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2017年 秋「ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎」九州巡回公演 最終週

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9月下旬、まだまだ暑かった九州の地で始まった「ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎」九州巡回公演。

12月に入り、九州にも冬到来。2017年秋「ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎」九州巡回公演もいよいよ最終週です。

 

12月18日(月) 鹿屋工業高校 同校体育館

12月19日(火) 野田女子高校 同校体育館

12月20日(水) 津久見高校  津久見市民会館

 

 

 鹿屋工業高校 

 

 

この学校での「ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎」の公演は、2015年「ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち」の公演を1年生の時に見た、3年生の生徒との再会と1・2年生との新たな出会いとが入り混じった公演でした。

 

朝、学校に到着すると、文化委員の生徒さんたちが20人程、今日の公演の準備をしていました。

そして、そのまま11tトラックから出てくる舞台道具を体育館に運び入れる作業をお手伝いしてくれました。

 

生徒さんたちから「前の方で見たい」という要望があったりと、「ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎」の公演への期待感が生徒たちの中に、そしてその生徒の声を聞いた先生方のなかにもあったようです。

生徒さんたちは、客席の後ろから入ってくる役者を元気いっぱいに声をあげながら迎え入れてくれ、「待ってました!」「楽しみにしてます」と声をかけてくれる子たちもいました。

本番の始まりから、溢れんばかりのエネルギーを注いでくれた彼らは、とても強く自分自身を持ちながらジャンヌ・ダルクの世界に体ごと向けていたと思います。

 

終演後には、朝も舞台道具の運び入れの作業をお手伝いしてくれた、文化委員会の生徒さんたちに加え、多くの希望者の生徒さんたちがお手伝いに来てくれました。

 

1年生の時に「ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち」の公演を観た3年生の生徒さんも居ました。

その中の一人の3年生の女子生徒さんが「1年生の時に観たヘレン・ケラーの公演で初めて、演劇というものを知り、これまで演劇をみる機会もなく、関心もなかったのですが、そのヘレン・ケラーの鑑賞がきっかけで今、地元の人たちが参加できるミュージカルに出演したりしています。今回また風さんの舞台を見ることができて本当に嬉しかったです。」とヘレン・ケラーを見たときの2年前の自身の姿を、ついこの間のことのように語ってくれ、今、自分が向かっていること、思い描いているこれからのことをたくさん伝えてくれました。

 

 

 

再会した3年生の姿や、この日初めて出会った1・2年生の姿にも2年前の鹿屋工業高校での「ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち」の公演を2年も前のことのように思えないほど間近な時間として思い起こさせられた「ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎」の公演でした。

 

 

 

 

 

 

 野田女子高校 

 

 

野田女子高校は2004年の「ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち」の公演以来、13年ぶりとなる風の公演でした。

朝から舞台道具の運び入れの作業にバレー部の生徒さんたちが力を貸してくれました。

 

生徒さんと先生方約300人に保護者の方々も加わった客席に迎え入れられた本番は、一人一人の舞台に向かう眼差しがダイレクトに伝わってくる距離感がとても印象に残っています。

笑いたいところは大いに笑ったり、じっと舞台に目を向けていたり、言葉をよく聞いて、ジャンヌ・ダルクの世界に浸されるように見ていました。

また、ジャンヌ・ダルクが火あぶりにされる芝居のクライマックス差し掛かるところからの客席の姿は、自分たち自身もクライマックスを作っていくような、盛り上がっていく空気を強く感じました。

 

終演後、朝も作業に手を貸してくれたバレー部の生徒さんたちに加え、運動部の生徒さん、有志で来てくれた生徒さん、と全校生徒の半分くらいの生徒さんたちが役者やスタッフに会いたいと、体育館にきて、舞台道具の片付けのお手伝いもしてくれました。

 

作業を一緒にしていく中でたくさんの生徒さんが声をかけに来てくれ芝居の場面を再現して見たり、自分が聞いたセリフを自分で言葉にして見たり、自分が受け取ったものをたくさんたくさん伝えてくれ、「スタッフの仕事もみて見たい」と音響スタッフや照明スタッフ、舞台美術家に駆け寄る姿もありました。

 

 

 

自分が出会ったものや、隣で見ていたクラスの仲間たちが見ているものを感じながら居た時間、公演が終わった後に自分以外に伝えたいと思った一人一人の思いがきっと彼女たちにとっての大切にしたいものと、強く結びついていくのだろうと思う公演でした。

 

 

 

 

 

 

 津久見高校 

 

津久見高校での公演は今回で6回目となる公演でした。

体育館での公演を予定して居たのですが、大雨の影響で体育館が浸水してしまったとの連絡を受け、急遽、津久見市民会館での公演となりました。

公演前の最終打ち合わせに担当の先生が来られて、打ち合わせが終わると風との始まりの出会いの話をしてくれ、「本番の前にどうぞ」と津久見のみかんを一箱、差し入れて下さり、「生徒も楽しみにして居ました。よろしくお願いします。」と声をかけてくれました。私自身、その先生の姿や言葉にこれから出会う生徒さんたちの姿を強くイメージし、本番に向かいました。

 

 

楽屋にもひびきわたるほどの元気な声をあげながら勢いよく会場に入ってくる生徒さんたち。

保護者の方々もたくさん来られていました。

 

本番中の彼らは会場の雰囲気を一転させ、とても集中した様子で舞台上で起こる出来事の一つ一つを自分たちなりに考えながら、舞台に体を向けていました。

 

カーテンコールで改めて客席と顔をあわせると、「ジャンヌー!」と声をあげ、開場時の時の彼らの勢いを持った姿がまた戻って来ました。

 

終演後には舞台見学が行われ、先生方も生徒さんたちと一緒になりながら、舞台の道具が作っている世界観や、客席で見ていたものに触れ、スタッフにどうなっているのか、舞台の裏の裏側まで関心を持っている様子でした。

 

 

公演の日の前から担当の先生に「話を聞きたい」と言っていた1年生の女子生徒さんは「自分は今までテレビとかしか知らないからそういう女優さんを目指そうと思って、交流会を希望したのですが、今日初めてジャンヌ・ダルクを観て、舞台もいいなと思いました。」と涙ながらに伝えてくれました。

その彼女と、舞台をみて参加したいと参加してくれた2人の女子生徒さん、そして校長先生、教頭先生を含めた先生方、保護者の方々数名の参加のある、座談会が行われました。

 

座談会では担当の先生が大いに盛り上げてくれ、生徒さんたちの緊張感もほぐれた中で生徒さんたちを中心にして、質問や感想、たくさんの言葉が飛び交う時間となりました。

 

座談会はジャンヌ・ダルクの公演のことから劇団活動についての質問もあり、時間が足りなくなるほど時間いっぱい行われました。

 

 

最後、会館を去る時には、「座談会参加したかったです!」「待ってました!」という数名の生徒さんたちを担当の先生が連れて来てくれました。

 

その先生や、生徒さんたちの私たち劇団員を乗せたバスを見えなくなるまで見送る姿に、3ヶ月に及ぶ「ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎」九州巡回公演の千秋楽を迎えたことを改めて感じました。

 

 

 

 

 

自分が見たもの、聞いた言葉を伝えてくる若い観客たちの姿に、そして彼らが舞台を通して出会っているものや、感じ、受け取っているものを見守っている先生方の姿にすごく人の存在を感じる日々でした。

 

2017年、劇団創立30周年でした。

「ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎」九州巡回公演の3ヶ月に及ぶ旅の中で、出会って来た人の姿や表情が自分の中に大きく在りながら、年の瀬を迎えました。

また新しい年、今を生きる人たちの一瞬間に出会い続けていきたいと思います。

 

良いお年をお迎え下さい。

 

 

ジャンヌ・ダルク/高階ひかり

 

レパートリーシアターKAZE 2018

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東京演劇集団風 劇団創立30周年記念企画

レパートリーシアターKAZE 2018

2018年、レパートリーシアターKAZEでは昨年に続き[劇団創立30周年記念企画]として、新作・レパートリー作品6本、アトリエの会限定の〈詩劇〉2作品を上演します。今年も舞台を通して皆さまとの新たな出会いを生み出せるよう、取り組んでいきたいと思います。レパートリーシアターKAZEへのご来場を、心よりお待ちしております。

(※当初の日程から変更がございます。ご確認をお願いいたします)

 

創立30周年記念 レパートリーシアターKAZE第21回凱旋公演

ピカソの女たち~オルガ

Picasso's Women ― Olga

2018年2月10日[土]~12日[月・祝]開演:2時

作:ブライアン・マキャベラ Brian MacAvera 翻訳:志賀重仁

演出:ペトル・ヴトカレウ Petru Vutcărău

出演:辻由美子 

  

ひたむきな愛に生きたオルガの情念を描くひとり芝居

天才画家ピカソの最初の正妻オルガ・コクロヴァ。オルガは死後の世界から、ピカソへの愛憎に翻弄された日々を回顧する。

2005 年に初演し、海外公演を展開。2007 年にはルーマニア・バカウ市主催〈第2 回ガラ・スター国際演劇祭〉にて最優秀大賞を受賞、8年ぶりの東京公演です。

*2017年11月10日、ロシア・サハリン州立人形劇場で行われた国際演劇祭「奇跡の島2017」にて招聘公演を行いました。

 

創立30 周年記念 第92 回公演【レパートリー作品】

異邦人 L'Étranger

3月1日[木]~5日[月]開演:平日7時/土日2 時

作:アルベール・カミュ Albert Camus

脚本:浅野佳成  翻訳:窪田啓作(新潮文庫刊)/谷島貫太

演出:白石圭司  

出演:中村滋/緒方一則/栗山友彦/渋谷愛 

   佐藤勇太/坂牧明/酒井宗親ほか

彼が暮らす社会では、芝居をしないと

       異邦人として扱われるよりほかはない―

今日、ママンが死んだ……。

養老院で亡くなった母の葬儀で、ムルソーは何の感情も示さなかった。彼は友人のトラブルに巻き込まれて殺人を犯し、裁判にかけられ、斬首刑の宣告を受ける。

白石圭司が演出を担い、若き時代感覚をもって、不条理を見つめ、抗い、踏みとどまったカミュのまなざしに、人間が生きることの自由と希望を問う。

カミュの遺族、ガリマール出版社の全面協力のもと、小説からオリジナルの脚本を作成し、2012 年に初演。今回、新たに脚本と演出を再考し、上演に向かいます。

 

創立30周年記念 レパートリーシアターKAZE 春の劇場体験週間

ジャンヌ・ダルク―ジャンヌと炎

Jeanne d'Arc JEANNE ET LE FEU

3月18日[日]・19日[月]開演:平日7時/土日2時

※3月16 日・17 日は〈春の劇場体験週間〉として中野区愛成会(ふらっとなかの)の皆さんが観劇・体験します。

作:マテイ・ヴィスニユックMatéi Visniec   翻訳:志賀重仁

演出:浅野佳成

上演台本:ペトル・ヴトカレウPetru Vutcărău

出演:白根有子/栗山友彦/田中賢一

   佐藤勇太/石岡和総/車宗洸/坂牧明

   木村奈津子/工藤順子

 

いま、ひとりの少女が声をあげた―

ひとりの少女の声と炎が起こした〈奇跡の物語〉

戦争と貧困にあえぐフランスに現われた少女ジャンヌ・ダルク。彼女の〈声〉は、人びとを死と絶望から救うも、異端者とされ、ジャンヌは火あぶりの刑となってしまう。

作家が劇団に書き下ろし、日本、フランス、モルドバ共和国の共同制作によって生まれたレパートリー。

 

スーフルール ―ささやきの街頭詩劇

Stop, Breath, and Smile…

5月11日[金]・12日[土]開演:7時

構成 ・ 演出:オリビエ・コント Olivier Comte /浅野佳成

出演:Les Souffleurs commandos poétiques

   スーフルール・コマンド・ ポエティック/東京演劇集団風

 

立ち止まり、呼吸する―言葉のまなざしとの出会い

黒い傘と黒い扇子を手に、黒い衣服を纏った“スーフルール”。 彼らが街に現れたとき、公共空間は詩劇空間へと一変する。

ほんの少しの沈黙が、とびきりの笑顔の糧となる―。

 

創立30周年記念 第93 回公演【レパートリー作品】

母が口にした「進歩」その言葉はひどく嘘っぽく響いていた

Le mot progrès dans la bouche de ma mère sonnait terriblement faux

4月4日[水]~8日[日]開演:平日7時/土日2時

作:マテイ・ヴィスニユック Matéi Visniec 翻訳:川口覚子

構成・演出:江原早哉香

出演:緒方一則/柴崎美納/佐野準

   白根有子/柳瀬太一/栗山友彦/佐藤勇太/稲葉礼恵

   仲村三千代/保角淳子/辻由美子

地中から響く、過去からの〈挫折した希望〉の歌―

この国で、幸せな母親とは、自分の子どもたちがどこに埋められているのかを知っている母親です―。

紛争で死んだ息子の遺体を探す父親と母親。彼らは息子の声に導かれ、この土地の瓦礫のなかで多様に重なり合う死者たちの遂げられなかった希望を救いだしていく―。

家族を取りまく奇妙な隣人や泣き女。そして都会にたたずむ、ひとりの歌う娼婦。「進歩」に取り残されてしまった小さな家族の姿を、パペットやマスクを用い、ユーモアを持って描くマテイ・ヴィスニユックのレパートリー上演です。

 

【予告】

創立30 周年記念 第94 回公演【新作】

記憶の通り路―孤独にさいなまれる老婦人に気をつけて

Attention aux vieilles dames rongées par la solitude

8月28日[火]~9月2日[日]開演:平日7時/土日2 時

作:マテイ・ヴィスニユックMatéi Visniec   翻訳:川口覚子

構成・演出:江原早哉香

出演:柳瀬太一/白根有子 辻由美子 ほか

作曲・音楽制作:バンジャマン・クルシエBenjamin Coursier

舞台美術・衣裳:アンドラ・バドゥレスコAndra Badulesco

人形美術:エリック・ドゥニオー Eric Deniaud

音響:渡辺雄亮 照明:坂野貢也 舞台監督:佐田剛久

芸術監督:浅野佳成

わたしはあなたと同時に生きた―

ひとりの男が出会う若い女。男は彼女の波にのみこまれ、自らの記憶と出会っていく。

戦争を終え帰還を拒む兵士たち、国境を越えたい女、海からやってきた犬たち……

マテイ・ヴィスニユックの21世紀への鋭いまなざしが込められた15本の短編からなる戯曲を構成し、海外のスタッフと共に新たな作品づくりに取り組みます。劇団創立30周年企画のしめくくりとなる新作上演です。

 

〈レパートリーシアターKAZEアトリエの会 特別公演〉

詩劇 試み其の三

2月3日[土]・4日[日]開演:2時

構成・演出:浅野佳成

出演:柴崎美納/稲葉礼恵/渋谷愛/緒方一則/佐野準 ほか

詩劇 試み其の四

4月14日[土]・15日[日]開演:2時

構成・演出:浅野佳成

出演:白根有子/髙階ひかり/倉八ほなみ/柳瀬太一 ほか(予定)

完成から未完へ―

劇団が行っている「詩」を用いたワークショップを“詩劇”として発表

します。ランボーやボードレールなどの詩を構成し、俳優が詩を身体

化し演じる試み。アトリエの会会員限定公演となります。

2017年 秋 『ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎』九州巡回公演 第7週目

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トップの写真は、佐賀農業高校の食品科学科の生徒たちから頂いたクッキーです!ありがとうございました!

