが学校に到着すると、ちょうど下校中の生徒さんとすれ違いました。

「うわっ、何このトラック!スゴい!大きい!私も乗りたい!」

と、口々に驚きの声をあげていました。

本番はどんな空間になるのか、楽しみになりました。

本番当日の朝は、公演前に共愛学園の朝の礼拝がありました。

礼拝堂に入ってくる生徒さんはみな、いつもと違った礼拝堂に興奮しながらも礼拝のときはしっかりとした態度で祈りを捧げていました。

礼拝堂のステンドグラス。日の光に照らされて、美しい空間が広がっていました。

出来上がった、礼拝堂に組まれたジャンヌの舞台。椅子が良い雰囲気をつくってくれています。

 

本番は、午前の回は高校生のみ、午後の回は中学生と高校生が観劇しました。

校長先生の「劇団の方々を拍手でお迎えしましょう!」

という言葉で開演。

礼拝堂という荘厳な雰囲気の空間が、生徒たちの歓声とともに一気に劇場という別の空間に変わりました。

皆、それぞれに楽しみ、ときに友達と話したりしながら見てくれていました。

午後の公演後に、演劇部の皆さんが舞台裏見学に来てくれました。

 

鵬学園高校

旅班は群馬を離れ、石川県へ。

鵬学園高校も風は初めての公演となりました。

開演前には校長先生が生徒たちに向けて

「ジャンヌ・ダルクの世界をしっかりと味わって、一つでも二つでも、自分のためになるものを見つけてください。」という熱いメッセージを伝えてくれました。

その想いに応えるような、熱い視線で彼らは舞台を支えてくれていました。

公演後には、新聞部の皆さんと舞台裏見学&インタビューが行われました。

 衣装や道具の説明に熱心に耳を傾け、インタビューでは芝居についての感想や質問だけでなく、劇団の活動についてなど話題は尽きなかったようです。

 

前橋育英高校

学校としては二回目の風の上演となりますが、保育科単独としては初めての上演でした。

担当の先生は、なんとご主人とお子さんが共愛学園に通っているそうで、「今晩の食卓の話題は、ジャンヌ・ダルクで決まりですね。生徒たちも楽しみにしています。」と笑顔で話してくれました。

前橋育英と言えば、サッカーや野球の強豪校として知られており、男子のイメージが強いように感じますが、保育科は女子一色。

開演すると、元気いっぱいに役者たちを迎えてくれました。笑い声のたくさん響く、あたたかな客席でした。

公演後には、希望者の生徒さんたちとの舞台裏見学と座談会が開かれました。

皆、それぞれに思ったことや疑問などを話してくれ、充実した時間となりました。

公演後の舞台裏見学の様子(写真が暗くてごめんなさい。)

座談会での一コマ。座長の栗山がマイムの動きを説明しています。

最後は搬入口でトラックと一緒に1枚。今日という日を目一杯楽しんでくれていたようです。


公演中の彼らの視線や、公演後に行われる舞台裏見学や座談会での彼らの姿から感じることは、きっかけさえあれば、彼らは何かを見つけ、楽しみながら考え、感じてくれるのではないかということです。

だからこそ、彼らにとってきっかけとなり得るだけのものを、私たちはつくらなければいけないのだと思います。

5月から始まったジャンヌの旅もいよいよあと一週間です。一回一回の客席とどんな時間、空間を一緒につくれるのか、挑戦し、真剣に楽しみたいと思います。

 

伝令・死刑執行人/佐藤勇太

2018年春・西日本ツアー「ヘレン・ケラー 〜ひびき合うものたち」第10週目

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  蝉の音色が響き渡り、暑さと共に夏の訪れを感じる季節となりました。
「ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち」の公演もついに10週目と二桁目に突入しました。
ブログのトップの写真は、大阪府にある大谷中学校で行われ公演のバックステージツアーの様子です!

7月8日(日) 大阪プレミアム公演 (大阪府) 摂津市民文化ホール
7月9日(月) 開星中学校・高等学校 (島根県) 松江市総合文化ホール
7月10日(火) 仁愛女子高等学校 (福井県) フェニックス・プラザ
7月11日(水) 大谷中学校 (大阪府) あべの区民センター
7月12日(木) 朱雀高等学校 (京都府) 長岡京記念文化会館

大阪プレミアム公演
今週の始まりの公演は、大阪府の摂津市民文化ホールで行われた プレミアム公演です。
西日本地域でのプレミアム公演は今回で9回目となりました。
風と先生方や人々の繋がりが膨らみ今日まで続いている西日本地域の大切な公演のひとつである今回の大阪府でのプレミアム公演。
当日の会場には、地域の方々や先生方、中学校・高等学校の演劇部の生徒さんたち、遠くからは三重県の学校から公演に足を運んでくれた生徒さんたちもいらっしゃいました。
開演前にはバックステージツアーも行われ、幅広い年代の方々が一緒になって、舞台セットの大道具や小道具、衣装、音響や照明などを劇団員、一緒に参加している家族や友人たちと言葉を交わしながら盛り上がっている様子はとても印象的でした。
まだまだこれから公演を控えている演劇部の皆さんもとても真剣に劇団員に質問をしたり、言葉に聞き入っていました。







開演前には、長年風を支え、見守り続けてくれている、NPO法人日本学校演劇教育会関西支部長の南村さんに素敵な挨拶をして頂きました。
本番が始まると、とても濃密な空気が舞台まで伝わり、時には子どもたちの笑い声や真剣な眼差しに支えられながら、『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』の物語が進んでいきました。
カーテンコールでは、客席から観劇をしてくれていた女の子から、素敵な花束と贈り物も頂きました。本当にありがとうございました。



また、終演後に行われた座談会では、たくさんの方々が参加して下さり、風を支え続けてくれている方のひとりである吉田さんによる劇団紹介と素敵な司会進行をして下さり、参加して下さった方々も質問だけでなく、その質問や話してくれたことを通して、一緒に話を聞いていた客席の方も自分の経験や考えや想いを一緒に話したり、語ってくれたりと、会場もとても盛り上がりをみせました。
南村さん、吉田さん、本当にありがとうございました!
人と人との想いや繋がりから生まれ、支えられ、その繋がりがまた、新たな繋がりを生むようなとても貴重な時間となりました。
今回の公演を支えて下さった方々へ心より感謝申し上げます。

開星中学校・高等学校
今週2日目は、鳥取県の開星中学校・高等学校での公演でした。
開星中学校・高等学校では、2012年の『ヘレン・ケラー』、2014年の『ジャンヌ・ダルク』を公演しており、今回で3回目となりました。
午前中の仕込みの作業の時に、舞台関係に興味があり、その道に進もうと心に決めている、高校2年生の2人の生徒さんが、舞台のお手伝いと見学に来てくれました。





舞台の構造を劇団員と一緒に見たり触れたり、また、音響さんと一緒にサウンドチェックの様子も説明をしっかりと聞いていたりと、その眼差しと姿勢から、自分が歩みたい道をしっかりと持っているのがとても伝わってきました。
また、照明の当たりを合わせる時には、モデルとして舞台にも立ってくれました。
公演が始まると、とても元気な拍手と歓声が舞台に響き渡り、『ヘレン・ケラー』の物語が進むにつれ、時には笑ったり、時にはふっと、静かに真剣な眼差しを舞台に向けていました。
カーテンコールでは、生徒会長さんから「私も、明日を生きる勇気が出ました」と素敵な言葉を頂きました。
終演後には、希望者の生徒さんたちのバックステージツアーも行われ、舞台だけでなく、楽屋の方まで足を運び、公演の隅々まで感じてくれているようでした。





撤去作業を見学しながら、最後の最後まで残ってくれた生徒さんもおり、真剣に情熱を持って、自分の歩みたい道、そして、そこでぶつかっている壁やそれでも、自分の夢を貫きたいという想いをたくさん語ってくれました。
そして、そんな熱い想いを持った生徒さんの姿を観て、先生方も「こんなに強くまっすぐな想いを持っていたのか」と驚き、見守ってくれていた姿もとても心に残りました。

仁愛女子高等学校
今週3日目は、福井県の仁愛女子高等学校での公演でした。
仁愛女子高等学校では、1994年に行った『TOUCH』の公演以来、24年ぶり2回目と久しぶりの公演となりました。



公演が始まると、1000人を超える客席からは、ぐっと空間いっぱいに、密度のある視線を舞台上からもしっかりと感じました。
カーテンコールでは、代表の生徒さんより、「ヘレンは、分からない指文字を教えられても、諦めずにいて、サリバン先生は、そんなヘレンと向き合い続けてすごいと思いました。私も将来先生を目指しているので、すごく学ぶことがありました。」と素敵な挨拶を頂きました。



終演後には、今回はバックステージツアーと座談会はありませんでしたので、会場を後にする生徒さんたちの送り出しに向かいました。
送り出しの最中、生徒さんたちから、「本当に迫力があって面白かったです」、「ありがとうございました!皆さんも頑張って下さい!」、「また、来て下さい!」と、感想や想いの込もった声を元気な笑顔と共に掛けてくれました。
送り出しを終えて、舞台へ戻ってみると、バックステージツアーの予定はありませんでしたが
、公演を観終わった後に、舞台へ興味を持った生徒さんたちが残って、自分の心のままに舞台見学を行なっていました!