2017年 秋 『ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎』九州巡回公演 第7週目の公演は、

11月 6日(月)大分県 大分中学校・高校
    7日(火)福岡県 九州国際大学付属高校
    8日(水)長崎県 長崎東中学校・高校
    9日(木)長崎県 海星中学校・高校
   10日(金)佐賀県 佐賀農業高校

大分県から始まり佐賀県へと、北部九州を巡る1週間でした。

大分中学校・高校
iichikoグランシアタでの公演でした。
開場時間になると元気な声とともに生徒が続々と入ってきて、楽屋でスタンバイしている私たちにも芝居を楽しみにしている熱が伝わってきました。
開演前、担当の先生のあいさつで「演劇はテレビやドラマと違ってどこを見てもいいんです。いろいろなところを見て、セリフを聞いてそして何かを感じて帰ってほしいです。」と仰っていました。
その言葉通り、幕が開けると自分たちの思い思いの感覚で笑ったり、時にはシンとしたりと、多くのことを感じながら芝居を観ているなと舞台の上にから感じました。









終演後、ご担当の先生と色紙を挟んで記念撮影を行いました。ありがとうございます。

九州国際大学付属高校
この公演は一年生のみの観劇でした。
開演前、体育館に集合した生徒たちがピタッと私語をやめ、開演を待っている姿がすごく印象的でした。
芝居が始まると開演前の緊張感も持ちながら、でも笑いたいところは笑ったりと、生徒たちの中でジャンヌ・ダルクの物語を作りながら舞台に集中していました。
カーテンコールで代表の生徒あいさつにも芝居を観終わった後の高揚を感じました。そして花束を二本もいただきました、ありがとうございます!
撤去作業にはアスリートコースの生徒たちが手伝ってくれました。撤去作業を手伝ってくれた生徒の表情はとても生き生きしていて、公演と片付けを通して何かを発見している姿がありました。









長崎東中学校・高校
この公演は前回の「星の王子さま」以来16年ぶりの公演です。
体育館が2階ということで、前日に荷物の運び入れを行いました。



当日の朝バスケットボール部の生徒たちが、残りの運び入れを手伝ってくれました。
本番、始めは笑いがあったりと盛り上がっていましたが、話が進むにつれてだんだんと緊張感を感じる張り詰めた雰囲気に変わっていきました。ジャンヌ・ダルクのストーリーの中に、何か真剣に掴もうとするものがあったのではないでしょうか。
撤去作業にも、バスケットボール部、野球部、の生徒たちの力強いお手伝いがありました。私たちが想定していた時間よりも早く終わったのも、パワー溢れる生徒たちのおかげです。








海星中学高・高校
オランダ坂を登った先にあるこの学校は、体育館が校内の坂を下ったところにあります。
私たちが前日準備のため学校に向かうと、30人くらいの生徒が待っていてくれて、荷物の運び入れを手伝ってくれました。
荷物を運んでいる生徒から「明日の公演絶対成功させましょう!」と声をかけてもらい、より一層本番への期待が膨らみました。



本番は午前と午後の2ステージ行われました。
午前の部は高校生のみの観劇でした。
受けたものを素直にリアクションとして出してくれる生徒たちで、舞台の上の役者もそれに呼応していました。ジャンヌ・ダルクという舞台空間を2時間という短い時間、一緒に作ってくれていました。
午後の部は高校生と中学生の観劇でした。
高校と中学というまた普段と違った人が集まった中、高校生・中学生関係なく笑ったり、共有したりと、客席からはじっくりと自分たちの感覚で芝居を噛みしめている様子が印象的でした。カーテンコールでは花束を9本もいただきました、ありがとうございます!


終演後すぐ、舞台裏を覗きに来てくれた生徒たち。

ジャンヌ・ダルク役の高階に、放送部の生徒のインタビューがありました。
片付けには60人以上の生徒さんが集まってくれて、役者やスタッフに声をかけ質問や感想を話しながら手伝ってくれていました。










佐賀農業高校
この学校は97年の「ヘレン・ケラー」以来、20年ぶりの公演でした。
開演前の校長先生のあいさつで「演劇には1+1のように答えはありません。感受性の若いうちにいろいろなことを感じてほしい。」仰っていたように、本番中はじっくりと何かを受け取るように観ていました。そのことはカーテンコールでしてくれた、生徒会長さんの「最初は面白く、舞台が進むにつれてのめりこんでいきました。」というお礼の言葉からもジャンヌ・ダルクの世界を想像しながら見てくれていたのだと感じました。
終演後にはジャンヌ・ダルクと生徒会の生徒との座談会も開かれました。
撤去作業にもハンドボール部、バスケットボール部、農業クラブの生徒たちが手伝ってくれました。









九州巡回公演「ジャンヌダルク―ジャンヌと炎」も折り返しを迎えました。1校1校の出会いを大切にし、その場で出会える若い観客たちと何が生み出せるのか、楽しみを胸に後半の公演に向かっていきます。

石岡 和総(シャルル7世)

2017秋『ヘレン・ケラー ひびき合うものたち』 東・西日本巡回ツアー第6週目(再アップ!)

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(大変遅くなりましたが、公演の模様の写真をアップしましたので更新させていただきます!)

台風が過ぎ、冬の始まりを感じさせる寒さと共に始まったヘレン・ケラーツアー第6週目。

10月31日 能代高校(秋田)
11月1日 開志国際高校(新潟)
11月2日 南紀高校(和歌山)


10月31日は秋田県、能代高校での公演。

本番前の校長先生の挨拶では「更に感受性を豊かにできる時間になればと思っています。」という言葉を聞いて、私達もこれから若い観客達と何を創り、何を共有する事ができるかと舞台袖でワクワクしながらの開演を待っていました。
公演が始まると、開演前の校長先生の期待を上回るような真剣な眼差しで舞台を見つめる姿が印象的で、とても観る力や聞く力が優れた観客だなと舞台上で感じていました。
寒さに負けず暖かい空間を創ってくれてたのではないかと思います!

更にカーテンコールでの生徒会長さんのお礼の言葉では「ヘレンの苦労や家族、サリバン先生の苦労がわかりました。」と様々な視点で公演を観てヘレン・ケラーを創ってくれました。



バックステージでは舞台装置の細かい所まで興味を持って質問し、公演の感想などを聞かせてくれました。
舞台上の小道具や舞台裏、基本台の下の構造にまで興味を持ってくれています。









ケラー家のリビング椅子の座り心地を確認する生徒さん





実際に音響や照明に触れて音を出してみました。

演劇部の生徒さん達との座談会では、
「役者はどうやって動きを考えてるのか」
「どうやって動きのメリハリを付けているのか」
と同じ役者としての質問や疑問をなげかけてくれて大会間近だという事もあり演劇部さん達の緊張感が伝わってきました。
大会も頑張って下さい!



搬出のお手伝いには女子バレー部と男子バスケット部の皆さんが来てくれました!
みんな寒い中積極的に道具を運んでくれて、中には自らトラックの中での積み込みを手伝ってくれたりと
つい1時間前まで劇場だった体育館があっという間に元の体育館へと戻りました。







また能代高校の皆さんと再会できることを願っています。



11月1日は新潟県開志国際高校での公演。

開志国際高校は勉強やスポーツ、更には医学や語学も盛んな学校だと聞きどんな生徒の皆さんと出会えるか、そしてその生徒さん達とどんなヘレン・ケラーを創る事ができるのかと楽しみにしながら学校へ向かいました。
学校に着くと早速搬入時には朝早くから20名程の柔道部の生徒さん達がみんな力強くテキパキと手を貸してくれてとても早く搬入を済ませ、本番に向かう事ができました。
ありがとうございます!



本番前になると、劇場へ変わった体育館を見て「すげー」「おぉなんか凄いことになってる」と声をあげ、公演を楽しみにしている姿を見せてくれて、そのすぐ後にはどんどん興味を惹かれたのか舞台裏まで覗きに来てくれてました。
公演中は舞台の上で起こっている出来事一つ一つに関心を持って反応し、とても真剣にヘレンケラーを創ってくれました。

バラシ(撤去作業)、搬出では医学科進学コース、国際コースの皆さん、先生方が手伝って下さり、その中には数多くの留学生も参加してくれました!たくさんの質問を綺麗な日本語で投げかけてくれてとても嬉しかったです。
舞台装置の搬出や積み込み、みんなが最後まで積極的に参加してくれて、様々なお話しが出来てとても有意義な時間でした。







最後はバスが見えなくなるまで見送ってくれてありがとうございました!



11月2日は和歌山県南紀高校での公演。

南紀高校は本番前日の仕込みでした。
仕込み中にたくさんの先生が体育館に足を運んでくださり、舞台の構造はどうなっているのか。劇団がどういった公演を続けているのか。などたくさんの質問をしてくださいました。

本番当日は文化祭期間中という事もあり、自作の仮装を身につけて体育館に入場してくる生徒さんもいて劇団員も驚きと期待を胸に開演を今か今かと待ち望んでいました!



公演中は落ち着いた雰囲気でヘレンケラーの空間を創ってくれて、観客が創る空間の大きさに、様々な可能性を発見できました。



公演後の副会長さんの挨拶では「人の可能性の大きさを感じ、芸術文化に触れるきっかけになりました」という言葉をいただき、私たちが演劇を追求していく原動力や支えとなる素敵な言葉をいただけたなと感激しました。素敵な挨拶をありがとうございます。



バックステージでは生徒の皆さんそして先生、保護者、OB、OGの方まで参加してくれました。舞台装置に興味を持って質問してくれたり、保護者のおばあちゃんはお孫さんの話を聞かせてくれたりと積極的に劇団員に話かけてくれて、とても充実した時間になりました。







更にバックステージ後には劇団員も文化祭に参加させてもらいました!



目移りするほど並ぶ食品バザーや展示スペース、チャリティーバザーなどたくさんのブースがありバザーを楽しみながら生徒さんや先生方と交流することができてとても幸せな時間を過ごす事ができました!
また再会できることを楽しみにしています!

文:蒲原智城(ジェイムス・ケラー役)

2017年 秋 『ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎』九州巡回公演 第8週目

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今週も、キラキラした笑顔に出会えました。
 写真は天草高校での撤去作業の際に、仕掛幕を下ろす作業をしてくれた女の子たち。


2017年秋『ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎』九州巡回公演 第8週目は、
11月14日(火)宮崎県 延岡市立南中学校
    16日(木)熊本県 熊本県立天草高校・定時制・倉岳校
    17日(金)福岡県 折尾愛真中学校・高校 

延岡市立南中学校

開演前のお昼休み、校庭ですれ違った生徒さんたちは、みんな元気に声をかけてくれて、この公演への期待を感じさせてくれました。さあ開場時間…… さっきの元気の良さとは打って変わって、し~んと静かに整然と着席。ちょっと驚きつつ開幕すると、とても明るく楽しそうに「ジャンヌ」の世界に入ってきてくれました。
終演後の生徒会長さんのご挨拶の中で特に私に響いたのは「〝ジャンヌの切なさ‘’を感じました」という言葉でした。

撤去作業のお手伝いには、バスケットボール部をはじめ、あらゆる部活の生徒さん、有志の皆さんが集まってくれました。
「お手伝い」や「作業」という枠からはみ出して、やってみたい! という初めての経験への興味がそこここに溢れていました。 

 

生徒の皆さんをしっかり見守っている先生方と、生徒さんとの信頼関係が笑顔を生んでいる、そんな気がしました。


熊本県立天草高校・定時制・倉岳校

およそ800人の皆さんが一堂に会し、ギャラリーにも客席が設けられました。特に演劇部の生徒さんたちは楽しみにしてくれていたようで、開演前に体育館を訪れて、設営された舞台を見学し、座長の柳瀬が案内・説明しました。

 
公演中は、まさに食い入るように体ごと注がれている視線が感じられ、一緒に舞台空間で呼吸する愉しさを味わわせてもらいました。生徒会長さんからは「ジャンヌの強さと優しさを感じました」とお礼の言葉をいただきました。
撤去作業には大勢の生徒さんが集まってくれて、劇団員との会話も尽きることがありませんでした。

 
  アンセラン役の白石が話す撤去の手順と注意点に耳を傾ける生徒の皆さん

荷積み作業がすべて終わり、トラックのゲートが閉まる頃、演劇部の皆さんが私のもとに来てくれました。もっともっと話したかったのに時間切れでゴメンナサイ。先生からあなた方の感想をMailで寄せていただきました。ツアーメンバーみんなで読ませてもらいました、ありがとう!
外はもう真っ暗な中、部活を始めた生徒さんたちが大勢、あちらこちらで、私たちを乗せたバスとトラックをいつまでも元気に見送ってくれました。


折尾愛真中学校・高校

会場は北九州芸術劇場。1000人強の生徒さんたちで3階席まで埋まりました。この学校で風が公演するのは6回目になります。

舞台上で起きる一瞬一瞬の出来事に対して、ビビッドに反応を返してくれる皆さん。演劇という非日常の空間を思いっきり楽しんでくれているようでした。お礼の言葉からも、たくさんのことを受け取ってくれたことが感じられ、嬉しく思いました。
皆さんが退場し終えるのを待たずして撤去作業を始めた私たち。その様子にも生徒さんたちは興味津々、ノリノリで声をかけてくれました。


  ご尽力いただいた担当の先生方にお礼の色紙をお渡しして記念写真。

今週は以上3校での公演でした。お世話になった先生方に改めてお礼を申し上げます。
舞台空間に触れることによって、また、ひとりの少女ジャンヌの足跡をたどることによって、客席に座ったひとりひとりの中に、さまざまな発見や思いが生まれたことの一端を聞かせてもらうことができました。
もう消えてなくなってしまった2時間……でも、これから先のいつの日か、あの時の印象が姿や形を変えて、皆さんの心の中に思い出されることを願っています。

「ジャンヌ・ダルク」2017年秋のツアーも折り返しを迎えました。気を引き締めて、後半に向かいます!

木村奈津子:ヨランド・ダラゴン役

 

2017秋『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』東・西日本巡回ツアー最終週

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9月から始まった『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』2017秋 東・西日本巡回公演は、

11月6日[月] 金光大阪中学校・高校(大阪府/同校体育館)

11月7日[火] 中百舌鳥中学校(大阪府/同校体育館)

の公演で最終週を迎えました。

ブログの投稿が遅くなり、両校のみなさん、本当にごめんなさい。

この週は両日とも大阪府での公演。エネルギー溢れる生徒さんたちと、その生徒さんたちを想う先生方に支えられ、学校と劇団が一緒になって演劇の場をつくれたと感じる2日間でした。

金光大阪中学校・高校

前日の日曜日、学校の体育館で舞台の仕込みを行いました。金光大阪中学校・高校の大きな体育館は2階にあります。そこへ、今さっき試合を終えたばかりのサッカー部の生徒さんたちがお手伝いに来てくれました!部活の指導をされている先生と楽しそうに声を掛け合い、軽快なフットワークで荷物を運び込んでくれたサッカー部のみなさん。試合後すぐに駆けつけてくれてありがとう。みなさんの笑顔や、絶妙なチームワークに元気をもらいました。

そして公演当日。体育館は生徒さんと先生方でいっぱいになりました。体育館の水銀灯が消え、いよいよ芝居が始まります。およそ1000人の視線が舞台に注がれました。始まりから終わりまで、本当に集中して、目の前で起きていることを見続けてくれました。中学生が笑うことで空間が和らいだり、高校生が引き締まった雰囲気をつくったり、と、色々な場を生み出してくれました。

終演後には演劇部のみなさんと座談会・舞台見学を行いました。話を聞いてみると彼らは、自分たちのこれからの活動について、とても真剣に考えていました。舞台装置、音響、照明、俳優や演出、今日見て、聞いて、触れたすべてに関心を持ってくれていました。模索をしながら、お互いに言葉を交わし合い、「みなさんがつくりだしてみたい演劇部」を探し続けてほしいと思います。

さらに、サッカー部、野球部のみなさんが撤去のお手伝いをしてくれると事前に伺っていたのですが、なんと!嬉しい悲鳴が上がるほどたくさんの部活動の生徒さんが撤去作業のために集まってくました。みんなとてもいい表情で俳優と話したり、積極的に荷物を運んでくれたり、頼もしかったです!とてもいい時間と思い出をつくることができました。

この公演を行うために、担当をしてくれた西村副校長先生も、みなさんが芝居を見る姿や手伝いをしてくれる姿に喜んでくれていました。金光大阪中学校・高校のみなさん、ありがとうございました。また再会できることを願っています。


中百舌鳥中学校

中百舌鳥中学校での公演も、記憶に刻まれる一日となりました。

体育館に入場して来た中百舌鳥中学校の生徒さん。私たちも驚くほどの元気の良さで、これから始まる芝居で、どんな出会いができるのか、ドキドキワクワクしていました。

開演直前、担当の周藤先生が生徒さんたちに呼び掛けます。『一瞬でも目を逸らすと、場面は変わっているかもしれません、大切なことを見逃さないように、見てくださいね!』

先生が生徒さんたちに声を掛けた通りみなさんは、細かな動きから言葉まで、どんな瞬間も見逃さずに、あちらこちらで舞台で起きていることに反応をしていました。思いきり笑い、疑問に思ったことは言葉にし、真剣になり、集中する。客席のみなさんの迫力には驚かされました。凄かったです。終演後の撤去の時間も、体育館の中は笑い声でいっぱいになり、賑やかでした。誰も彼もが一生懸命に進んで荷物を運んでくれました。面白い話を聞かせてくれたり、丁寧に挨拶をしてくれたり、優しく声を掛けてくれたり、本当に楽しかったです。部活が始まる寸前までみなさんは撤去作業に協力してくれました。中百舌鳥中学校のみなさんのこと、忘れません。いつかこの日のこと、思い返してくれたら嬉しいです。

『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』2017年秋の巡回公演は幕を閉じました。この秋も、たくさんの出会い(そこには積み重ねてきた色んな時間も)がありました。『今日出会ったばかりなのに、こんなふうに話ができるなんて。別れを言うのが寂しい。会えて良かった。』と、言葉を贈ってくれた生徒さんがいました。直接言葉を交わし合うことが出来たあなたのなかに、演劇と言う場を通じて出会うことが出来たあなたのなかに、いつか、何かが起きること(自分に自信を持ったり、人や物事と向き合う始まりを見いだしたり)を、私たちは願って、その一瞬に自身のすべてを懸けて旅を続けてきました。この度の時間と出会いと記憶を体に刻み、これからも真摯に人、演劇と向き合っていきます。

生徒のみなさん、先生方、本当にありがとうございました。

アニー・サリバン役: 渋谷愛

2017年 秋 『ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎』 九州巡回公演 第9週目

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9月下旬から始まった『ジャンヌ・ダルク』の九州ツアーも、気が付けば2か月たち12月に入ろうとしています。

トップの写真は、長崎県の小浜高校にて終演後の撤去作業を手伝ってくれた有志の生徒さんです。

第9週目は、

11月20日 (月)中津東高等学校

11月21日 (火)中津北高等学校

11月22日 (水)大分工業高等専門学校

11月24日 (金)小浜高等学校

大分から長崎へ九州を横断する中で、新たな出会いや再会、そして風が歩み続けてきた道のりをより鮮明に感じることのできた1週間になりました。


中津東高等学校

最初の学校は、シャルル7世を演じる石岡和総の母校での公演です!

前回の『ハムレット』と同様に公演中も終演後も、とても元気な姿を見せてくれました。

なんとお手伝いに参加してくれたサッカー部のコーチを務める先生は、石岡の同級生でした。開演前の挨拶で担当の先生がそのことを伝えた瞬間、客席の驚きの声がとても印象的でした。

公演は、とても自由に演劇を楽しむ姿を失わずに、終始、真剣な眼差しを舞台に注いでくれました。学校の雰囲気は、在校する生徒さんや先生方によって常に変化していくものだと思います。しかし、この日の公演は以前、ハムレットを上演した中津東高校を鮮明に思い出すほど、変わらぬ表情に出会わせてもらいました。

写真は卒業生から在校生に色紙の受け渡しです。

石岡自身にとっても、この体育館で在校中にハムレットを観劇し、風への入団を決心した彼のスタート地点です。あの時、客席にいた石岡と共に舞台に立っている喜びと、その彼が劇団員として高校生の前に立っているこの時間の流れが、風の巡回公演を行い続けるとても大切にしたい意義を発見させてくれました。

終演後のお手伝いも、当初サッカー部の生徒さんと聞いていましたが、野球部や女子バスケ部と快く参加してくれました。先生方もそんな彼ら、彼女たちの背中を見つめながらも、十代に負けない姿で劇団員と共に動いてくれました。

 

そして中津市2日目は

中津北高等学校

朝、学校に到着するとすでにお手伝いの生徒さんが体育館で待っていてくれ、「公演楽しみにしてました!」と寒さを吹き飛ばすほどの笑顔で劇団員を迎えてくれました。

開場すると体育館に広がる驚きの声が、朝の時間をギリギリまで参加してくれた生徒さんだけではなく、学校全体が演劇を待ち望んでいてくれていたことを感じさせてくれました。公演は朝の笑顔と打って変わってひりつく様な緊張感を持ちながら、ジャンヌの姿を目で追っているようでした。

カーテンコールでは、担当の先生から”中津北流のお礼”を全校生徒と先生方から盛大な拍手でいただきました。
そして、終演直後の退場指導を行う先生が一言「すごい舞台だね。ここに置いておいてほしいね。」と生徒さんたちに語り掛けている声に、舞台裏にいた劇団員はとても嬉しく、また公演の終わりと別れが近づいている寂しさを共有した気がします。

先生の言葉に背中を押されてか、急遽、舞台裏見学が行われました。

撤去作業には朝に参加してくれた皆さんだけでなく多くの生徒さんが参加してくれました。劇団員が事細かに説明する必要のないくらいに、自分たちでどのように運ぶべきかを話し合いながら、考えて動いている姿がとても印象的でした。


大分工業高等専門学校

雨がパラパラと降るなか、この日も朝から学生会の皆さんが大道具搬入作業を手伝ってくれました。それも一限の授業のない学生は、搬入が終わるまで参加してくれ、授業のある学生さんは少し後ろ髪引かれるような姿を見せてくれました。

高専での公演は一般の高等学校と異なり5年間の一貫教育があるので、普段の公演よりもより幅の広い年齢層との出会いがあります。1年生から3年生の他校と変わらぬ高校生らしい反応から、4年生・5年生のより批評的な視線も相まって互いに楽しむことや、真剣に見つめることを再確認させあいながら舞台を見つめていました。終演後の挨拶では学生会長さんが「僕にはジャンヌのように神の声は聞こえませんが、学生たちの声をよく聞いて学校をより良く出来るようにしていきたいです。」と、いま観た演劇をすでに自分のものにし、真摯に学生に向き合おうとする立派な姿に出会わせてくれました。

終演後の撤去作業もまた学生会の皆さんが参加してくれ、自分たちで声をかけ合いながら他の人の作業をしっかりと見つめ、進んで手を出し協力的に作業を行っていました。演劇は俳優や演出、照明や音響、舞台美術と様々な人間が関わる芸術だからこそ、私たちも日々の作業についても意見の出し合いや、協力することの重要性をお手伝いの皆さんにも伝えたいと考えています。

普段の姿に戻った体育館。『ジャンヌ・ダルク』の公演を共に創り、お互いの胸の中に今日という日を持ち続けたいと願い座長の柳瀬は最後の挨拶をいています。

そして写真には残せませんでしたが、こちらの学校には中津東高校で石岡の担任をされていた先生が、教え子の姿を観るために来てくれていました。

 

小浜高等学校

第9週目、最後の学校は長崎県の小浜高校です。なんとも嬉しいことにこちらでも朝の寒いなかから搬入作業に沢山の生徒さんが参加してくれました。開演直後から演劇との出会いに驚きの表情を持ちながらも、とても集中した視線を舞台に注いでくれていました。

何よりもジャンヌに最後に審判を伝える台詞では、とてもショックな表情とジャンヌの内面を必死に感じ取ろうとしていた生徒さんたちがとても印象的でした。

舞台撤去の時には観劇の時と同じくらいに集中し、楽しみながら作業していた姿が劇団員に大きな喜びを与えてくれました。ジャンヌ役の高階と話したいと、有志で最後までお手伝いをしてくれた生徒さんを加えると50名近くのお手伝いがありました。

全校生徒230名もいない小浜高校ですので、1/5の生徒さんがいたことに後になって驚かされました。

ジャンヌ・ダルクの九州ツアーも折り返しを過ぎ、来週で11月が終わります。

第9週目を終え、自分たちが舞台に立つことから演劇の創りだす様々な可能性に出会わせてもらった一週間になったと実感しました。沢山の出会いがあり、常に別れのなかで巡回公演を突き進んいきますが、必ずどこかで出会えることを信じ次の公演の地に向かっていきます。

生徒を見守る先生方の姿や願いを真摯に受け止め公演を続けることが、見守られていた存在が舞台に立ち、見守る存在になっていることに驚きと責任をより強く感じました。

風は冬の寒さに負けることなく九州を駆け抜けていきます。

風のバスとトラックを見つけたらいつでも声をかけて下さい!再会の日を心待ちにしています。

 

アンセラン/ピエール・コーション

白石圭司

2017年 秋 『ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎』 九州巡回公演 第10週目

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  『ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎』の九州巡回公演も第10週目を迎えました。
12月に入り、秋の涼しさから、寒さの増す季節となりましたが、そんな寒さを吹き飛ばすような、熱い想いを持った若い観客と先生方に出会い支えられた一週間となりました。

九州巡回公演第10週目は、

11月27日(月) 福岡県 明光学園中学校・高等学校
        28日(火)   〃     柳川高等学校
        29日(水)   〃     宇美商業高等学校
        30日(木)   〃     小倉商業高等学校
12月  1日(金)    〃     三潴高等学校
          2日(土)    〃    九州産業大学附属九州高等学校

での公演です。

明光学園中学校・高等学校 第10週目の始まりは、福岡県の明光学園中学校・高等学校での公演です。 ブログのTOP画は、終演後のお手伝いに来てくれたハンドボール部の生徒さんとの写真です。
2011年の『ハムレット』、2014年の『ヘレン・ケラー』に続き、風の公演は3回目となりました。 高校生の中には、3年前の『ヘレン・ケラー』を観た生徒さんもおり、時を経ての再会の公演ともなりました。
女子校でもある明光学園での公演。
公演が始まると、『ジャンヌ・ダルク』の物語の出来事ひとつひとつに、時には笑ったり、一緒に観ている友人たちと反応したり、そして、時には静かな眼差しで見つめたりと、とても自由な姿で舞台に向き合ってくれているのが印象的でした。
また、校長先生からは、「なかなか声をあげるのが難しい時代の中で、『ジャンヌ・ダルク』の公演は、彼女たちの中にきっと何か残したはずです。」と語って下さいました。

終演後には、ハンドボール部の生徒さん方と演劇部の皆さんが撤去作業のお手伝いに来てくれました。

撤去作業が終わった後は、演劇部の部長さんが、代表で色紙を受け取ってくれました。 色紙を受け取った部長さんは、熱い想いのこもったメッセージをジャンヌ役の高階に伝えていました。

柳川高等学校 今週2日目は、柳川高等学校の皆さんと柳川市民会館での公演が行われました。 柳川高等学校では、なんと今回の『ジャンヌ・ダルク』で、風は7回目の公演となりました。 また、近年では、2015年に『ヘレン・ケラー』の公演を行っており、高校生3年生の生徒さん方にとっては、またもや再会の公演となりました。


約1000人の客席に支えられた舞台は、物語が進むと同時に客席からの“観る”対話を通して、とても濃密な空間となったように感じました。
また、終演後には、代表の生徒さんよりお礼の言葉を頂き、「まるで600年前のフランスに引き込まれたようでした。ジャンヌのように信念を持ち続けることの大切さを感じました。」と、しっかりとした口調で話してくれる姿に、彼女たち、彼ら自身もまた『ジャンヌ・ダルク』の物語をひとりひとりが受け止め、自身も語り手として、様々なことを感じ、考え、舞台に向きあってくれていたのだなと強く感じた公演となりました。

宇美商業高等学校 今週3日目は、宇美商業高等学校での公演です。 宇美商業高等学校では、風は24年ぶり、3回目の公演となりました。
2階の体育館での公演ということもあり、前日の夜からの搬入作業となりましたが、宇美商業高等学校に着くと、夜の遅い時間にも関わらず担当の先生をはじめ、多くの先生方が搬入作業のお手伝いのために待っていてくれていました。 また、女子バレー部の生徒さん方も、ちょうど部活を終えた後、みんなで協力して、明日の公演のために体育館にシートを敷く作業をしてくれていました。 大変な2階搬入も、明日の公演や生徒さん方の姿を想い、笑顔でお手伝いをして下さる先生方に支えられてあっという間に終わりました。

そして迎えた本番。 『ジャンヌ・ダルク』の世界を、色めく好奇心と探究心に満ち溢れるような眼差しで観ている客席からは、とても力強いものを感じました。 また終演後の代表の生徒さんのお礼の言葉を頂き、「自分も心が折れそうになっても、ジャンヌのように諦めない」という言葉がとても印象的でした。
そして、終演後には、なんと!約200人もの生徒さん方と先生方が後片付けの搬出作業にお手伝いに来てくれました!