何かに心をふるわせたり、自分の中に湧き上がってきたものを掴み、勇気を持って踏み出す彼女たちの姿は、本当に輝いていました!!

大谷中学校
今週4日目は、大阪府の大谷中学校の2年生と3年生の生徒さんたちとの公演でした。
風の公演は初めてとなる大谷中学校での公演。
今回の大谷中学校の公演の実施には、「どうしても風の公演を生徒たちに観せたい。」という、今回の公演を繋ぎ、支えて一緒に創り上げて下さった、ご担当の高杉先生の想いがあり、その思いと共に10年という月日を得て、実現された公演です。
開場と同時に客席からは、とても元気な声が響き渡り、これから彼らといったいどんな公演を創ることが出来るだろうかと胸が高鳴りました。
本番が始まると、舞台上で起きている一瞬一瞬の出来事を捉えるように、探究心の込もった眼差しで舞台に向き合っている姿に、私たちも支えられた公演となりました。
終演後のバックステージツアーでは、たくさんの生徒さん達が参加してくれて、ヘレン・ケラーやヘレンのお母さんのケート・ケラーの衣装などを着てみたり、食卓のシーンを真似してみたりする生徒さんの姿もありました。







 
また、劇団員たちにも臆することなく、自分から話しかけている姿からは、人や世界と真っ直ぐに出会おうとする彼らの強さをとても感じました。  

バックステージが終わった後の座談会にも、演劇部の生徒さんも一緒にたくさんの希望者の生徒さんたちが参加してくれました。 時間の続く限り、最後の最後まで、自分たちの感じたことや思ったことをとてもストレートにぶつけ、そんな生徒さんたちのエネルギーのある姿を先生方も熱い表情で見つめていました。

朱雀高等学校
今週最後は、京都府の朱雀高等学校での公演でした。
朱雀高等学校では、2000年の『ヘレン・ケラー』の公演から続き、2009年に行われた『肝っ玉おっ母とその子どもたち』の公演から、9年ぶりの5回目の公演となりました。 なんと!朱雀高等学校の演劇部の皆さんは、全国大会への出場が決まっているそうです!! 本当におめでとうございます!!! また、3年生は秋に行われる文化祭で演劇発表をするということで、演劇についてとても積極的に活動をされている学校でもありました。 本番が始まると、舞台上で起きていく出来事に、時には隣の友人と小声で語り合ったり、時には声を上げて反応したりと、とてもリラックスした、自由な姿で、ひとりひとりが舞台に向き合っているように感じました。 また、彼らの公演中のしっかりと舞台に向き合う姿に、終演後には、「きみたちの姿に先生は驚かされました」とご担当の池上先生は驚きと嬉しさを込めて生徒さんたちをとても褒めていました。 終演後には、演劇部の皆さん、そして、演劇発表をする3年生の代表の生徒さんたちとの、バックステージツアーとアニー・サリバン役の渋谷愛との座談会が行われました。         バックステージツアーも座談会もとても盛り上がり、そこには、演劇部の生徒さんたちは、これから待っている全国大会へ向けて、また、3年生の皆さんは、秋に行われる文化祭へ向けて、不安や壁も感じながらも、何かヒントはないか、仲間と一緒に自分たちがどういう演劇と出会えるだろうかと、とても前向きな姿勢で向き合っている姿がありました。     残念ながら、13日に予定していました岡山県の岡山御津高等学校での公演は、豪雨の影響で予定していた会場となる体育館を使用することが出来なくなってしまった為、延期となりました。 皆様のご無事をお祈りすると共に、岡山御津高等学校の皆様と出会い、共に公演を創ることが出来る日を心よりお待ちしております。   記録的な豪雨により、多くの悲しみや不安を残していった西日本の地域。 心よりご冥福とご無事をお祈りすると共に、私たちが出会ってきた、公演を支え共に創り上げて下さった先生方、“今”という時間を可能性に溢れた未来へ向けて、命を輝かせながら生きる若い観客たちの姿や想いを胸に、これからも人と人との繋がりと出会いの旅を続けていきます。   文:倉八ほなみ (ヘレン・ケラー役)  

2018年春・西日本ツアー「ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち」第11週目(最終週)

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  5月のGW明けから始まった『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』の西日本ツアー。いよいよ最終週を迎えました。例年以上に公演期間も長く、かつ密度の濃い旅公演となりました。     7月17日 倉吉農業高等学校(鳥取県文化振興財団主催)/  同校体育館 7月18日 大阪市立工芸高等学校  /  クレオ大阪中央 7月19日 四天王寺学園中学・高等学校   / 同校体育館        

倉吉農業高等学校

長い桜並木を登り、清々しい緑に囲まれた学校に到着。倉吉農業高校の広大な敷地で、生徒の皆さんは野菜や果物の栽培、米づくり、畜産、食品加工などを学んでいるそうです。 公演準備の日に学校で作った大きなスイカを先生が差し入れして下さいました。甘くて美味しい! この公演は、今ツアー4回目の鳥取県文化振興財団主催公演。倉吉農業高校が演劇部門に申し込んだのは今回が初めてとのことで、演劇を見たいという学校が増えたことに財団の皆さんも喜んでいました。     公演当日は少しでも涼しいうちにと、朝9時過ぎに開演しました。それでも7月の熱気に包まれた暑い体育館で、生徒の皆さんは最後までしっかりと一緒に公演を創ってくれました。 カーテンコールでは舞台と客席がお互いの姿に心から拍手を送り合いました。     公演後には食品科のクラスの生徒さんと先生方が片付けを手伝ってくれました。暑い中、本当にありがとうございました!     そして、学校で作った野菜たっぷりのカレーと、お土産にメロンをいただきました。 明後日には農業市があるそうです。動物や作物を育て、地域の人たちとふれあい、生徒の皆さんが喜びを感じられる経験がたくさんありますように。          
大阪市立工芸高等学校   美術科とデザイン系の5つの学科がある全国で唯一の公立高校です。 私たちは2010年の『肝っ玉おっ母とその子供たち』以来の久しぶりの公演でした。今回は1・2年生の皆さんが観劇しました。 公演が始まると自由な雰囲気で、一人一人が自分の感覚で物事を発見している様子が伝わってきました。     公演後には先生方の希望により、全校生徒の皆さんと座談会を行いました。劇団からはアニー・サリバン役の渋谷愛とヘレン・ケラー役の倉八ほなみが参加しました。公演前に担当の先生が「質問する生徒が少ないかも…」と心配していましたが、始まると生徒さんから次々に質問が出て盛り上がりました。美術的なことだけでなく、ヘレン・ケラーの生涯のうち少女時代に絞って上演しているのはなぜか? あなたにとって俳優の仕事って何ですか?など作品の根底に興味を持っての質問が多くありました。   30分の座談会が終わった後も個人的にまだ聞きたいことがある生徒さんたちが2人の周りに集まっていました。 この日は街中の会場だったので交通整理をしながら道具の搬出をしていたのですが、帰り際にたくさんの生徒さんたちが笑顔で声をかけてくれて、暑さも吹き飛ぶほど嬉かったです!             四天王寺学園中学・高等学校   夕方から搬入作業のため学校に到着。最新の設備と開放感のある校舎に驚きました。 四天王寺学園では新しい校舎でスタートした時から生徒が芸術や様々な分野に関心を持てるような機会をつくっているようです。「3年前にお話を聞いてからずっと風の公演を呼びたいと思っていました。やっと実現しました!」と担当の先生。 公演が始まると笑い声や真剣な眼差しで舞台に向き合ってくれた生徒の皆さん。先生や保護者の皆さんもそれぞれの立場から見て感じ、考えてくれている様子が伝わってきました。       先生が公演直後に「劇団の皆さんが舞台裏を見せてくれますのでホームルームが終わったら体育館を訪ねて下さい。」とアナウンスすると、たくさんの生徒さんたちが舞台に走って上がってきました。「今すぐ見たい!」という勢いでした。放課後には舞台見学と片付けを手伝ってくれる有志の生徒さんが集まり積極的に参加してくれました。また体育館の片隅では、演劇部の皆さんとヘレン役の倉八が座談会を行いました。       約2ヶ月半の西日本ツアー。 長年かけて公演を実現させた学校もたくさんあり、地域ぐるみで若い人たちが演劇にふれる場をつくった公演もあり、生徒の皆さんとの交流も様々な試みを行いました。西日本地域での公演の可能性が大きく広がった旅となりました。 そして一人一人の生徒さんが心の内に秘めている夢や願いや悩みと出会い、人と分かち合える場を創りたいと向かって行った毎回の公演。 ツアーメンバーそれぞれの中に、出会って来た人たちの表情や言葉が生き続けていくことと思います。 先日の大雨や地震による災害で被害を受けた地域の皆様、公演が延期となった学校の皆様にできる限り早くお会いし、演劇を通して生きる喜びを届けられるよう願って取り組んでいきたいと思います。     文  パーシー役  稲葉礼恵  