先生方の中には「いやー、筋肉痛になっちゃいました」と話しながらも、最後の最後まで笑顔で生徒さん方と一緒に公演を支えて下さいました。 本当にありがとうこざいました!

小倉商業高等学校 今週も折り返しとなった4日目の公演は、小倉商業高等学校での公演です。 小倉商業高等学校での公演は、1988年の『ハムレット』、2012年の『Touch』に続き風は3回目の公演となりました。 こちらも、2階体育館での公演でしたので、前日の夜搬入の作業となりました。 小倉商業高等学校でも、担当の先生を始め、前回の『Touch』の公演の時の担当の先生や演劇部の顧問の先生方が夜の遅い時間にも関わらず、明日の公演の為にお手伝いをして下さいました。
そして、迎えた本番では、とてもしっかりとした表情で、舞台に熱い視線を向ける客席に支えられた公演となりました。 また、なんと校長先生自ら、体育館で座って見ている生徒さん方に紛れて、一緒になって鑑賞をして下さっていました! のちに、ジャンヌ役の高階に、「生徒がどういう表情で観ているのか気になって一緒に鑑賞しました。下を向いている生徒がいて、あれ?寝ているのかな?と思ったら、違ったんですよ。何か真剣な表情で考えていたんですよ。」と語ってくれていたそうです。 校長先生の言葉から、たった2時間の時間のなかでしたが、その瞬間瞬間のなかで若い観客たちが様々なことを捉え、発見し、全身を震わせながら、息づいてくれていたのだなと感じました。

また、終演後には、バックステージツアーも行われました。 小倉商業高等学校の演劇部の生徒さん方。 好奇心の赴くままに思い思いに舞台や袖の中を見たり、触れたりしていました。

そして、撤去作業のお手伝いには、強制にしたくなかったという先生の想いもあり、あまり、声を掛けずにいたそうでしたが、たくさんの生徒さん方が来てくれました! 本当にありがとうございました!

三潴高等学校 今週5日目の公演は、三潴高等学校での公演です。 風の公演は初めてとなる三潴高等学校での公演。
校長先生の劇団紹介と挨拶から始まり、先生の言葉からバトンを受け取るように、大きな拍手とともに始まった公演。 先生方の想いを受け取るように、冒頭のシーンから、今からここで何が行われるのだろうかとしっかりとした目線を舞台に注いでいました。 物語が進んでいくにつれ、彼らの瞳には光が増し、ジャンヌの行く末を見守るような緊張感漂う空間となっていました。 彼ら自身もジャンヌへの願いや祈り、ジャンヌ・ダルクの生きた世界への想いを感じるような公演となりました。   また、終演後には、野球部をはじめ、たくさんの部活の生徒さんも集まってくれました!  

慣れない作業もあった中、みんな笑顔で積極的にお手伝いをしてくれました。 男の子たちが多い中、女の子たちも負けないくらい力強くてお手伝いをしてくれました。 そして、一緒にお手伝いをしてくれた女子バレー部は、なんと、次の日が大会だと聞きました! 撤去作業が終わった後、真剣な表情で部活を始めるバレー部の皆さん。 なによりも、みんなで試合が出来ることが、嬉しくて楽しみだと語ってくれた部長さんの姿は忘れられません。 『ジャンヌ・ダルクの』の公演を通して、彼女たち、彼らにとって、少しでも何かの糧となって頂ければ幸いです。


九州産業大学付属九州高等学校 今週最後の公演は、九州産業大学附属九州高等学校の1年生の皆さんとの公演でした。 こちらの学校では、風の公演は5回目となりました。 また、2014年の『ヘレン・ケラー』の公演からは、毎年1年生は、風の演劇鑑賞をすることになっています。 午前開演ということもあり、前日の設営作業となりましたが、吹奏楽部の力強いお手伝いのおかげで、あっという間に舞台が組み上がりました。
そして、本番が始まると、ひとりひとりがしっかりとした身体を持って、真剣に舞台に向き合い、一緒になって、『ジャンヌ・ダルク』の世界を創ろうとしてくれる姿に支えられた公演となりました。

終演後には、バックステージツアーが行われました。 九州産業大学附属九州高等学校には、造形芸術科があり、舞台や小道具、衣装までも、とても細かい鋭い視点で観察している姿はとても驚かされるものばかりでした。 大盛り上がりのバックステージツアーとなりました。 バックステージツアー終演後に、ひとりの先生が「今日は本当にありがとうございました。今日、芸術鑑賞した生徒の中には、これから舞台や衣装など裏方に向かう生徒が多いと思います。とてもよい刺激となりました。この時間のことを胸に残して、きっと何か持って帰ってくれたと思います。」と語って下さいました。


また、バックステージツアーの後は、演劇部による座談会も行われました。 こちらもかなり盛り上がっていた様子でした!

そして、撤去作業のお手伝いには、前日の設営作業にも集まってくれた吹奏楽部の生徒さんが来てくれました!
今週は福岡県での公演が続いた週でした。  また、同じ福岡県内ということもあり、先生方の繋がりや想いもよらないような出会いもあり、とても盛り上がった週となりました。 前日仕込みの多い週となりましたが、どの学校でも、この公演を生徒に観せたい、そして、この時間が彼らにとって何か尊い時間となって欲しいという、先生方の願いや強い想い、また、その想いを受け取るようにしっかりと自分の身体で舞台に向き合おうとしてくれた若い観客たちの姿に、私たちも揺り動かされた週となりました。   この出会いの中で受け取った熱い想いを胸に、皆さんの姿を原動力に、まだまだ私たちの九州巡回公演での出会いの旅は続きます。   文:倉八ほなみ(イザボー・召使い役)    

2017年 秋 『ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎』九州巡回公演 第11週目

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残暑が残る9月から始まった『ジャンヌ・ダルク』の九州巡回公演も、12月に入りすっかり冬の装いに変わってきました。ですが、旅班は変わらず情熱を持って旅を続けています。

今週は

12月4日(月)  鹿児島県  曽於高校

         5日(火)  宮崎県  高城高校

         7日(木)  福岡県  大牟田高校

での公演でした。

 

曽於高校

この学校は、同じ地区の末吉高校、財部高校、岩川高校の三校が統合してできた普通科、工業系、商業系、農業系の科がある新しい学校です。

朝、学校に着くと生徒会の生徒たち、先生方があたたかく迎えてくれました。

公演が始まると、それぞれの感性を使って、一生懸命に舞台に視線を注いでくれていました。目の前で起こる出来事をじっくりと味わうように見てくれていました。

カーテンコールでは生徒会長さんが「役者さんのひとつひとつの言葉が、胸に突き刺さったり、心にのこったりしました。」と力強く話してくれました。

公演後には有志の生徒の皆さんが舞台撤去を手伝ってくれました。事前に参加希望を出していた生徒の皆さんに加えて、公演を見たことをきっかけに集まってくれた生徒さんも多く、総勢で100人以上集まってくれました。生徒が劇団員と交流してくれることを楽しみにしてくれていた担当の先生も集まってくれた生徒たちの多さに驚かれていると同時に喜ばれていました。ありがとうございました。

 

高城高校

この日も朝から21HR(2年1組)の生徒のみなさんが搬入のお手伝いをしてくれました。自分たちが運んだものがこのあとどうなるのか、楽しみにしてくれていました。

公演中の客席は、見たものに対して真っ直ぐというか素直に反応をしながら、ときに笑い、ときに隣にいる仲間たちと話をしながら楽しんで見てくれていました。

終演後、代表の生徒さんが「皆さんの演技で他の人たちにも素敵な時間を届けてください。」と、心のこもったメッセージを伝えてくれました。

公演後の舞台撤去には、演劇部、野球部の生徒の皆さんと飛び入りで参加してくれた3年生がお手伝いをしてくれました。

今日見たものや将来の目標について劇団員に真剣に話をする生徒、元気に仲間たちを盛り上げる生徒、そこここで交流が生まれ、終始笑顔の絶えない充実した時間となりました。

 

大牟田高校

午前の会は総合科、工業科、調理科の生徒約900人が観劇をしました。

自分が見たもの、感じたものを逃すまいと真剣に舞台と向き合ってくれていました。

 

午後の会は普通科の生徒約350人が観劇をしました。

午前の会とは雰囲気が違い、はじめはゆったりとリラックスして見ていましたが、物語が進むにつれて、ピンと張り詰めたような緊張感をもって見てくれていました。

同じ学校でもこんなに空間が変わるのかと、あらためて客席の持つ力に面白さと驚きを感じました。

終演後に、担当の先生が「2時間が本当にあっという間でした。うちの生徒たちは本格的な演劇を見る機会がないので、きっと残るものがあったのではないでしょうか。」と話してくださいました。


高校生の頃の2時間というのはあっという間のことかもしれません。でも、その時間が彼ら自身の生きる力に、新しい何かを発見したり、過去を顧みるきっかけになってくれることを願っています。

今週末は、文化庁の事業で同じ九州を巡回している『星の王子さま』のメンバーと合流しました。

お互いが旅を通して得た経験、感触を交換し合い、その話は夜遅くまで尽きませんでした。

あらためて、私たちが若い観客の前に立ち演劇をつくることの意味を考え、話す時間となりました。

そして、『ジャンヌ・ダルク』は鹿児島へ、『星の王子さま』は熊本へ。

それぞれの旅はまだまだ続きます。

 

文:伝令・死刑執行人  佐藤勇太

2017年 秋 『ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎』 九州巡回公演 第12週目

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2017年 秋 『ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎』 九州巡回公演 第12週目

今週は、今年一番の寒さを迎え、鹿児島、長崎、福岡を旅してきました。


12月11日 (月) 鹿児島県 鳳凰高校
       13日 (水) 長崎県 佐世保工業高等専門学校

       15日 (金) 福岡県 福岡女子商業高校 


鳳凰高校

鳳凰高校では、全校生徒が1600人でしたので、午前の部、午後の部での2ステージ公演でした。
とても寒い体育館のはずが、客席側から登場するオープニングのシーンでは、体育館の中はみんなの熱気に包まれていて、役者たちの登場を温かく迎え入れてくれました。
舞台上に立っている時の感触は、とても細かい所まで良く観ているなと感じました。
舞台に立つ役者なら当然の事ですが、改めて子どもたちの視線の鋭さや集中力を感じ、たった今一度きりの公演を大切にしなければ、と強く感じる公演でした。

佐世保工業高等専門学校

佐世保工業高等専門学校での公演は、学生さんが900人いらっしゃるので、体育館の一番奥からステージを組みました。可能な限り客席を広くするためです。
この日の客席は、とても大人っぽい観劇態度をしてくれていました。
僕たちは芸術鑑賞行事の時に、子ども向けに演劇をつくり変えたりはしません。
佐世保工業高等専門学校の学生さんたちは、大人たちが思っている以上に大人の準備や覚悟がある、立派な態度で鑑賞してくれました。
態度とはなかなか人の目には映らないもの。
何かに臨む時、大切な姿勢だと感じました。


福岡女子商業高校

福岡女子商業高校での公演は、先生方も含めて生徒さんひとりひとりが、自由に伸び伸びと楽しんでくれていました。
朝早くからお手伝いに来てくれたこと。客席から飛び出す笑い声。幕間の休憩時間での明るい姿。公演後のお片付けの積極性。そのどれもが眩しくて、とても和やかな一日になりました。この日の公演では、声を掛け合い協力する彼女たちの姿をとても美しく感じました。本当に楽しんでくれたみたいですね。ありがとう!
公演後の片付けでは、舞台に興味を持ってくれて何度も声かけてくれました。
短い時間でしたが、少しでも思い出に残ってくれたのなら幸いです。



今年のジャンヌダルクの旅は、いよいよクライマックスを迎えます。
みんなの声が奏でるメロディー、心に燃える炎が。
脳内に響いて、身体を火照らせています。
今、笑顔溢れて!

泥棒・公爵・旅役者/車 宗洸

2017年 秋「ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎」九州巡回公演 最終週

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9月下旬、まだまだ暑かった九州の地で始まった「ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎」九州巡回公演。

12月に入り、九州にも冬到来。2017年秋「ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎」九州巡回公演もいよいよ最終週です。

 

12月18日(月) 鹿児島県  鹿屋工業高校 同校体育館

12月19日(火) 鹿児島県  野田女子高校 同校体育館

12月20日(水) 大分県  津久見高校  津久見市民会館

 

 

 鹿屋工業高校 

 

 

この学校での「ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎」の公演は、2015年「ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち」の公演を1年生の時に見た、3年生の生徒との再会と1・2年生との新たな出会いとが入り混じった公演でした。

 

朝、学校に到着すると、文化委員の生徒さんたちが20人程、今日の公演の準備をしていました。

そして、そのまま11tトラックから出てくる舞台道具を体育館に運び入れる作業をお手伝いしてくれました。

 

生徒さんたちから「前の方で見たい」という要望があったりと、「ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎」の公演への期待感が生徒たちの中に、そしてその生徒の声を聞いた先生方のなかにもあったようです。

生徒さんたちは、客席の後ろから入ってくる役者を元気いっぱいに声をあげながら迎え入れてくれ、「待ってました!」「楽しみにしてます」と声をかけてくれる子たちもいました。

本番の始まりから、溢れんばかりのエネルギーを注いでくれた彼らは、とても強く自分自身を持ちながらジャンヌ・ダルクの世界に体ごと向けていたと思います。

 

終演後には、朝も舞台道具の運び入れの作業をお手伝いしてくれた、文化委員会の生徒さんたちに加え、多くの希望者の生徒さんたちがお手伝いに来てくれました。

 

1年生の時に「ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち」の公演を観た3年生の生徒さんも居ました。

その中の一人の3年生の女子生徒さんが「1年生の時に観たヘレン・ケラーの公演で初めて、演劇というものを知り、これまで演劇をみる機会もなく、関心もなかったのですが、そのヘレン・ケラーの鑑賞がきっかけで今、地元の人たちが参加できるミュージカルに出演したりしています。今回また風さんの舞台を見ることができて本当に嬉しかったです。」とヘレン・ケラーを見たときの2年前の自身の姿を、ついこの間のことのように語ってくれ、今、自分が向かっていること、思い描いているこれからのことをたくさん伝えてくれました。

 

 

 

再会した3年生の姿や、この日初めて出会った1・2年生の姿にも2年前の鹿屋工業高校での「ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち」の公演を2年も前のことのように思えないほど間近な時間として思い起こさせられた「ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎」の公演でした。

 

 

 

 

 

 

 野田女子高校 

 

 

野田女子高校は2004年の「ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち」の公演以来、13年ぶりとなる風の公演でした。

朝から舞台道具の運び入れの作業にバレー部の生徒さんたちが力を貸してくれました。

 