2018年 春 『ジャンヌ・ダルク―ジャンヌと炎』 東日本・西日本巡回公演 第10週目

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約2か月半に渡って、東日本地域・西日本地域を巡演した『ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎』の旅も、いよいよ最後の週を迎えました。

今週は、

 7月17日 〔埼玉県〕草加高校 越谷サンシティホール

7月18日 〔千葉県〕君津高校 君津市民文化ホール

7月19日 〔東京都〕田無高校 ルネこだいら 中ホール

 での公演を行いました。

 

草加高校

7月17日は草加高校の皆さんとの公演でした。1000人を超える全校生徒さんが客席に入ると、越谷サンシティホールの一階はほぼ満席に。元気な生徒さんたちの声が聞こえていました。客席後ろから登場する俳優たちを、不思議そうに、驚きをもって迎える生徒さんたち。瞬間、瞬間に「何が起こっているんだろう」と真剣なまなざしを投げかけてくれました。

公演後には演劇部の皆さんや、舞台に興味を持ってくれた有志の皆さんが舞台に上がり、先生方と一緒にバックステージツアーを行いました。影の映るパネルの仕組みをスタッフに尋ねたり、スーツケースを持ってみたり、俳優たちに質問するなど、それぞれが興味を持って舞台の裏側に触れていました。

演劇部の皆さんは近々発表を控えているとのこと。「私たちも短時間で舞台を作らなければいけないので、舞台の仕組みも勉強になりました!」と先生が話してくれました。皆さんの力を合わせた本番が、素敵な時間になることを私たちも応援しています。

 

君津高校

翌日旅班は千葉県に移動し、君津市民文化ホールで君津高校の皆さんとの公演を行いました。

2階席からも手を振ってくれるなど、始まりから、元気な明るい表情で迎えてくれた皆さん。冒頭からジャンヌ・ダルクの物語へと入っていくと、会場にいる生徒さんたちの空気も変わり、見る力を使って舞台を支えてくれました。

カーテンコールでは手拍子が起こり、最後までしっかりと一緒にいる時間を感じてくれていたことが、とてもうれしかったです。

君津高校では、皆さんが帰りのバスを待つ間にバックステージツアーを呼びかけました。30人以上の生徒さん、先生たちが舞台を見学してくれました。先生方の中には「前にいた学校でも風さんの舞台をみました。風さんの舞台は迫力がありますね」と声をかけてくれる先生もいました。

舞台裏に触れたことも含めて、公演が生徒さんと先生の中に残り、また感想を話し合ってもらえたら嬉しく思います。

 

田無高校

2018年春のツアーの千秋楽となったのは、西東京市の田無高校の公演でした。

田無高校では各学年ごとに芸術鑑賞会を行っていて、今回は2年生の生徒の皆さんが『ジャンヌ・ダルク』を観劇しました。東中野にある私たちの劇場「レパートリーシアターKAZE」にも足を運んでくださっているご担当の先生が公演前のお話で「君たちの先輩たちは今までもう少し大きな劇団の舞台を見ていました。でも今回は風の皆さんの舞台を観劇することにしました。風の皆さんはエンターテイメントではない、若い人たちのためにしっかりとした舞台を作り続けている皆さんです。みなさんにその舞台を見てほしいと思います」と話してくれました。

当日は保護者の皆さんもたくさん観劇に訪れていました。初めて見るもの、触れるものでもあったかもしれません。先生が公演後おっしゃっていたように、全校で舞台に触れ、何かを考え、疑問が浮かび、友達や先生との空気を感じながら触れてもらった舞台が、いつか皆さんの力に変えてもらえるものとなることを願っています。

公演後は演劇部、有志の生徒さんたちとバックステージツアーの後、座談会を行いました。とても楽しい時間でした、皆さんありがとうございました!

 

 

5月1日から始まった『ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎』の春のツアーは、各地の生徒さん、先生たちと一回一回の時間を過ごし、千秋楽を迎えました。演劇に触れるという時間が、皆さんの日常の中に、発見を生み出したり、刺激を受けたり、「あれは何だったのかな」と引き続き友達や先生と話をしてもらえるような時間となればうれしく思います。

公演を支えていただいた先生方、そして「見ること」のなかで一緒に舞台を作ってくれた生徒の皆さん本当にありがとうございました!いつかまた再会できることを、そして皆さんが元気に活躍されることを願っています!

 

ジャンヌ・ダルク役 白根有子

2018年秋「ヘレン・ケラー〜ひびきき合うものたち」西日本・東日本ツアー [第1週目]

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 この秋、私たちは巡回公演2作品の舞台稽古を群馬県みなかみ町で行いました。

我々のもう一つの拠点、群馬県みなかみ町にある月夜野演劇工房では西日本・東日本地域を巡回する「ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち」の稽古を行い、私たちも稽古や、道具作り等でよく利用させて頂いているみなかみ町猿ヶ京にある旅館ふじやさん体育館では、九州地域を巡回する「Touch~孤独から愛へ」の舞台を本番通りに設営し、稽古を行いました。

ふじやさんの体育館は普段、合宿する学生さんたちや地域の子供たちが使っています。

9月17日、九州ツアーに向かう「Touch~孤独から愛へ」はみなかみ町の地域の方々や子供たちを迎えて、公開舞台稽古も行いました。

体育館の前には出店を出し、このスペースは子供たちの遊び場にもなっていました


「孫に誘われて、埼玉から観にきました。」という方や「孫が高校生の時に風の舞台を観てて、照明のスタッフになりたいって今東京で一生懸命勉強してるよ。孫の分も観にきました。」と話して下さる方もいらっしゃいました。

この公開舞台稽古は昨年の「ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎」の公開舞台稽古から、ふじやさんの体育館で開催しています。

去年会った子供たちは少し大人っぽくなっていたり、去年高校3年生だった子が大学生になっていて、一人暮らしをしている先からきてくれていたり、

多くの出会いや再会のあった公演でした。

詳しくは「Touch〜孤独から愛へ」のブログに掲載されますので更新を待っていてくださいね。


 「Touch〜孤独から愛へ」「ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち」この2本の舞台が月夜野演劇工房の集中した稽古場と、私たちはみなかみ町の地域の方々や子供たちと過ごした大切な時間を力に、勢いを持ってそれぞれの地域に向かって、月夜野演劇工房を出発しました。

 

 

 そして、2018年秋 「ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち」西日本・東日本ツアーは富山県で初日を迎えます。

 

9月19日(水)  富山県 高岡第一高校 同校体育館

9月20日(木) 山口県 高川学園高校・中学校 同校講堂

9月21日(金) 山口県 下松高校/下松工業高校/華陵高校 スターピアくだまつ

            (下松市3校合同1・2年生)

 

 

高岡第一高校

 

カーテンコール時の生徒会長さんからの挨拶


 3階の体育館での午前開演。

富山県の高校で一番大きな体育館なのだそうでとても立派な体育館でした。

私たちは公演前日のお昼の時間に高岡第一高校に到着し、「ここまで大掛かりなことをこの体育館で行うのは初めてで想像がつきません、楽しみにしております」と先生たちの期待の声に迎い入れられ、私たちツアーメンバーは当日の公演に向けて、舞台準備をスタートしました。

 

舞台準備作業中に聴こえてきたお昼の放送では、文化祭の実行委員の生徒さんが、週間後の文化祭へ向けた応援メッセージと「ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち」の予告をしていました。

公演の一週間前から毎日欠かさず放送してくれていたみたいで、体育の授業の時間を使って舞台仕込みの様子を生徒さんが見学できるようにしていました。

体育館のギャラリーから仕込みの様子を覗く生徒さんたちの「すげーっ」「体育館じゃない見たい」「あれ、どうやったの?」という様々な声が飛び交う中での舞台仕込みでした。

放課後の時間には新聞部のみなさんによるヘレン・ケラー役、アニー・サリバン役の役者への取材が行われ、「なぜこの題材なのか」「一番伝えたいことは何か」「文化祭に向けて私たちに一言」と10個以上の質問を前もってしっかりと自分たちで用意していました。

 

新聞部のみなさんによる取材の様子


 

 公演当日は校長先生からの劇団紹介から始まり、高岡第一高校の皆さんの元気な声と力強い拍手により、西日本・東日本地域秋ツアー「ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち」は初日が幕開けしました。

 

体育館に入場してくる生徒さんたち


舞台に向かう生徒さんたちは集中した様子で、熱い視線を注ぎ、前のめりになりながら観ている子もいました。 


 公演後には学校の抽選で選ばれた全校生徒約800人のうちの400人が100人ずつの4グループに別れて、役者との座談会、音響・照明の機材操作体験、舞台見学と15分程度を目安に体験する時間が設けられ、生徒さんは自分の触れたいものに触れ、聞きたいことは積極的に役者に聞いたりしていました。また、先生方が見守るだけでなく、生徒さんたちとこの時間を共にしていることが印象的でした。


                     アニー・サリバン/アナグノス校長との座談会


ヘレン・ケラー/アーサー・ケラー(ヘレンの父)との座談会


座談会の中で「長崎の西海学園でも風のヘレン・ケラーを観ました。その時のことをよく覚えています。」と声をかけてくださった先生の言葉にはとても驚きました。

4年前の西海学園での公演がついこの間のことのように思い出されました。

思わぬ再会で驚きましたが、本当に嬉しかったです。

   音響・照明の機材を見たり実際に操作したりしていました


       実際に道具に触れている様子


   およそ100人の生徒さんたちが舞台上に上がっています


 舞台袖で道具の仕組みを見ながら劇団員の説明を聞いていました

 

舞台見学・座談会が終わった後にもお昼休みの時間を使って会いにきてくれる子たちもいました。

        彼女たちは思いっきり舞台の感想を伝えてくれました


                みんなのいつものポーズで


 舞台撤去作業には体育の授業の時間を使って、生徒さんたちがお手伝いにきてくれました。

見えないところで活躍している舞台の土台部分の一部を彼らは運んでいます


精密機械と知った彼はとても丁寧に機材をケースにしまってくれてます


    大きいものは仲間と力を合わせて運んでくれました


作業中ヘレン役の倉八に言葉をかけていました


 

カメラを向けたら集まってくれました


お手伝いに参加していた生徒さんたちは、積極的に手を貸してくれる中で、合間を見つけては舞台クライマックスの場面を友達同士でやって見たり、舞台を通して自分が見たもの、出会ったことを私たち劇団員に自分の身体や言葉をたくさん伝えてくれました。

 高岡第一高校は本当に盛りだくさんで、みなさんと過ごすことのできた時間の中で私たちもたくさんのエネルギーを貰いました。

 

後日、新聞部のみなさんが、私たちの東京の劇場に出来上がった記事を送ってくれました。

記事の内容は風を知らない人や、ヘレン・ケラーを知らない人が読んでもわかるように細かく書かれていました。

新聞部のみなさん、素敵な時間と素晴らしい記事をありがとうございました。

劇団員みんなで読みたいと思います。

 

文化祭、次は皆さんの出番ですね。

みなさんがつくる舞台、一高祭を思う存分楽しんで、頑張ってください!!

 

 

高岡第一高校新聞部のみなさんの記事

 

 

 

高川学園高校・中学校

 

カーテンコール時の生徒会長さんの挨拶


 早朝、普通の会館に近いくらい立派な学校の講堂の舞台仕込み。

担当の先生が「自慢の講堂なんです!今日はよろしくお願いします!」と早朝の眠気も吹き飛ばす勢いで、私たち劇団員を出迎えてくれました。

 

中・高合わせて1000人程の生徒さん、先生方に加えて、保護者の方も来られていました。

会場はホールの客席だけに収まらず、ホールのギャラリー部分にも椅子を設置してやっと収まるという、客席に囲まれているような舞台空間でした。 

開場中の生徒さんの様子


開演前の校長先生の挨拶の中に、「舞台は演じる役者さんだけでなく、観劇する皆さんも一緒に作るものです。」という言葉がありました。

席順は前の方に中学生、後ろ側に高校生、その後ろ先生方や保護者の方々、生徒の中に混ざって観ている先生もいました。

舞台に向かう生徒さんたち


生徒さんたちはリラックスした様子で舞台で起こっている出来事に反応しながら観てくれていました。

 

カーテンコール時のPTA副会長の方の挨拶では「自分自身の中にもグッとくるものがあり、子供達の心のにも何かが残るような時間でした。」と話して下さいました。

 

終演後すぐに公開座談会が行われました。

多くの生徒さんが役者たちに、時間いっぱい質問を投げかけてくれました。


ヘレン・ケラー役の俳優の身振りについての質問や、

 

どれくらいの規模で活動している劇団なのか、

 

人前で大きな声を出すための工夫や、

 

普段気をつけていること等、数々の質問が出る中で、高校生の男子生徒さんから「ヘレン・ケラーを演じたいと思いました。自分にもヘレン・ケラー役はできますか?」という思い切りのいい質問もありました。

後ろの席から客席の中心まできた彼はみんなを笑顔にしてくれました


聞きたいこと、伝えたいことを公開された場で堂々と言えることは本当にすごいと思いましたし、それぞれの質問を聞いている生徒さんたちや見守っている先生方、保護者の方々の柔らかい表情もとても印象的でした。

 

その後、舞台撤去作業のお手伝いに吹奏楽部の生徒さんたちが来てくれ、作業まで少し時間があったので、舞台を片付ける前に舞台見学を行いました。


吹奏楽部の生徒さんたちは、舞台で出て来た道具たちに触れたり、間近で見たり、


衣装を着てみたりする中で、

左からケート・ケラー/アニー・サリバン/ヘレン・ケラーの衣装を纏って

 

さっきまで客席で自分たち自身が観ていたことを思い起こすように、

「サリバン先生の本!」「ヘレンのコップ、何回も出てきてた」「ポンプから水が出てきたときはびっくりしました」と声に出しながら見学していました。


作業中の生徒さんたちは劇団員と、そしていつも楽器とかを普段から一緒に運んでいる仲間たちと力を合わせて作業に手を貸してくれました。

音響機材に触れたりして、「みんなに自慢してやろう!」という声も。

 

吹奏楽部の皆さん力を貸してくれて本当にありがとうございました!


 

学校を去る劇団バスを姿が見えなくなるまで見送ってくれました


劇団のHPの掲示板には「普段では知ることのできない舞台の裏側まで教えていただき、楽しく片付けをすることができました。サリバン先生とヘレンのやりとりが心に残りました。」とたくさんの思いが綴られたメッセージが寄せられていました。

 

 

 

 

下松市合同 1・2年生(下松高校/下松工業高校/華陵高校)

  

3校それぞれが会場に入場してくる様子


この公演は下松市の高校3校の校長先生が繋げた公演です。

前日から先生方も心配していた通り、当日は大雨。会場までの道のりが心配されましたが、会館から3校とも何事もなく会場に到着することが出来たため、公演は予定通りの時刻に開演することができました。

 

開場の様子


公演前は華陵高校・下松高校の教頭先生の司会・進行で勧められ、下松高校の校長先生からの挨拶から、3校の生徒さん方の拍手で開演しました。

 

下松高校の校長先生の挨拶


校長先生の挨拶の中には「この公演にはたくさんの人が関わって実現することのできた公演です。皆さんが今日の舞台を通して感じたことが、高校生活の中の一つの思い出になってくれたら、と思います。」とありました。

 

客席は、はじめは少しの緊張感と普段こない場所に来たという期待感を持って舞台に向かっている様子で、時が経つに連れじわじわと3校が一体となって集中しているのが客席から感じられました。

カーテンコール時には3校のそれぞれの代表の生徒さんたちがお礼の言葉と花束を贈ってくれました。

下松工業高校の生徒代表の挨拶

「自分の言葉を持って相手に伝えれば、思いは伝わるということを感じました。」


下松高校の生徒さん代表挨拶

「私たち生徒にとって本当に大切な時間となりました。劇団の皆さん、そしてこの機会を作ってくださった先生方、ありがとうございました。」


3校の生徒さんから花束を贈っていただきました


「私もヘレンのように力強く生きていきたいです。」

とそれぞれが、その場で生み出した言葉をかけてくれました。


座談会や舞台見学に参加しない生徒さんたちも多くいたので、ヘレン・ケラーとアニー・サリバン役の役者がで生徒さんの送り出しに向かいました。

声をかけてくれた下松高校の生徒さんたちと

 

終演後には、華陵高校の舞台芸術部の生徒さんたち、下松高校の希望の生徒さんたちとの舞台見学と座談会が行われました。

ガラスや陶器の小道具には割れても大丈夫なように全面にビニールテープを貼っています


ポンプから水が出る仕組みに興味津々な生徒さんたち

 

舞台見学の時の生徒さんたちはポンプの仕組みや舞台の作り、舞台美術に強い関心を持ちながら、ものに触れている様子でした。

座談会は舞台の作り方についてや、ヘレン・ケラーやアニーの時代背景について、演じる時に大切にしていること、緊張してしまう時はどうしたらいいのか、どんなイメージを持って役に入り込んでいっているのか、どれくらいの稽古期間であったのか、どんな風に繋がって今回自分たちにヘレン・ケラーの舞台を届けてくれたのか、、、

本当にたくさんの質問が投げかけられました。

 

最後の質問では、ずっとメモを取りながら黙々と座談会に参加していた、華陵高校の男子生徒さんが「演出と俳優同士で、役のイメージや台本の読み方が違った時はぶつかったりもしますか。」という質問をしてくれました。

聞いてみると、「将来、演出家になりたいと思っています。」と部活動の中で一つの舞台に取り組む時の仲間との向き合い方や自分の考え、座談会の時間を楽しみにしていたことを言葉にしてくれ、彼にとって、舞台芸術部での活動が自身の高校生活の中で熱を注いでいる一つの大切な時間なのだということがすごく伝わってきました。

 

時間が足りないくらいでしたね!