生徒さんと先生方約300人に保護者の方々も加わった客席に迎え入れられた本番は、一人一人の舞台に向かう眼差しがダイレクトに伝わってくる距離感がとても印象に残っています。

笑いたいところは大いに笑ったり、じっと舞台に目を向けていたり、言葉をよく聞いて、ジャンヌ・ダルクの世界に浸されるように見ていました。

また、ジャンヌ・ダルクが火あぶりにされる芝居のクライマックス差し掛かるところからの客席の姿は、自分たち自身もクライマックスを作っていくような、盛り上がっていく空気を強く感じました。

 

終演後、朝も作業に手を貸してくれたバレー部の生徒さんたちに加え、運動部の生徒さん、有志で来てくれた生徒さん、と全校生徒の半分くらいの生徒さんたちが役者やスタッフに会いたいと、体育館にきて、舞台道具の片付けのお手伝いもしてくれました。

 

作業を一緒にしていく中でたくさんの生徒さんが声をかけに来てくれ芝居の場面を再現してみたり、自分が聞いたセリフを自分で言葉にしてみたり、自分が受け取ったものをたくさんたくさん伝えてくれ、「スタッフの仕事も見てみたい」と音響スタッフや照明スタッフ、舞台美術家に駆け寄る姿もありました。

 

 

 

自分が出会ったものや、隣で見ていたクラスの仲間たちが見ているものを感じながら居た時間、公演が終わった後に自分以外に伝えたいと思った一人一人の思いがきっと彼女たちにとっての大切にしたいものと、強く結びついていくのだろうと思う公演でした。

 

 

 

 

 

 

 津久見高校 

 

津久見高校での公演は今回で6回目となる公演でした。

体育館での公演を予定して居たのですが、大雨の影響で体育館が浸水してしまったとの連絡を受け、急遽、津久見市民会館での公演となりました。

公演前の最終打ち合わせに担当の先生が来られて、打ち合わせが終わると風との始まりの出会いの話をしてくれ、「本番の前にどうぞ」と津久見のみかんを一箱、差し入れて下さり、「生徒も楽しみにして居ました。よろしくお願いします。」と声をかけてくれました。私自身、その先生の姿や言葉にこれから出会う生徒さんたちの姿を強くイメージし、本番に向かいました。

 

 

楽屋にもひびきわたるほどの元気な声をあげながら勢いよく会場に入ってくる生徒さんたち。

保護者の方々もたくさん来られていました。

 

本番中の彼らは会場の雰囲気を一転させ、とても集中した様子で舞台上で起こる出来事の一つ一つを自分たちなりに考えながら、舞台に体を向けていました。

 

カーテンコールで改めて客席と顔をあわせると、「ジャンヌー!」と声をあげ、開場時の時の彼らの勢いを持った姿がまた戻って来ました。

 

終演後には舞台見学が行われ、先生方も生徒さんたちと一緒になりながら、舞台の道具が作っている世界観や、客席で見ていたものに触れ、スタッフにどうなっているのか、舞台の裏の裏側まで関心を持っている様子でした。

 

 

公演の日の前から担当の先生に「話を聞きたい」と言っていた1年生の女子生徒さんは「自分は今までテレビとかしか知らないからそういう女優さんを目指そうと思って、交流会を希望したのですが、今日初めてジャンヌ・ダルクを観て、舞台もいいなと思いました。」と涙ながらに伝えてくれました。

その彼女と、舞台をみて参加したいと参加してくれた2人の女子生徒さん、そして校長先生、教頭先生を含めた先生方、保護者の方々数名の参加のある、座談会が行われました。

 

座談会では担当の先生が大いに盛り上げてくれ、生徒さんたちの緊張感もほぐれた中で生徒さんたちを中心にして、質問や感想、たくさんの言葉が飛び交う時間となりました。

 

座談会はジャンヌ・ダルクの公演のことから劇団活動についての質問もあり、時間が足りなくなるほど時間いっぱい行われました。

 

 

最後、会館を去る時には、「座談会参加したかったです!」「待ってました!」という数名の生徒さんたちを担当の先生が連れて来てくれました。

 

その先生や、生徒さんたちの私たち劇団員を乗せたバスを見えなくなるまで見送る姿に、3ヶ月に及ぶ「ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎」九州巡回公演の千秋楽を迎えたことを改めて感じました。

 

 

 

 

 

自分が見たもの、聞いた言葉を伝えてくる若い観客たちの姿に、そして彼らが舞台を通して出会っているものや、感じ、受け取っているものを見守っている先生方の姿にすごく人の存在を感じる日々でした。

 

2017年、劇団創立30周年でした。

「ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎」九州巡回公演の3ヶ月に及ぶ旅の中で、出会って来た人の姿や表情が自分の中に大きく在りながら、年の瀬を迎えました。

また新しい年、今を生きる人たちの一瞬間に出会い続けていきたいと思います。

 

良いお年をお迎え下さい。

 

 

ジャンヌ・ダルク/高階ひかり

 

レパートリーシアターKAZE 2018

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東京演劇集団風 劇団創立30周年記念企画

レパートリーシアターKAZE 2018

2018年、レパートリーシアターKAZEでは昨年に続き[劇団創立30周年記念企画]として、新作・レパートリー作品6本、アトリエの会限定の〈詩劇〉2作品を上演します。今年も舞台を通して皆さまとの新たな出会いを生み出せるよう、取り組んでいきたいと思います。レパートリーシアターKAZEへのご来場を、心よりお待ちしております。

(※当初の日程から変更がございます。ご確認をお願いいたします)

 

創立30周年記念 レパートリーシアターKAZE第21回凱旋公演

ピカソの女たち~オルガ

Picasso's Women ― Olga

2018年2月10日[土]~12日[月・祝]開演:2時

作:ブライアン・マキャベラ Brian MacAvera 翻訳:志賀重仁

演出:ペトル・ヴトカレウ Petru Vutcărău

出演:辻由美子 

  

ひたむきな愛に生きたオルガの情念を描くひとり芝居

天才画家ピカソの最初の正妻オルガ・コクロヴァ。オルガは死後の世界から、ピカソへの愛憎に翻弄された日々を回顧する。

2005 年に初演し、海外公演を展開。2007 年にはルーマニア・バカウ市主催〈第2 回ガラ・スター国際演劇祭〉にて最優秀大賞を受賞、8年ぶりの東京公演です。

*2017年11月10日、ロシア・サハリン州立人形劇場で行われた国際演劇祭「奇跡の島2017」にて招聘公演を行いました。

 

創立30 周年記念 第92 回公演【レパートリー作品】

異邦人 L'Étranger

3月1日[木]~5日[月]開演:平日7時/土日2 時

作:アルベール・カミュ Albert Camus

脚本:浅野佳成  翻訳:窪田啓作(新潮文庫刊)/谷島貫太

演出:白石圭司  

出演:中村滋/緒方一則/栗山友彦/渋谷愛 

   佐藤勇太/坂牧明/酒井宗親ほか

彼が暮らす社会では、芝居をしないと

       異邦人として扱われるよりほかはない―

今日、ママンが死んだ……。

養老院で亡くなった母の葬儀で、ムルソーは何の感情も示さなかった。彼は友人のトラブルに巻き込まれて殺人を犯し、裁判にかけられ、斬首刑の宣告を受ける。

白石圭司が演出を担い、若き時代感覚をもって、不条理を見つめ、抗い、踏みとどまったカミュのまなざしに、人間が生きることの自由と希望を問う。

カミュの遺族、ガリマール出版社の全面協力のもと、小説からオリジナルの脚本を作成し、2012 年に初演。今回、新たに脚本と演出を再考し、上演に向かいます。

 

創立30周年記念 レパートリーシアターKAZE 春の劇場体験週間

ジャンヌ・ダルク―ジャンヌと炎

Jeanne d'Arc JEANNE ET LE FEU

3月18日[日]・19日[月]開演:平日7時/土日2時

※3月16 日・17 日は〈春の劇場体験週間〉として中野区愛成会(ふらっとなかの)の皆さんが観劇・体験します。

作:マテイ・ヴィスニユックMatéi Visniec   翻訳:志賀重仁

演出:浅野佳成

上演台本:ペトル・ヴトカレウPetru Vutcărău

出演:白根有子/栗山友彦/田中賢一

   佐藤勇太/石岡和総/車宗洸/坂牧明

   木村奈津子/工藤順子

 

いま、ひとりの少女が声をあげた―

ひとりの少女の声と炎が起こした〈奇跡の物語〉

戦争と貧困にあえぐフランスに現われた少女ジャンヌ・ダルク。彼女の〈声〉は、人びとを死と絶望から救うも、異端者とされ、ジャンヌは火あぶりの刑となってしまう。

作家が劇団に書き下ろし、日本、フランス、モルドバ共和国の共同制作によって生まれたレパートリー。

 

スーフルール ―ささやきの街頭詩劇

Stop, Breath, and Smile…

5月11日[金]・12日[土]開演:7時

構成 ・ 演出:オリビエ・コント Olivier Comte /浅野佳成

出演:Les Souffleurs commandos poétiques

   スーフルール・コマンド・ ポエティック/東京演劇集団風

 

立ち止まり、呼吸する―言葉のまなざしとの出会い

黒い傘と黒い扇子を手に、黒い衣服を纏った“スーフルール”。 彼らが街に現れたとき、公共空間は詩劇空間へと一変する。

ほんの少しの沈黙が、とびきりの笑顔の糧となる―。

 

創立30周年記念 第93 回公演【レパートリー作品】

母が口にした「進歩」その言葉はひどく嘘っぽく響いていた

Le mot progrès dans la bouche de ma mère sonnait terriblement faux

4月4日[水]~8日[日]開演:平日7時/土日2時

作:マテイ・ヴィスニユック Matéi Visniec 翻訳:川口覚子

構成・演出:江原早哉香

出演:緒方一則/柴崎美納/佐野準

   白根有子/柳瀬太一/栗山友彦/佐藤勇太/稲葉礼恵

   仲村三千代/保角淳子/辻由美子

地中から響く、過去からの〈挫折した希望〉の歌―

この国で、幸せな母親とは、自分の子どもたちがどこに埋められているのかを知っている母親です―。

紛争で死んだ息子の遺体を探す父親と母親。彼らは息子の声に導かれ、この土地の瓦礫のなかで多様に重なり合う死者たちの遂げられなかった希望を救いだしていく―。

家族を取りまく奇妙な隣人や泣き女。そして都会にたたずむ、ひとりの歌う娼婦。「進歩」に取り残されてしまった小さな家族の姿を、パペットやマスクを用い、ユーモアを持って描くマテイ・ヴィスニユックのレパートリー上演です。

 

【予告】

創立30 周年記念 第94 回公演【新作】

記憶の通り路―孤独にさいなまれる老婦人に気をつけて

Attention aux vieilles dames rongées par la solitude

8月28日[火]~9月2日[日]開演:平日7時/土日2 時

作:マテイ・ヴィスニユックMatéi Visniec   翻訳:川口覚子

構成・演出:江原早哉香

出演:柳瀬太一/白根有子 辻由美子 ほか

作曲・音楽制作:バンジャマン・クルシエBenjamin Coursier

舞台美術・衣裳:アンドラ・バドゥレスコAndra Badulesco

人形美術:エリック・ドゥニオー Eric Deniaud

音響:渡辺雄亮 照明:坂野貢也 舞台監督:佐田剛久

芸術監督:浅野佳成

わたしはあなたと同時に生きた―

ひとりの男が出会う若い女。男は彼女の波にのみこまれ、自らの記憶と出会っていく。

戦争を終え帰還を拒む兵士たち、国境を越えたい女、海からやってきた犬たち……

マテイ・ヴィスニユックの21世紀への鋭いまなざしが込められた15本の短編からなる戯曲を構成し、海外のスタッフと共に新たな作品づくりに取り組みます。劇団創立30周年企画のしめくくりとなる新作上演です。

 

〈レパートリーシアターKAZEアトリエの会 特別公演〉

詩劇 試み其の三

2月3日[土]・4日[日]開演:2時

構成・演出:浅野佳成

出演:柴崎美納/稲葉礼恵/渋谷愛/緒方一則/佐野準 ほか

詩劇 試み其の四

4月14日[土]・15日[日]開演:2時

構成・演出:浅野佳成

出演:白根有子/髙階ひかり/倉八ほなみ/柳瀬太一 ほか(予定)

完成から未完へ―

劇団が行っている「詩」を用いたワークショップを“詩劇”として発表

します。ランボーやボードレールなどの詩を構成し、俳優が詩を身体

化し演じる試み。アトリエの会会員限定公演となります。

2018年 春 「ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎」東・西日本巡回公演 第1週目

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2年ぶりの再演となる『母が口にした「進歩」その言葉はひどく嘘っぽく響いていた』の公演を終え、春のジャンヌ・ダルク巡回公演がスタートしました。

今年春のジャンヌ・ダルクは、東日本、西日本を横断する巡回公演となります。

その第一週目は2校とも東京都での公演でした!

 

5月1日(火) 「東京都」 東高校・品川総合区民会館きゅりあん

  2日(水) 「東京都」 東村山西高校・ルネこだいら

第一週目初めての公演は、東高校です。

東高校

東高校では、Touch、ヘレン・ケラー、に続き4年ぶりの再会となります。

開演前、舞台袖に聞こえてくる声には、これから始まることへの期待感と高揚を感じました。

本番中、舞台の上から感じる、客席からの視線、何かを噛みしめながらじっくりと観ているという感じでした。

終演後、ジャンヌ役の白根のあいさつを聞いている客席の姿には、何かを発見したようなそんなまなざしを感じました。

終演後には、演劇部とジャンヌ役の白根や照明チーフの坂野を交えての、バックステージ、座談会が行われました。

バックステージでは自分が今まで観ていたものに触れて、また新しい発見をしている姿が印象的でした。

座談会は役者のことだけでなく、照明など、多くの話で盛り上がりました。

 

 

 

 

 

 

 

2日目は東村山西高校の公演でした

東村山西高校

東村山西高校は、劇団の照明チーフ坂野の母校でもあり、前回のヘレン・ケラーから3年ぶりの再会です。

開演前、客席から感じる元気な雰囲気は、楽屋にスタンバイしている役者を奮起させられる元気な声を届けてくれました。

終演後、3年生の生徒会長さんのあいさつでは、「来年からは新しい生活が始まるので、私も信念を持って向かっていきたい」とこれからの自分の将来をジャンヌの姿と重ねた、素敵な挨拶をいただきました。

終演後には、演劇部と希望者によるバックステージ、座談会が行われました。

バックステージでは先輩で坂野から照明のことを聞いたり、実際人形などに触れて、自分が観ていたものの実感を確かめていました。

座談会では、ジャンヌ役の白根と素直な感想を交し合っていました。

 

 

 

 

 

ジャンヌ・ダルクの旅は、ゴールデンウィークを挟んでまだまだ続いていきます。

次の公演は秋田から始まります。

これから先に待っている生徒たちとの出会いも楽しみにしながら、一回一回を全力で駆け抜けていきます!