座談会には各校の校長先生や先生方もいて、時間いっぱいにたくさんの言葉を交わすことのできた時間となりました。

 

 

 

最後に、

第1週目のこのブログの更新が遅れてしまいまして、「ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち」西日本・東日本巡回公演は、今第2週目から第3週目に突入しようとしているところです。

この2週間、私自身、年を重ねていく中で失ってきてるものや感覚、様々なものに対する関心や驚き、一つのことから広がるイメージや想像、自分が思い描くものへの強い願いや欲望を彼らから直接肌で感じ、沸き立つものがある、色濃い出会いの一つ一つでした。

仲間と一緒に観たヘレン・ケラーの公演が、彼らが大人になった時、思い起こされるような高校生活の中の大切な思い出の一つであったなら、と思います。

 

これまで出会ってきた若い観客たちや先生方の姿を力に、台風も吹き飛ばす勢いでこれからの出会いに向かって行きます。

 

 

アニー・サリバン役/高階ひかり

 

2018年 秋「ヘレン・ケラー~ひびき合う者たち」東日本・西日本巡回公演 第2週目

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「ヘレン・ケラー~ひびき合う者たち」第2週目の公演は、

9月 25日(火) 『京都府』 京都府立工業高校 同校体育館

    26日(水) 『静岡県』 磐田東高校 磐田市民文化会館

  27日(木) 『大阪府』 みどり清朋高校高校 八尾プリズムホール

  28日(金) 『大阪府』 箕面東高校 箕面市立市民会館

  29日(土) 『徳島県』 新野高校 同校体育館

での、公演を行いました。


京都府立工業高校

この学校では、前回のヘレン・ケラーから20年ぶりの再会となりました。

開演前、校長先生から「この芸術鑑賞会が高校生活の大きな思い出になってほしい」とメッセージをいただきました。

その言葉を受け止めるように、暑い体育館の中でしっかりと舞台と向き合う視線には、驚かされました。終演後の生徒会長さんのあいさつでも自分がや文化祭で演劇をやった時のことなどを思い出しながら、見て感じたこと、率直な感想を話してくれました。校長先生が仰っていたように、この芸術鑑賞会が生徒たちの新しい刺激になってくれることを願っています。

当日の呼びかけにもかかわらず、終演後にはバックステージツアー、座談会にも多くの生徒さんが参加してくれました。

撤去作業には体育館部活の生徒達が20人くらいと座談会に参加した生徒たちも手伝ってくれました。さっきまで見ていた役者や道具と触れ合いながら、でもてきぱきとモノを運んでくれたり、劇団員と交流をしていました。

この時間が、皆さんにとっての何かを考え、感じる時間になってくれることを願います。


磐田東中学・高校

磐田東中学・高校は今回が風初めての公演です。

中学生と高校生が一緒に観劇ということもあって、入場してきた生徒たちの雰囲気もいつもと少し違う緊張感のようなものを感じました。

開演前の校長先生のあいさつで「芸術鑑賞は3年に1回なので、3年分の想いで演劇を味わってほしいと思います。」と、先生方がこの芸術鑑賞会にかける想いを感じました。生徒たちも、本当に楽しみにしてくれていたことを感じる大きな拍手で開演しました。

中学生と高校生が一緒に観ているとは思えないほど、集中した雰囲気があります。

カーテンコールでは、高校の代表の生徒と中学校の代表の言葉をいただきました。2人ともこの場で受け取ったものを、しっかりと自分の言葉として、話してくれたこととてもうれしかったです。

終演後はそのまま帰らなければならないということで、アニー役の高階とヘレン役の倉八とで送り出しを行いました。寄ってきて今日の感想や質問をしている生徒の姿もありました。


みどり清朋高校

みどり清朋高校も今回が風初めての公演です。

開場中生徒たちからは笑い声も多く聞こえ、友達や先生と笑い合っている姿も見え、和やかな雰囲気を感じました。

開演からは打って変わって、何かを感じ取り、考えているような生徒たちの見る力を感じました。そんな見る力を使って客席から舞台を支えてくれているのを感じ、一緒に舞台を作っていることを感じる公演でした。

終演後の生徒会長さんのあいさつでは、一言一言、感じたものを確かめるような感想ありがとうございました!

終演後は60人ほどの生徒さんたちがバックステージツアーに参加してくれました。いろいろなクラスや部活の生徒がいて、自分たちが今見たもの、興味があるものに、それぞれ触れて感触を確かめるように舞台上を見てまわっていました。

座談会も行われ、アニー役の高階と多くの生徒さんとで、質問や感想を言い合っていました。この学校では3年生が演劇をやることになっているということで、何か発見や刺激になってくれていたらうれしいです。

 

箕面東高校

箕面東高校もまた、今回が風初めての公演でした。

朝早い開演時間にもかかわらず、開場時間前からもうすでに入口にはたくさんの生徒さんが集まっていて、ワイワイと元気な姿を私たちに見せてくれました。

開演前はとても元気だった生徒たちも、芝居が始まると、大阪だなと感じる力強さはそのまま内に持ちながら、その力強さで芝居と向き合ってくれていました。

終演後には演劇部生徒さんたちとのバックステージツアーと座談会がありました。みんなポンプやお皿、舞台が傾斜になっているところなど、細かいところにまで興味をもち、役者と話しながら楽しんでいてくれていました。大会にも出たりするとのことだったので何かの刺激になってくれたらと思います。

 

新野高校

新野高校は学校最後の文化祭の中での公演ということで、旅班は前日箕面から移動して舞台の準備をしました。台風が近づいているということもあり、文化祭の開催も危ぶまれていましたが、外での出し物は来週に移すことで、9月29日は体育館での生徒発表と芸術鑑賞会のみの開催となりました。

当日朝旅班が学校に到着すると、文化祭生徒発表が行われていました。地域の小学校や保護者の方々も来ていて、なんと小学生の歌の発表もありました!

公演前の空いた時間にバックステージツアーを行う地域の子供とお母さん。子どもの好奇心にはとても驚かされます!

文化祭の高揚を持ったまま、お昼からの公演を迎えました。

舞台上で起きている一つ一つを受け止め眼差しとして返してくれているような、とても印象的な客席でした。生徒会長さんのあいさつでは、力強いお礼の言葉をいただき、この公演が学校最後の文化祭として一つ思い出に残るものになったと感じました。

終演後すぐ、舞台裏まで多くの生徒さんが覗きに来てくれて、そのままバックステージツアーが行われました。

時間ぎりぎりまで撤去作業を手伝ってくれた皆さん、本当にありがとう!

 

 卒業する3年生、新しい学校の3年生となる2年生、それぞれ進む道は違いますが、この思い出が今後何かの糧となってくれることを祈っています。

 

 

今週一週間も多くの出会いがありました。久しぶりの再会、新しく出会った学校、もうなくなってしまう学校、その一つ一つの出会いが生徒達にとっていつか何かの支えになってくれることを願っています。そしてその出会いを支えてくださった先生方にとっても新しい生徒の姿と出会える瞬間になってくれていれば幸いです。

まだ始まったたばかり、天災が続いている今だからこそ、私たちは天災にも負けず、やれる公演すべてに全力をかけて走り抜けます。

 

パーシィー役 石岡和総

 


2018年秋『Touch ~孤独から愛へ』九州ツアー〔第一週〕

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先日『ヘレン・ケラー』のブログで紹介がありましたが、2013年以来五年ぶりに『Touch ~孤独から愛へ』のツアーが始まりました。

9月17日 群馬県 みなかみ町「ふじや」体育館〈公開舞台稽古〉

      19日 岐阜県 岐阜大学教育学部附属中学校

 

みなかみ町「ふじや」体育館〈公開舞台稽古〉

トップ画像の看板のとおり、まずはみなかみ町にて公開舞台稽古からスタート!

「焼きそば」「かき氷」「生ビール」と書かれたのぼりがたち体育館前には出店が並びました。地元みなかみ町の皆さんも、遠方からお越しの皆さんもこのお祭りに駆けつけてくれました。そして体育館の中では、

舞台装置を使って“かくれんぼ”、子供たちが元気に走り回っています。

開演前は「ふじや」のご主人・林さん(写真左側)の司会で副町長さんをはじめとする来賓の方々のご紹介やご挨拶で客席もどんどん盛り上げていただきました。

小さいお子さんからご年配の方まで沢山の方々が集まりスタートした〈公開舞台稽古〉は、これから始まる秋のツアーをみなかみ町の皆さんに送り出して頂いているような温かい客席でした。

終演後は舞台上だけでなく、客席の後ろにいた劇団員スタッフにも拍手をいただき、『Touch』班も『ヘレン』班も大きなエールを客席の皆さんからもらいながら旅立ちを迎えました。本当にみなかみ町の皆さんとの繋がりを有難く思います。

 

岐阜大学教育学部附属中学校

タイトルで九州ツアーと銘打ちながら、ツアー初日は毎年私たちの舞台を観てもらっている岐阜大学教育学部附属中学校での公演です。この学校では例年11月に全学年全クラスが演劇発表を行います。校内には各クラスが創った自分たちの演目のポスターも飾られ、演出・浅野もその出来栄えを絶賛していました。

今年も公演の最初から最後まで真剣な眼差しを向けてくれました。終演後の座談会では『Touch』を振り返りながら、自分たちの舞台づくりに向けて沢山の質問が飛び交いました。仲間たちと発表に取り組む真摯な姿勢がとても伝わり、彼らならきっと素敵な舞台を創ってくれると確信しました。

↑座談会に参加してくれた皆さんと。

一方、終演後の体育館でも舞台裏見学や片づけを通じて子供たちとの交流を行いました。彼らの発表では音響や照明・小道具・大道具・衣裳、舞台に関わる全てをクラス内で分担しながら行います。ここでもスタッフに「こういうことをしたい時プロはどうするのか?」と具体的な相談をするなど彼らの熱意がひしひしと伝わってきました。

 

五年ぶりのツアー初日を再会となる附属中の子たちと創ることができ、本当に嬉しく思います。

 

次回からはいよいよ九州地域に入っていきます。今回は更新が遅くなりすみませんが、こうご期待ください!

 

文:佐野準

 

 

 

2018年 秋「ヘレン・ケラー~ひびき合う者たち」東日本・西日本巡回公演 第3週目

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暑さ寒さも彼岸まで。あっという間の9月を駆け抜け、朝晩の涼しさを感じるようになってきました。暦はいつの間にか10月です。
先週末の台風に戦々恐々としながら、大阪で週末を祈るように過ごしたヘレン班でしたが、無事大きな影響もなく第3週目のステージに臨むことが出来ました。

10月1日 北摂三田高校 (兵庫県) 三田市総合文化センター 郷の音ホール
10月2日 倉敷天城中学校・高校 (岡山県) 倉敷市民会館
10月3日 和気閑谷高校 (岡山県) 和気町総合福祉センター
10月4日 垂井町青少年芸術鑑賞会 (岐阜県) 垂井町文化会館
10月5日 洲本実業高校 (兵庫県) 同校体育館

今週は公共ホールでの上演が多い週となりました。

北摂三田高校

台風の影響もなく、月曜日の公演を迎えることが出来ました。今週の最初のステージは、北摂三田高校での公演となりました。
会場は三田市総合文化センター 郷の音ホール。初めて伺うホールでしたが、とても綺麗な建物、ホールでした!
当日から10月、ということもあり、開演前には北摂三田高校の後期始業式が行われました。



会場と同時にホールの客席には生徒の皆さんが続々と入場していきます。1000人ほど入る客席も生徒の皆さん、先生方、そして保護者の皆様でほぼ一杯に!



始業式ということで、全校の皆さんで校歌斉唱です。言われてみると沢山の学校には伺っていますが、一校一校の校歌って聞いたことがあまりありませんね・・・。ちょっと新鮮でした。



始業式では校長先生から生徒の皆さんへ向けて「生活にメリハリをつける事」「今まで踏み込めなかった新しいことに是非チャレンジして欲しい」といったメッセージ。芸術鑑賞会から始まる生徒の皆さんの高校生活1年の後期。充実し、素敵な時間となることを私達も願っています!



公演が始まると客席の空気はガラッと変わります。皆さん静かに、音も立てずに舞台上で起きている事柄を一生懸命捉えようと必死でした。本当に集中しているのを肌で感じました!
カーテンコールでは生徒会長さんから「自分自身初めての演劇鑑賞でしたが、この作品を見ることが出来てとても良かったです。」「自分がその場にいるような迫力を感じました!」と心のこもった感想をいただきました。素敵なメッセージ、ありがとうございます!
また、終演後のバックステージツアー(舞台見学)、座談会には演劇部の皆さん、そして希望者の皆さんが本当に沢山参加してくれました。



当日呼びかけて見学に来てくれた皆さんで舞台上が一杯に。そしてその様子を客席から見ていた先生方も徐々に舞台上へ・・・。
先生もいつの間にか見学の一員に。舞台装置のポンプの仕組みを尋ねたり、触ってみたり。生徒の皆さんと一緒に舞台裏やセット、小道具など、あらゆるものに興味津々の皆さんでした!





最後には座談会に残ってくれた皆さんと記念撮影!皆さんまたお会いしましょう!

倉敷天城中学校・高校

兵庫県三田市での公演を終え、旅班は隣の県、岡山県へ。次の日は倉敷天城中学校・高校での公演となりました。
こちらの学校も二期制を実施しているので、当日が始業式となりました。また、創立記念日でもありましたので、創立記念式典が行われました。



創立記念式典では校長先生が建学時の校長先生大塚香(鉄軒)先生の「鉄軒精神」を用いて生徒の皆さんに学校の歴史や精神をお話して下さいました。なんと高校は創立1906年!今年で112周年だそうです!



公演中は静かながらも面白い場面ではクスッとした笑いが起きたりと、リラックスして舞台を楽しんでいるように見えました。
カーテンコールでは高校の図書委員長さんから「舞台上から家族の皆さんの、ヘレンを教育していくことへの不安や怖れ、またアニーの中にあるヘレンに対する迷い、それ以上の想いを感じることが出来ました。」との真っ直ぐな感想を、そして中学校の図書委員長さんからは綺麗な花束のプレゼント!どちらもありがとうございました!

終演後には演劇部の皆さんとのバックステージツアー、座談会が行われました。舞台の上のセットだけではなく、ホールの搬入口に停まっているトラックも見学しました。公演するために必要な大道具や小道具、衣装や音響、照明機材などを隙間なく積み込んで日本全国を巡回しているトラックです。普段あまり見ることがないトラックの空の荷台を眺めたり、積込みのためのパワーゲート(昇降機)に実際に乗ってみたり、初めての経験に興味津々な様子でした。











舞台見学した後、撤去作業(バラシ)と並行して進められた座談会も笑いが絶えない、和気藹々とした会になりました。
自分たちが先程まで見ていた舞台が少しずつ解体され、トラックに積み込まれていく様子を客席から眺めたりしたこと、沢山の道具や機材に触れたこと、俳優と近い距離で話が出来たこと、どれも皆さんの大切な思い出の一つとなってくれれば嬉しいです。

和気閑谷高校

倉敷を出発したのち、同じ岡山県の和気(わけ)町へ。移動後にその日のうちに公演準備に取り掛かりました。

和気閑谷高校での公演は4度目。一番最初の公演は29年前!最近では3年前に「ハムレット」を上演しています。
前日までの2公演は大きなホールでの公演でしたが、和気町総合福祉センターのホールは約半分の客席数。
劇場空間がコンパクトに纏められていて、俳優の息遣いまで聞こえてきそうな、そんな空間でした。

和気閑谷高校での公演も創立記念行事の一環として開催されました。こちらはなんともうすぐ創立350年!を迎えるそうです。



和気町総合福祉センターと高校は目と鼻の先。皆さん徒歩で会場に移動です。行事などでよく利用しているようで、入場もスムーズでした。開場中は、客席内に設置された音響ブース・照明ブースにも生徒の皆さんの視線が。照明オペレーターの江田に声を掛けてくれたりと、和やかな時間となりました。

そして、開演。開演の合図である生徒の皆さんの拍手の音の中から、音楽、そしてアナウンスが聞こえてきます。
最初こそザワザワとした音が聞こえますが、きっと今感じているものへの反応でしょう。あっという間に静寂が広がってきます。
それでも笑ったり、驚いたりといった客席の反応はダイレクトに舞台に伝わっていきます。
またラストシーンでヘレンがポンプの水を浴びるシーンでは大きな歓声が。生徒の皆さんが五感をフルに使って公演を感じてくれいるように思いました。



終演後のバックステージツアーには演劇部の皆さんが参加してくれました。去年まで部員が2名だったのに、今年1年生が4名入部してくれたことで部全体が盛り上がっているそうです!ドアのセットから実際に出てみたり、二階部分に登って照明を浴びたり、俳優やスタッフと話をしたり、一人ひとり思い思いの場所へ行き、楽しんでくれていました。













ヘレン班と演劇部の皆さん、そして公演に際してご尽力下さった先生方との記念撮影!

公演終了後、風のHPの掲示板に早速演劇部の部長さんから素敵な感想・書き込みをいただきました。本当にありがとうございます。皆さんの一言一言が私達の明日への原動力となります。
高校生活、部活動、仲間の皆さんと共に楽しんで下さい!