 

文:石岡和総(シャルル7世役)

春・西日本ツアー「ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち」第1週目 

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投稿が遅くなってしまい、申し訳ありません。

待っていてくれた方々、本当にお待たせしました。

「ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち」西日本巡回公演、いよいよスタートです。

 

5月8日(火)【福井県】公益財団法人越前市文化振興・施設管理事業団 越前市文化センター

5月9日(水)【福井県】丹南高校 同上

5月11日(金)【岡山県】高梁中学校 同校体育館

 

 

5月初旬〜7月中旬にかけて巡回する西日本地域での公演は、全60ステージです。

 

 

公益財団法人越前市文化振興・施設管理事業団

 

その第一回目となる公演は、公益財団法人越前市文化振興・施設管理事業団が主催となった、越前市の中学校合同公演でした。

市内の中学校9校(武生第一中学校・武生第二中学校・武生第三中学校・武生第五中学校・武生第六中学校・万葉中学校・南越中学校・池田中学校・武生第二中学校坂口分校)、およそ1600人の合同公演は午前と午後2ステージで上演しました。

 同時にロビーでは、福井県武生市(現越前市)出身の構成作家であり写真家、向瀬杜子春さんのインドの町シャンティニケタンの少数派民族サンタルに生きる人々や子供達の眼差しを捉えた、写真展が開催されました。

「ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち」の開場から開演の間にも、ホールのステージ横の壁面に越前和紙をスクリーンに見立て、プロジェクターを使って、向瀬さんの写真を上映しました。

 

まずは午前の公演。

少しの緊張感が漂っていた客席は少しずつ引き込まれていくようにして、真剣な眼差しを舞台に注いでくれました。

同じ越前市内とはいえ 校バラバラの学校とは思えないほどの一体感を感じる客席でした。

 

公演後の送り出しの際には、多くの先生が涙を目に溜めながら役者に言葉をかけて下さったり、「舞台に向かう子供達の姿に溢れるものがありました。」と伝えて下さる先生もいました。

そして、午後の公演。

開場時、とても元気よく入ってくる生徒さんたち。ヘレンとアニーの取っ組み合いにクスクスと笑い声をあげたり、今、自分が出会ったり、発見したものを大事にしながら舞台に目を向けてくれていたように思います。

 

午後の公演もバスで各地域から子供達が来ていたので舞台見学や座談会の時間を取ることが難しかったため、午前と同様に送り出しをしました。

 

生徒さんは舞台で見た指文字を私たち役者に向けてきてくれたりしながら、バスが出発し、姿が見えなくなる最後の最後まで思いっきり手を振ってくれました。

 

 生徒の皆さんを見送った後にこの公演にご尽力いただいた皆さんと共に記念写真!

 

丹南高校

 

丹南高校は芸術鑑賞行事自体、数年ぶりでした。

公益財団法人越前市文化振興・施設管理事業団が主催となった公演は、越前市の中学校合同公演と地域の方々を対象にした一般公演の二日間に渡る公演と写真展で、二日目の一般公演は夜の開演だったので、その日の昼の時間に単独で入った公演が丹南高校での公演です。

丹南高校は三年後に閉校することが決まっていて、今の子達や先生方に丹南高校で過ごす一つの思い出として届けたいという校長先生の熱い思いから実現した公演でもありました。

その校長先生の思いを受けっとったかのように、開演中の生徒さんたちはとても集中した様子でじっくりと食い入るように見ていたように感じます。

 

終演後直後に校長先生が楽屋まで来てくださり、涙ながらに「本当にやってよかったです。正直、見るかな?どうかな?という不安もあったのですが、彼らに賭けてよかったです。生徒もそして職員にとってもいい公演でした。みんないい表情を見せてくれたんです。ありがとうございました。」と伝えて下さいました。

 

演劇部との舞台見学、座談会も行われました。

演劇部の生徒さんたちは舞台道具に施された工夫や、照明、音響の仕事に強く興味を持ちながら、積極的に質問したり、道具や機材に触れていました。

座談会はそれぞれ聞きたいことを準備していたようで、メモを取りなら真剣に役者の言葉を聞いていました。

時間いっぱい行われた座談会の最後には握手を交わす中で、生徒さんの一人一人が言葉をかけてくれ、その中には涙を流しながらヘレン・ケラー役の倉八の手を握っている生徒さんの姿もありました。

 

 

公益財団法人越前市文化振興・施設管理事業団主催【一般公演】

 

夜、19時半開演で一般公演が行われました。

観客の中には写真展を見たお客さんや、向瀬さんの繋がりのお客さんがたくさん来てくださいました。

視覚障害の方や福井市から啓新高校の演劇部の生徒さん7人も公演に来て下さり、開演前には舞台見学を行いました。

 

視覚障害の方々はヘレン・ケラーの舞台を歩いたり、劇中に出でくる小道具、セットのありとあらゆるものに触れ、「この道具がどこで使われるのか楽しみにしています」と期待の声を伝えてくださったり、「自分は幼いころにヘレン・ケラーに頭を撫でてもらったことがあります」と話してくださいました。

演劇部の生徒さんたちは「自分たちで舞台を作ったり、道具を集めたりするので参考にしたい」と話しながら、熱心に舞台見学をしていました。

舞台見学に参加していた地域の方の中には高校生の時に演劇部だった時のことを思い出して来てくださっている方いて「高校生にとっていろんなことを見つけられる時間ですね」と演劇部の生徒さんたちの姿を見ながら話してくださっていました。

 

小さいお子さんから年配の方まで幅広い層が集まった客席は期待感を持ちながら、舞台に目を向けていました。

カーテンコール時には今回の公演と写真展を多くの越前市内の方々に繋いでくださった向瀬さんの高校の同級生の方が花束を贈ってくださいました。

 

終演後の送り出しの際には、多くの方が目に涙を浮かべ、役者の手を握って言葉をかけてくださいました。

 

向瀬さんはこの越前市の川沿いの家で過ごした5歳までの記憶がサンタルの村と結びついたのだと、そしてサンタルの子供達のまなざしを撮り続けたいと直感したのだと話していました。

この二日間、強く結ばれたものや「越前が好きだ」と伝えてくれた今を生きる若い子たちの思い描いているものや、その子たちの成長を見守る地域の方々が思い起こした記憶を確かに受け取ったのは、人の思いが繋いだ時間だったからだと強く感じます。

人の思いを、深い繋がりを目の当たりにし、自分自身感じた二日間でした。

 

 

高梁中学校

 

高梁中学校での公演は2010年の「肝っ玉おっ母とその子供たち」以来、8年ぶりとなる公演でした。

体育館での公演。

前日に舞台道具の運び入れのため学校へ向かうと部活を終えた中学生の皆さんが「あ!ヘレン・ケラーだ!」と校舎に入ってくる劇団のトラックとバスを迎えてくれました。

公演中の彼らは一つ一つの言葉よく聞いているような印象で前のめりになって見ている生徒さんもたくさんいました。

間の10分間の休憩の時間には指文字を友達同士で真似している様子が舞台袖に聞こえて来ました。

 

終演後は放課後の時間に保護者会がある関係で生徒さんはすぐに下校しなければならなったそうで、座談会や舞台見学、舞台道具の運びだしのお手伝いの時間を取ることができなかったので、役者全員で送り出しをしました。

 

 

役者にタッチしたり、役者の列の間に入って一緒に送り出しをして見たり、劇団員が向けたカメラに入って来たりと、その彼らの姿から、きっと何か伝えたいものがあるのだろうなと感じました。

 

始まりの5ステージ、観客の一人一人の顔が思い浮かぶ公演でした。

まだまだ続く55ステージ、これから出会っていく若い子たちや、先生方、保護者、地域の人々の人と人との間にあるものをまた見つけたいと思います。

文:高階ひかり(アニー・サリバン役)

2018年春・西日本ツアー「ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち」第2週目 

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先週末、岡山県で公演を終えた『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』の旅班は山口県防府市を経由して関門海峡を渡りました。

5月14日(月) 純心女子高校(長崎県) 同校体育館
5月16日(水) 山口大学教育学部附属光中学校(山口県) 同校体育館
5月18日(金) 島前交流公演(島根県) 島前高校体育館

長崎純心女子中学・高校


春の旅公演で唯一の九州での公演です。
毎年秋には九州で長い旅をする風のメンバーにとっては馴染み深い場所。長崎に着くととても懐かしく感じました。
純心女子中学・高校の体育館に前日の日曜日に舞台を組みました。教頭先生には夜遅くまでお付き合いいただき、生徒さんを迎える準備万端です!
当日は午前中の公演。登校してくる生徒さんたちの好奇心いっぱいの様子にこちらも楽しみになります。
聖母マリアを理想とする女子教育に力を入れている学校とのこと。シスターでもある校長先生のヘレン・ケラーとアニー・サリバンについてのお話は生徒さんへの願いが詰まっていました。話に引き込まれた雰囲気の中で開演。
生徒の皆さんの繊細でしっかり人と向き合う心が伝わってくるような2時間でした。


公演後の片付けをしている時、一年生の担任をしている先生が、主演の高階ひかりと倉八ほなみに聞きたいことがあると体育館を訪ねてきました。
今は親から自分の好きなことをやりなさいと言ってもらえる子が多いが、自分が何をしたいのか夢を見つけにくい時代。生徒の背中を押してやりたいが、どう夢を持たせてやれるのか…。演劇に情熱を傾ける2人が、いつ何をキッカケにこの道に進もうと思ったのか知りたい。生徒を想う先生の真剣さが伝わってくる出来事でした。

 

 



終演後は午後も授業があるため限られた時間でしたが、演劇部の皆さんとバックステージツアーを行いました。道具にふれながら出演者との話も弾みました。「前からヘレン・ケラーには興味があったけど、2人が出会う前にどんな葛藤があったのか、始まりの始まりを見られたのがよかった。」という生徒さんもいました。
生徒さんたちにとって今が始まりの時。たくさん悩んで、本当に自分の望むことを見つけて欲しいと思います。この学校にはちゃんと向き合ってくれる先生がいるはずです。






山口大学教育学部附光中学校


前日にトラックを置きに学校へ到着すると、学校の目の前が海…!
町はお祭りで賑わっていました。
昨年の山口大附属中での公演の好評に続いて、こちらでは初めての風の公演。担当をして下さった荒瀬教頭先生はなんと旅公演の座長、緒方一則の高校時代の後輩という方でした。

 




公演前に演劇クラブ、言語クラブの皆さんが舞台見学をしました。部活動とは別に文化祭に向けてのクラブがあるそうです。お互いに話しながら見学したり機材に触ったり、文化祭に向けての熱心さが伝わってきました。
公演中の体育館はとても暑かったけれど、一人一人が何かに出会おうと求めてそこにいると感じました。



カーテンコールの場での生徒会長さんからの言葉です。「まず、皆さんの演劇を見てプロだと思った。せりふを話す時は身体中で表現し、せりふのない時は視線や反応など細かいところから伝わるものがありました。文化祭での発表に生かしていきたい。」
この言葉を聞けば、光中の舞台発表が自分の身体で立ち、人との間に生まれるものを大事にしている貴重な経験の場であることがわかります。



公演後には先生方からの希望により、緒方が生徒さんに向けての講話を行いました。また片付けを手伝ってくれた男子・女子バスケ部と野球部の生徒さんはとても元気で積極的に劇団員に話しかけてくれました。素敵な笑顔の中学生たちと最後まで大いに盛り上がりました。








島前交流公演



七類港からフェリーで約3時間。キラキラ輝く海を越え、力強い岩場と木々の島が見えてきました。
島根県隠岐諸島の海士町、西ノ島町、知夫村の3島は島前(どうぜん)と呼ばれています。その中でも一番小さな島、知夫村で7年前に風の『星の王子さま』を公演しました。その時にお世話になった方々を訪ね、人の繋がりから生まれた今回の3島合同公演。
海士町にある隠岐島前高校の体育館を会場として、同校の先生方のご協力のもと今までにない交流公演の場が実現しました!



昼間の公演では海士中学、西ノ島中学、知夫中学、隠岐島前高校の皆さんが観劇しました。
「島前高校が地域の皆さんにとって身近な存在でありたいと思います。島と島が様々な違いを超えて繋がっていきたい。」という校長先生のお話を受けて開演しました。
客席の皆さんの、舞台の出来事を観察する熱く深いまなざしを感じました。



終演後には中学校の全校生徒さんと、高校の有志の生徒さんが舞台見学をしました。舞台の道具にふれ、照明や音響の操作を体験する生徒さんの生き生きとした姿を見て、先生方も驚いていました。船やバスで帰る中学生の皆さんを見送った後も、高校生の皆さんと劇団員との話が尽きることなくお互いに知り合うことができた時間でした。小学生の時に『星の王子さま』を見た子たちとの再会もあり、演劇の場が子どもたちの心に日常とは違う次元で鮮明に残っていくことを改めて感じました。




その夜は一般公演を行いました。小さな子どもたちを連れた家族や、私たちが島に着いた時に話しかけてくれた人、『星の王子さま』でお世話になった方々、演劇を見てみたかったという人たち、そしてツアーメンバーの家族や私たちの友人も隠岐の島まで駆けつけてくれてビックリ!
今回の2公演の主催者、海士町役場の濱中さんが開演前に挨拶をして下さいました。「私は昼間の公演で自分の家族のことを思いながら見ました。皆さんにもぜひ自分にとっての何かと重ねながら見ていただきたい。」終演後にお会いした方々の温かい笑顔や言葉から、交流公演を企画して下さった役場の方々の想いが観客席の皆さんにしっかり通じたのではないかと感じました。



私たちはいつも公演が終わると間もなく次の公演地へ向かいますが、今回は島ならではの交流の時間を創ることができました。
翌日、学校の寮におじゃまして島前高校の「ヒトツナギ部」の皆さんと交流しました。
人と繋がるという人生においてとても大切なことを求めてこの学校へ来た若い人たち。彼らの強い意志と自由な広がりを持つ考えは、人との真の出会いを求め続ける私たちの演劇活動と深く通じるものでした。
そして海士町の「ないものはない」(この島にないものはたくさんある。でも人間にとって本当に必要なものはここにある)という精神を島の人たちと出会うことで学びました。



私たちが演劇の場を創り旅を続けるのはなぜか?
私は自身にとっての大切なこと、考え、生き方をつかの間の出会いの中で人と交わしたい。そして人と繋がりたいからだと思いました。
まだ始まったばかりの“旅”について一人一人が考え公演に向かっていける一週間になりました。

文:稲葉礼恵(パーシー役)


2018年 春 『ジャンヌ・ダルク~ジャンヌと炎』 東日本巡回公演 第2週目

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5月2日以来、久しぶりに旅公演へと出発!