垂井町青少年芸術鑑賞会

岡山県を離れて岐阜県垂井町へ。約300キロの大移動です!
垂井町青少年芸術鑑賞会では2年前にも町内の中学2・3年生を対象として「ヘレン・ケラー」を上演しています。
ちなみに2年前のブログはこちら



今回の公演では町内の小学5・6年生の皆さんをホールに招待しての公演となります。
ホール内は7つの小学校(表佐小学校・東小学校・宮代小学校・垂井小学校・府中小学校・岩手小学校・合原小学校)の5・6年生の児童の皆さんで一杯となりました。小学校以外でも交流があるのでしょう。遠くの客席にいる他の学校の児童の皆さんに向かって「おーい」と手を振る姿がアチラコチラで見られました。昨日までの会場の雰囲気と大きく違い、いい意味で力が抜けてリラックスすることが出来ました(笑)



公演中は舞台で起きる様々なことに驚いて歓声を上げたり、笑ったり、急に静まり返ったり。小学生の皆さんにしか出せない反応をダイレクトに舞台に返してくれました。私個人としては「赤ちゃんが実際に舞台上で泣いてる!どうなってるの?」という声が上がったのがこっそり嬉しかったです。



終演後には表佐小学校の尾畑校長先生が代表してご挨拶下さいました。自身の感想を交えながら、児童一人一人が持った感想を尊重し、自分が感じたままが正解だと児童の皆さんに訴えかけていらっしゃいました。素敵なメッセージをありがとうございました。





舞台見学は出来ませんでしたが、代わりにヘレン班全員でホールのロビーに出てお見送りをしました!(ある2校の校長先生も一緒にお見送りして下さいました。児童の皆さん、気が付きましたか?)
「さようなら!」と元気な声で挨拶してくれた子、言葉には出さず私達に満面の笑みを見せてくれる子、「良かったよ!」と演技を褒めてくれる子・・・。一人ひとりの顔を見ながら、手を振り、声を掛けます。最後の送迎バスが見えなくなるまでお互いに手を振り続けました。
そして最後に今回この場を設けて下さった垂井町文化会館の皆様と声を掛け合います。

「お疲れ様でした!」

また舞台の上で、いつの日にか皆さんに会えることを楽しみにしております!


洲本実業高校

洲本実業高校での公演は2度目。前回は18年前だそうです。
今週のステージでは唯一の体育館公演となりました。演劇を上演する為に設計されたホールでの上演も勿論良いのですが、体育館での上演もなかなか楽しいものです!



体育館に「ヘレン・ケラー」の舞台が設営されました!やはり体育館に入ってくる生徒さんの驚きの声を聞くと嬉しくなりますね。
そして相変わらず音響ブースを見た生徒さんからは「DJいる!DJ!」と言われます・・・。いえ、DJじゃないです・・・。でも舞台装置だけでなく音響や照明に関心を持ってもらえることはとても有り難いことです。

公演は笑いたい時に笑い、声を上げたくなったら上げ、生徒の皆さんが自由に舞台を観てくれていたように思います。それでいて最後まで集中を切らさずに良く観てくれました!
終演後すぐに演劇部の皆さんとバックステージツアー、座談会が開かれました。
部の皆さんが固まってそれぞれセットや俳優、衣装など、見学してまわっていました。皆さん仲がいいんですね!

座談会と並行しての撤去作業は沢山の部活動の皆さんが手伝ってくれました。野球部の皆さんはトラックの周りに集まってくれて、トラックの積み込みに力を貸してくれました。他の部活動の皆さんも体育館に点在するありとあらゆる道具を、俳優スタッフと共に集めたり、運んだり、ロープの片付けを手伝ってくれたり、と本当に助かりました!ありがとうございます!









積み込みが終わってから皆さんに挨拶、記念の色紙のプレゼント・・・。



からの記念写真大会!





が終わっても私達が学校を去るまでの間、沢山の生徒の皆さんがヘレン役の倉八、アニー役の高階の周りを囲んで別れを惜しんでくれました。
そして、学校の皆様から洲本実業高校の皆さんがプロデュースしたパウンドケーキ「八狸おれんじ」をプレゼントして下さいました。淡路県南部でしかされていない希少なオレンジを使用したケーキだそうです!旅班一同で美味しくいただきます!ありがとうございました!




巡回公演も3週目が終わりました。
一日一日の新しい出会いを大切にしながら、次のまだ見ぬ出会いを楽しみながら、巡回公演をこのヘレン班12名で最後まで走り抜けたいと思います。来週は島根県出雲市からのスタートです!

文:渡辺雄亮(音響)

2018年秋『Touch ~孤独から愛へ』九州ツアー〔第2週〕

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台風24号と交差するように九州に上陸した「Touch」班。
暴風雨のなかを走ってきたバスの洗車からこの週ははじまりました。

第2週は、

10月2日 〈宮崎県〉宮﨑日本大学中学・高校 同校体育館
10月3日 〈佐賀県〉伊万里商業高校 伊万里市民センター
10月5日 〈福岡県〉小倉西高校 同校体育館

以上、3校4ステージの公演を行いました。


宮﨑日本大学中学・高校

台風の影響で1日順延となったこの日の公演。
開演前の担当の先生のあいさつでも、「まずはこうして芸術鑑賞会が開催できることに感謝しましょう」と生徒たちに語りかけていました。
午前と午後の2回公演、約850人ずつの生徒さんが体育館に集まり、熱気あふれる空間をつくってくれました。

各回の終演後には、希望する生徒さんたちが舞台を見学。


午後の公演終了後には、舞台から溢れるほどの生徒さんが!
舞台装置や、衣装・小道具に興味津々に触れながら、俳優やスタッフとの交流も楽しんでくれました。

「ただ感動しました。人に愛を与えられる存在になりたいと思いました」
カーテンコールで代表の生徒さんが言った言葉が印象的な、あたたかな雰囲気の一日でした。


前日の搬入から、男子サッカー部や放送部の生徒さんが、搬出にはさらに女子バレー部や女子サッカー部、男子バスケ部のみんなも加わり、元気いっぱいにお手伝いをしてくれました。
本当にありがとう!!



宮﨑日大での「Touch」の公演は、じつに3回目となります。
前回の公演の思い出から、今回の公演が決定する経緯まで、いまの生徒さんに丁寧に担当の先生が話してくれたりと、学校と劇団のつながりを強く感じる公演となりました。
これから2か月半つづく九州公演。その大きな弾みとなる一日となりました。


伊万里商業高校

久しぶりの伊万里市内での公演。
会場となった伊万里市民センターでの公演は初めてでした。


観客席に入場し、開演を待つ生徒さんたち

元気いっぱい、開演直後は大きな笑いにつつまれた舞台でしたが、徐々に集中する観客の姿が印象に残る公演でした。
この時間と空間を通して、なにか自分にとって大切なものを見つけてもらえたなら嬉しいです。


終演後には、希望者を募って舞台見学と座談会が行われました。
「部屋の2階はどうなっているんだろう?」とみんなが階段を駆け上がっていきます。


電車の時間もあるなか、「俳優たちと写真が撮りたい!」と撤収が終わるまで待ってくれた生徒さんたち。
全校でひとつの舞台を観る、そのことが学校生活のひとつの思い出になってくれたらと願っています。


小倉西高校

座長でハロルド役の柳瀬太一の母校である小倉西高校。
今年は創立120周年ということで、その記念公演となりました。

こちらも宮﨑日大同様、前日の2階にある体育館アリーナへの搬入から生徒会執行部の皆さんにお手伝いいただきました。
重い荷物、大きい荷物、持ちにくい荷物・・
大小さまざまな道具がある「Touch」。
そこは生徒会の仲の良さを見せ、和気あいあいとどんどん体育館に荷物を運び入れてくれました。

客席のつくり出す凛とした空気が空間を満たすような公演。
新たな台風の近づくなか、体育館にも時おり強風か吹き込んできましたが、生徒さんたちは全く気にすることなく舞台にまなざしを送っていました。



搬出には前日の生徒会の子たちに加え、女子バレー部、バスケ部、そして有志の生徒さんたちが100人以上集まってくれました!
トラックの積み込みも息の合った姿を見せてくれ、スムーズに作業は進みました。



後輩の頼もしい姿を見つめる、先輩柳瀬の姿。
先輩の雄姿から、なにか受け取ってくれたでしょうか?


搬入、搬出だけでなく、当日の進行など2日間にわたって行事を支えてくれた生徒会執行部のみなさん、本当にありがとうございました!



この写真の倍以上の生徒さんが搬出のお手伝いをしてくれたのです。
最後まで疲れも見せず、笑顔を送ってくれて皆さんからは大きな力をもらいました!

5年ぶりとなる「Touch~孤独から愛へ」の巡回公演。
公演を通して、観客のなかに何が生まれるかを注視しながら、メンバー全員で充実した公演をつくっていきたいと思っています。

文:田中賢一(舞台スタッフ)

2018年秋『Touch ~孤独から愛へ』九州ツアー〔第2週〕

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10月10日 〈福岡県〉福翔高等学校   同校講堂
10月19日 〈熊本県〉必由館高等学校   熊本県立劇場・演劇ホール


福翔高校
これまでに4回も風の公演を観てくれている学校です。到着すると係の先生方が出迎えて下さり、講堂には約1000人が座れるベンチ席が綺麗に並べられていました。凄い迫力!明日ここに学校の皆さんが座る光景を想像して気合いが入ります。先生方は3年前の『ヘレン・ケラー』の公演をよく覚えていてくれました。


        
間口の広い舞台と客席で、どの角度からも見やすいようにと大道具のセッティングを工夫して
いよいよ開場です!
以前にも公演でお世話になっている担当の先生が想いのこもったお話をして下さり、客席からの熱気に包まれて公演が始まりました。
兄弟2人のやり取りに楽しそうな笑いが起こったり、ハロルドが登場してからの展開に驚きの声が上がったり…。学校の講堂で演劇を観ることを心から楽しんでいる様子が舞台裏まで伝わってきました。

 



公演後には演劇部の皆さんが舞台見学を行いました。地図、本、酒瓶、赤い靴など、小道具の一つ一つに興味津々。二階屋の上はどうなってるんだろう⁉︎ と目を輝かせている生徒さんの様子にこちらも嬉しくなります。
その後、演劇部の女子生徒さんたちが劇団員に混じって一生懸命片付けを手伝う姿を見て、バトミントン部、バスケ部などの生徒さんたちが駆けつけてくれました。
重い荷物は任せろ、と頑張ってくれる生徒さんたちはとても頼もしく、演劇部の皆さんも嬉しそうでした。トラックの中で出演者の佐野、佐藤と一緒に頑張ってくれた生徒さんもいました。本当に助かりました。皆さん、ありがとうございました!


 

 


必由館高校
生徒数1000人を超える大きい学校です。熊本の震災後は学校の体育館が使えない時期もあり行事の実施が大変だったと聞いています。今回は県立劇場・演劇ホールでの公演が実現したことをとても嬉しく思います。私たち風の公演は14年ぶりの久しぶりの公演です。
この日は隣の音楽ホールでも市内の高校が鑑賞行事を行なっており、開場前のロビーは大賑わいでした。いよいよ生徒の皆さんが入場すると3階席まで満席になりました!


 

 

開演前の先生のお話の時は、先生の言葉一つ一つに生徒さんたちが元気に盛り上がっていました。

開演すると、意外なくらい静かに舞台を見つめている生徒さんたち。今までに見たことのない世界に驚きを持って出会っている様子でした。
カーテンコールでは代表の生徒さんが「こんなに本格的な演劇を見るのは初めてで嬉しかったです。」と挨拶をしてくれて、客席からはあたたかい拍手が送られました。

 


終演後はロビーが混雑するため速やかに退場しなければならなかったのですが、演劇部の子たちだけでも出演者と会わせてあげたいと、先生が3人の生徒さんを連れて来てくれました。ハロルド役の柳瀬が生徒さんたちと小さな座談会を行いました。



『Touch〜孤独から愛へ』は高校の巡回公演をしている風の作品の中で一番長く上演し続けている舞台です。約25年の時の中で台本を見直し、舞台装置を新しく変え、役者も代替わりしてきました。この舞台を上演し続けているのは、『Touch』がある一人の人間の経験や、心の奥深くの哀しみに突き刺さる特別な芝居だからだと思います。男ばかり3人のこの舞台を10代の頃に見て、内臓が飛び出そうなくらい泣いて生きている喜びを感じた、私もその一人です。
今、公演で一人一人の心と特別な出会いが生まれますように。旅班のメンバーの熱い気持ちを結集して、公演に向かっていきたいと思います。

文    稲葉礼恵(舞台スタッフ)

2018年秋「ヘレン・ケラー〜ひびきき合うものたち」西日本・東日本ツアー [第4週目]

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『ヘレン・ケラー』の旅公演もいよいよ中日を迎える週となりまた。

あれだけ暑かったのに、この頃は朝夕に肌寒さを感じます。公演も順調に毎回の本番を迎えられています。

 

10月9日(火) 大社高校 同校体育館

10月10日(水) 猪名川高校 同校体育館

10月11日(木) 高瀬高校 同校体育館

10月12日(金) 多度津中学校 多度津市民会館〈会館自主事業〉

 

 

大社高校

 

三連休のあと島根県出雲市の大社高校・体育館での公演でした。

 

風の上演は6年ぶり、5回目となる学校です。900人の大きな学校ですが、その一人一人の集中力には驚くほどのものがあり、後ろの生徒さんたちまで自分の目で見逃すまいという気迫を、舞台上からもオペレータ席からも感じられた時間でした。開演前校長先生のお話では、自分の小学校6年生の時出会った芸術が時間を経て、その後の自分の心をほぐしてくれたという経験談から芸術の楽しさや歓びを語ってくださいました。あれだけの集中力で観てくれたみなさんですから、何年かしてふと今日感じた自分の姿を思い起こしてくれる日がくるでしょう。

 

終演後も授業時間を使って2クラスの生徒さんたちがお手伝いに来てくれました。女子生徒さんの力強さには本当にびっくりでした。一年三組・二年五組の皆さん、ありがとうございました!

 

 

 

猪名川高校

 

翌日は兵庫県・猪名川高校の体育館での公演です。

芝居をリラックスして楽しみながら観ている姿が印象的でした。バックステージの見学も大変盛り上がり、後片付けにもたくさんの部活の皆さんが集まって元気に手伝ってくださり、私たちもその元気をいっぱいもらいました。

 

生徒さん同士の仲のいい感じがこちらにも伝わってきて、学校生活を楽しんでる雰囲気が素敵でした。この学校内には[こやの里特別支援学校]があり、一緒に観てくださいました。終演後真っ先に舞台見学にきていただき、ありがとうございます。

 

 

 

高瀬高校


瀬戸大橋を渡り香川県三豊市へ。

高瀬高校は“風”3回目の上演です。『ヘレン・ケラー』は6年ぶりの上演でみなさん楽しみに待っていてくださいました。吹奏楽部の活動がとても活発な学校です。その吹奏楽部のみなさんが朝から搬入を手伝ってくださり、元気いっぱいで礼儀正しいみなさんとの交流から本番への期待感の大きさを感じます。一日中朝から降り続く雨でしたが、高瀬高校のみなさんの熱気のなかで公演は大好評でした。

希望者がほぼ全校生徒とも言えるバックステージの見学とバレー部をはじめとしたたくさんのお手伝いで熱い体育館となりました。座談会には吹奏楽部・生徒会をはじめ40名を超える生徒さんがアニー役の高階ひかりを囲み、大いに盛り上がったようです。照明と音響の学校に進学する生徒さんもいて、音響チーフの渡辺雄亮と照明チーフの江田健に熱心に質問していました。

 

校長先生とたくさんの生徒さんたちに雨の中を見送っていただき、同じく香川県の多度津町民会館での準備に向かいます。

 

 

 

 

多度津中学校

今年はこれまで大きな災害や地震が全国各地で発生しています。

一学期に上演予定だった学校も五校が順延となり、その中のひとつの多度津町民会館主催による多度津中学校の公演をやっと迎えることが出来ました。

以前、文化庁主催の(文化芸術による子供の育成事業)『肝っ玉おっ母とその子供たち』でお世話になった、当時多度津小学校の校長先生と、多度津中学校の校長先生として再会しました。あれから四年経っているので『肝っ玉おっ母とその子どもたち』を小学生の頃に観た子どもたちとの再会とも言える公演です。ちょっと緊張して入場してきた彼らでしたが、始まりの音楽とともにぐっと存在感を出してきた客席を受け取っての本番となりました。

終演後、にこやかに劇場をあとにしていくみなさんを劇団員全員でお見送り。

校長先生・教頭先生と握手を交わし、今日の日を迎えられた歓びを分かち合いました!

四時間の移動ののち、翌日公演の大阪市の相愛中学校・高校の準備へと向かいます。

 

 

相愛中学校・高校

6月の大阪北部地震の影響で開演一時間前に中止となり、公演ができないまま後片付けをした学校です。

その日交通機関が止まっていくということで、下校途中の何人かの生徒さんたちが講堂に設置された舞台を見学に来てくれました。高校三年生の生徒さんが残念そうに話しかけてくれたのを覚えています。「ぜひ今年度中にまた来て欲しい。来年だと卒業しているから‥楽しみにしていました。」

やっとその願いに応えられることができて、わたしたちも感激でした。

女子校独特の華やいでおだやかな雰囲気と、こじんまりとお互いを身近に感じられる劇場空間の中、役者もしっかり客席を感じることができたと思います。保護者の方も多く観劇してくださり、バックステージには真っ先に舞台見学に上がってくださったぐらい興味を持って頂けたようです。

 

わたしたちは土曜日の公演を終え、日曜日の公演地である東京・立川市へ向かいました。

旅公演の折り返しを過ぎた『ヘレン・ケラー』。健康にも気をつけて後半に向かいます。

 

アナグノス校長役   緒方一則

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