その間、劇団のアトリエがある群馬県みなかみ町での、町民の皆さんを対象にした『肝っ玉おっ母とその子供たち』の公演、向瀬杜子春さんの写真展「シャンティニケタン~平和郷の子どもたち」の開催、そしてフランスの芸術集団レ・スフルール・コマンド・ポエティックとの共同企画「エクリチュール・バガボンド」の実施と、充実した毎日を過ごしてきました。

これらの企画を通して得た経験と出会いを糧に、7月19日までの旅も充実したものにしていきたいと思います。

この週は、

5月22日 秋田県 十和田高校 同校体育館

   23日 茨城県 明秀学園日立高校 日立市民会館

     24日 栃木県 栃木翔南高校 栃木市栃木文化会館

   25日 茨城県 水戸第三高校 茨城県立県民文化センター

以上、4ステージの公演でした!

 

秋田県・十和田高校

東中野から600kmあまり、旅班は青森と岩手との県境に近い、秋田県鹿角市へ。

学校の体育館へ着くと、前任校で風の『星の王子さま』を見たという担当の先生が出迎えてくれました。

久しぶりの体育館での仕込み。しかし、みんなの力がついてきたこともあり、先生がびっくりされるくらいの時間に終了しました。

本番前、「ふるさと学習」を選択している生徒さんたちが舞台裏見学にやってきました。ふるさとのことをより深く学ぶため、地元の伝説などを芝居にする活動をしているそうです。舞台で使われる人形や衣装、小道具などに大きな興味を持って俳優やスタッフと交流していました!

撤収の時にはボランティア部の生徒さんも一緒になって、積極的にお手伝いをしてくれました。

定番の身振り!

終演後に生徒会長さんが、

「ジャンヌの生き方を見て、どんなにひどいことをされても許す心を持とうと思った」

と感想を言ってくれました。

その優しさはきっと、ほんとうの強さになって、たくさんの人たちの力になっていくのだと思います!

 

茨城県・明秀学園日立高校

2010年、12年、15年につづき、4回目となる同校での公演、今回は文化委員の生徒さんたちが中心となって開催されました。

5月16日には、劇団の俳優、西垣耕造のコミュニケーション・ワークショップを通して、演劇と他者への関心を深め、この日の芸術鑑賞につなげてくれました。

 

開演前から客席の元気な様子が伝わってきます。

文化委員の生徒さんの進行で、舞台は幕を開けました!

客席から登場する俳優たちに、驚きの表情を浮かべています。

カーテンコールではきれいな花束と素敵なあいさつをいただきました。

終演後の一コマ。いい表情です!

文化委員の生徒さんとの記念撮影。

自由な雰囲気の漂う、しかし、見るところは見る真剣さも持った客席でした。

今回の写真は、視聴覚担当のオドノフ・ダヒ先生が快く提供してくださいました!

「涙が出ました」と言ってくれた、アイルランド人のオドノフ先生、たくさんの素晴らしい写真をどうもありがとうございます!!

 

栃木県・栃木翔南高校

天候にも恵まれたこの週、初夏の日差しの中、KAZEトラックも映えます!

担当の先生があいさつに来られ、「4年前のヘレンケラーに感動しました。とても印象に残っている劇団です。今回も期待しています」と言ってくださり、開演前に校長先生が、「舞台芸術というのは、映像と違い、皆さんの想像力(創造力)がより活かされます」というあいさつをしてくださいました。

「若い観客である中高生にとって、その豊かな想像・創造力が発揮される舞台になっていただろうか」「先生方がこの行事に込めた期待に応えられる公演の場をつくれているだろうか」

自分の演技に埋没せずに、さまざまなことを私たちは旅の中でつねに問い続け、実践しなけばならないと改めて感じます。

大きく沸き、そして真剣なまなざしを送ってくれる客席でした。

『ジャンヌ・ダルク』の舞台を通して共に過ごした時間と空間が、何かを発見したり、思考したりするきっかけに少しでもなってくれたらと願います。

 

茨城県・水戸第三高校

劇団創立以来初めてとなる、水戸第三高校での公演。

期待をいっぱいに含んだ大きな盛り上がりのなかで開演しました。

終演後にバックステージツアーを予定していました。当初は10人ほどの予定でしたが、芝居のあとの先生の呼びかけで、本当に多くの生徒さんが会場に残ってくれました。

終わったばかりの熱の残る舞台で、自分たちが見たものに関心を寄せていろんなものに触れる姿が印象的でした。

当初は予定になかった座談会も開催され、ジャンヌ役の白根の話に興味深く耳を傾けていました。

その場ではなかなか発言できなかったひとりの生徒さんが、照明担当の坂野に「俳優をやりたいんだけど、どうやったら大きな声がだせるんでしょうか」と勇気を持って聞いてくれたそうです。その小さな勇気がきっと、俳優を目指すにしても、何かほかの夢を見つけた時も、その子の力になっていくのだと思います。

サイン色紙も嬉しそうにもらってくれました。

水戸第三高校とは初めての出会いでしたが、お互いに様々なことを交感できる場をつくれたのではないかと思います。

みんなの後輩たちともまた、会うことができたら嬉しいです!

 

この週から本格的に始まった『ジャンヌ・ダルク~ジャンヌと炎』の東日本ツアー。

人と人との出会いと交流のなかでつくられる数々の公演の場が、この時代においてどれほど貴重なものであるか、それを十分に噛みしめ反芻しながら、一回一回の上演を大切に旅をつづけていきたいと思います。

 

田中賢一(語り手役)

 

 

 

2018年春・西日本ツアー「ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち」第3週目

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春の巡回公演もあっという間に3週目となりました。

 

 

5月23日(水)防府西高校 (山口県) 同校体育館
5月24日(木)西城陽高校 (京都府) 文化パルク城陽
5月25日(金)坂出第一高校 (香川県) 坂出市民ホール

 

防府西高校


まずは山口県の防府西高校での体育館公演でした。
この日からアニー・サリバン役が渋谷愛となった初日です。
防府市は私が高校卒業まで暮らした故郷。その地で元気で活気ある若者たちと出会えました。創立40周年行事ということで、振り返ってみると私の同級生が第一回生の高校です。
開演前入場整列した後、司会の先生が「見えずらい人は前の側面側に移動してもいいですよ。」の声に一斉に動き出した姿は圧巻でした。演劇鑑賞を楽しみに待っていてくれた意識の高さを感じます。


芝居をリラックスして、なおかつ熱気を持って観ている眼差しが感じられる時間でした。
終演後もたくさんのバックステージツアーへの参加者と演劇部の座談会で盛り上がっていました。

 

 

 


女子バレー部、男女バスケ部、卓球部や有志の生徒さんたち、本当にたくさんのお手伝いありがとうございました!多くのお見送りを受けて京都へと移動しました。

 

西城陽高校

(西城陽高校の公演の模様は写真に撮れませんでした!申し訳ありません。)


西城陽高校は私たちにとって初めて上演させていただく学校です。
毎年二年生が舞台発表を秋に実施しているとのこと。そのため舞台上の役者はもちろん、美術・音響・照明・演出などさまざまに意識の高い鑑賞の姿を感じました。
この日は終演後、二年生全体での公開座談会を旅公演班みんなと実施しました。
総合芸術と呼ばれる演劇についての質疑応答では、生徒さんの質問をもとに演出の浅野佳成から役者について・転換での舞台の進行について・個性とは何かについてなど話していきました。音響さんと照明さんが息を合わせて場面を創るところなど、つい先ほど観た本番のワンシーンを再現して、みんなで力を合わせることの大切さを少しでも感じてもらえたのではないかと思います。秋の発表に向けて、発見とヒントをすこしでも感じてくれたならと願っています。

 

坂出第一高校



京都府から瀬戸大橋を渡り香川県坂出市へ。
坂出第一高校は今回で風は3度目の公演になります。『ヘレン・ケラー』は7年ぶりの上演となり、今回は創立111周年記念行事の一環としての鑑賞でした。


理事長先生・校長先生の講話の後、盛り上がりの中で開演。長い歴史を経て、今ここにあるということ、そのなかで多くの先達が築き上げた学校への想いを感じます。

 


終始舞台上で起こることを見逃すまいとする眼差しを感じながら元気な姿で鑑賞を楽しんでいました。

 


バックステージツアーは大盛況で興味津々に劇団員と語り合っていました!

写真部の女子生徒さん、ラグビー部の男子生徒さん最後までお手伝いいただきありがとうございます。


来週は万葉の里、畝傍から始まります。旅班一同元気な公演を続けていきます!

 

文:緒方一則(アナグノス校長役)

2018年 春 『ジャンヌ・ダルク~ジャンヌと炎』 東日本・西日本巡回公演 第3週目

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春の東日本・西日本巡回公演『ジャンヌ・ダルク~ジャンヌ炎』も3週目を迎えました。

3週目は栃木から兵庫へと東日本・西日本を横断する週となりました。

5月 28日(月) 栃木県 宇都宮中央女子高校 宇都宮市文化会館

   30日(水) 新潟県 糸魚川市教育委員会主催合同公演 糸魚川市民会館

   31日(木) 福島県 長沼高校 同校体育館

6月  1日(金) 栃木県 壬生高校 壬生中央公民館 城址公園ホール

    2日(土) 兵庫県 自由ヶ丘高校 同校体育館

 

宇都宮中央女子高校

今週の始まり宇都宮からスタートしました。

この公演は、宇都宮中央女子高校創立90周年行事として行われ、保護者の方々や同窓生の方々を迎えての公演でした。

本番中の生徒からはじっくりと何かを感じ、考えながら見ている、そんな強いまなざしを感じました。

終演後の生徒会長さんのあいさつでは「現代の私たちは、無限の可能性を持っていると感じました」と、この公演2時間の中で受け取った素敵な気持ちを言葉にしてくれました。

私たちも、この公演が生徒たちの無限の可能性と出会える一つのきっかけになってくれたらと思います。

終演後には、希望者の生徒によるバックステージツアーと座談会も行われました。

 

 開演前、これから起こることを楽しみにしている、そんな元気いっぱいの表情を見せてくれました。

 ジャンヌ役の白根とバックステージツアーを行う生徒たち。

 

 色紙を受け取った生徒と記念撮影をする白根。

糸魚川市教育委員会主催合同公演

糸魚川市教育委員会主催による糸魚川市の全中学校による合同公演でした。

市内全部の中学校ということもあり、人数の関係で午前午後の2ステージで行われ、午前が糸魚川中学校1・2年生と能生中学校の公演、午後は糸魚川中学校3年生と糸魚川東中学校と青海中学校の公演です。

午前の公演では、中学生とは思えないような静かなでも、観るものは見逃さないというようにじっと見ているという印象でした。

 

午後の公演は、午前とはまた違った元気な表情が、客席にあふれていました。でも、芝居が始まるとその元気は集中力に変わり、熱い視線とともに、一緒にジャンヌ・ダルクという2時間を作ってくれていました。

 

今日この日に、市内の中学生がみんなジャンヌ・ダルクを観たという、何か特別な思い出になってくれたらうれしいです!

 

長沼高校

長沼高校は創立70周年そして独立40周年ということもあり、同窓生、地域の方々を招いての鑑賞行事となりました。

普段はおとなしいと、担当の先生が仰っていた図書委員長さんが、終演後、みんなの前であいさつをしてくれました。そこにはジャンヌ・ダルクのような勇気を感じ、この2時間が、図書委員長さんの中に何か残る時間だったのだと実感しました。

片付けのお手伝いには放送部、図書部、そして有志の生徒たちが集まってくれました。

 

 放課後、体育館の様子を見に来た生徒たちも、そのまま片付けに参加してくれていました!

 

 最後に、残ってくれたみんなと記念撮影をしました!お手伝いありがとうございます!

壬生高校

壬生高校では、前回のヘレン・ケラーに続いて、3年ぶりの再会となりました。

開演前、校長先生があいさつで、「楽しく、思い出に残るものになってほしい」という言葉を生徒に送くっていました。

本番中には、それを体現するかのように、自由に、でもしっかりとしたまなざしを客席から感じました。

終演後、希望者によるバックステージツアーも行われました。ジャンヌ役の白根と共に、さっきまで舞台上に見ていたものを実際に触ったりしながら、自分が観ていたものを確かめるように、楽しんでいました。

 

 

 

白根に質問する生徒たち!

 

自由ヶ丘高校

自由ヶ丘高校では1年生の時演劇発表を行います。それを間近に控え、ここから何か吸収しようという雰囲気が、開場中の空気から感じられてきました。

開演前、担当の先生から「こう見なければではなく、自由に見て欲しい」と、生徒への熱いメッセージをいただき、この公演にかける先生方の思いを感じました。

終演後には1年生と希望者による、バックステージツアーと座談会も行われました。バックステージツアーでは、舞台や小道具を見ながら「これは使えるかも」と何かヒントを探しながら思い思いに見て回っていました。

この一日が演劇発表の何か糧になってくれたらうれしいです。

 

 人形をかぶってみたり、衣装を着てみたりと、楽しんでいました。

 白根を囲む、演劇発表で役者をやる生徒たち。

 

 

新しい出会いと、若い子たちに本物の芸術に触れてほしいという多くの想いを感じる1週間でした。

だんだんと暑くなってきましたが、春の巡回公演はまだまだ続いていきます。

1回1回の出会いを見逃さず、私たちが今なぜ演劇をやるのか、を問いながら、これから出会う人たちと向き合っていきます。

文:石岡和総(シャルル7世役)

 

2018年春・西日本ツアー「ヘレン・ケラー 〜ひびき合うものたち」第4週目

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5月から始まった、『ヘレン・ケラー ~ひびき合うものたち』の春の巡回公演も6月に突入し、日々の季節の流れと出会いを感じなら、第4週目を迎えました。

 

5月28日(月) 畝傍高校 (奈良県) 同校講堂【文化創造館】

5月29日(火) 嵯峨野高校 (京都府) 長岡京記念会館

5月30日(水) 大洲高校・大洲高校肱川分校 (愛媛県) 大洲市民会館

5月31日(木) 桜井高校 (奈良県) 桜井市民会館

6月1日(金) 多可町文化会館 (兵庫県) 同会館

 

畝傍高校

今週の始まりの場所は、風情ある町並みを残す兵庫県の橿原市にある畝傍高校の皆さんとの公演です。

風の公演は、畝傍高校で人権芸術鑑賞行事として2014年に行った『ジャンヌ・ダルク』の公演から4年ぶり、2回目の公演となり、先生方のなかには前回の『ジャンヌ・ダルク』の公演をとてもよく覚えてくれている先生もいました。

生徒の皆さん、先生方、そして、保護者の方々を含めると1200人以上となる為、2ステージとなり、午前は、1年生の生徒の皆さんと保護者の方々との公演、午後は2年生と3年生の生徒の皆さんとの公演となりました。

午前は、集中した客席から、舞台と客席がお互いに呼吸を感じるような時間を感じ、午後は、客席からぶつけられる溢れるようなエネルギーを感じながら畝傍高校の皆さんと公演を創ることが出来ました。

 

 

また、終演後には、演劇部の生徒さんとのバックステージツアーも行いました。

そして、最後の最後まで後片付けのお手伝いもしてくれました!本当にありがとうございました!

 

 

 

再来週には、演劇部さんの発表が川西文化会館であるのだと話してくれ、お手伝いをしてくれた後は、私たちが公演を行った文化創造館で、真剣な真っ直ぐな表情で練習の準備に向かっていました。遠くからではありますが、応援しています!

 

嵯峨野高校

今週2日目は、京都府の嵯峨野高校の1.2年の生徒の皆さんとの公演です。

2000年に公演した『ヘレン・ケラー』から18年ぶりと久しぶりの公演となりました。

 


本番が始まると、客席からは、今から何が始まろうとしているのか、そして、何が起きているのだろうかと、『ヘレン・ケラー』の物語をしっかり見つめ、ひとりひとりが全身を通して舞台に向き合い探りだそうしているような視線に支えられたように感じました。

嵯峨野高校では、1.2年生の生徒の皆さんが秋に行われる文化祭「ことのは祭」で演劇の発表をされるということで、終演後には、各クラスからの代表の生徒さんと希望者の生徒さん方、30名を越える生徒さん方との座談会が行われました。

 

 

 

座談会が始まると、「役ずくりのコツを教えてください」、「転換を巧くやるにはどうしたらいいですか」、「舞台背景を変えずにその場を表現するにはどうしたらよいのか」など、本当にたくさんの様々な質問が飛び交いました。

また、最後には「演劇をやりたい人ばかりじゃないなかで演劇を創るにはどうしたらよいか」など、とても鋭い質問も飛び出し、緊張や不安を抱えながらも、それでもクラスの仲間と共に創ろうと、やりきろうとする熱意を感じる座談会となりました。

そして、そんな真剣な表情で座談会に向き合う生徒さんの姿をしっかりと暖かく見守る先生方の姿もとても印象的でした。

慣れないことや壁にぶつかることもあるかもしれませんが、自分の力を信じて、そして、支えてくれるクラスの友達や先生たちと一緒に自分たちの創りたいものや描きたいものをやり抜いて下さいね!皆さんにとって素敵な時間になることを願っています。

 

大洲高校・大洲高校肱川分校

今週3日目は、京都府から四国へ大移動をして、愛媛県の大洲高校、大洲高校肱川分校の皆さんとの公演です。

大洲高校では、2011年に『ヘレン・ケラー』、2014年に『ジャンヌ・ダルク』の公演と、4年ぶりの3回目の公演となりました。

大きな拍手と共に始まった公演。客席からは、とても熱量が感じられ、彼らの感性の揺らめきが舞台まで伝わってくるような公演でした。

終演後には、バックステージツアーと座談会も行われました。

たくさんの生徒さんが全身で舞台を感じたり、劇団員に積極的に言葉を交わしている姿がとても印象的でした。

 

 

また、以前公演を行ったクラーク記念国際高校福岡中央キャンパスでお世話になった大内先生が大洲高校に赴任されており、嬉しい再会をする事が出来ました。

そして、なんと!座談会が終わった後もたくさんの生徒さん、先生方が後片付けのお手伝いに駆けつけてくれました!!

舞台の解体されていく姿にも興味津々な生徒の皆さん。

慣れない作業にも関わらず、素敵な笑顔でお手伝いを頑張ってくれました。

 

 

今週のトップの写真は、大洲高校カヌー部の皆さんです!

なんと、大洲市民会館の裏に部室があり、部活中の皆さんと出会う事が出来ました!!

 

桜井高等学校

今週4日目は、四国を飛び出し、また再び奈良県の桜井高校の皆さんとの公演です。

桜井高校では、2002年の『星の王子さま』の公演よりこちらも久しぶり、4回目の公演です。

とても元気な声で入場する生徒さんの声に、これから彼らとどんな出逢いが待っているのだろうかという想いで始まった公演。客席からからは、舞台上で起こるその一瞬一瞬の出来事をしっかりと体で感じ、時に笑ったり、静かに舞台を見つめたりと彼らの感じたもの思考したものが波のように伝わってくるようでした。


 

終演後には、バックステージツアーも行われ、先生も生徒の皆さんも一緒になって舞台を感じていました。

また、校長先生自らも生徒の皆さんといっしょに舞台に上がり、その様子を見つめていました。

演劇がとても好きで、生の舞台を子どもたちに見せていくことがとても大切だと語って下さった校長先生。

最後は校長先生、そして、バックステージツアーに来てくれた生徒の皆さんと集合写真をとりました。

 

 

また、バックステージツアーが終わった後も、将来歌や演劇を自分の生きる道にしたいという生徒さんがその場に残り、思いをとても熱く語ってくれました。

皆で創ることが出来たこの時間が彼らにとって、少しでも支えになればと願っています。

 

多可町文化会館



今週最後は、兵庫県多可町文化会館の主催であり、多可高校そして、多可町の方々との公演となりました。

なんと!会館の入り口には、『ヘレン・ケラー ~ひびき合うものたち』のすてきな大垂れ幕が準備されていました!

本当にありがとうございます!!

公演が始まると、客席も舞台から近いのもあり、ひとりひとりの表情もよく見え、彼らの驚いたり、笑ったりと様々な反応がダイレクトに舞台に伝わってきました。

公演が終わり、皆さんを見送るためにロビーへ向かうと、多可町の皆さんが公演の感想や想いをたくさん伝えてくれながら劇場を離れて行きました。

また、今回この公演を実現し共に創って下さった館長さん、多可町文化会館の皆さん、評議員の方々も、今回の公演を楽しみにして下さり、実現出来て本当に良かったと話してくれました。

多可町の皆さん、多可高校の皆さまと共に公演を創ることが出来たことを心より感謝申し上げます。

終演後には演劇部の生徒さん方によるバックステージツアーも行われました。

 

 

普段はなかなか触れることが出来ない音響や照明に積極的に触れる生徒の皆さん。

バックステージツアーが終わったあともアニー役の渋谷と数人の演劇部の生徒さんが時間の続く最後の最後まで熱く語りあっているようでした。



今週は、再会や出会い、人と人との繋がりを強く感じた旅公演の時間となりました。

日々私たちが思いもしないような経験や出会いを重ねる若い観客たちの熱意や想い、その彼らを想う先生方や皆さんに支えられた公演となりました。

公演を共に紡ぎ繋げて下さった皆さん、本当にありがとうございました。

私たちの出会いの旅はまだまだ続きます!!


ヘレン・ケラー役 倉八ほなみ

2018年春 『ジャンヌ・ダルク~ジャンヌと炎』 東日本・西日本巡回公演 第4週目

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東日本、西日本地域を巡る『ジャンヌ・ダルク ―ジャンヌと炎』の春の巡回公演は4週目に入りました。

先週、兵庫県・自由が丘高校で公演を終えたメンバーは、愛知県に移動。

第4週目は、

6月4日 (愛知県) 黄柳野高校 体育館

6月6日・7日 (長野県) 上田地区の合同演劇鑑賞会

          上田市交流文化センター サントミューゼ

             6日、上田染谷丘高校・上田高校/7日、上田千曲高校・上田東高校

6月8日 (神奈川県) 藤沢翔陵高校 鎌倉芸術館

での公演を行いました。

 

黄柳野高校

全校生徒さんが約100名、全寮制の黄柳野高校。風は2016年に『ヘレン・ケラー』、その前年の2015年には『ジャンヌ・ダルク』を上演しています。今年も旅班はみなさんとの再会を楽しみにしていました。

今回は生徒のみなさんに舞台設営の工夫も見ながら、間近で舞台にふれてほしいという想いもあり、体育館中央に舞台を設置。生徒さんたちは開演前に舞台裏を覗きながら観客席へ向かいます。舞台と客席がとても近い距離で、公演が行われました。私と何人かのメンバーは黄柳野高校でジャンヌダルクを演じる2度目の機会になりました。客席にいるみなさんが、それぞれの感覚で、居方で、一人一人の存在を持って舞台に向き合ってくれていることを再び強く感じられた公演でした。そして、ずっと公演を見続けてくださっている校長先生や先生たちが、生徒さんたちの中に入り一緒に座って共に視線を注いでくれる姿に、生の舞台にふれる機会を大事に取り組まれている先生方の想いも暖かく感じることができました。当日は近隣の黄柳川小学校の6年生、地域の方も招待され、黄柳野高校の生徒さん、先生方と一緒に観劇しました。

開演を待つ、生徒さんたち。

公演後にはバックステージツアー、食堂での俳優との昼食交流が行われ、撤去を行っている体育館ではたくさんの生徒さんたちが撤去を手伝ってくれました。生徒のみなさん、先生方、本当にありがとうございました!

公演後に行われたバックステージツアーの様子

女中の衣装をフル体験&「影」の体験?!

黄柳川小学校の6年生と先生たちも一緒に舞台見学&記念撮影。

語り手役の田中とジャンヌ役の白根が学校の食堂で生徒さんたちと一緒にすごくおいしい学食をいただきました。

案内してくれながら、校舎のこと、友達や仲間のこと、鶏小屋のこと―学校のことをたくさん教えてくれた生徒さんたち、楽しい時間をありがとう!

 

上田地区 合同演劇鑑賞会

愛知県から移動し、旅班は一路長野県へ。6月6日・7日は上田市交流文化センター サントミューゼで上田地区の高校4校の合同演劇鑑賞会が行われました。


上田染谷丘高校 

6日の午前中は上田染谷丘高校の公演でした。冒頭のプロローグで俳優たちが客席から登場すると、びっくりした様子で役者たちを見ながら元気に迎えてくれた生徒さんたち。舞台の後半にかけて、ぐっと舞台を支える視線をおくってくれました。

公演後には生徒会長さんが「舞台の後半では真に迫っていくような感じで、引き込まれました」と感想を伝えてくれました。またご担当の先生と実行委員会の生徒さんたちが、公演後の控室を訪ねてきてくれ、「迫力がありました」「音楽とぴったり息があっていてすごかった」と感想を話してくれました。この日の公演を支えてくれた実行委員会の二人に記念の色紙をプレゼントしました。

 

 

上田高校

6日の午後は上田高校の公演。午前中の染谷丘高校も、午後の上田高校も900人を越える生徒数で、サントミューゼの客席は生徒さんたちの熱気に埋め尽くされていました。カーテンコールで感想を発表してくれた生徒会長さんは、「みなさんの手元にもあるパンフレットに″すべての人々は、たとえ小さくても、心に炎を灯している”という、この本を書いたマテイ・ヴィスニユックさんの言葉が書いてあります。僕はいま舞台を見て、この言葉に一言付け加えたいと思いました。”火は燃え移る、他人の心に―”」という舞台後の素敵な感想を伝えてくれました。舞台に立っていた俳優たち、そして照明・音響のスタッフも、生徒会長さんが全校の生徒さんたちの様子を感じながら、感想を伝えてくれた表情、力強い声にとても励まされました。

 

終演後には舞台でバックステージツアーが行われました。私たちが思っていたよりもたくさんの生徒さんたちが公演を見た舞台にのぼり、舞台で登場した人形や、道具、衣装にふれていました。役者たちに興奮した様子で公演の感想を伝えてくれる生徒さんもいました。バックステージツアーの後には俳優たちとの座談会が行われ、「どんなことを大切に舞台づくりを行ってきたか」「ジャンヌ・ダルクの舞台ができた背景」など、感想や意見が交わされました。

公演後の座談会。

 

上田千曲高校

翌日、7日の午前中は上田千曲高校の公演が行われました。2日目に入り、上田地区に住む高校生のみなさんとこの合同芸術鑑賞会で出会えること、各校の雰囲気と、それぞれの感じ方の前に立ちながら、生徒さんたちも実行委員会となってともに演劇にふれる機会をつくっている公演の場に立ち会えることをとてもうれしく感じていました。千曲高校の公演では、直接生徒さんたちから感想を聞く時間はあまりありませんでしたが、2時間舞台と向き合い、自分たちの想像力を使って舞台を支え、瞬間に考えたり、感じたりしてくれる様子がありました。公演の実行委員会として動いてくれ、公演の司会進行も担当してくれた生徒さんが、先生と一緒に控室を訪ねてくれました。「一人の人がいろいろな役で登場することがすごいと思いました」。公演後に記念の色紙を手渡すと、笑顔で「ありがとうございます!」と言ってくれたことが心に残っています。先生たちと生徒さんが一緒につくった公演が、ある瞬間でもみなさんの心に残り、生徒のみなさんの、そして学校の力に繋げてもらえたら何よりうれしいです。

 

上田東高校

そして7日の午後には上田東高校での公演が行われました。公演後には演劇班のみなさんとの座談会が行われましたが、みなさんが舞台の撤去の様子をキラキラした瞳で眺めながら、向かい入れてくれたことがとてもうれしかったです。みなさんが演劇に真剣に向き合っている姿と「演劇が好き!」という気持ちにふれ、私もたくさん元気をもらいました。公演後の座談会では「火あぶりのシーンの効果」や「ジャンヌ・ダルクの舞台がつくられた背景のこと」など、今「演劇」に向かい生き生きと活動されている生徒さんたちの声を聴きながら、お話をすることができました。「演劇が楽しい!」という気持ちを大切に、自分たちだからできる演劇をつくるための何かに、お話したことや私たちの舞台が活かされるものがあれば、とてもうれしく思います。

座談会後には、シャルル7世役の石岡と、演劇班の生徒さんたちが握手!

 

藤沢翔陵高校

旅班は長野県から神奈川県へ移動し、翌8日は藤沢翔陵高校で公演を行いました。藤沢翔陵高校は男子高で約820名。当日は2階席にたくさんの保護者のみなさんも観劇に訪れていました。生徒さんたちは、俳優たちの身体や姿を見て刻々に考えながら、舞台にじっと視線を注いでいました。ご担当の先生と公演後にお話ししたとき、「うちの生徒たち良かったです!」という言葉と感触を感じることができました。芸術鑑賞会で様々な先生の思いにふれる時、とても大事なことだと私は感じました。舞台の2時間という時間を支えてくれた生徒さんたちの力、そして毎日学校で共に過ごし、芸術鑑賞という機会―「生のものにふれる」という時間に彼らの生きる力や生きるという充足感を蓄えてほしいと願う人の姿があるように感じました。

公演後には放送部のみなさんと少しの時間でしたが音響の酒見が音の仕組みや職業について話をしました。

放送部のみなさんと、音響の仕組みや音響の仕事について話す酒見。

ひとつひとつの公演には、今を生きる子どもたちへ―という様々な思いが積み重なっています。その思いを大切に、ひとりひとりの力を出し切って、ひとつの公演に向き合い続けたいと思います。そして私たちの「演劇」にかける信念が、ひとつの学校のひとりの生徒に届くことを願いながら、私たちの巡回公演はまだまだ続きます。

 

ジャンヌ・ダルク役:白根有子

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